越境ECを運営する際、海外発送の方法に悩む方もいるのではないでしょうか。
海外出荷が増えてくると、効率の良い発送方法が求められます。
そこでおすすめなのが「海外発送代行サービス」です。
代行サービスを利用すれば、越境ECの業務効率化につながるでしょう。
今回は、海外発送に対応している代行サービス7社を紹介。海外発送のポイントも解説していますので、ぜひ参考にしてください。
海外発送代行サービスとは?
海外発送代行サービスとは、国内商品を海外へ向けて発送する作業を委託できるものです。
ECサイトで売れた商品を代行業者が預かり、発送業務を行います。
ただ発送するだけでなく、倉庫の在庫管理やカスタマーサポートまで行う、フルフィルメントと呼ばれるサービスもあります。
委託できる業務は次のとおり。
- 入出荷
- 受注業務
- 検品
- 在庫管理
- 商品のラッピング
- 返品対応
- 発送に必要な書類の作成
- 発送
- カスタマーサポート
上記のように、越境ECの運営に必要な多くの業務を引き受けてもらえます。
ただし、どこまでのサービスを委託できるかは、業者によりさまざまです。
サービス提供の幅と、依頼したい業務内容を照らし合わせる必要があります。
海外発送代行サービスを利用するメリット3つ
海外発送代行サービスを利用すると、主に下記3つのメリットが受けられます。
- コストを抑えられる
- 人的ミスの削減につながる
- コア業務に専念できる
それぞれについて解説します。
1.コストを抑えられる
海外発送の業務を外部に委託することで、コスト削減につながります。
代行サービスを運営する企業の多くは、配送業者と契約を締結しています。
そのため、個人で配達依頼する場合よりも配送料が安くなるのです。
委託には発送料以外にも手数料が発生しますが、1件あたりの配送料は少なく済み、海外発送の時間を削減できます。
2.人的ミスの削減につながる
海外発送サービスを利用すれば、経験豊富なスタッフに対応してもらえます。
そのため自社内で発送業務を行うよりも、人的ミスも軽減できるでしょう。
海外発送時は、インボイス作成や関税に関する処理などの業務が発生します。
国内輸送に比べて手続きが複雑なため、個人で行うと間違いが起こりやすいです。
また国内発送よりも輸送時間が長く、包装がきちんと行われていないと、破損の恐れもあります。
しかし、代行業者は手続きや商品の扱いなどのノウハウがあるため、安心して任せられるでしょう。
3.コア業務に専念できる
手間や時間のかかる業務である海外発送を委託すれば、業務時間に余裕が生まれます。
空いた時間は、越境ECの販売戦略に費やせるでしょう。
利益拡大のために時間を使え、事業の発展につながります。
海外発送代行サービスを利用するデメリット3つ
メリットの多い海外代行サービスですが、下記のようなデメリットもあります。
- 手数料がかかる
- 柔軟な対応ができない
- トラブル発生時は対応が必要
それぞれについて解説します。
1.手数料がかかる
海外発送代行の利用には、主に下記の手数料がかかります。
- 配送料
- 入会手数料
- 月額使用料
- 代行手数料
- オプション使用料
手数料がかかる分、自社で発送業務を行うよりも費用の負担は大きくなります。
ただし、業者によって料金体系が異なるため、詳細は各代行サービスにお問い合わせください。
2.柔軟な対応ができない
代行サービスは発送業務が仕組み化されており、柔軟な対応が難しい場合があります。
例えば急なキャンセルや発注内容の変更などは、対応を断られる可能性も。
代行業社の規定内容に準ずるため、イレギュラーが起こった際の対応を確認しましょう。
3.トラブル発生時は対応が必要
代行サービスを利用していても、ミスが起こる可能性はあります。
国境を超えての配送になるため万が一、トラブルが発生した場合は対応が複雑になりやすいです。
配送中に荷物を紛失したり、中身の故障が起こったりした場合、保険に入っていなければ補償が受けられません。
リスク軽減のためには、荷物を適切に梱包してもらえる業者を選び、問題が発生した場合の対処法を考える必要があります。
海外発送する際の注意点3つ
海外発送する際に押さえておきたい注意点が、3つあります。
- 転送してもらえないものがある
- 発送方法により到着時間が異なる
