飲食店の開業時に把握しなければならない消防法とは
公開日:2021.07.05 最終更新日:2024.05.14
このコラムでは、飲食店開業時に押さえておくべき消防法の基本や提出しなければならない書類について解説します。
飲食店の開業を検討している事業者様は、ぜひご一読ください。
消防法とは?
消防法とは、国民の命や身体、資産を守るために、火災を予防及び鎮圧する目的で制定された法律です。
1946年7月に施工され、複数回の改正を経て現在の形になっています。
具体的には、消防設備や防火、消火活動に関する内容が明記された法律です。
17条第1項には、対象となる建物が具体的に定められており、その中に飲食店も含まれます。
元々、飲食店は延べ面積が150㎡以上の店舗に消火設備の設置を義務付けていました。
しかし、2016年12月に糸魚川大規模火災が発生し、甚大な被害を受けたため、2019年に再び改正されて、面積に関わらず飲食店に消火設備の設置義務を定めたのです。
2019年の法改正により、飲食店を開業する際は、必ず消火設備を設置しなければなりません。
火を使用する設備を備わっているすべての飲食店が対象です。
また、ガスを使用せず、HIのみの調理設備を備えたとしても自治体によっては対象に含まれます。
消防法において飲食店がやらなければならないこと
消防法に従って飲食店がやらなければならないことは下記の3つです。
違反しないために、必ず確認するようにしましょう。
①消防署長に届け出を出す
まず、開業するためには、消防署長にいくつかの書類を提出する必要があります。
具体的に提出しなければならない書類は下記の5つです。
- 防火対象物使用開始届出書
- 工事整備対象設備等着工届出書
- 消防用設備等設置届出書
- 火を使用する設備等設置届出書
- 防火管理者選任届出書
各書類に何を記載するのか、どのようなタイミングで提出するのかについて解説します。
書類①防火対象物使用開始届出書
防火対象物使用開始届出書とは、防火対象物もしくはその一部を使用する際に提出しなければならない書類です。
建物を使用する前に所轄の消防署へ提出します。
具体的に記入する内容は、建物に関する情報や工事日程、設計者の名前などです。
書類②工事整備対象設備等着工届出書
工事整備対象設備等着工届出書とは、消防用設備などの設置工事を開始するときに提出が義務付けられている届出書です。
一般的には、工事を開始する前に提出します。
工事を実施する防火対象物に関する情報や施工主、工事予定日などを明記し、所轄の消防署に提出しましょう。
書類③消防用設備等設置届出書
消防用設備等設置届出書とは、消防用設備を新しく設置する際に必要な書類です。
新しく設置するときに所轄の消防署へ提出します。
建物や事業所、消防用設備などに関する情報を明記しなければなりません。
書類④火を使用する設備等設置届出書
火を使用する設備等設置届出書とは、厨房設備など、火を使用する設備を設置するときに必要な書類です。
この書類に合わせて設備の概要表や配置図、立面図などを添付しなければなりません。
どのような建物のどの位置に設置するのかを記載する必要があります。
書類⑤防火管理者選任届出書
防火管理者選任届出書は、防火管理者を選任したり解任したりする際に提出しなければならない書類です。
所轄の消防署に提出するときは、防災管理講習修了証が必要になります。
②消防設備の設置
2つ目のやるべきことは、消防設備の設置です。
設置しなければならない消防設備として、下記の4つが挙げられます。
- 消火設備
- 警報設備
- 避難設備
- 消防活動用設備
飲食店はこれらの設備を設置しなければならないので、具体的にどのようなものを指し示すのか解説します。
消火設備
消火設備とは、水バケツや水槽など簡易的なものからスプリンクラーやハロゲン化物消火設備などのことです。
一般的には、水や消火剤で火を消すために使われます。
警報設備
警報設備とは、火災の発生やガス漏れを知らせるために設置する装置です。
具体的には、自動火災報知設備や非常警報器具などが挙げられます。
設置することで、火災発生を早期に把握することができるため、早めの行動を取ることが可能です。
避難設備
避難設備とは、その名の通り避難するために必要な器具を意味します。
例えば、避難はしごや救助袋、滑り台などです。
消防活動用設備
消防活動用設備とは、消火活動に必要な設備のことになります。
排煙設備や連結散水設備など、消火活動を容易にする装置です。
③消防設備の点検
消防設備は、機能してはじめて意味をなします。
設置していても壊れている場合、適切な消火活動ができないため、被害を拡大させてしまう恐れがあるでしょう。
そのため、定期的に点検を行い、機能する状態を維持する必要があります。
飲食店が実施しなければならない消防点検は、機器点検と総合点検です。機器点検は、消防設備が配置が適切かどうか、破損の有無などを調べます。
一方、総合点検は、問題なく作動するかどうかをチェックするのです。
火災を防ぐためにはとても重要なので、必ず行うようにしてください。
飲食店を開業するときは、消防法の基本を理解し提出すべき書類を把握する
以上、今回は飲食店開業時に把握しておきたい消防法の基本や必要な書類について解説しました。
飲食店を開業する際は、消火設備を設置しなければなりません。
また、必要に応じて所轄の消防署へいくつかの書類を提出する必要があります。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!