ゴールデンタイムのCM料金はいくら?内訳や効果を引き出すポイントを解説

ゴールデンタイムにテレビCMを流すのは、多くの視聴者にリーチできる絶好の機会です。しかし、実際にどのくらいの費用がかかるのかわからない人も多いでしょう。

この記事では、ゴールデンタイムのCM料金について解説します。ゴールデンタイムのCMを検討している企業は参考にしてみてください。

ゴールデンタイムはCM料金が最も高い時間帯!

テレビCMは、放送時間帯によって料金が大きく異なります。とくに、ゴールデンタイムと呼ばれる時間帯は、最も多くの人に注目されやすいのが特徴です。

よって、ほかの時間帯よりも料金が割高に設定されている傾向があります。あまり視聴率を見込めない深夜帯と比べると、料金の差が大きく開くのが特徴です。

ゴールデンタイムの費用の目安は、下記のとおりです。

テレビ局費用の目安
地方局約10万~40万円
キー局約200万~500万円

CM料金の中でもゴールデンタイムは最も高いですが、多くの人に企業を認知してもらえるメリットがあります。ここでは、ゴールデンタイムの概要や、プライムタイムとの違いについて解説します。

ゴールデンタイムとは?

19時~22時の放送時間帯のことを、ゴールデンタイムと呼びます。1日の中で最も視聴率が高いため、テレビ局も番組制作に力を入れています。

学校や仕事から帰宅する時間や、夕食の時間に集中してテレビを見る傾向があるため、自然と視聴率も高くなるのが特徴です。また、家族と一緒にテレビを見る世帯も多く、家族向けの番組やバラエティ番組が放送されています。

さらに花形番組と呼ばれる番組もゴールデンタイムに放送され、人気タレントや女優などを起用し、視聴率を上げようと試みています。

プライムタイムとの違いは?

ゴールデンタイムのほかに、プライムタイムという放送時間帯を指す言葉もあります。プライムタイムとは、視聴率の高い夜の時間帯を指し、具体的には19時~23時のこと。

ゴールデンタイムとの違いは、ターゲットとなる視聴者の層に違いがあります。22時以降は報道特番やドラマなど、年齢が高めの層をターゲットとした大人向け番組が放送されやすい傾向があります。

22時頃に子どもは就寝するため、子育てをしている大人や働く世代の視聴率が高いのが特徴です。

また、ゴールデンタイムは家族向けの番組が放送されるケースが多いので、CMにも一定の制限がかかります。一方で、プライムタイムは、制限が緩和されるため、CM内容の自由度が高まるメリットがあります。

テレビCMの制作費用

テレビCMの制作にかかる費用は、下記のとおりです。

内訳相場
企画費10万~30万円
撮影費10万~80万円
編集費15万~40万円
出演費数百万~数千万円

予算に合ったCM制作を行いたい人は、参考にしてみてください。

企画費

テレビCMの内容を決める際の企画費は、約10万円~35万円です。テレビCMの制作において、企画費は全体のコストの中でも重要な部分を占めます。

企画の質がCMの効果に直結するため、決められた時間内で自社のサービスや商品をどうアピールするかを明確にする必要があります。また、下記のように、企画費はCMの時間によって異なるのが特徴です。

時間費用相場
15秒3万円~
30秒5万円~
30秒以上10万円~

複数の企画案を比較検討する場合は、それぞれの費用も考慮しなければいけません。

撮影費

撮影費の相場は、10万~80万円です。撮影スタジオやロケ地のレンタル、カメラマンなどのスタッフ費用が含まれます。

とくにロケ撮影は、移動費や宿泊費も追加される場合があります。撮影日数が多くなるほど費用もかさむため注意が必要です。

撮影場所を厳選したり、効率的な撮影スケジュールを組んだりして、費用を抑えましょう。

編集費

映像を編集するのにかかる費用は15万~40万円で、下記のような費用が含まれます。

  • 映像のカット編集
  • カラーグレーディング
  • 音声編集
  • 音楽編集
  • 特殊効果の追加

編集スタジオの使用料がかかることもあり、その際は1時間で5万円ほど必要になります。さらに、高度なCGや複雑な編集を必要な場合は、費用は高くなる傾向です。

静止画とナレーションのみで作成してコストを抑えるなど、予算にあわせて調整する必要があります。

出演費

出演費は数百万~数千万円と、CM費用の中でも最も変動が大きい項目の1つです。

無名のタレントや一般人モデルを起用する場合は、数万円から数十万円程度で済むケースもあります。しかし、人気タレントや有名俳優を起用するとなれば、数千万円を超えることも。