- 国際便は世界情勢が影響する
それぞれについて解説します。
1.転送してもらえないものがある
荷物の発送を依頼する際は、代行サービス側で扱ってもらえる荷物か確認しておきましょう。
倉庫で保管できる商品しか預かってもらえないためです。
また、商品自体が法律・条約などにより国際便で送れないものや、一部の国や地域には発送できないものがあるため、注意しましょう。
例えばアルコール飲料は輸入不可の国があり、度数によって選べる配送方法も異なります。
依頼する前に商品発送の可否を確認しておくとスムーズです。
2.発送方法により到着時間が異なる
海外発送の方法によって到着時間が異なります。それぞれの特徴を把握し、最適な方法を選びましょう。
主に利用される発送方法の詳細は以下のとおり。
発送方法 | 輸送手段 | 期間の目安 | 費用感 |
---|---|---|---|
EMS(国際スピード便) | 飛行機 | 2〜4日 | ☓ (高額) |
AIR(航空便) | 飛行機 | 3〜6日 | △ (やや高額) |
SAL(エコノミー航空便) | 空港便+船 | 1〜3週間 | ○ (やや安価) |
船便 | 船 | 1〜3ヶ月 | ◎ (安価) |
スピーディに送りたい場合はEMS、料金を抑えたい場合はSALや船便を選ぶのがおすすめ。
また、代行業者によって対応している発送方法に違いがあるため、事前に確認しておきましょう。
3.国際便は世界情勢が影響する
国際便は各国の情勢に、影響を受けやすいです。
例えば過去に、コロナショックによって航空便の欠航が発生しています。
また、悪天候や自然災害が起こると遅延が発生したり、発送不可になったりする恐れも。
海外発送は航空便か船便になるため、大幅な遅れが発生することも念頭に入れておきましょう。
海外発送代行サービスを選ぶポイント3つ
越境EC業務の委託にあたって、適切なサービスを選ぶことが重要です。
海外発行サービスを選ぶポイントは以下の3つ。
- 配送方法が選べるサービスにする
- サポートの充実性をチェックする
- 複数のサービスで料金を比較する
それぞれについて解説します。
1.発送方法が選べるサービスにする
荷物の特性に合わせて発送方法が選べる代行サービスを選ぶのがおすすめ。
例えば船便は最も料金を抑えられる方法ですが、長期間に渡り輸送するため、壊れ物や精密機器には向きません。
発送方法によって取り扱いできる荷物が異なるため、バリエーションが豊富なサービスを選定しましょう。
2.サポートの充実性をチェックする
代行サービスを選ぶ際は、サポートの充実性をチェックしましょう。
連絡しても対応が遅い場合、希望に沿わない形で発送される恐れがあります。
間違いを発送先へ連絡しなければならない上に、送料や返送料も発生するため多大な労力がかかるでしょう。
一方、サポートが充実しているサービスを選ぶと、トラブルやミスが発生した際に柔軟な対応が受けられます。
したがって、サポート対応が迅速かつ丁寧な代行サービスを選定するとよいでしょう。
3.複数のサービスで料金を比較する
どの業者を選ぶかによって、料金体系や必要な料金が異なります。必ず複数のサービスで、料金比較を行いましょう。
ただ安いかどうかで選ぶのではなく、コストとサービスの内容を踏まえて検討します。
例えば大口の出荷の場合は、月額料金のサービスを選ぶ方が、1件あたりの料金を抑えられます。
一方、毎月の出荷量が少ない場合は、1件ずつ利用できるサービスの方がコストを削減できるのです。
相場より料金が高い場合でも、その分サービスが充実していることがあります。
上記の点を参考に、コストとサービスのバランスを見て最適なサービスを選ぶようにしてください。
おすすめの海外発送代行サービス7社
ここからは、海外発送の代行ができるサービスを7社紹介します。
取り扱いのある発送方法や手数料・おまとめ梱包サービスは以下のとおり。
サービス | 発送方法 | 手数料 | おまとめ梱包 |
---|---|---|---|
ロケーションズ | ・EMS ・Pメール ・クーリエ ・AIR | − | − |
転送コム | ・EMS ・AIR ・SAL ・船便 | 530円〜 | ・申し込み時200円 ・2個目以降300円ずつ |
オープンロジ | ・EMS ・国際Eパケット ・DHL | 300円〜 | 無料 |
