デジタルサイネージ広告とは?概要や相場とあわせて面白い事例を紹介
公開日:2024.06.28 最終更新日:2024.08.21
近年、駅構内や大型商業施設などで、デジタルサイネージ広告を目にする機会が増えています。
この記事では、デジタルサイネージ広告の概要や料金相場などについて詳しく解説します。デジタルサイネージ広告に興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
デジタルサイネージ広告とは?
デジタルサイネージ広告は、液晶ディスプレイやLEDディスプレイを使用して配信する広告手法のことです。
これまでは紙媒体で広告を掲載するケースが主流でした。一方デジタルサイネージは、広告を差し替えられたり動画を再生できたりするため、新しい手法として注目が集まっています。
屋内外問わず、ディスプレイを設置できればさまざまなコンテンツを表示できるのが特徴です。さらに紙媒体広告よりも視覚的なインパクトが強く、視聴者の注意を引きやすいなどのメリットがあります。
以下では、デジタルサイネージ広告の料金相場や設置場所の例を解説していきます。
デジタルサイネージ広告の料金相場
デジタルサイネージ広告の料金相場は、下記のとおりです。
広告の種類 | 料金相場 |
電車内 | 20万円~ |
駅構内 | 5万円~ |
タクシー | 18万円~ |
バス停 | 15,000円~ |
エレベーター | 150~300万円程度 |
費用は設置場所や広告の種類、表示時間などによって異なります。一般的に小型のディスプレイを使用する場合は、月額数万円ほどの費用がかかります。一方、大型ビジョンの場合は数十万円から数百万円ほどになることもあるでしょう。
また、導入費用のほかに電気代やコンテンツの更新費用などの運用費用もかかります。料金体系は掲載回数や時間によって設定される場合が多く、長期契約やセット割引などを利用すればコストを抑えられます。
デジタルサイネージ広告を設置する場所の例
デジタルサイネージ広告を設置する代表的な場所は、下記のとおりです。
- 商業施設
- 駅構内
- 電車内
- ショッピングモール
- 病院・薬局
- 大学・専門学校
- 銀行
- マンション
特に広告効果が高いのは、多くの人が集まる商業施設です。また、大学や駅構内は通勤・通学の人々が行き交う場所なため、設置場所として人気があります。ターゲットとなる視聴者にあわせて情報を伝えることで、より広告効果が見込めるでしょう。
関連記事:デジタルサイネージとは?概要から導入事例まで徹底解説
デジタルサイネージ広告の種類
デジタルサイネージ広告は、主に下記3種類に分けられます。
- スタンドアロン型
- ネットワーク(クラウド)型
- インタラクティブ型
それぞれの特徴を詳しく解説していくので、導入を検討している方は参考にしてみてください。
スタンドアロン型
スタンドアロン型は、インターネット接続がいらない単独で動作するタイプのデジタルサイネージです。USBやSDカードに保存したコンテンツを再生するため、通信環境が整っていない場所でも利用できます。
また、導入コストが比較的低く、設定や操作も簡単なので、小規模な店舗や短期間のイベントにおすすめです。期間限定のポップアップショップで、新商品を紹介する際などに活用されています。インターネットを必要としないため、ネットワークトラブルが起きる心配もありません。
関連記事:スタンドアロン型デジタルサイネージとは
ネットワーク(クラウド)型
ネットワーク型はインターネットを利用し、広告を配信するタイプのデジタルサイネージです。遠隔操作でコンテンツの変更が可能なため、複数台のディスプレイに同時配信も可能です。そのため、大規模なチェーン店や全国展開する企業に適しています。
また、リアルタイムで広告内容の更新も可能なので、タイムセールや緊急告知の際に役立ちます。さらに、視聴者数や視聴時間などの詳細な分析データも収集できるため、広告効果の測定や最適化が容易に行えるのが魅力です。ただし、常時インターネット接続が必要なので、通信費用や安定性の確保が課題でしょう。
関連記事:ネットワーク型デジタルサイネージとは
インタラクティブ型
