PR動画を制作すれば、企業の概要や自社商品・サービスなどのプロモーションが行えます。イメージ戦略の幅が広がり、採用やブランディングなど、多方面の施策を強化できます。
しかしPR動画にはさまざまな種類があり、費用相場や適した制作方法が異なります。
この記事では動画の種類や外注先別の費用相場や、安く抑えるコツなどを解説していきます。PR動画制作の制作方法に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
種類別のPR動画制作の費用相場
PR動画は、企業や商品、サービスなどのプロモーションを行う動画です。販売促進やブランディングのために制作します。PR動画には目的別に種類があり、それぞれ制作費も異なります。
代表的な4つのPR動画の費用相場を表にまとめました。
動画の種類 | 費用相場 |
企業PR動画 | 100,000円~200万円以上 |
商品やサービスのPR動画 | 100,000円~200万円以上 |
テレビCM | 200万円〜1,000万円以上 |
ブランディング動画 | 100万円〜300万円以上 |
PR動画は目的に合わせて制作しないと、ターゲットに適切な訴求ができません。そのため費用相場を理解し、適切な予算を用意して制作に望む必要があります。
動画ごとの費用相場を、以下で詳しく解説していきます。
企業PR動画
費用相場 | 100,000円~200万円以上 |
企業PR動画は、企業のイメージやビジョン、社風などをターゲットに共有するために制作します。世間へのイメージアップや投資家へのアピール、求職者へのリーチなど、さまざまな目的で制作し、目的に合わせて作り方や費用も変わります。
たとえば、採用サイト内に掲載する社員紹介動画は、短尺で外部の演者も必要ないため100,000円〜300,000円程度で制作可能です。一方で、テレビCMで放送する動画を制作する際は、200万円以上になることも珍しくありません。
企業PR動画は定義が広く、目的や構成によって必要な作業や費用が大きく変わるため、制作会社に相談して詳細料金を確認しましょう。
商品やサービスのPR動画
費用相場 | 100,000円~200万円以上 |
商品やサービスのPR動画は、強力なマーケティングツールです。動画を使って視覚的に商材を紹介することで、ユーザーの理解を助ける、購入後のイメージが湧きやすくなるなどの効果が期待できます。
とくに無形商材は購入後のイメージが湧きづらいため、PR動画を作成することで、サービスの詳細をユーザーにわかりやすく伝えられます。YouTubeに投稿して認知を広げたり、ランディングページに差し込んで訴求力を上げたりなど、さまざまな使い方が可能です。
商品やサービスのPR動画は動画は、アニメーションが主流です。演者や撮影を必要としないため、100万円以内と比較的安価に作成できます。
ただし商品によっては、アニメーションが向かないケースもあります。たとえば化粧品は、実写でモデルを起用したほうが、ユーザーの購買意欲を促進できるでしょう。その場合、制作費が200万円以上になることも多いため、自社の商材に合わせて必要な予算を捻出することが大切です。
テレビCM
費用相場 | 200万円〜1,000万円以上 |
テレビCMもPR動画の一部です。近年ネットのシェアを奪われているものの、まだまだテレビの影響力は強いため、制作費は200万円〜1,000万円以上とPR動画の中で最も高額になります。
金額を上下させる要因は、動画の種類や品質、放映範囲です。たとえば、電車内のテレビや地方局のみなど、限定的な範囲で放映される動画は、数百万円で制作できます。
反対に有名テレビ局の全国ネットの放映枠を押さえる場合は、1,000万円をゆうに超える金額になります。また実写動画を選択し、著名人を起用したり、エキストラを大量に用意したりする場合も同様です。
ブランディング動画
費用相場 | 100万円〜300万円以上 |
ブランディング動画は、企業やサービスの印象形成のために制作する動画です。企業PR動画と混同されやすいですが、下記のような目的の違いがあります。
企業PR動画 | ターゲットにメッセージを伝えたり、ビジョンを共有したりする |
