検品作業は、顧客に品質のよい商品を届けるために必要な業務ですが、人件費や設備投資がかかります。
繁忙期と閑散期で作業量に差があり、柔軟に対応できずに悩む企業も多いです。
そのような検品の悩みを解決するために、外注の利用がおすすめです。
この記事では、外注することで得られるメリットや依頼できる内容、業者の選び方を解説します。
おすすめ業者も紹介しますので、外注先の参考になれば幸いです。
検品を外注するメリット
検品の外注には以下5つのメリットがあります。
- 検品の精度の向上
- 検品のための設備が不要になる
- リソースを確保できる
- 検品の人員調整が不要になる
- 業務の効率化が狙える
詳しく掘り下げていきます。
検品の精度の向上
コスト削減のために外注を考えている企業は、作業者が不足している可能性があります。
検品業者には経験豊富な人員が在籍しているほか、自社で検品するより多くの人員が作業してくれます。そのため、外注することで検品精度の向上が見込めるでしょう。
質の高い商品を継続して納品できれば、信頼の獲得にもつながります。
検品のための設備が不要になる
検品には、設備やシステムのコストがかかります。
質の高い検品を行うためには、劣化した設備の改修や最新システムへの変更が必須です。
商品数が増えると、倉庫を拡大しなければならず、コストも高くなります。
しかし外注すれば設備のランニングコストが不要になります。そのため、設備投資が売上を圧迫している場合は、外注の検討がおすすめです。
リソースを確保できる
検品作業は重要度が高いため、多くの人員が対応することになるとコア業務に集中できません。
外注を利用することで、検品を担当していた人員はほかの業務に従事できます。
検品の人員調整が不要になる
検品の課題として、繁忙期と閑散期の業務量の差に多くの企業が悩まされています。
繁忙期を基準に人員を雇ってしまうと、閑散期を人手が持て余すことになるでしょう。
検品を外注すれば、人員について悩むことなく、安定した品質で納品できます。
業務の効率化が狙える
検品を依頼できる外注業者は、発送や梱包の業務も一任できる場合があります。
検品以外の業務をまとめて依頼することで、業務の効率化が狙えるでしょう。
検品を外注するデメリット
検品の外注にはデメリットも存在するため、依頼する前に理解を深めておきましょう。
- 外注のコストがかかる
- 作業工程が増える
- 業者選びに失敗する恐れがある
- 自社にノウハウが蓄積されない
それぞれ解説します。
外注のコストがかかる
外注すれば人件費がかからなくなりますが、代行費用が必要です。
外注することで業務の負担が軽減されますが、コストが増えることもあります。
作業工程が増える
作業工程が多くなると、ミスや出荷遅延の要因になります。
検品を外注することで増える作業工程は以下のとおりです。
- 入荷した商品を引き渡す
- 出荷前に商品を受け取る
- 検品方法や商品の特徴を指示する
検品から出荷までをまとめて引き受けている業者もあるので、作業工程を減らしたい企業におすすめです。
業者選びに失敗する恐れがある
業者によっては依頼する商品の知見がなく、商品を説明するのに手間がかかることもあります。
また、検品を外注した商品の質が悪かった場合、顧客から自社にクレームが入るかもしれません。そのため業者選びは重要です。
自社にノウハウが蓄積されない
ノウハウを身につけたいのであれば、初期コストがかかっても自社で検品を行うべきです。
検品業者は培ってきたノウハウを元に検品を行います。
検品作業を内製化しようと考えている場合、ノウハウが蓄積されず機会損失となるでしょう。企業の将来を考えるのであれば、コストがかかっても自社で対応するほうが得策です。
外注業者に依頼できる検品の内容
外注業者に依頼できる検品の内容は大きく以下の4つが挙げられます。
- 不良検品
- 作動検品
- 混入検品
- 採寸検品
それぞれ解説します。
不良検品
初期不良や汚損のある商品を確認します。