インタラクティブ型は、タッチパネルやセンサーなどの機能を搭載しているタイプのデジタルサイネージです。対話型看板や双方向型看板とも言われています。
タッチパネルで直接操作できるため、商品やサービスの情報を詳しく閲覧したり、クーポンをダウンロードしたりすることが可能です。商業施設での店舗案内や展示会での製品説明などに活用されています。
また、一方的に情報を発信するデジタルサイネージとは異なり、訪問者に対して直感的な情報提供を可能にしています。双方向のコミュニケーションができることから、現在注目を集めているデジタルサイネージの1つです。
関連記事:インタラクティブ型デジタルサイネージとは
デジタルサイネージ広告のメリット
デジタルサイネージ広告のメリットは、下記の5つがあげられます。
- インパクトのある表現ができる
- 注目されやすい場所に設置できる
- 時間帯ごとに広告内容を切り替えられる
- ターゲットにあわせた場所に設置できる
- 貼り替えコストを抑えられる
それぞれ詳しく解説していきます。
インパクトのある表現ができる
デジタルサイネージ広告は動きのある映像や鮮やかなグラフィック、音声の組みあわせが可能なため、従来の静止画広告より強い印象をあたえられます。動画やアニメーションを活用することで、通行人の注意を引きやすくなり、記憶に残る広告表現が可能です。
また、3D技術やARを活用した広告もあり、従来の広告では実現できなかった革新的な表現方法が次々と開発されています。このようなインパクトのある表現は視聴者に強い印象を残せるため、企業のブランドイメージの向上や商品を魅力的に伝えられます。
注目されやすい場所に設置できる
駅構内や大型商業施設など、人通りの多い場所に設置することで広告効果を最大限に発揮します。待ち時間が発生しやすいエレベーター前やバス停などは、自然と広告に目を向けやすい絶好の設置場所です。
また、大型ビルの壁面や繁華街の交差点などは、遠くからでも視認性の高い場所に設置することで広範囲にわたって注目を集められます。このように、注目されやすい場所を選んで設置すれば、広告効果を最大限に発揮するため、ブランドの認知度向上にも大きく貢献するでしょう。
時間帯ごとに広告内容を切り替えられる
デジタルサイネージは、従来のポスターや看板などの広告とは異なり、下記のように時間帯ごとに広告内容を切り替えられます。これによって、視聴者のニーズに適切な情報発信が可能になります。
- 朝のラッシュ時:通勤者向けに広告を配信
- 昼間:主婦層向けの商品紹介の広告を配信
- 夕方頃:帰宅する社会人向けにサービス案内を表示
- 休日:ファミリー向けのコンテンツを配信
また、平日や休日で異なる内容を表示したり、イベントや季節に適している広告に自動で切り替えたりすることも可能です。さらにリアルタイムで更新が可能なため、セール情報をすぐに反映できる点もメリットです。
常にタイムリーなコンテンツを配信できるため、顧客の興味を引いて売上に繋がる可能性が期待できます。
ターゲットにあわせた場所に設置できる
デジタルサイネージは、広告の対象となる人が多く集まる場所に設置することで、より効果的にメッセージを届けられます。
大学生をターゲットにする場合は、大学のキャンパスが効果的なアプローチが可能です。また、ビジネスマンをターゲットにする場合は、オフィス街や交通機関の乗り換え地点やバス停が適しています。
ターゲットの行動パターンや生活圏にあわせて設置場所を厳選することで、広告効果を最大限に発揮できます。
貼り替えコストを抑えられる
デジタルサイネージは、通常の紙媒体にかかる下記の費用が不要なため、紙媒体と比べるとコストを大幅に削減できるメリットがあります。
- 貼り替え代
- 印刷代
- 紙代
- 設置台
- 撤去代
広告内容を変更する際には新たな印刷物を用意する必要がありません。データを更新するだけなので、コスト削減に繋がります。
また、初期投資は高くても長期的にみると、運用コストの面で大きな節約になるでしょう。さらに紙の使用量を減らせることから環境面でも良い評価を受けています。つまり、デジタルサイネージ広告は経済性と環境配慮の両面でメリットがあると言えます。
関連記事:デジタルサイネージを広告として利用する3つのメリットを紹介!
