デジタルサイネージの効果とは?費用対効果が高まるポイントを解説
公開日:2024.06.24 最終更新日:2024.08.22
デジタルサイネージについて、費用対効果がどれほどなのか気になる方も多いでしょう。
商業施設やオフィスなどでよく見かけるデジタルサイネージは、従来の看板やポスターに代わる新しい広告媒体として活用されています。
ただし、デジタルサイネージは設置すれば必ず成果が出る訳ではありません。設置場所や運用方法が悪いと費用対効果が上がらず、収支が悪化する可能性もあります。
そこで今回はデジタルサイネージについて、費用対効果が高まるポイントや活用事例などをわかりやすく解説します。デジタルサイネージの導入で失敗したくない方は、ぜひ最後までご覧ください。
デジタルサイネージとは?
デジタルサイネージとは、ディスプレイやプロジェクターなどを用いて情報や広告などを発信するシステムの総称です。
従来の看板やポスターと異なり、動画や静止画、テロップなどを組み合わせた動的なコンテンツも表示できます。設置場所は駅や空港、商業施設やオフィスなど多岐にわたります。
近年は導入企業も増加しており、広告配信や集客はもちろん、空間演出やデータ収集でも活用されているシステムです。
関連記事:デジタルサイネージとは?概要から導入事例まで徹底解説
デジタルサイネージの種類
デジタルサイネージの種類は、大きくわけて以下の2つです。
- スタンドアロン型
- ネットワーク配信型
スタンドアロン型はUSBメモリなどに保存したデータを使い、オフラインで配信するタイプです。対してネットワーク配信型は、インターネットを通じてデータを配信します。
それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
スタンドアロン型
スタンドアロン型はUSBメモリやSDカードなどの記憶媒体にコンテンツを保存し、ディスプレイに挿入して再生します。
インターネット環境が不要のため、電源さえあれば容易に設置できます。導入費用もネットワーク配信型と比べると安く、コストを抑えられる点も魅力です。
ただしコンテンツの更新は手動で実施する必要があり、複数台の設置には不向きです。複数拠点に配信する場合は、それぞれの拠点にデータを配布しなければなりません。
店舗前の電子看板やイベントブースなど、少ない台数を独立稼働させる場合はコストを抑えられるスタンドアロン型がおすすめです。
ネットワーク配信型
ネットワーク配信型は、オンラインでコンテンツを配信するタイプです。専用のサーバーにコンテンツを保存し、ネットワーク経由でディスプレイに配信します。
なおネットワーク配信型のデジタルサイネージは、ネットワークの管理方法に応じて以下の3タイプに分類されます。
ネットワークの管理方法 | 特徴 |
社内LAN型 | 管理用PCを通して社内LANに接続されたサイネージを管理する |
オンプレミス型 | 管理部門にサーバーを設置し、ネットワーク経由でサイネージを管理する |
クラウド型 | 社外のクラウドサーバーからインターネット経由で配信する |
ネットワーク配信型の一番のメリットは、複数のディスプレイの内容を一括管理できることです。
新サービスの案内や情報共有など、スピーディーかつ多拠点に情報を一斉配信できます。配信内容を頻繁に更新した場合でも、スタンドアロン型のように手間がかかりません。
ただし設置にはインターネット環境が必須であり、保守費用や利用料といったランニングコストもかかります。
複数拠点に設置したり、高所の大型ビジョンなどで活用する場合はネットワーク配信型がおすすめです。
関連記事:ネットワーク型のデジタルサイネージとは?特徴や活用方法を解説
デジタルサイネージの効果
デジタルサイネージの効果は、おもに以下の4つです。
- 表現力と視認性が向上する
- リアルタイムで情報発信できる
- ターゲットを絞って情報発信できる
- 広告以外でも活用できる
デジタルサイネージは従来の看板やポスターとは違い、活用の幅が広いためさまざまな業種で導入されています。
