オンラインショッピングの普及により、再配達や配送サービスは今や日常的な生活インフラとなりつつあります。しかし、再配達の依頼や受け取りに関する体験は、年齢層によって利便性の感じ方や不満の内容に差がある可能性があります。サービスを最適化するうえで、こうした世代ごとの“感じ方”に目を向けることが欠かせません。
そこで、発送代行・物流倉庫業者マッチングサイト『一括.jp(https://emeao.jp/ikkatsu-column/shippingagency_recommendation/ )』は、70代以上の男女100名を対象に「再配達の頻度」「手間の感じ方」「改善してほしいサービス内容」に関するアンケートを実施しました。
本調査では、再配達に対する利用実態とともに、シニア層ならではの課題意識や改善ニーズが明らかになりました。物流・EC業界に携わる企業にとっても、今後のサービス設計やコミュニケーション設計の見直しに役立つヒントとなるはずです。
調査結果1:過去3か月で再配達を依頼した回数は?

- 最も多かったのは「0回」と回答した人で、52.0%(52人)を占めています。再配達を一度も依頼していない人が過半数を占めており、自宅での受け取り時間の調整や置き配サービスの活用などによって、再配達そのものを回避している人が多いことが推察されます。
- 次いで「1回」が29.0%(29人)と続いており、全体の8割以上が再配達の経験をほとんどしていないという実態が見えてきます。
- 一方で、「2〜3回」14.0%(14人)、「4〜5回」4.0%(4人)、「6〜9回」1.0%(1人)と、複数回依頼している人も一定数存在しており、生活リズムや受け取り体制の違いが影響している可能性も考えられます。
調査結果2:再配達依頼の手間をどう感じますか?

- 最も多かったのは「あまり手間ではない」と回答した人で、28.0%(28人)でした。再配達依頼に対して大きな負担感を抱いていない人が一定数いることがわかります。
- 次いで「やや手間に感じる」27.0%(27人)と「全く手間ではない」18.0%(18人)が続いており、肯定・否定の意見が比較的拮抗している構図となっています。
- また、「非常に手間に感じる」10.0%(10人)で、「やや手間に感じる」の27%と合わせると約40%が手間に感じている様子がうかがえます。
- 一方、「どちらともいえない」17.0%(17人)という中立的な立場の回答も存在しており、再配達に対する感じ方は人によってばらつきがあることがうかがえます。
調査結果3:改善してほしい再配達サービスはありますか?(複数回答可:注1)

- 最も多かったのは「配達予定時刻の事前通知をもっと正確にしてほしい」で、31.0%(31人)でした。再配達の利便性において、配達時間の見通しが立たないことが利用者にとって大きなストレスとなっていることがうかがえます。
- 次いで「置き配や宅配ボックスの利用をもっと簡単にしてほしい」29.0%(29人)も多く、再配達そのものを減らす手段の整備を望む声が目立っています。
- そのほか、「配達時間帯の選択肢を増やしてほしい」23.0%(23人)、「再配達の依頼方法(電話・Web・アプリ)をもっと使いやすくしてほしい」23.0%(23人)といった意見も一定数あり、利便性の向上を求めるニーズが幅広く存在していることがわかります。
- 一方で、「配達員と直接チャット・メッセージできるようにしてほしい」13.0%(13人)や、「コンビニや宅配ロッカー受け取りの選択肢を増やしてほしい」4.0%(4人)といった項目は比較的少数で、現時点では限定的なニーズであることがうかがえます。
まとめ:“高頻度”より“高効率”高齢者層の再配達ニーズとサービス設計
- 今回の調査結果からは、過去3か月間において「再配達を依頼していない(0回)」と回答した人が過半数を占める一方で、複数回再配達を依頼している層も一定数存在しており、利用者の生活スタイルや受け取り環境によって再配達の発生頻度には差があることが明らかとなりました。
- また、再配達依頼に対する負担感については、「あまり手間ではない」という肯定的な回答と、「やや手間に感じる」という否定的な回答が拮抗しており、再配達を取り巻く“手間”の認識は人によって分かれている状況がうかがえます。
- さらに、「改善してほしい再配達サービス」としては、「配達予定時刻の通知精度」や「置き配・宅配ボックスの簡便化」といった利便性向上や再配達そのものを回避する手段に対する要望が多く挙がっており、手続きの手軽さや柔軟な受け取り手段へのニーズが高まっていることが読み取れます。
- こうした傾向を踏まえると、再配達サービスの設計においては「いかに再配達を発生させないか」と「いざというときの手続きをいかに簡単にするか」の両面から改善を進めていくことが重要だと言えるでしょう。通知精度の向上や置き配環境の整備といった仕組みづくりに加え、高齢者を含む幅広い世代が直感的に操作できる依頼手段の見直しが、今後のユーザー満足度向上と業務効率化のカギとなるはずです。


