MV制作にかかる費用はいくら?相場と料金を抑えるポイントを解説

MV(ミュージックビデオ)制作にかかる費用は、規模や内容によって大きく異なります。動画制作会社に依頼した場合の相場は30万~100万円です。

しかし、高品質な映像や特殊な演出を求める場合は、さらに高額になります。

この記事では、MV制作にかかる費用と内訳を解説します。コストを抑えるポイントも解説するので、MV制作を検討している方は、参考にしてみてください。

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MV・PVとは?基本と種類

MV(ミュージックビデオ)は楽曲世界の表現を重視した映像、PV(プロモーションビデオ)は販促目的で制作される映像という違いがあります。また近年は 実写・アニメーション・3DCG など多様な手法が併用され、作品ごとに最適な構成を選択することが重要です。視聴者に届けたいメッセージや世界観を明確にし、手法を取捨選択することで制作コストとクオリティのバランスを取りやすくなります。​​

MV・PV制作の流れ(発注から納品まで)

1.問い合わせ・ヒアリング
仕上がりイメージ・納期・予算・使用楽曲などを制作会社に共有し、方向性をすり合わせます。

2.構成案・絵コンテ確認
制作会社から提示される構成案を確認し、演出やカット割りを確定します。

3.撮影準備
ロケ地選定・衣装・小道具・機材手配などを行い、撮影日に向けてリハーサルを実施します。

4.撮影本番\
数時間〜数日間で実写やCG素材を収録し、必要に応じてスタジオ録音やモーションキャプチャーも行います。

5.編集・仮稿チェック
仮編集段階で1〜2回の修正を行い、最終版に向けブラッシュアップします。

6.納品
データ(.mp4 等)やDVD で納品。オプションで全素材データを受け取ることも可能です。​​

MV制作にかかる相場は約50万~200万円

MV制作にかかる費用の相場は、約50万~200万円です。また、依頼先ごとの相場やMVのジャンル別にかかる相場は、下記のとおりです。

項目相場
動画制作会社にMV制作を依頼した場合30万~100万円
個人にMV制作を依頼した場合5万~30万円
MVの種類別にかかる制作費用の相場実写:10万~400万円
CG・アニメーション:2万~400万円
イラスト:1万~7万円

それぞれ詳しく解説していくので、参考にしてみてください。

動画制作会社にMV制作を依頼した場合

動画制作会社にMV制作を依頼した場合は、30万~100万円程度の費用がかかります。制作会社は企画から撮影、編集までを一括で請け負うため、クオリティが安定しています。

また、プロフェッショナルなスタッフが揃っているため、細部にまでこだわった高品質なMVが期待できるのも魅力です。制作料金には、下記の項目が含まれます。

  • 企画費
  • 撮影費
  • 編集費
  • 機材費

制作内容や要求するクオリティによってはさらに高額になります。安心して依頼できる反面、コストが高めになる点は注意が必要です。

個人にMV制作を依頼した場合

個人のクリエイターにMV制作を依頼する場合は、5万~30万円と比較的安価になるケースが多いです。尺の長さによって変動しますが、30秒は1万~5万円、3分は10万~30万円ほどが相場です。

なお、低コストで柔軟に対応してくれる反面、制作会社と比べるとリソースが限られているため、クオリティにばらつきが出る可能性も。個人に依頼する際は、過去の作品や口コミを確認し、信頼できるクリエイターを選ぶことが重要です。

MVの種類別にかかる制作費用の相場

MVの種類別の制作費用は、下記のとおりです。

種類相場
実写10万~400万円
CG・アニメーション2万~400万円
イラスト1万~7万円

アニメーションやCGを多用するMVは、制作に高度な技術が必要なため、100万円以上の費用がかかる可能性があります。MVの種類や演出内容に応じて、適切な予算を設定し、期待するクオリティに見合った制作を行うことが大切です。

MVの尺と制作費用の関係

映像の長さが延びるほど撮影日数・編集工数・スタッフ数が増え、費用は指数的に膨らみます。⼀般に30秒短縮するだけでも撮影機材レンタル料や編集時間が圧縮でき、総額を2〜3割削減できるケースも少なくありません。

