「貸倉庫の費用相場を知りたい」とお考えではありませんか?
貸倉庫の利用には固定費がかかるので、月々の費用は抑えたいですよね。
そこで今回は、貸倉庫にかかる費用を解説します。
料金を抑えて利用するポイントも紹介していますので、ぜひ内容を参考にしてください。
貸倉庫とは?
荷物を預けるためのスペースを、貸し出してもらえるのが貸倉庫です。
不動産契約に基づくため、賃貸住宅と同じような形で利用できます。
貸倉庫は宅地建物取引業法に則って、仲介業者を介して契約するのが一般的なので仲介手数料が必要です。
賃貸条件の確認や契約手続きなどを行うため、利用開始まで期間を要します。
一方、貸倉庫は「自家用倉庫」に区分され、所有者や借主が自分の荷物を保管するための目的で利用する倉庫です。
企業の場合は主に、自社製品やカタログのような物品・書類などの保管に用いられます。
貸倉庫とトランクルームの違い
貸倉庫と似た施設にトランクルームがあります。
貸倉庫が「賃貸借契約」を結ぶのに対し、トランクルームは「寄託契約」となります。
寄託契約とは、自分の持っている物品の保管を第三者に委託する契約のことです。
トランクルームの場合、寄託契約に準じて中の荷物の管理や出し入れは業者が行います。
それぞれの主な違いは以下のとおりです。
トランクルーム | 貸倉庫 |
---|---|
・契約種別が「寄託契約」 ・盗難や紛失時に補償が受けられる ・利用できるのは営業時間のみ ・保管に適した環境が整えられている | ・契約種別が「賃貸借契約」 ・いつでも出入りできる ・荷物の管理や出し入れは自分で行う ・自由度が高い |
トランクルームは荷物を預かる委託契約が発生しないため、安価に大きなスペースが借りられるのが特徴。
貸倉庫は賃貸物件のように、借りたスペースを保管目的で自由に使用できます。
貸倉庫の費用相場と内訳
貸倉庫の費用はスペースに応じて、畳単位で表すのが一般的です。
初期費用・月額費用・その他の費用に分けられます。
初期費用 | ・保証金 ・前払金 ・事務手数料 ・鍵交換代等 |
月額費用 | ・賃料 ・手数料等 |
その他の費用 | ・更新料 ・延滞料金等 |
それぞれ見ていきましょう。
初期費用
貸倉庫には、導入時に初期費用がかかります。
賃貸契約時にオーナーに預ける「保証金」や、契約時の事務手数料などです。
初期費用の例は次のとおり。
【初期費用の例】
保証金 | 月額料金の1ヶ月分 |
前払金 | 月額料金の1ヶ月分 |
事務手数料 | 3,000円前後 |
鍵交換代 | 2,000円前後 |
相場は月額料金の2〜4ヶ月分です。
上記に記載されている保証金や事務手数料が、不要な場合もあります。
また、賃貸住宅と同じように「敷金」や「礼金」がかかることも。
運営会社によっては、相場の5倍近いケースもあるため、契約前に確認しましょう。
月額費用
貸倉庫には屋内型と屋外型があり、どちらかによって費用が異なります。
一般的には屋外型の方が料金を安く抑えられる傾向にあります。
相場は以下のとおりです。
屋内型 | 5,000円〜1万5,000円 |
屋外型 | 2,000円〜6,000円 |
また、料金の支払いが口座振替の場合は、毎回の引き落とし時に手数料が発生します。
その他の料金
契約期間を延長する際に、更新料がかかることがあります。
2年ごとの更新であれば、更新料は賃料の1ヶ月分が相場です。
また、契約期間が終了しているのに荷物を置いたままにしておくと、延滞料金が発生する貸倉庫もあります。
延滞料金は高額になることが多く、解約する場合は注意が必要です。
トラブルを防ぐためにも、更新時や解約時に発生する料金を確認しましょう。
地域によって費用相場が変わる
上記で説明した費用は、地域によって相場が変わります。
都心部は土地代が高く、他の地域よりも月額料金が高くなりやすいです。
それぞれ、1畳あたりの相場は次のとおり。
都心部 | 地方 | |
---|---|---|
屋内型 | 7,000円〜8,000円 | 5,500円〜7,500円 |
屋外型 | 5,000円〜6,000円 | 3,500円〜5,000円 |
都心部と地方を比べるとおよそ1,500円〜2,500円の差が生じます。
借りるスペースが大きいほど金額が大きくなるため、費用を抑えるには都心部から離れた場所で借りるとよいでしょう。
貸倉庫を借りるメリット3つ
貸倉庫を借りることで、主に下記3つのメリットが得られます。
- 利用時間の制限がない
- 保管方法やレイアウトの自由度が高い
- 大型の荷物や大量の荷物も保管しやすい
メリットをそれぞれ把握しましょう。
1.利用時間の制限がない
トランクルームは営業時間が決められており、その時間内でしか利用できません。
それに対して貸倉庫は、利用時間の制限がなく、いつでも自由に荷物の出し入れが可能。夜間の利用でも問題ありません。
また倉庫内作業も自由にでき、梱包作業やシール貼りなどの物流加工を施せます。
2.保管方法やレイアウトの自由度が高い
貸し出されたスペースは自由に使え、保管方法やレイアウトを臨機応変に決められます。
内装を変更したり、使用頻度別に荷物の配置を変えたりなど、お好みの形に合わせられるのがメリット。
仕分けエリアや作業スペースなどを工夫すれば、効率性が向上するでしょう。