費用には撮影当日の拘束料だけでなく、CMの放映期間や使用媒体に応じた契約料も含まれます。また複数のタレントを起用する場合は、さらに出演費用が大きく膨らむでしょう。

出演者の選定は、企業のイメージやCMのコンセプトと密接に関わるため、慎重に検討する必要があります。

テレビCMの放映費用

テレビCMの放映にかかる費用を、項目別に解説していきます。

項目費用の目安
スポットCM大都市圏:100万~300万円
地方:50万~150万円
タイムCM数十万~数千万円
テレビ局別の放映費用
※15秒/1本あたり
北海道:4万~6万5千円
関東:30万~100万円
東海:4万~12万5千円
関西:4万~25万円
福岡:2万5千~6万円

それぞれ参考にしてみてください。

スポットCM

スポットCMは特定の番組枠ではなく、放映する時間枠だけ指定するのが特徴です。15秒CMの場合、ゴールデンタイム(19時〜22時)の費用は下記のとおり。

  • 大都市圏:100万から300万円程度
  • 地方:50万から150万円程度

なお、深夜帯や視聴率の低い時間帯では、数十万円で放映できる場合もあります。企業のターゲットにあわせた適切な時間帯を選ぶことが大切です。

タイムCM

タイムCMは特定の番組の提供枠として放映されるCMのことを指し、視聴率の安定した番組にあわせて長期間の放映が可能です。

30秒または60秒の尺から選べて、一般的な契約期間は6ヶ月間。放映費用は、提供する番組の人気度や視聴率によって異なるのが特徴です。

ゴールデンタイムの人気番組や大型特番のタイムCM枠は高額で、1ヶ月で数十万円から数千万円以上と金額の幅が広いです。タイムCMは、ブランド認知を高め、継続的な露出を図る効果が期待できます。

テレビ局別の放映費用

テレビ局ごとの放映費用の目安は、下記のとおりです。

地域放送局名CM料金目安
※15秒/1本あたり
北海道札幌テレビ放送・北海道放送・北海道文化放送・北海道テレビ・テレビ北海道4万~6万5千円
関東日本テレビ・TBSテレビ・フジテレビジョン・テレビ朝日・テレビ東京30万~100万円
東海中京テレビ・中部日本放送・東海テレビ・名古屋テレビ・テレビ愛知4万~12万5千円
関西読売テレビ・毎日放送・関西テレビ・朝日放送・テレビ大阪4万~25万円
福岡福岡放送・RKB毎日放送・テレビ西日本・九州朝日放送・TVQ九州放送2万5千~6万円

CMの窓口」にて放送費目安として記載されています。

ゴールデンタイムにCMを出すメリット

ゴールデンタイムにCMを出すメリットは、下記3つです。

  • 多くの人に企業を認知してもらえる
  • 企業の信頼度・売り上げの向上につながる
  • 企業のブランドイメージを定着させられる

それぞれ解説していきます。

多くの人に企業を認知してもらえる

ゴールデンタイムにCMを放映することで、多くの視聴者に企業の商品やサービスを認知してもらえます。人気ドラマや情報番組の場合は、15%から20%以上の視聴率を記録することも珍しくありません。

そのため、数百万人規模の視聴者にリーチできます。新商品の発売や、企業の新規事業の告知など、大規模な認知度向上が必要な場合に効果的です。

企業の信頼度・売り上げの向上につながる

高視聴率の番組にCMを出稿することで、企業の信用が高まり、視聴者からの信頼感が増します。とくに知名度の高いタレントを起用したり、インパクトのある内容のCMを流したり、商品やサービスの魅力を効果的に伝えられます。

これによって、潜在顧客の購買意欲を刺激し、売り上げの向上につなげられるでしょう。ただし、信頼度や売り上げの向上を実現するには、CMの内容が視聴者のニーズや期待に合致することが大切です。

企業のブランドイメージを定着させられる

ゴールデンタイムは視聴者の注目度が高く、情報の吸収率も高いのが特徴です。そのため、企業が伝えたいメッセージやイメージを深く印象づけられます。

企業の理念や価値観などを視覚的・聴覚的に訴えかければ、視聴者の心に強く残るブランドイメージを構築できます。また継続的なCM出稿により、そのイメージを繰り返し強化できるのもポイント。長期的なブランド認知と好感度の向上にもつながります。