まずは“楽曲の魅力が伝わる最短尺”を設定し、不要シーンをそぎ落とすことでコストと訴求力を両立しましょう。」​

MV制作にかかる費用の内訳

MV制作にかかる費用の内訳を、詳しく解説していきます。

項目費用
企画費用3万~30万円
ディレクション費用5万~25万円
撮影費用15万~40万円
機材費用5万~20万円
編集費用5万~70万円
スタッフ費用10万~30万円
交通費3万~10万円
ロケーション費用5万~20万円
特殊効果・CG費用5万~30万円
そのほかオプション費用3万~15万円

項目ごとに必要な費用を明確にし、予算に合うMVを制作しましょう。

企画費用

カット割りやカメラワークなど、MVの目的を確認するために行う打ち合わせのことを指します。企画は、MVの方向性やイメージを明確にするために必要な工程です。

一般的な企画費用は、個人に依頼する場合は3万~15万円、企業に依頼する場合は5万~30万円程度です。企画を緻密に練ることで、撮影や編集の段階がスムーズに進み、全体のクオリティが向上します。

ディレクション費用

ディレクション費用は、撮影現場での監督や指揮を担当するディレクターの費用です。ディレクターは、アーティストの意向を反映しつつ、映像のクオリティを高めるための重要な役割を担います。

一般的に5万円から25万円程度ですが、著名なディレクターや高度な演出を求める場合は、さらに高額になることも。ディレクターの選定は、MVの完成度に大きく影響するため、慎重に行わなければいけません。

撮影費用

撮影日数やロケーションの数によって費用は変動しますが、一般的には15万円から40万円程度です。

タレントやモデルを起用する際は、1日あたり10万円から追加費用が発生します。ロケ地で撮影する場合は、宿泊費やロケ地レンタル費用もかかります。

撮影費用はMV制作の中でも重要な部分を占めるため、ここにかける投資は重要です。費用を節約したい場合は、個人に依頼をすることで、数十万円ほど安くなる可能性があります。

機材費用

機材費用は、下記が含まれます。

  • 撮影に使用するカメラ
  • レンズ
  • 照明
  • 音響機材

一般的に、レンタル費用は5万~20万円程度です。特殊な撮影機材や高額な機材を使用する場合は、さらに費用がかかります。機材選定は撮影の成功に直結するため、慎重に行いましょう。

編集費用

編集費用はMV制作において重要な要素で、5万円~70万円程度が一般的です。

編集の複雑さや作業にかかる時間によって大きく変動します。多数のカットを用いた複雑な編集や高度なカラーグレーディングを行う場合は、費用も高くなります。

スタッフ費用

スタッフ費用は必要なスタッフの数や経験レベル、撮影日数によって大きく変動します。相場は10万~30万円程度で、カメラマンや照明スタッフ、スタイリストなどの人件費が含まれます。

複雑な撮影や大規模なセットを使用する際は、より多くのスタッフが必要となるため、金額も高くなるでしょう。スタッフ費用を抑えるには、必要最小限のスタッフで効率的に作業を行うことが重要です。

ただし、スタッフの質はMVの仕上がりに直接影響します。予算と期待するクオリティのバランスを適切に検討することが大切です。

交通費

交通費はの相場は3万~10万円程度で、スタッフの移動費や機材の運搬費などが含まれます。

また、撮影場所の数や距離、スタッフの人数によって大きく変動するのが特徴です。遠隔地でのロケーション撮影や複数の撮影場所を使用する際は、大幅に交通費が増加します。交通費を抑えるには、撮影場所を集約したり、地元のスタッフを起用したりするのがおすすめです。

ロケーション費用

ロケーション費用は、5万~20万円が相場で、下記の項目が含まれます。

  • 撮影場所の使用量
  • 設備使用料
  • 警備費用

場所の種類や使用時間、必要な設備によって金額は変動します。人気の観光地や遊園地などの施設では、費用は高くなる傾向です。公共の場所や自然の中での撮影は比較的安価ですが、許可取得や安全管理に注意しなければいけません。

特殊効果・CG費用

特殊効果やCG(コンピューターグラフィックス)の費用は、MVの内容によって大きく変動します。5万円~30万円以上が一般的ですが、高度な3DCGや複雑な合成を多用する場合は、100万円を超えることもあります。

シンプルな文字テロップや、基本的なエフェクトの追加程度であれば比較的安価に依頼可能です。しかし、フルCGのキャラクターや非現実的な背景の作成などは高額になります。