デジタルサイネージ広告のデメリット
デジタルサイネージ広告はメリットも多いですが、下記のようにデメリットもあります。
- 費用がかかる
- 電子機器だから故障する恐れがある
導入する前に事前にチェックしておきましょう。
費用がかかる
デジタルサイネージを導入するためには、ディスプレイやプロジェクター、設置工事費用など高額な初期費用がかかります。特に大型ディスプレイやインタラクティブ型のサイネージは、初期費用が高額になる傾向があります。
また、導入費用だけではなく、運用やメンテナンスのコストもかかるため、トータルで考慮して予算を決めなければいけません。中小企業や個人経営の方からすると、デジタルサイネージ広告の導入はハードルが高く感じてしまいます。
ただし、長期的にみれば従来の紙媒体の広告よりもコスト効率が良くなる可能性が高いです。費用対効果を検討することが大切です。
電子機器だから故障する恐れがある
デジタルサイネージを屋外に設置する場合、雨や風、直射日光などの環境が原因でディスプレイやコンピューターが故障する可能性があります。また、長時間の連続使用によって機器の劣化や電源トラブルなどを引き起こすこともあります。
故障が発生すると、広告が一切表示されなくなるだけではなく、修理や交換にかかる費用も負担しなければいけません。これらのリスクを減らすためには、定期的なメンテナンスやバックアップシステムの導入などが有効です。
デジタルサイネージは電子機器なので故障してもおかしくありません。リスクを把握したうえで、対策しながら運用管理を行うことが大切です。
デジタルサイネージ広告を制作するコツ
デジタルサイネージ広告を制作する際は、下記5つのコツを押さえておきましょう。
- 目的を明確にする
- 発信するターゲットを絞る
- 設置場所を確保する
- 訴求ポイントを明確にする
- 動画のシナリオを制作する
それぞれ詳しく解説していくので、どのように広告を制作したらいいか分からない方は、参考にしてみてください。
目的を明確にする
商品のプロモーションや新規顧客の獲得など、目的によって適切なコンテンツやデザインが異なります。そのため「デジタルサイネージを導入してどうしたいか」という目的を明確にすることで、効果的なメッセージを視聴者に届けられます。
具体的には、下記のような目的のことです。
- おすすめ商品をもっと多くの人に認知されたい
- 店舗に目立つデジタルサイネージを設置し、店内へ誘導したい
- オフィス内で社員に必要な情報を発信したい
- 美しい映像を配信して空間演出を行いたい
目的を明確化できれば、それにあわせてコンテンツの内容や表現方法、設置場所などを最適化できます。デジタルサイネージを導入する前に、目的を明確にしてからコンテンツ制作に取り組みましょう。
発信するターゲットを絞る
デジタルサイネージ広告の効果を最大限発揮するためには、下記のように発信するターゲットを明確に絞り込むことが大切です。
- 年齢
- 性別
- 職業
- ライフスタイル
- 興味関心
これらを詳細に分析し、それにあうコンテンツを制作することで、より具体的で効果的なメッセージを伝えられます。たとえば、若者をターゲットにするなら、流行を取り入れたデザインや音楽を用いるのが効果的です。
さらに、ターゲットの行動パターンを分析し、最適な時間帯や場所で広告を表示すれば、よりデジタルサイネージ広告の効果が高まるでしょう。
設置場所を確保する
魅力的なコンテンツを制作できても、ターゲットにみてもらわなければ意味がありません。デジタルサイネージ広告を最大限活用するためには、人通りの多い場所やターゲット層が集まる場所に設置することが大切です。
また、設置する際には視界を遮るものがないか、日光の反射でみえづらくなる部分はないかなど確認しましょう。適切な設置場所を確保することで、多くの人に広告をみてもらえて、広告の効果向上にも繋がります。
店頭にデジタルサイネージを設置したい場合は、事前に設置場所のリサーチを行い、設置しても問題ないか確認しておくことが大切です。
訴求ポイントを明確にする
デジタルサイネージで効果をあげるためには、商品やサービスの特徴、メリットなど伝えたいポイントを、明確に絞り込んで印象的に発信することが大切です。
短時間で注目を集めて理解してもらうためには、一目で分かるデザインや耳に残るキャッチコピーを使用することが効果的です。シンプルでインパクトのある表現を心がけることで、ターゲットの関心を引きやすくなるでしょう。
また、時間や場所にあわせて訴求ポイントを変えることで、状況にあわせて柔軟な対応も可能です。訴求ポイントを明確にすれば、よりメッセージの説得力が強くなり、視聴者の記憶に残りやすくなります。
動画のシナリオを制作する
魅力的な動画を配信するためには、15秒から30秒程度の短い尺の中で、関心を引くメッセージを伝えられるように構成を考えましょう。
商品の特徴を強調するシーンや、ユーザーが商品を利用するシーンなどを盛り込み、具体的なイメージを持たせます。また音声がない環境でも理解できるように、視覚的な要素を重視して、必要に応じてテキストを効果的に使用してみるのもおすすめです。