データ集計や分析などマーケティングにも活用できます。デジタルサイネージで得られる効果を、1つずつ見ていきましょう。
表現力と視認性が向上する
デジタルサイネージは動的なコンテンツを表示できるため、従来のポスターや看板と比べ表現力と視認性が格段に向上します。
高輝度かつ高画質のディスプレイで動画や音声コンテンツを配信し、臨場感のある映像で視聴者の興味をひきつけられます。
- スライドショー
- テロップ
- アニメーション
- 動画コンテンツ
- 音声・音楽コンテンツ
など、業種やターゲットに合わせてさまざまな方法でコンテンツを配信できます。表現力と視認性の向上により、効果的でインパクトのある情報を発信できるのが魅力です。
リアルタイムで情報発信できる
デジタルサイネージはポスターや看板と違い、リアルタイムで情報を発信できます。ニュースや天気予報といった最新の情報も、複数拠点に対しスピーディーに配信可能です。
たとえば新商品の広告や社内報の更新なども、データの更新だけですぐに配信できます。看板やポスターだと印刷工程を挟むため、リアルタイムでの情報発信は困難です。
またネットワーク型なら遠隔地へのリアルタイム更新も容易なため、配信内容の更新頻度が高くてもスムーズに配信できます。
ターゲットを絞って情報発信できる
デジタルサイネージは、ターゲットの属性を絞ってピンポイントで情報発信できます。視聴者の属性や行動データにもとづき、より効果的にコンテンツを配信できます。
具体的なターゲティング配信の方法は、下記のとおりです。
ターゲティングの種類 | 概要 |
属性ターゲティング |
|
行動ターゲティング |
|
時間帯ターゲティング |
|
天候ターゲティング |
|
なお状況に合わせて、配信内容の切り替えも簡単にできます。事前にスケジューリングしておけば、手動で切り替える必要はありません。
その時々の客層や時間帯に合った情報配信ができるのも、デジタルサイネージならではの利点と言えるでしょう。
広告以外でも活用できる
デジタルサイネージは、広告以外のツールとしても活用できます。たとえば大型商業施設の多くでは、案内板として設置されています。
印刷された案内板では、限られたスペースにしか情報を記載できません。デジタルサイネージなら案内図や店舗情報といった複数の情報も、1つのディスプレイで表示できます。知りたい情報だけをタッチパネルで選別できるため、ユーザビリティも高いのも魅力です。
また大型商業施設だけではなく、オフィスのエントランスに設置しても来訪者をスムーズに案内できます。広告以外の用途でも活用できるため、ぜひ導入を検討してみましょう。
関連記事:デジタルサイネージの効果とは?代表的な国内メーカーも4社紹介
デジタルサイネージの費用対効果を高めるポイント
デジタルサイネージの費用対効果を高めるポイントを、2つ解説します。
- 設置場所とターゲットの属性に合わせて配信する
- 効果測定ツールを活用する
なお設置場所やコンテンツ内容によっては、費用対効果が低くなる可能性があります。
上記のポイントを参考に、費用対効果が高まるよう改善を繰り返すのが重要です。では、それぞれ詳しく解説します。
設置場所とターゲットの属性に合わせて配信する
デジタルサイネージは、設置場所とターゲットの属性に合わせて配信すると効果的です。
導入時には設置場所を視察し、人通りや通行者の属性、時間帯ごとに混雑状況などを分析し特徴を捉えます。設置場所の通行者からターゲットとなる属性を明確化したら、属性や興味関心に合わせたコンテンツを作成しましょう。
また同じ場所であっても、曜日や時間帯でターゲットの属性が変わるケースもあります。時間別に内容を変更し、ターゲットの興味をひくように調整するのがポイントです。
効果測定ツールを活用する
デジタルサイネージの多くは、視聴者数や視聴時間などのデータを計測できる機能が搭載されています。効果測定ツールの中でも多いのが、顔認証型とWi-Fiベースの2つです。
