近年、テレワークの普及や働き方改革の進展により、企業は多様な勤務スタイルを取り入れるようになってきました。こうした変化の中で、若年層や中堅層のニーズに合わせた制度設計は進んでいますが、果たして各世代はどのような働き方を理想としているのでしょうか。
そこで今回、厳選された業者を紹介する法人・会社携帯マッチングサイト「一括.jp(https://emeao.jp/ikkatsu-column/mobile-contract-how-to-prepare/ )」は、20代~70代以上の会社員600名を対象にアンケート調査を実施。「理想の勤務形態」「テレワークの魅力」「テレワークの不安」について世代ごとの価値観やニーズの違いなどのデータを収集しました。
世代ごとの働き方の志向や課題を理解することは、柔軟な勤務制度やテレワーク環境を設計・改善するうえで欠かせません。各世代の“理想”と“現実”を可視化し、制度導入を検討中の企業には施策立案の参考に、すでに制度を運用している企業には、より幅広い世代の声を反映させるための実務的なヒントとしていただければ幸いです。
※尚、本アンケート調査の内容は前編・後編に分けて公開しています。
▶ 後編はこちら
調査結果1:あなたの希望に最も近い働き方は、次のうちどれですか?

20~30代ではテレワーク志向が比較的高く、60代以上では完全オフィス勤務を望む割合が際立つなど、世代間で働き方への考え方の違いが明確に表れました。
1.完全にテレワーク中心の働き方を希望する
- 30代が25%と最も高く、次いで20代の17%が続きました。一方、50代以上では1桁台〜10%程度にとどまり、世代間での志向の差が顕著です。柔軟な働き方や通勤時間削減を重視する若年層の特徴が反映されており、ワークライフバランスの最適化を目指す意識が強いと考えられます。
2.基本はテレワークだが、週1〜2日程度はオフィス勤務したい
- 20代(23%)と30代(22%)でやや高く、40代〜50代もほぼ同水準(19%)です。完全テレワークよりも、チームとの対面コミュニケーションを一定程度確保したい意識が働いています。オフィス勤務日を交流や会議など目的に応じて活用したい層といえます。
3.基本はオフィス勤務だが、週1〜2日程度はテレワークしたい
- 50代(20%)、70代以上(20%)、40代(18%)、60代(18%)と中高年層で比較的高めの割合を示しました。オフィスを拠点としつつも、柔軟な働き方を取り入れたいニーズが伺えます。家庭の事情や体力面の配慮など、多様な背景が関係している可能性があります。
4.完全にオフィス勤務を希望する
- 60代が44%と突出して高く、次いで70代以上が38%、40代が32%でした。高年齢層ほど対面での業務やオフィスでの働き方を重視する傾向が顕著です。長年培ってきた職場での連携スタイルや、直接のやり取りから得られる安心感が背景にあると考えられます。
5.会社や業務内容に応じて柔軟に決めたい(特にこだわりはない)
- 50代が28%で最も高く、次いで20代(24%)、30代(23%)が続きます。特定の働き方に強いこだわりを持たず、状況に応じて柔軟に対応する姿勢が見られます。業務特性やライフスタイルの変化に合わせた選択が可能であることを重視する層といえます。
全体として、若年層を中心にテレワークやハイブリッド型勤務を支持する傾向が強い一方、60代以上ではオフィス勤務を重視する姿勢が依然として主流であることが確認できました。また、どの世代にも柔軟な勤務形態を選びたいという声が一定数あり、世代ごとの価値観やライフスタイルが勤務形態の希望にも色濃く反映された結果となりました。
調査結果2:あなたがテレワークを行う際に特に魅力を感じることはなんですか?(複数回答可:注1)

テレワークの魅力についての回答からは、世代や働き方の志向によって重視するポイントが異なることがうかがえました。効率や利便性を求める声もあれば、勤務環境やコミュニケーション面に価値を見いだす声もあり、多様な視点が存在しています。
1.通勤時間や移動の負担が軽減される
- この項目は全世代で高い支持を集め、特に50代では62%と突出しています。40代では54%、60代では52%、30代は46%、70代以上は45%、20代は36%と、働き盛り世代ほど割合が高い傾向が見られます。通勤削減は心身の負担軽減や時間の有効活用につながり、日常生活の満足度を押し上げる要因にもなっています。
2.自宅で集中して作業ができる
- 若い世代や高齢層でやや高めの支持が見られ、20代は22%、30代は17%、40代は19%、70代以上は15%でした。一方で50代は12%、60代は10%と低めです。慣れた自宅環境で雑音や中断を減らし、集中力を維持できる点を評価する声が目立ちます。
3.自分のペースで仕事ができる(時間の柔軟性)
- 50代で30%、70代以上で26%と中高年層の支持が高く、30代は22%、20代は20%が魅力を感じています。自ら業務配分や休憩を調整できることは、体調や家庭事情に合わせた働き方を実現し、長期的なパフォーマンス維持にもつながります。
4.家庭やプライベートとの両立がしやすくなる
- 30代で22%、20代で15%と比較的高めの結果となり、育児や家事との両立を重視する世代で支持されています。40代は12%、50代は8%、60代は5%、70代以上は10%と割合は低く、ライフステージによるニーズの差が表れています。
5.職場の人間関係に気を遣わなくてよい
- 30代で17%、40代で16%、60代で12%と、幅広い世代で一定の支持が見られます。20代は9%、50代と70代以上は7%にとどまりますが、いずれの世代でも人間関係によるストレス軽減は魅力の一つとして挙げられています。
6.場所にとらわれず自由な環境で働ける
- 全体的に支持は低めながら、70代以上で10%、20代で8%、60代で7%となっています。場所の自由度を活かし、旅行先やカフェ、自宅以外での作業を取り入れることで、働き方の幅を広げられる可能性があります。
7.テレワークに特に魅力は感じない(オフィス勤務がよい)
- 60代では34%、70代以上では30%と高く、40代も25%に達しています。特に高年層では、職場の設備や対面コミュニケーションの安心感を重視する傾向が強く、チームワーク重視の職種や専用設備を要する業務では出社の利点が際立ちます。
働き盛り世代を中心に通勤負担の軽減や自宅での集中作業といった実務効率に関するメリットが重視されている一方、高年層ではオフィス勤務を好む傾向も依然として根強いことが分かりました。
また、世代を問わず家庭やプライベートとの両立を魅力と捉える声も一定数あり、テレワークの価値は単なる勤務場所の選択肢にとどまらず、ライフスタイル全体との調和にも深く関係している結果となりました。
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