近年、リモートワークやオンラインツールの普及により、働き方は「対面かオンラインか」をシーンごとに使い分ける段階へと進化しています。なかでもデジタル環境に生まれ育った10代が、対面コミュニケーションにどのような価値を見出しているのかは、今後の組織運営や人材マネジメントを考えるうえで無視できない視点です。
そこで今回、厳選された法人携帯・会社携帯業者を紹介するビジネスマッチングサイト「一括.jp(https://emeao.jp/ikkatsu-column/docomo_corporate_contract_tips/ )」は、10代の会社員を対象にアンケート調査を実施。「どの程度重要だと感じているか」「なぜ重要だと感じるのか」「どんな場面で特に効果的か」といった3つの側面から、若手世代の“対面観”を可視化しました。
対面とオンラインの境界が曖昧になる現代において、どの業務でリアルな対話が求められているのかを把握することは、滑らかなコミュニケーション設計やチーム連携の再構築に欠かせません。さらに、世代ごとの認識差を理解しながら活用シーンを最適化することで、組織全体の生産性や人材定着率の向上につながる大きなヒントとなるはずです。
調査結果1:オフィスでの「対面コミュニケーション」はどの程度重要だと感じますか。

- 最も多かったのは「ある程度重要」と回答した人で、40.7%(22人)にのぼりました。「非常に重要」との回答も29.6%(16人)あり、対面での意思疎通や情報共有が依然として組織運営において効果的だと考える人が多数派であることが示唆されます。
- 特に、細かなニュアンスや感情の共有といった“非言語的なやり取り”の価値が見直されている可能性があります。
- 一方で、「あまり重要ではない」13.0%(7人)や「全く重要ではない」16.7%(9人)とする人も約3割存在し、リモートワークやデジタルツールの浸透によって、必ずしも対面が不可欠ではないと捉える層の存在も浮き彫りになっています。
調査結果2:なぜ対面コミュニケーションが重要だと考えていますか。※Q1で「非常に重要/ある程度重要」と回答した人が対象(複数回答可:注1)

- 最も多かったのは「信頼関係を築きやすく、人間関係が深まりやすい」で、50.0%(19人)でした。対面コミュニケーションが単なる業務のやり取りではなく、信頼構築の基盤として重視されていることがうかがえます。
- 次いで「表情や声のトーンなど非言語情報が伝わりやすい」29.0%(11人)と、「誤解や行き違いが起こりにくく、意思疎通がスムーズ」29.0%(11人)が並んでいます。言語以外の情報伝達やその場での反応の把握といった“空気を読む”ことの重要性が対面に期待されていることが見てとれます。
- また、「チームの一体感や協力体制を強化できる」26.3%(10人)や、「その場で疑問や課題を解決でき、意思決定が早い」21.1%(8人)が挙げられ、対面がチーム連携や業務遂行のスピード感に貢献しているという認識が一定程度広がっている様子がうかがえます。
- 一方で、「偶発的な会話(雑談)から新しい発想や情報が生まれやすい」18.4%(7人)や「対面だとモチベーションが上がる」10.5%(4人)、「会社の文化や価値観を共有・体感しやすい」7.9%(3人)といった項目は回答数がやや少なく、対面の価値が“創造性や文化浸透”よりも“信頼や意思疎通の効率化”に重きを置かれている傾向が見られます。
調査結果3:仮に対面で行う場合、特に効果的だと感じる場面を教えてください。(複数回答可:注2)

- 最も多かったのは「顧客・取引先との初対面や重要商談」27.8%(15人)と、「トラブル発生時や緊急対応」27.8%(15人)で、外部との関係構築や緊迫した状況下では、対面による信頼性や即応性が重要視されていることがわかります。
- 次いで「部署間・職種間での調整や連携が必要な場面」24.1%(13人)と、「該当なし(思い当たらない)」24.1%(13人)が同数となりました。社内の複雑な調整の場面で対面の有効性が認識されている一方で、特に対面で効果的と感じる場面がないとする回答も同程度見られ、対面の必要性に対する認識の差が見受けられます。
- 「新規プロジェクトや施策の立ち上げ」20.4%(11人)や、「評価面談や1on1などフィードバック重視の場面」16.7%(9人)はやや少数にとどまり、これらの業務は必ずしも対面に頼らずとも遂行可能だと考えている傾向が見られます。
- 「全社会議・社内行事など文化・価値観の共有」9.3%(5人)、「その他」1.9%(1人)、そして「ブレインストーミングや創造的な議論」0.0%(0人)という結果からは、対面の必要性が明確に認識されている業務と、そうでない業務の間に意識の差があることが浮き彫りになっています。
まとめ:コミュニケーション手段を選択する時代へ
- 今回の調査結果を通して、10代における対面コミュニケーションの価値は主に「信頼関係の構築」や「意思疎通の正確さ」といった人間関係や情報伝達の質に関わる側面で強く認識されていることが明らかとなりました。特に、顧客・取引先との初対面やトラブル対応など、誤解の許されない状況においては、対面が有効と考える傾向が顕著です。
- 一方で、社内業務の一部や創造的な場面、文化共有といった領域では、対面の必要性を感じていない回答も一定数見られ、対面コミュニケーションの価値は場面によって選択的に捉えられていることがうかがえます。また、「特に必要と感じない」とする回答が一定割合に達している点から、デジタルネイティブ世代ならではの非対面型コミュニケーションへの順応性の高さも読み取れる結果となりました。
- こうした傾向を踏まえると、今後は業務の内容や目的に応じて、対面と非対面の手段を柔軟に使い分けるコミュニケーション設計が求められると言えるでしょう。特に、信頼構築や意思決定のスピードが重視される場面では対面を、情報共有や定型業務ではオンラインを選択するなど、手段の最適化が生産性向上の鍵となります。世代や業務特性に応じた環境整備と運用ルールの明確化が、今後の組織コミュニケーションの質を左右するポイントとなるでしょう。