顧客に納品できない商品は不良品として扱われ企業に報告されるため、ミスが起きた工程を絞りやすくなります。
不良検品は多くの商品の検品に用いられる方法です。
作動検品
作動検品では、商品がレギュレーションどおりに動くか確認します。
そのため、商品を袋から取り出して検品しなければなりません。
玩具や精密機械、家電製品、医療機器などで用いられる方法です。
混入検品
混入検品では商品に異物が入っていないか確認します。
異物が見つかれば取り除けば問題ありませんが、食品などで混入が見つかれば商品を丸ごと廃棄しなければなりません。
採寸検品
採寸検品は衣料品に用いられる方法で、規定どおりのサイズで作られているか確認します。
ミシンの折れた針や待ち針が刺さっていないか確認する、検針も行います。
検品の外注におすすめの業者5選
検品の外注におすすめの業者を5つピックアップしました。
業務効率化に期待できる業者を選びましょう。
- 株式会社フェスム
- 株式会社クリコマ
- 株式会社大崎
- キチナングループ株式会社
- 株式会社スクロール360
それぞれ解説します。
関連記事:検品を外注できるおすすめ会社9選!相場や注意点も解説
株式会社フェスム
株式会社フェスムは、検品をはじめとした物流全般をサポートする企業です。
出荷時の梱包をはじめとする発送前処理も一貫して担当してもらえます。
顧客対応は東京・埼玉・神奈川・千葉のみですが、全国対応可能なため事業課題を考えている業者におすすめです。
また、株式会社フェスムは初期費用なしで利用できるため、少ない負担で外注を始められます。
企業名 | 株式会社フェスム |
本社住所 | 埼玉県鶴ヶ島市三ツ木909-1 |
電話 | TEL 049-236-3898 FAX 049-277-5126 |
取扱ジャンル | ・生活雑貨 ・ベビー用品 ・本 ・雑誌 ・ビューティーヘルスケア |
業務内容 | ・トータルロジスティックサポート ・セットアップ ・梱包発送 ・荷受 ・輸送代行保管 ・ピッキング ・管理加工 ・販売検品 ・検査 ・ダイレクトメール封入 ・封緘差込み ・区分け ・折り |
株式会社クリコマ
株式会社クリコマはアパレルに特化した物流サービスです。
倉庫管理、検品、梱包、受発注などの業務に加えて、商品撮影やコールセンターも倉庫内で対応可能です。
そのためECを運営している企業は、多くの恩恵が受けられるでしょう。
企業名 | 株式会社クリコマ |
本社住所 | 東京都杉並区桃井3丁目3番1号 |
電話 | TEL:03-6913-8367 FAX:03-6913-8367 |
取扱ジャンル | ・アパレル商品 ・服飾雑貨 ・婦人 ・紳士 ・ベビー ・子供 ・バッグ ・靴 ・アクセサリー等 |
業務内容 | ・アパレル商品のQC ・入出荷 ・EC ・返品 ・保管 ・在庫管理 ・物流加工 ・それらに付随する業務 |
株式会社大崎
株式会社大崎は、工業製品を中心とした物流全般のアウトソーシングに対応できる業者です。
物流作業すべてを依頼することもできますし、検品、梱包、輸送などピンポイントでの依頼も可能です。
また、株式会社大崎では、物流に関するコンサルティング業務も行っています。
検品をはじめとする物流業務の改善を考えている企業は活用するとよいでしょう。
企業名 | 株式会社 大崎 |
本社住所 | 東京都品川区大崎1丁目11番2号 |
電話 | TEL:03-3492-0911 FAX:03-3492-0916 |
取扱ジャンル | ・精密機械 ・精密部品 ・医療機器 |
業務内容 | ・総合物流サービス業 ・包装 ・輸送 ・保管 ・荷役 ・流通加工 ・引越しサービス業 ・一般労働者派遣事業 ・産業廃棄物収集運搬業 ・古物商 ・販売業(情報機器並びにソフトウェア等の販売) ・製造業 ・製造請負業 ・物流コンサルタント業 ・上記に付帯する業務 |
キチナングループ株式会社
キチナングループ株式会社は、西日本を中心に物流事業を展開する企業です。