ゴールデンタイムにCMを出すデメリットと注意点

ゴールデンタイムにCMを出す際は、下記のデメリットと注意点も把握しておきましょう。

  • さまざまな広告媒体の中でも費用が高い
  • 費用対効果を正確に把握できない
  • ターゲットを絞るのが難しい

それぞれ解説していきます。

さまざまな広告媒体の中でも費用が高い

高視聴率の時間帯にCMを放映するには、制作費用に加えて放映費用も高額になります。

15秒のスポットCMでも、大都市圏では1回の放映で100万円から300万円程度の費用がかかります。そのため、中小企業にとっては大きな負担となるでしょう。

CM料金は、新聞広告やWeb広告など、ほかの媒体と比較してもかなり高額です。また、CM制作費用も含めると、総コストはさらに膨らみます。

広告予算が限られている場合は、ほかの広告媒体や時間帯と比較検討し、最適なメディアプランを立てましょう。

費用対効果を正確に把握できない

CMを放映した際は、視聴率データや接触人数などの基本的な指標が得られます。しかし、実際の売り上げや企業イメージの向上に貢献したかなど、費用対効果を正確に把握するのは難しくなります。

とくに複数の広告キャンペーンを同時に行っている場合は、どの広告が効果を発揮したのかを明確にするのは困難です。さらに、視聴者の反応は個人差が大きいため、同じCMでも受け取り方や行動への影響はさまざまです。

そのため、効果測定の手法を事前に計画し、慎重に実施する必要があります。

ターゲットを絞るのが難しい

広範囲の視聴者にリーチできる一方で、特定のターゲット層に絞って広告を届けることは困難です。ゴールデンタイムは、幅広い年齢層や属性の視聴者が同時にテレビを視聴しているのが特徴です。そのため、自社の商品やサービスのターゲット層以外の人にも広告が届きます。

これによって、広告費用の無駄遣いになる可能性があります。また、視聴者の中にはCMを積極的に避ける人もいるため、実際に広告メッセージが届く割合は想定よりも低くなることも予想できるでしょう。

最適なターゲットに広告を流すためには、放映する番組の選定や放映時間の調整が必要です。

ゴールデンタイムのCM効果を引き出すポイント

ここでは、ゴールデンタイムのCM効果を引き出すポイントを3つ紹介します。

  • 詳細にペルソナを設定する
  • ニーズにあわせてCMを出稿する曜日・エリアを選定する
  • 視聴率(GRP)を活用して効果を検証する

それぞれ解説していきます。

詳細にペルソナを設定する

ペルソナとは、企業がターゲットとする顧客像のことを指します。下記の項目を具体的に設定することで、CMの内容やメッセージをターゲットにあわせられます。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 趣味嗜好

ペルソナを明確にすることで、視聴者に刺さるCMを制作し、広告効果を高められるでしょう。

ニーズにあわせてCMを出稿する曜日・エリアを選定する

週末に利用されるサービスであれば、金曜日や土曜日の夜に集中的にCMを出稿するなど、ターゲット層のニーズにあわせて適切な曜日やエリアを選定しましょう。

また、季節商品の場合は、需要が高まる時期にあわせてCM出稿を増やすのもおすすめです。このような工夫を行えば、限られた予算でも最大限の効果を引き出せます。

視聴率(GRP)を活用して効果を検証する

GRPは、CMの到達率と平均接触回数を掛けあわせた指標のことです。どれだけ多くの視聴者にCMが届いたかを示します。たとえば、GRP300というのは、平均して対象視聴者の100%に3回CMが届いたことを意味します。

視聴率(GRP)を活用することで、異なる時間帯や番組間でのCM効果の比較が可能です。分析結果をもとに、CM戦略を継続的に改善していけば、より効果的な広告展開が可能になります。

まとめ:ペルソナを詳細に設定し、ゴールデンタイムのCMを成功させよう

ゴールデンタイムのCMは、多くの視聴者にリーチできる広告手段ですが、費用が高くターゲットを絞るのが難しいデメリットもあります。成功させるためには、自社のペルソナを詳細に設定し、視聴者のニーズにあわせたCM制作と放映戦略を立てることが大切です。

本記事を参考に、ゴールデンタイムのCMを効果的に活用し、企業の認知度向上や売り上げ増加につなげましょう。