近年、働き方改革やテレワークの普及により、企業は多様な勤務スタイルを取り入れるようになってきました。こうした変化の中で、若年層や中堅層に向けた制度設計は進んでいますが、高年齢層、特に70代以上の人々はどのような働き方を望んでいるのでしょうか?
そこで今回、厳選された業者を紹介するビジネス・マッチングサイト「一括.jp(https://emeao.jp/ikkatsu-column/esim/ )」は、70代以上の会社員100名を対象にアンケート調査を実施。「理想の勤務形態」「テレワークの魅力」「テレワークの不安」について具体的なデータを収集しました。
高年齢層の人材活用や就労継続に関心をお持ちの企業担当者にとって、本調査はテレワークや柔軟な働き方を支える制度設計の見直しに向けた実務的なヒントとなるはずです。既に制度を導入済みの企業にとっても、シニア層のリアルな声を捉える材料となるでしょう。
調査結果1:あなたの希望に最も近い働き方は、次のうちどれですか?

- 最も多かったのは「完全にオフィス勤務を希望する」で、全体の38.0%(38人)を占めました。対面でのやり取りや職場での一体感を重視する傾向がうかがえ、70代以上の世代に根強い出社志向が表れています。
- 次いで多かったのは「基本はオフィス勤務だが、週1~2日程度はテレワークしたい」で20.0%(20人)、続いて「会社や業務内容に応じて柔軟に決めたい(特にこだわりはない)」が19.0%(19人)と、柔軟な働き方への一定の支持も見られました。
- 一方で、「基本はテレワークだが、週1~2日は出社したい」が13.0%(13人)、「完全にテレワーク中心を希望」が10.0%(10人)と、テレワーク寄りの働き方を望む層は比較的少数にとどまりました。
調査結果2:あなたがテレワークを行う際に特に魅力を感じることはなんですか?(複数回答可:注1)

- 最も多かったのは「通勤時間や移動の負担が軽減される」で、全体の45.0%(45人)がテレワークの魅力として挙げています。年齢的な体力面の負担や通勤ストレスを避けたいという意識が強く表れた結果といえるでしょう。
- 次いで多かったのは「テレワークに特に魅力は感じない(オフィス勤務がよい)」で30.0%(30人)でした。これまでのキャリアの中で培われた働き方を重視し、対面での業務や人との交流に価値を見出している人も少なくないことがわかります。
- そのほか、「自分のペースで仕事ができる(26.0%)」や「自宅で集中して作業ができる(15.0%)」など、柔軟性や環境面での利点を挙げた回答も一定数見られました。
- 一方で、「職場の人間関係に気を遣わなくてよい(7.0%)」といった人間関係のストレス軽減を挙げた人は比較的少なく、年代によって重視するポイントに違いがあることがうかがえます。
調査結果3:あなたがテレワークを行う際に特に不安やデメリットに感じることはなんですか?(複数回答可:注2)

- 最も多かったのは「上司や同僚とのコミュニケーションが取りにくくなる」で、全体の36.0%(36人)がテレワークのデメリットとして挙げています。職場での対話や情報共有を重視する傾向が強く、対面でのやり取りに慣れている世代ならではの不安が表れているといえます。
- 次に多かったのは「労働時間とプライベート時間の区切りが難しい」で31.0%(31人)。在宅勤務ではオン・オフの切り替えが曖昧になりやすく、生活リズムの管理に課題を感じる人が一定数いることがわかります。
- 続いて「IT機器・ツール操作や接続トラブルが不安(23.0%)」や「自宅では集中できず業務効率が下がる(17.0%)」といった、環境やスキル面に関する不安も挙げられています。
- 一方で、「特に不安やデメリットはない」と答えた人も15.0%(15人)おり、一定数はテレワークに十分対応できている様子もうかがえます。
まとめ:70代以上の働き方意識に見る「オフィス回帰」と「柔軟性」の共存
1.出社への安心感と、慣れ親しんだスタイルへの信頼
- 70代以上の回答者では、「完全にオフィス勤務を希望する」が最多となり、長年のキャリアを通じて培われた出社型の働き方への信頼感が根強く見られました。対面によるコミュニケーションや、職場に身を置くことで得られる安心感は、この世代にとって大きな意味を持っています。
2.通勤負担の軽減と、自身に合った働き方への模索
- 一方で、通勤による身体的負担の軽減や、柔軟な勤務スタイルを求める声も一定数存在しています。完全在宅を望む人は少数派ではあるものの、「週に数日のテレワークを取り入れたい」など、個々の生活状況や健康状態に応じた選択肢を求める傾向が見受けられました。働き方の多様化は、70代以上においても着実に浸透しつつあるといえます。
3.テレワーク導入には、配慮ある環境整備と支援が不可欠
- テレワークに対する主な懸念としては、「コミュニケーションの希薄化」「業務と私生活の切り替えの難しさ」「IT環境への不安」などが挙げられました。
- 今後、企業が高年齢層の人材を活用し続けるためには、こうした世代特有の不安やニーズに寄り添った環境設計と運用支援が不可欠です。年齢にとらわれず、それぞれの強みを活かせる柔軟な働き方の実現に向けた取り組みが、組織全体の生産性と持続可能性の向上につながるでしょう。
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