さらに、ループ再生されることを考慮し、最後から最初へ自然に繋がるように工夫しましょう。動きのある要素と静止画を組みあわせて、視聴者の関心を引きつつ、情報を正確に伝えられるバランスのよいシナリオを制作することが大切です。
関連記事:デジタルサイネージの目を引きやすいコンテンツ制作3つのコツ
デジタルサイネージ広告の面白い事例
ここでは、デジタルサイネージ広告の面白い事例を5つ紹介します。
- お焚き上げサービス
- ダンスのリモートレッスン
- ユーザー参加型のプロモーション
- マックカフェの生クリームで降雪状況を表現
- 渋谷にて13面連動デジタルサイネージ
ユニークかつ注目を集める広告を配信したい方は、参考にしてみてください。
お焚き上げサービス
デジタルサイネージの事例1つ目は、お焚き上げサービスでデジタルサイネージを使用している例です。お焚き上げとは、簡単に捨てるのに抵抗がある品を供養してくれるサービスのことです。
お寺とデジタルサイネージはあわない気もしますが、神社や法要施設などでも導入が進んでいます。お焚き上げサービスで、デジタルサイネージを導入したのは「株式会社いっぽ一歩堂」様です。
安楽寺の施設にマルチモニターを設置し、大画面にはカメラ中継でご本尊様のリアルタイム映像を流します。さらに、その前で住職が供養のお経を唱えてくれます。
このように、世にデジタルサイネージが増えたことによって、寺院や神社などの供養や法要のスタイルも、時代とともに変化しつつあります。
ダンスのリモートレッスン
札幌市のダンススタジオではミラーウォールの一部に縦1,900mm、横幅1,000mm程のミラーサイネージを設置しています。タッチパネル機能も追加しており、自由にコンテンツの変更が可能です。
電源オフ時は鏡となるため、レッスン中は鏡として利用できます。鏡とディスプレイの特性をいかし、スタジオではダンスのリモートレッスンを行っています。
使用環境のシチュエーションが限られる分導入例も少ないため、関心を引きやすい点がメリットです。鏡の一部や全面をデジタルサイネージに変えるのも良いでしょう。
ユーザー参加型のプロモーション
ネスカフェが行ったプロモーションは、ユーザー体験型という仕組みから注目を集めました。プロモーションは、多くの人が利用する駅構内で実施されました。
指定された位置に人が立つと、ゲームが開始される仕組みです。プレイヤーが左右に動くと、スクリーンにうつるコーヒーボトルが連動して動きます。そして、上から落ちてくるコーヒーの水滴をボトルで受け止めていくというゲームです。
時間内にボトルをいっぱいにすればゲームクリアとなります。クリアした際はQRコードが表示され、近くの自販機で無料でコールドブリューコーヒーがもらえる嬉しい仕組みとなっています。シンプルで分かりやすいため、世代問わずに楽しめる事例です。
マックカフェの生クリームで降雪状況を表現
カナダにあるスキーリゾート地のウィスラーで、観光客をターゲットにデジタルサイネージを利用して実施されたキャンペーンです。
道路沿いにデジタルサイネージを設置し、マックカフェを映し出します。マックカフェの上に乗せられたホイップクリームの量で、ウィスラーの降雪量を表現するという面白いデジタルサイネージの活用方法です。
現地の情報と商品を上手に組み合わせているのが魅力です。これらをみたターゲットは興味を持ち、マックカフェでホットドリンクを購入したくなるでしょう。
渋谷にて13面連動デジタルサイネージ
週刊少年ジャンプ「呪術廻戦」の連載4周年とコミックス最新20巻発売を記念し、渋谷にて13面連動デジタルサイネージを利用したプロモーションです。
13面は1つずつ異なる映像と音源を使用しているのが特徴で、完全オリジナルムービーとなっています。すべてを1ヶ所でみられないからこそ、何度みても面白い構成で、聞く場所によっては音楽の聴こえ方も異なります。
渋谷駅前を劇場化したプロモーションとなっており、多くの人が足を止めて、カメラを向けていました。公開直後は数多くのメディアにも取り上げられ、YouTubeやTwitterでは150万回以上再生されています。
まとめ:デジタルサイネージ広告を活用し、自社の収益向上に繋げよう
デジタルサイネージは、従来の紙媒体よりインパクトのある広告を配信できるため、集客や売上の向上に繋がりやすいメリットがあります。
また、広告やニュースを配信するだけでなく、ユーザー参加型でリアルな体験を提供することも可能です。デジタルサイネージの特徴を適切に活用できれば、自社のさらなる成長を目指せるでしょう。
デジタルサイネージの導入を検討している方は、要望や条件に合う業者をみつけ出せるEMEAO!の活用がおすすめです。コンシェルジュに要望を伝えるだけで、条件にマッチする業者のみを厳選して無料で紹介いたします。
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この記事を書いた人
hata