ブランディング動画 | ターゲットが企業が望むイメージを持つように誘導する |
ターゲットが企業に抱く印象をコントロールするのは、容易ではありません。そのためブランディング動画には、共感性を呼ぶ構成力や魅力的に映る編集など、高度なスキルとクオリティが求められます。
したがって相場も100万円〜300万円以上と、比較的高めになっています。発注先によっては100万円以下で制作に応じてくれる場合もありますが、成果が得られる動画が制作できるか、慎重に検討することが大切です。
依頼先別のPR動画制作の費用相場
PR動画制作は、依頼先によっても費用が変わります。3つの依頼先別に費用相場を表にまとめました。
依頼先 | 費用相場 |
動画制作会社・映像制作会社 | 300,000円〜200万円以上 |
広告代理店 | 100万円〜1,000万円以上 |
フリーランス | 100,000円~100万円以上 |
それぞれの費用の理由を、詳しく解説していきます。
動画制作会社・映像制作会社
費用相場 | 300,000円〜200万円以上 |
動画制作会社・映像制作会社への依頼は、会社の規模によって相場が変わり、大手のほうが高くなる傾向にあります。大手企業は制作に関わる人員が多いため、人件費が嵩むためです。しかし人材のスキルレベルが高い、作業ごとに専門家が対応してくれるなどのメリットがあります。
一方で中・小規模の会社に依頼する場合は、比較的費用を抑えられます。高いスキルを持った業者も多くいるため、優良な制作会社を見つけられれば、安価に高品質なPR動画を制作できるでしょう。
広告代理店
費用相場 | 100万円〜1,000万円以上 |
広告代理店は、最も高額な依頼先です。広告代理店は動画制作をアウトソーシングしていることが多く、中間マージンが制作費用に加算されるためです。
しかし、マーケティングやブランディングのノウハウを持っているため、戦略的にPR動画を展開したい場合は頼りになります。またテレビCMを制作する場合は、広告代理店の仲介無しに話しを進めるのは難しいでしょう
広告代理店は高額ですが、PR動画を軸に施策を打ちたい場合は、最高のパートナーになります。
フリーランス
費用相場 | 100,000円~100万円以上 |
フリーランスへの依頼は、最も費用を抑えられます。個人で仕事を請け負っていることから、人件費が抑えられるためです。また企業の制約にしばられないことから、柔軟に対応してもらいやすいなどのメリットもあります。
ただし1人で対応する分、制作に時間がかかる、大規模な撮影に対応できないなどのデメリットもあります。
PR動画の作成費用を上下させる要因
PR動画制作の費用は、下記の要因で変わります。
- スタッフ人数
- キャスティングの有無
- 動画制作会社が用意する素材の数
- 動画の尺
それぞれ詳しく解説していきます。
スタッフの人数
動画制作の費用の内訳の多くは、制作スタッフやクリエイターの人件費です。そのためアニメーションなど、少人数で制作できる動画にすることで、費用を抑えられます。
ただし無理に人数を削ると、制作期間が伸びたり、撮影のクオリティが落ちたりするおそれがあるため注意しましょう。
キャスティングの有無
役者やモデルが出演する場合、制作費用が高くなります。とくに著名人を起用する際は、キャスティング費だけで1,000万円以上になることも珍しくありません。
したがって社員に出演してもらう、社内の風景とナレーションのみにするなどの構成にすれば、制作費を大幅に抑えられます。
動画制作会社が用意する素材の数
PR動画の制作には、動画の種類に合わせて以下のような素材が必要です。
- 映像データ
- イラスト
- 楽曲
- 効果音
- イラスト
- 画像
制作会社に用意してもらうと、その分の費用も加算されます。オリジナルの楽曲などを制作する場合は、より高額になります。
したがって、映像データを持ち込んで編集のみ依頼する、フリー素材を活用するなど工夫を行えば、制作費を押さえることが可能です。ただし素材の品質は動画のクオリティに直結するため、自社で対応が難しい部分は制作会社に任せましょう。
動画の尺
一般的に動画の尺が長いほど、制作費用も高額になります。そのため、15〜30秒程度のPR動画にすることで制作費を抑えられます。
