近年、テレワークの普及や働き方改革の進展により、企業は多様な勤務スタイルを取り入れるようになってきました。こうした変化の中で、若年層や中堅層のニーズに合わせた制度設計は進んでいますが、果たして各世代はどのような働き方を理想としているのでしょうか。
そこで今回、厳選された業者を紹介するビジネス・マッチングサイト「一括.jp(https://emeao.jp/ikkatsu-column/4g_vs_5g_guide/ )」は、20代~70代以上の会社員600名を対象にアンケート調査を実施。「理想の勤務形態」「テレワークの魅力」「テレワークの不安」について世代ごとの価値観やニーズの違いなどのデータを収集しました。
世代ごとの働き方の志向や課題を理解することは、柔軟な勤務制度やテレワーク環境を設計・改善するうえで欠かせません。各世代の“理想”と“現実”を可視化し、制度導入を検討中の企業には施策立案の参考に、すでに制度を運用している企業には、より幅広い世代の声を反映させるための実務的なヒントとしていただければ幸いです。
※尚、本アンケート調査の内容は前編・後編に分けて公開しています。
▶ 前編はこちら
調査結果3:あなたがテレワークを行う際に特に不安やデメリットに感じることはなんですか?(複数回答可:注2)

テレワークにおける不安やデメリットについての回答からは、世代ごとに感じる課題の優先度や性質が異なることが見えてきました。コミュニケーション面や業務効率への影響、健康面、評価制度への懸念など、多岐にわたる声が挙がっています。
1.上司や同僚とのコミュニケーションが取りにくくなる
- 全世代で比較的高い割合を示し、特に60代で46%、40代で37%、70代以上で36%と、中高年層の懸念が強く表れました。業務の円滑化や信頼関係構築において、対面でのやり取りを重視する世代では大きな課題となっているようです。
2.IT機器・ツール操作や接続トラブルが不安である
- 70代以上で23%と高く、40代では19%、20代でも18%が不安を感じています。特に高年層では機器やソフトの操作習熟度に不安を抱きやすく、業務を滞らせる可能性が懸念されています。サポートや研修の充実が課題解消のカギとなりそうです。
3.自宅では集中できず、かえって業務効率が下がる
- 40代と60代で22%、20代で21%と、幅広い世代で一定数の課題意識が見られます。家庭内の環境や自己管理の難しさが影響し、集中力の低下や生産性の停滞につながるケースがあると考えられます。
4.運動不足・健康面への悪影響が心配である
- 50代が20%と最も高く、40代18%、20代17%と続きます。在宅勤務では移動や外出の機会が減るため、体力の低下や肩こり・腰痛などの健康リスクが増すことを懸念する声が目立ちます。
5.労働時間とプライベート時間の区切りが難しい
- 70代以上で31%、50代で29%、60代で27%と高い傾向が見られます。業務と私生活の境界が曖昧になることで、長時間労働や休養不足を招きやすく、メンタル面にも影響を及ぼす可能性があります。
6.仕事の評価が正当にされるか心配である
- 70代以上では14%、30代で13%、50代で12%と、世代を問わず一定数が評価制度への不安を抱えています。成果や貢献度が見えにくいリモート環境では、誤解や不公平感を避けるための明確な評価基準が求められます。
7.特に不安やデメリットはない(問題なくテレワーク可能)
- 30代が29%、20代が28%と高く、比較的若い世代ではテレワーク適応度が高いことがうかがえます。必要な設備や自己管理の体制が整っている層では、在宅勤務が大きなストレスなく運用できていると考えられます。
コミュニケーション不足や業務効率の低下など、業務遂行面での課題が目立つ一方、高年層ではITスキルや時間管理、評価制度への不安も顕著でした。
一方で、特に不安を感じない層も一定数存在し、世代や職種に応じたサポートと働き方の設計が、テレワークの効果を最大化するポイントとなりそうです。
まとめ:世代ごとに異なるテレワークの魅力と課題
1.「働き方の好み」世代でこんなに違う!
- 20〜30代ではテレワーク志向が比較的高く、60代以上では完全オフィス勤務を望む声が目立ちました。40〜50代はテレワークとオフィス勤務を組み合わせる“ハイブリッド型”を選ぶ人が多く、世代によって「快適と感じる働き方」の条件は異なるようです。
- 一方で、全世代に「状況に応じて柔軟に決めたい」という声があり、働き方を自由に選べる環境づくりが求められます。こうした傾向は、働き方改革や多様な雇用形態の広がりが定着しつつあることを反映しているともいえます。
2.テレワークの“うれしいポイント”はここ
- もっとも多く挙がったのは「通勤時間や移動の負担が軽減される」こと。特に働き盛り世代に支持され、浮いた時間を家事や趣味、休養に充てる人も多いようです。「自宅で集中して作業できる」「自分のペースで働ける」など効率や柔軟性を評価する声も目立ちました。
- ただ、高年層には「テレワークに魅力を感じない」という人も少なくなく、オフィスでの設備や対面コミュニケーションを重視する傾向も見られます。これは、業務内容や長年の働き方の習慣によって、価値を感じるポイントが異なることを示しています。
3.見えてきたテレワークの“つまずき”
- 不安や課題で多かったのは「上司や同僚とのコミュニケーション不足」。特に中高年層で割合が高く、直接のやり取りを重視する傾向がうかがえます。ほかにも「業務と私生活の区切りの難しさ」「運動不足や健康面への影響」「評価制度への不安」など、在宅勤務特有の悩みも浮かび上がりました。
- 一方で「特に不安はない」という声もあり、テレワーク適応度は人によって大きく差があります。これらの差は、職種や自宅環境、自己管理能力など複合的な要因が影響していると考えられます。
4.これからの働き方をもっと快適にするために
- 今回の結果から、テレワークの導入や改善には世代や職種ごとの特徴を踏まえたアプローチが欠かせないことがわかります。若い世代には柔軟性や効率を最大化できる仕組みを、高年層には安心して業務を進められるサポートやコミュニケーションの機会を。それぞれに合った環境や制度を整えることが、働きやすさと企業の成長の両立につながるでしょう。
- さらに、デジタルツールの活用や職場文化の見直しなど、持続的に改善できる仕組みづくりが今後の鍵となりそうです。加えて、個人が主体的に働き方を選び取れるようなガイドラインや選択肢を示すことが、企業と社員双方の満足度を高めるポイントになるでしょう。
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