サーマルカメラと赤外線カメラの違いやそれぞれの特徴・用途
公開日:2020.12.08 最終更新日:2020.12.22
感染対策として、赤外線を利用した仕組みで検温を素早く行えるサーマルカメラが注目を浴びるようになりました。
同じく赤外線を利用した機器に「赤外線カメラ」というものもありますが、サーマルカメラと同じものなのか、どのような違いがあるのかわからないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで本記事では、サーマルカメラと赤外線カメラの違いをそれぞれの特徴とともに解説します。
サーマルカメラと赤外線カメラどちらを導入すべきかお困りの事業者様はぜひご一読ください。
サーマルカメラとは
サーマルカメラとは、熱を検知するカメラのことです。
サーマルカメラで撮影した映像はサーモグラフィ(熱画像)と呼ばれ、高温部分は赤く、低温部分は青く表示されます。
一般的な温度計とは異なり、非接触で物体の温度を測れるのがサーマルカメラの最大の特徴です。
また、それ以外にもリアルタイムで広範囲にわたる温度測定が可能という特徴もあります。
サーマルカメラが非接触計測できるのは、遠赤外線を検出するセンサーが搭載されているためです。
ヒトやモノなど熱を持つ物体からは、肉眼では見ることができない遠赤外線が放射されています。
物体から放射される遠赤外線は、高温な物体ほど強く、低温な物体ほど弱くなるという特性があります。
この遠赤外線の強弱を検出して温度を計測し、計測した温度に応じて画像処理で色付けすることで、視覚的に温度分布が把握しやすいサーモグラフィを表示するのが、サーマルカメラです。
赤外線カメラとは
赤外線カメラとは、暗闇の中でも映像を撮影できるカメラのことを指します。
赤外線カメラには、光源としての役割を果たす赤外線LEDが搭載されており、被写体に照射して反射した赤外線をとらえることで暗闇での撮影が可能となります。
近年はカラー映像が撮影できる製品も登場していますが、基本的にはモノクロ映像しか撮影できないことには注意が必要です。
なお、高感度カメラでも暗い場所での撮影は可能ですが、赤外線カメラは高感度カメラでは撮影できない完全な暗闇の中でも撮影できるというメリットがあります。
赤外線カメラに搭載されているLEDは2パターンあり、肉眼でもわずかに見える赤外線を利用しているものと、肉眼ではまったく見えない赤外線を利用しているものです。
後者のタイプは防犯目的などに使用する際に大きな効果が期待できますが、前者よりも赤外線の照射力は小さくなります。
より鮮明な映像が得られるのは前者のタイプなので、赤外線カメラを導入する際は利用目的に合った方を選択することが重要です。
サーマルカメラと赤外線カメラの違い
サーマルカメラと赤外線カメラは、どちらも赤外線を検知するため混同されがちですが、これらは全くの別物です。
サーマルカメラは、物体から放射されている遠赤外線の強弱を検知することで、温度を計測するカメラのことです。
代表的な利用シーンとしては、工場や電気施設での機械監視や、最近では新型コロナウイルス対策のための施設利用者の検温などが挙げられます。
一方の赤外線カメラは、近赤外線を照射するLEDを搭載したカメラで、物体に反射した近赤外線をとらえることで映像を撮影します。
夜間など暗闇の中でも撮影できるのが最大の特徴です。
主に防犯目的に使用されていますが、それ以外にも野生動物などの観察目的でも広く利用されています。
以上のように、サーマルカメラは温度を可視化するカメラ、赤外線カメラは暗闇で映像を撮影するカメラと撮影原理や利用目的が異なるので、混同しないように注意しましょう。
温度を可視化するサーマルカメラと暗闇で映像を撮影する赤外線カメラは全くの別物
今回は、サーマルカメラと赤外線カメラの違いを解説しました。
いずれも赤外線を検知する仕組みではありますが、サーマルカメラは温度の可視化、赤外線カメラは暗闇での映像撮影とそれぞれ目的が全く異なります。
自社の場合、どちらが必要かご判断いただく材料となりましたでしょうか。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!