ただし情報量が多い場合、尺が短くなるほど制作の難易度が上がるため、注意しましょう。限られた時間の中で、企業側のメッセージを正しく伝えるには、高度な企画力や構成力が求められるためです。
尺を短くして費用を抑えたい場合は、短尺の動画制作の実績が豊富な会社に依頼する、動画に盛り込む情報を絞るなどの工夫をしましょう。
PR動画の制作費を安くするポイント
下記5つのポイントを意識すれば、PR動画の制作費を抑えられます。
- 一部内製する
- 有名キャストを使わない
- フリーランスに依頼する
- 補助金や助成金を活用する
それぞれ詳しく解説していきます。
一部内製する
下記のように、PR動画の一部を内製すれば費用を安くできます。
- 撮影を自社で行う
- フリー素材を探す
- 企画と構成を持ち込む
- 身内を演者にする
PR動画制作では、工数ベースで費用を算出することも多いです。そのため、素材や企画の持ち込みを行うことで、制作会社の作業が減り、費用を抑えられます。
有名キャストを使わない
キャストの出演料は、演者によって大きく異なります。知名度の低い俳優の場合、100万円以内で依頼できることもありますが、人気俳優を起用する際は最低でも1,000万円は必要です。
時には億単位の金額が必要なこともあるなど、有名キャストを起用するだけで大幅にコストが上がります。人気タレントがPR動画に出演すれば、企業のイメージアップに大きく貢献してくれますが、費用対効果が悪くなることも多いです。
無理な起用は避け、予算の範囲内で依頼できる内容にしましょう。
フリーランスに依頼する
動画制作のフリーランスは、LancersやCrowdWorks、ココナラなどのサービスで見つけられます。フリーランスは、外注先の中で最も制作費の相場が安いため、良質な動画を安価に制作できる可能性が高いです。
ただし、フリーランスごとにスキルの差が激しいため注意が必要です。動画制作会社から独立した人もいれば、趣味や副業で動画編集を学んだだけなど、さまざまなフリーランスが存在します。
スキルがない方に依頼してしまうと、PR動画制作の目的を果たせなくなる場合があります。したがって依頼の際は、実績や対応可能業務などを確認し、実力のあるフリーランスに依頼しましょう。
補助金や助成金を活用する
動画制作に利用可能な補助金や助成金を活用すれば、制作費の一部を国が負担してくれます。2024年7月時点で、利用可能な補助金は下記の4つです。
- 小規模事業者持続化補助金
- IT導入補助金
- 事業再構築補助金
- ものづくり補助金
補助金ごとに公募要項や採択基準が異なります。中には動画制作単体では使えない補助金も存在するため注意が必要です。
たとえば、IT導入補助金は動画作成ツールの導入には使えますが、動画制作では利用できません。PR動画を内製する場合にだけ利用を検討しましょう。
また上記以外に、地方自治体が独自に補助金制度を設けている場合があります。そのため、自社が使えるものがないか、一度調べて見るのがおすすめです。
しかしいずれの補助金も採択率は高くないため、補助金がでないケースも想定して動画制作のプランを練るようにしましょう。
まとめ:PR動画制作の費用相場を理解して適正価格で外注しよう
PR動画制作の費用相場は、動画の種類によって異なります。
動画の種類 | 費用相場 |
企業PR動画 | 100,000円~200万円以上 |
商品やサービスのPR動画 | 100,000円~200万円以上 |
テレビCM | 200万円〜1,000万円以上 |
ブランディング動画 | 100万円〜300万円以上 |
それぞれ目的が異なるため、自社がPR動画を制作する目的を明確にし、十分な予算を確保して制作にあたることが大切です。また制作費用は、外注先によっても上下します。
フリーランス、動画制作会社、広告代理店の順に高くなり、対応できる業務も広がります。短尺の動画を安価に作る場合はフリーランス、テレビCMを打つ場合は広告代理店など、目的に合わせて外注先を選ぶことが大切です。
費用を抑えたければ、作業を一部内製する、補助金を活用するなどの工夫で実現できます。この記事を参考に、適正価格で高品質なPR動画を制作してください。