山口・岡山・大阪・愛知など、幹線道路の近いエリアに倉庫を保有しています。そのため、中四国や関西、中部からのさまざまニーズに対応しやすいです。
また、キチナングループ株式会社は専門性が必要になる危険物や化学工業製品にも対応可能です。
専門性が高く、自社で検品するほうが効率的と感じる企業も、検討してみることをおすすめします。
企業名 | キチナングループ株式会社 |
本社住所 | 山口県宇部市大字善和字上瀬戸原189番7 |
電話 | TEL:0836-38-8600 FAX:0836-62-5046 |
取扱ジャンル | ・雑貨 ・建材 ・原料 ・アパレル等 |
業務内容 | ・入庫 ・配送 ・輸送 ・保管サービス ・流通加工 ・検品 ・梱包等 |
株式会社スクロール360
株式会社スクロール360はEC通販業務のトータルサポートを行う企業です。
検品や梱包、発送、在庫管理などに加えて、商品登録や顧客分析も依頼できます。
通販を行う事業者は課題が見つかれば、株式会社スクロール360を利用することで解決に導いてくれるでしょう。
また株式会社スクロール360では、物流倉庫見学ができるプログラムが用意されています。
契約前に利用することで業者選びのミスマッチを防げるでしょう。
企業名 | 株式会社スクロール360 |
本社住所 | 静岡県浜松市中央区佐藤2丁目24番1号 |
電話 | TEL:03-4326-3207 FAX:03-5495-9185 |
取扱ジャンル | ・化粧品 ・サプリメント ・食品 ・コンタクトレンズ ・アパレル ・雑貨 ・本 ・ワイン |
業務内容 | フルフィルメント業務代行(物流代行、受注代行、決済代行) マーケティング支援(EC運営代行、中国越境EC、CRM支援、Web集客) 通販システム構築(受注管理、一元管理)など EC・通販事業を全方位的に支援する各種ソリューションを開発・提供 |
検品の外注業者の選び方
検品の外注業者は以下の4つの基準で選びましょう。
- 取引実績で選ぶ
- 拠点の数で選ぶ
- 自社の課題解決につながる業者を選ぶ
- 自社の製品に対応している業者を選ぶ
それぞれ掘り下げていきます。
取引実績で選ぶ
実績の豊富な業者は、多くのノウハウを蓄積しています。
そのため、実績のある業者を選べば、品質の高さに期待できるでしょう。
取引実績は、依頼する商品と同系統の商品での実績を確認するのがおすすめです。
拠点の数で選ぶ
全国に拠点のある業者を選べば、事業が拡大し全国展開になっても円滑に進められます。
業者の拠点が少なければ、新規外注先を探すコストがかかります。
将来的な事業の拡大に備えるのであれば、拠点の多さはメリットです。
また、全国に拠点を構えられるほどの業者は、検品の精度も高いと考えられます。
自社の課題解決につながる業者を選ぶ
外注業者を選ぶ前に、現在の検品作業の課題を洗い出しましょう。
検品の課題として頻繁に挙げられるのが、人員、コスト、検品の質です。
- 自社で検品するほうが品質が担保されていた
- 自社で払っていた人件費よりも外注費が増えた
上記のような問題が発生してしまっては逆効果になります。
課題解決に期待できる業者を選びましょう。
自社の製品に対応している業者を選ぶ
業者ごとに取り扱う製品に違いがあります。
製品に対して専門性を発揮できる業者を選べば、高い品質を提供してもらえるでしょう。
取り扱っていない製品でも依頼できる可能性はありますが、専門的なノウハウがなければ自社で行うのと同じです。
検品の専門業者である利点を活かせる外注先を見つけましょう。
まとめ:検品は外注業者を利用してコストを削減しよう
検品が疎かになると企業の信頼に大きな影響を与えてしまいます。
人為的なミスを減らすためにシステムを活用しても、最終的には手作業や目視になるため、ミスをなくすことは容易ではありません。
そのため、豊富なノウハウを持つ外注業者に依頼すれば、品質の高い検品作業に期待できます。
外注すれば設備費や人件費を殺減できるため、コストを抑えたい企業におすすめです。
検品の課題に直面した際は、外注を検討してみてはいかがでしょうか。