BaggageForwardCom (バゲッジフォワードコム) | ・EMS ・AIR ・SAL ・船便 ・DHL | 50円〜 | 750円 (何個でも) |
セカンドポスト | ・EMS ・DHL ・船便 | 370円〜 | ・1kgまで500円 ・30kgまで850円 |
御用聞キ屋 | ・EMS ・AIR ・SAL ・船便 | 490円〜 | 無料 |
ネットデポ(NetDepot) | EMS | − | − |
おまとめ梱包サービスとは、複数の荷物を一つにまとめて発送するオプションサービスです。
まとめて発送する機会が多い場合は、オプション料金も比較してみてください。
それぞれについて詳しく見ていきましょう。
1.ロケーションズ
ロケーションズは、世界120カ国以上対応の海外発送代行サービス。
以下の3種類の利用方法があります。
- 転送型:倉庫に出荷後、梱包はそのままで送り状やインボイス書類等の準備・発送
- 通過型:出荷指示に基づいて検品・仕分け・再梱包を行いすぐに出荷
- 保管型:商品を在庫として預かり、出荷指示に基づいてピッキング・梱包・出荷
商品1個から依頼できるため、小中規模事業者でも利用しやすいでしょう。
また、国内発送と海外発送がまとめて委託できる点も魅力です。
2.転送コム
転送コムは、10年以上の運用実績を持つサービスです。
導入サイト数は1700を超えており、日本郵政EMSの海外発送実績は日本国内でトップクラスを誇ります。
初期費用が不要で、導入時の負担が少ないのがメリットです。
海外発送のノウハウが豊富なので安心して依頼できます。
3.オープンロジ
オープンロジは、主にEC事業者に向けて物流のアウトソーシングを請け負ってくれるサービス。
フルフィルメントサービスを提供しており、商品の入出庫に加えて返品対応やカスタマーサービスまで対応してもらえます。
国内・国外の発送をワンストップで完結できる点が魅力。
物流業務の委託で、業務効率化につながるでしょう。
4.BaggageForwardCom(バゲッジフォワードコム)
バゲッジフォワードコムは、海外発送代行の手数料が50円からと、低価格で導入できるサービスです。
商品に合わせて、豊富な配送方法が自由に選択できます。
土日も発送対応可能なので、スピーディに発送したい人にもおすすめです。
5.セカンドポスト
セカンドポストは、通販商品やオークション商品を120カ国以上へ海外発送できるサービスです。
海外発送に対応しているだけでなく、1,100円からセカンドアドレスの取得・使用が可能。
郵便局の私書箱のように使えるため、急な返送時にも住所開示して受け取れます。
EC運営の際、自宅の住所を使いたくない方におすすめのサービスです。
6.御用聞キ屋
御用聞キ屋は、下記のような無料オプションが豊富なサービスです。
- まとめて梱包発送
- 商品の取り置き1ヶ月
- 荷物軽量化サービス
買い物代行から依頼でき、丁寧できめ細やかなサポートが魅力。
会員登録すればすぐに利用できるため、導入しやすいでしょう。
また、御用聞キ屋のノウハウを活かした法人向けサービスに、GYLOGI.comがあります。
法人契約の場合は、GYLOGI.comの利用がおすすめです。
7.ネットデポ(NetDepot)
ネットデポは、1棚6,500円から物流のアウトソーシングができるサービスです。
小規模から導入できるのがメリット。ただし、選べる発送方法はEMSのみです。
越境ECと倉庫業務の委託を小規模から始めてみたい方におすすめ。
ASPサービスが利用できるため、WEB上で簡単に物流を管理できます。
挨拶状やメッセージカードの同梱などにも、柔軟に対応してもらえます。
まとめ:メリットとデメリットを把握して海外発送代行を活用しよう
発送スピードやサポート面などのサービス品質をよく比較し、コストパフォーマンスが良い発送代行を選ぶことが大切です。
サービス内容や料金が自社の状況に即しているかも検討しましょう。
事業規模に合っていないサービスを選ぶと、かえってコストを圧迫する恐れがあります。
まずは、現状かかっているコストや出荷個数などのデータを洗い出し、課題点を見つける必要があるでしょう。
上記のポイントを意識して、自社に合う発送代行を見つけてください。