特殊効果やCGはMVの視覚的魅力を大きく左右します。そのため、楽曲やアーティストのイメージに合わせて、適切に使用しましょう。

CG制作費用の相場は「1 分100〜140 万円」が目安

一般的なCG・3DCG動画では、1 分あたり100〜140 万円(1 カット=10 秒で15〜25 万円)が業界相場とされています。制作に必要なクリエイター日数(1 人工=1 人×1 日)を積み上げる方式のため、尺が長いほど費用も比例して増える点が特徴です。​

CG制作費用の算出方法と見積もりのポイント

見積もりは「人工×日数+機材費」で構成されます。工程は①モデリング②テクスチャリング③アニメーション④レンダリング⑤レタッチの5 段階で、最も工数がかかるモデリングとアニメーションが全体費の約6〜7割を占めます。各工程の必要工数を事前にすり合わせることで、追加費用の発生を防げます。​

用途別のCG制作費(商品紹介・テレビ・インフォマーシャル)

・商品紹介/PR:100〜170 万円 – 製品の質感表現やズーム演出が加わるため、静止画よりも高め。
・テレビ用CG:140〜280 万円 – 短納期・差し替え対応が多く、特急対応費が上乗せされやすい。
・インフォマーシャル:170 万円〜 – 長尺かつ演出バリエーションが多いぶんコストが高め。​​

CG制作費を抑える5 つの方法

1.完成イメージを具体化して修正回数を減らす
2.工程をまとめて一括発注してボリュームディスカウントを狙う
3.納期に余裕を持たせ特急料金を回避する
4.複数社へ相見積もりを取り価格と実績を比較する
5.一部工程をフリーランスへ委託し固定費を下げる

これらを実践すると総コストを10〜30 %削減できるケースもあります。​

そのほかオプション費用

オプション費用とは、下記のような内容を指します。

  • フライヤーやオリジナルロゴの作成依頼時の人件費
  • ナレーション費用
  • 衣装や小道具のレンタル費用

MVのコンセプトや演出内容によって大きく変動し、3万~15万円程度が一般的です。適切なオプションの選択は、MVの完成度を高め、制作過程をスムーズにする可能性があります。

自作でMVを制作するときの注意点

・機材とソフトの選定
ハイスペックなスマートフォンでも一定の品質は確保できますが、シネマカメラや有料編集ソフトを導入すると表現の幅が広がります。

・許認可とロケーション
公道での撮影には道路使用許可(2000円程度〜)が必要です。音出しが難しい屋外ロケでは口パク撮影+後編集が安全です。

・学習コストの計算
カット編集やカラーグレーディングを習得する時間もコストとして見積もり、スケジュールに余裕を持たせましょう。​​

MV・PV制作会社の選び方とチェックポイント

・料金体系と見積もり透明性:パッケージ価格の有無や追加費の条件を確認する
・制作実績と得意ジャンル:音楽系・広告系など過去事例が自社ニーズに合うか
・提案力とコミュニケーション:初回提案の具体性とレスポンス速度を比較する
・スケジュール遵守:タイトな納期でも対応可能か、社内外のリソース体制を確認
・所属クリエイターの専門性:カメラ・CG・音響など専門スタッフの有無で仕上がりが変わる

これらを複数社で比較し「評価シート」を作成すると客観的に選定できます。​

制作会社を比較する簡易チェックリスト

・料金の妥当性(○/△/×)
・実績例が要望ジャンルと合致(○/△/×)
・演出提案の具体性(○/△/×)
・納期遵守の信頼度(○/△/×)
・追加費用の説明が明確(○/△/×)

MV制作を発注する際に決める3つのこと

コンセプト―作品世界観・ターゲット層・到達目標を明文化し、ブレない判断軸を作成。
予算―上限額と優先工程(撮影・CGなど)を早期に確定し、見積もり調整を容易にする。
発注先―制作会社/フリーランス/社内制作の選択肢を比較し、品質・スピード・価格の最適バランスを選びます。

三要素を事前に整理することで後工程の手戻りと追加費用を防げます。

制作会社とフリーランスのメリット・デメリット」

制作会社はワンストップ体制で品質と進行管理が安定し、著作権処理や大規模ロケにも強い反面、見積もりが高めになりやすい。フリーランスは費用を3〜5割抑えやすく、企画に柔軟だが人的リスクと制作リソースの上限が課題になります。
案件規模や納期・演出難度に応じて両者を使い分けることで、コスト効率とクオリティを両立できます。