3.大型の荷物や大量の荷物も保管しやすい
貸倉庫は規模の大きい施設が多く、広いスペースを借りられます。
特に屋外型の倉庫は収納性が高いため、大型もしくは大量の荷物の保管に最適です。
家具や家電のほか、釣竿などの背の高い荷物も収納しやすいです。
広めのスペースを確保できるため、今後預ける荷物が増えたときも対応しやすいでしょう。
貸倉庫を借りるデメリット3つ
貸倉庫を借りるデメリットは下記の3つです。
- 荷物に対しての補償がない
- セキュリティ対策が不十分な場合がある
- 預けた荷物は自分で管理する必要がある
デメリットも把握することで、適切に貸倉庫を利用できるので詳しく見ていきましょう。
1.荷物に対しての補償がない
荷物に対する補償が受けられない点が、デメリットに挙げられます。
スペースだけを借りるため、そこで荷物の紛失や盗難が発生しても補償が受けられません。
大雨や洪水など災害で荷物が濡れてしまう可能性もあります。
災害の影響を受けづらい場所を選んだり、防犯対策を実施したりすることで、リスクを軽減できます。
2.セキュリティ対策が不十分な場合がある
貸倉庫によっては、セキュリティ対策が不十分なケースがあります。
荷物の保管状況に気を配ったり、セキュリティを強化したりなどの対策は、運営会社に義務付けられていないからです。
そのため防犯対策として、セキュリティレベルの高い貸倉庫を選ぶことをおすすめします。
監視カメラやスタッフの出入りが多い貸倉庫であれば比較的、安心して利用できます。
貸倉庫を選ぶ際は、セキュリティ面にも気を配りましょう。
3.預けた荷物は自分で管理する必要がある
貸倉庫は自由度が高い一方で、管理が大変です。
賃貸人は荷物に関しての管理義務がないため、荷物は自社で管理しなければなりません。
荷物の量が多いと、倉庫内のどこに何があるか、わからなくなる恐れがあります。
また適切な管理を行わないと、物品の劣化が起こる可能性もあるでしょう。
貸倉庫の費用を抑えるポイント5つ
貸倉庫の費用を抑えるためには、利用状況に合わせて選ぶことが大切です。
ポイントは下記の5つ。
- 郊外から離れた場所に倉庫を借りる
- 屋外や高層階の貸倉庫を利用する
- 荷物の量に合わせた貸倉庫を選ぶ
- キャンペーンを活用する
- 短期間ならトランクルームも視野に入れる
それぞれ詳しく解説します。
1.郊外から離れた場所に倉庫を借りる
預けたい荷物が多い場合は、郊外から離れた場所で借りるとよいでしょう。
郊外であれば土地代が安く、貸倉庫の利用料金を抑えられます。
ただし、会社から遠い場所のトランクルームを借りると、余計に費用が発生するかもしれません。
移動するためのガソリン代がかかり、利便性が悪くなるためです。
月に何度も訪れる場合は、都心でも近くで借りた方が経済的です。
2.屋外や高層階の貸倉庫を利用する
貸倉庫を借りる際、屋内より屋外の方が安く済みます。屋外での保管でも問題なければ、そちらを選びましょう。
また屋内の場合は、高層階の方が月額料金が安くなる傾向にあります。
1階に近いと車両からスムーズに荷物を運び出せて、使いやすいためです。
高層階でもエレベーターがあれば、台車を使って荷物を運び出せます。
しかし階段しかない場合は手間がかかるため、注意が必要です。
頻繁に利用したり、重い荷物が多かったりするときは、使いやすさを重視して低層階にするのがおすすめです。
3.荷物の量に合わせた貸倉庫を選ぶ
貸倉庫は借りるスペースが広くなるほど、料金が高くなります。
そのため余分なスペースを借りると、費用も増えてしまいます。
収納する荷物の量に合わせて、ちょうど良い広さを選ぶとコストを抑えられるでしょう。
ただし、荷物の量が増減する場合は、余裕をもって借りることも必要です。
どのくらいのスペースがあれば足りそうか、計画的に広さを決めてください。
また、背の高い荷物がある場合は入らない恐れがあるため、高さのチェックも重要です。
関連記事:倉庫の保管スペースを有効活用する7つの方法!目指せ無駄ゼロ
4.キャンペーンを活用する
運営会社によって、キャンペーンを実施していることがあります。
契約後、数か月間の賃料が無料になったり、初期費用の割引が受けられたりと、運営会社によって内容が異なります。
キャンペーン期間中に契約すれば、お得に費用を抑えられるでしょう。
5.短期間ならトランクルームも視野に入れる
短期間の利用であれば、トランクルームの方がお得なケースもあります。
トランクルームも貸倉庫と同様に管理費や鍵交換代などの初期費用が必要ですが、敷金や礼金は不要なところも多く、導入コストを抑えられます。
賃貸契約の場合は年単位で契約するのが一般的ですが、トランクルームは短期契約が用意されていることもあります。
最短1ヵ月から利用できるトランクルームもあるため、短期間の利用に適しています。
まとめ:利用目的に合わせて最適な貸倉庫を選ぼう
貸倉庫を選ぶ際、利便性やコストのバランスを考えて選ぶのがおすすめです。
費用面だけを見て選ぶと利便性が悪くなる可能性があるため、注意してください。
また、頻繁に倉庫を利用しない場合は、離れた場所に倉庫を借りるとお得な場合もあります。
少量の荷物や特定の時期だけ預けたい場合は、トランクルームの利用も検討してみるとよいでしょう。
本記事を参考に、最適な貸倉庫を見つけてください。