50代100人が語る、再配達をめぐる本音と要望~頻度・不満・改善ポイントを年代別比較~(物流倉庫マッチングサイト”一括.jp”調べ)

オンラインショッピングの浸透により、物流や配送サービスは今や生活インフラの一部と言える存在になりました。しかし、受け取りのスタイルや利便性への感じ方は、年代やライフスタイルによって大きく異なる可能性があります。求められるサービスのかたちは、世代ごとに異なるのではないでしょうか。

そこで、物流倉庫・発送代行業者マッチングサイト『一括.jp(https://emeao.jp/ikkatsu-column/logistics-warehouse-market-price/ )』は、50代の男女100名を対象に再配達の利用頻度・感じている手間・改善してほしい点についてアンケートを実施しました。

本記事では、今回の調査で明らかになった利用者のリアルな声やニーズをもとに、配送サービスに求められる改善ポイントを読み解きます。物流・EC業界に携わる企業にとって、現場の工夫やサービス設計の見直しに役立つヒントとなるはずです。

調査結果1:過去3か月で再配達を依頼した回数は?

  • 最も多かったのは「0回」と回答した人で、全体の62.0%(62人)を占めました。在宅での受け取りが習慣化していたり、置き配や宅配ボックスといった非対面型の受け取り手段を積極的に活用している可能性が考えられます。
  • 次いで「1回」が21.0%(21人)、「2〜3回」が13.0%(13人)と続いており、多くの人が再配達をほとんど利用していないことがわかります。近年では、配達予定通知の精度向上や受け取り方法の選択肢が広がったことも影響していると考えられます。
  • 一方で「4〜5回」および「10回以上」と答えた人はいずれも2.0%(2人)と少数にとどまっており、再配達が日常化している層はごく限られているようです。

調査結果2:再配達依頼の手間をどう感じますか?

  • 最も多かったのは「やや手間に感じる」と回答した人で、39.0%(39人)にのぼりました。再配達依頼の手続きに対し、完全に煩雑とまでは感じないまでも、多少の負担感を覚えている人が一定数存在することがうかがえます。
  • 次いで「どちらともいえない」が20.0%(20人)、「非常に手間に感じる」が15.0%(15人)と続き、手間と感じる層は合計で過半数に達しています。
  • 反対に「あまり手間ではない」14.0%、「全く手間ではない」12.0%と、手間を感じないという回答はやや少数派となっており、依頼のしやすさには改善の余地があることを示唆しています。

調査結果3:改善してほしい再配達サービスはありますか?(複数回答可:注1)

注1:本設問は複数選択式ですが選択肢は2つまでに制限しています。これにより、改善してほしい再配達サービスをより明確に把握できるようにしています。
  • 最も多かったのは「配達時間帯の選択肢を増やしてほしい」という回答で、36.0%(36人)にのぼりました。ライフスタイルの多様化により、従来の配達枠では受け取りが難しいと感じる人が多いことがうかがえます。
  • 次いで「配達予定時刻の事前通知をもっと正確にしてほしい」が22.0%(22人)、「置き配や宅配ボックスの利用をもっと簡単にしてほしい」が21.0%(21人)と続き、利便性や柔軟性を高めるための改善ニーズが高いことが見てとれます。
  • また、「コンビニや宅配ロッカーの選択肢を増やしてほしい」「再配達の依頼方法をもっと使いやすくしてほしい」といった声もそれぞれ15.0%(15人)を占め、手段の多様化と手続きの簡便さも重要な要素となっています。
  • 「配達員と直接チャット・メッセージできるようにしてほしい」および「その他」といった回答も10.0%(各10人)あり、よりパーソナルで柔軟な対応や、既存の選択肢では満たされないニーズの存在も示されています。

まとめ:「便利」より「届く」がカギ!再配達をめぐる50代のリアルと期待

今回のアンケート結果から、再配達に関する利用実態と感じ方、そして改善要望の傾向が明らかになりました。

  • 再配達の利用頻度については「0回」と回答した人が6割を超え、50代の多くが再配達を必要としない生活スタイルや受け取り環境を確立していることが示唆されました。
  • 一方で、再配達を経験した人の中では、約半数が「手間に感じる」と回答しており、手続きの煩雑さや時間的制約が依然として心理的な負担となっていることがうかがえます。
  • また、サービス改善への要望としては「配達時間帯の選択肢を増やしてほしい」「事前通知をより正確に」といった声が上位に挙がっており、利便性のさらなる向上が求められています。
  • 特に、置き配や宅配ボックス、チャット機能など“再配達を前提としない”仕組みへの関心も高く、今後は再配達の効率化に加え、『再配達そのものを不要にする設計』が求められるフェーズにあることが浮き彫りとなりました。

これらの結果は、物流業界やEC事業者にとって再配達対応の在り方を見直す契機となり、ユーザー視点を起点とした配送サービスの最適化が、今後の競争力強化につながる可能性を示唆しています。生活者ニーズに即した柔軟な受け取り設計を実現できるかが、顧客満足度と再配達コストの両面において重要な分岐点となるでしょう。