顔認証型の測定ツールでは、撮影された視聴者の顔の動きを分析し、視聴者数や視聴時間を測定します。
Wi-Fiベースのツールでは、視聴者のスマートフォンやタブレットなどの端末情報から属性などを判別します。
測定したデータを分析すれば、コンテンツの改善点が見つかるはずです。A/Bテストなど実施し、コンテンツの改善に活かしましょう。
デジタルサイネージの活用事例
デジタルサイネージの活用事例を、4つの用途別に解説します。
- 広告配信
- 集客
- 販売促進
- 情報共有
デジタルサイネージは、さまざまな用途で活用できるツールです。従来の看板やポスターと比べてもメリットが多いため、導入企業も増加傾向にあります。
実際にどのような用途で活用されているのか、事例とともに詳しく見ていきましょう。
広告配信
広告配信としてのデジタルサイネージは、さまざまな場所で活用されています。
設置場所の例 | 用途・事例 |
ビルボード |
|
駅構内 |
|
電車内 |
|
とくに近年は駅構内や電車内など、公共交通機関を通してデジタルサイネージを見る機会が増えました。
電車待ちや乗車時に自然と目に入る位置にあるケースが多く、効果的な宣伝方法と言えるでしょう。
集客
店舗に顧客をダイレクトに呼びこむための集客ツールとしても、デジタルサイネージは有効です。
たとえば飲食店では、ウェルカムボードの代わりにデジタルサイネージを設置する店舗もあります。看板と比べて明るく目立ちやすく、高輝度ディスプレイで料理を魅力的に表現できるのが強みです。
実際に大手ファーストフードチェーン店であるマクドナルドでは「デジタルメニューボード」活用し、1面ごとに違うメニューを表示しています。マクドナルドでは時間帯でレギュラーメニューが変わるため、スムーズにメニューの変更を案内できるデジタルメニューボードを採用。
メニューの魅力も動画でダイナミックに表現できるようになり、デジタルサイネージの設置で顧客満足度の向上につなげています。
販売促進
販売促進ツールとしても、デジタルサイネージは多くの企業で活用されています。
たとえば九州を中心に展開するスーパーマーケットチェーン「トライアルカンパニー」では、販売促進ツールとしてデジタルサイネージを導入しています。
店内に音声付きで店内に一斉放送ができるデジタルサイネージ「インストアサイネージ」を設置。館内の音声と連動して、できたての惣菜メニューなどを案内しています。
実際に同社は焼き芋の出来立てオンデマンド放映したところ、インストアサイネージを設置していない店舗に比べ売上が114%増加したと発表しています。
IoT技術とデジタルサイネージを効果的に活用し、販売促進につなげている好事例です。
情報共有
デジタルサイネージは、オフィスや工場などで情報共有ツールとしても活用されています。
たとえばオフィスでは、エレベーターホールや食堂など社員が集まりやすい箇所に設置すると効果的でしょう。
メールなどで報告しなくても、日常業務の中で自然と情報が目に入りやすいのがポイントです。社内イベントや福利厚生といった社内報も、簡単に共有できます。
実際にシェービングブランドで有名な「シック・ジャパン」では、オフィス内の公共空間に大型のデジタルサイネージが設置されています。会議やプレゼンテーション時の資料の投影にも使用でき、オフィスにおいても活用の機会が多くあると言えるでしょう。
関連記事:デジタルサイネージ広告とは?概要や相場とあわせて面白い事例を紹介
まとめ:デジタルサイネージの効果を把握し費用対効果を高めよう
デジタルサイネージは従来の看板やポスターと比べメリットの多いツールですが、設置場所や運用次第では費用対効果が下がります。
デジタルサイネージの費用対効果を高めるには、設置場所の特性とターゲットを明確化し、効果測定と分析で改善を繰り返すのが重要です。
顔認証システムなどの効果測定ツールを活用し、コンテンツを最適化することで費用対効果を高められます。
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