MV制作を依頼する際の注意点

納品データ形式(ProRes/H.264 など)を契約時に確認し、後日の再編集や配信用途に備えることが必須です。また衣装・ヘアメイク・撮影場所の手配費は見積もり外になりがちなので、事前に別枠で積算しておくと追加請求を防げます。

アニメーションやCGを含む場合は対応可否とライセンス条件を早めに擦り合わせ、納期遅延と追加費用のリスクを低減しましょう。

MV制作費用を抑えるポイント

MV制作費用を抑える際は、下記8つのポイントをおさえておきましょう。

  • 複数社から見積もりをもらって比較する
  • MV制作をまとめて依頼する
  • 必要な素材を自社で用意する
  • 費用の内訳を細かく把握する
  • 必要な作業の一部を自社で行う
  • なるべく撮影にかかる日数を少なくする
  • 動画の尺を短めにする
  • 自社の従業員や関係者に出演してもらう

それぞれ解説していきます。

複数社から見積もりをもらって比較する

複数の制作会社から見積もりを取り、比較することで、適正な価格帯を把握できます。そのため、コスパのよい選択が可能になります。

また、各社の強みや特徴を理解すれば、自社のニーズに最適なパートナーを見つけられます。見積もりを取る際には、詳細な要件や希望を伝え、正確な費用を提示してもらいましょう。

MV制作をまとめて依頼する

MV制作の各工程を別々に依頼するのではなく、一括で依頼することで、コストを削減できます。

たとえば、企画や撮影、編集などを1つの制作会社に任せることで、パッケージ価格が適用される可能性があります。

また、一括依頼することで、コミュニケーションがスムーズになり、制作が効率化されるのもメリットです。全体のコストを抑えつつ、統一感のある高品質なMVを制作できます。

必要な素材を自社で用意する

衣装、小道具、ロケ地の提供などを自社で手配することで、レンタル費用や購入費用を削減できます。また、既存の映像素材や音源を利用すれば、撮影や編集の手間を減らし、コストの削減が可能です。

自社で用意できるものは積極的に活用し、制作費用の削減を図りましょう。

費用の内訳を細かく把握する

見積もりを受け取った際には、各費用項目の詳細を確認し、必要性や妥当性を検討しましょう。機材費やスタッフ費用、交通費など、具体的な費用項目を理解できれば削減可能な部分を見つけられます。

細かい内訳を把握し、適切なコスト管理を行うことで、予算内で高品質なMVを制作することが可能です。

必要な作業の一部を自社で行う

簡単な編集や音声収録、リサーチ作業などは、社内のリソースを活用することで、外部に依頼する費用を削減可能です。また、自社スタッフや関係者を出演者として起用することで、出演費用を抑えられます。

社内で対応可能な作業を見極めて、効果的に分担することで、全体の制作費用を削減できるでしょう。

なるべく撮影にかかる日数を少なくする

効率的な撮影スケジュールを組み、なるべく撮影にかかる日数を少なくすることで、コストを抑えられます。事前に綿密な計画を立て、必要なシーンやショットをリストアップし、効率的に撮影を進めましょう。

また、同じロケーションで複数のシーンを撮影するなど、工夫次第で撮影日数の短縮が可能です。

動画の尺を短めにする

編集費用や撮影費用を抑えるために、動画の尺を短めにするのもポイントです。短い尺のMVは、制作工程が少なくなるため、コスト削減に繋がります。

また、視聴者の集中力を保つためにも、短くてインパクトのある動画は効果的です。必要なメッセージを簡潔に伝えることで、視聴者の興味を引きやすくなるでしょう。

自社の従業員や関係者に出演してもらう

出演費用を抑えるには、自社の従業員や関係者を出演者として起用するのがポイントです。内部のリソースを活用することで、外部タレントを起用する費用を削減できます。

また、従業員や関係者が出演することで、企業の一体感や親しみやすさをアピールできるでしょう。

まとめ:クオリティと費用のバランスを考慮し、満足のいくMVを制作しよう

MV制作には多くの費用がかかりますが、クオリティと費用のバランスを考慮することで、満足のいく結果を得られます。

また、外部に依頼する際は、複数の制作会社から見積もりを取ることをおすすめします。比較検討することで、最適なパートナーを見つけられます。

本記事の費用を抑えるためのポイントを参考にし、効果的なコスト管理を行い、満足のいくMV制作をしましょう。