ユニバーサルレイアウトとは?メリットや失敗しないためのポイントを解説
公開日:2024.04.16 最終更新日:2024.05.14
ワークスタイルの多様化に伴い、オフィスにユニバーサルレイアウトの導入を検討している企業も多いのではないでしょうか?
ユニバーサルレイアウトはオフィスレイアウトの新しい考え方として注目されており、自由度が高く多様なワークスタイルに対応できるのが特長です。
とはいえ、導入にあたって注意点もあり、把握しないまま導入すると自社の環境に適応できず失敗する恐れがあります。
そこで今回はオフィスのユニバーサルレイアウトについて、メリットとデメリット、導入に失敗しないためのポイントをわかりやすく解説します。
ユニバーサルレイアウトの導入を検討している方は、ぜひ最後までご覧ください。
ユニバーサルレイアウトとは?
ユニバーサルレイアウトとは、役職や部署に関係なくオフィス全体のレイアウトを均一にする考え方です。
従来の部署や役職ごとに席が決められた島型対向式レイアウトとは異なり、部署や役職ごとに席を固定しません。
デスクやイスを均一に配置し、部署や役職に関係なく横並びの席にします。ただしフリーアドレスと違い、基本的には固定席です。
組織変更や人員増加に伴うレイアウト変更がしやすく、時間やコストの削減につながるのが特長です。
ユニバーサルデザインとの違い
ユニバーサルレイアウトとユニバーサルデザインは、一見すると同じ意味に思えますがその概念は異なります。
ユニバーサルレイアウトはオフィスレイアウトの考え方であり、誰にとっても使いやすいオフィス空間の構築を目的としています。
一方、ユニバーサルデザインは性別や国籍、障害の有無などに関係なく、製品やサービスを誰でも使いやすいように設計するという考え方です。
たとえば階段とは別に段差のないスロープを設けたり、車椅子でも使いやすいトイレを設置するなどが該当します。
性別や障害など関係なく、あらゆる人が使いやすいようにするのがユニバーサルデザイン。
ユニバーサルデザインの考え方をオフィス空間に応用したものが、ユニバーサルレイアウトです。
ユニバーサルレイアウトのメリット
ユニバーサルレイアウトを導入するメリットは、おもに以下の3つです。
- レイアウト変更の手間がかからない
- コミュニケーションの活性化につながる
- ワークスタイルの多様化に対応できる
1つずつ詳しく解説します。
レイアウト変更の手間がかからない
ユニバーサルレイアウトは、部署やチーム、役職ごとに席を固定しません。そのため組織変更や人員の増減があっても、基本的にレイアウトはそのままです。
従来の島型対向式レイアウトの場合、人員増減の度にデスクや電話線の入れ替えといった業務が発生し、負担となっていました。
一方、ユニバーサルレイアウトであれば配置換えに伴うコストが抑えられるため、組織変更への対応がスムーズに進みます。
レイアウト変更の手間が最小限に抑えられるのは、ユニバーサルレイアウトを導入する大きなメリットの1つと言えるでしょう。
コミュニケーションの活性化につながる
従来の島型対向式レイアウトは部署ごとに仕切りがあることで、他部署とコミュニケーションが取りづらいのが難点でした。
ユニバーサルレイアウトならオフィス全体を見渡せる開放的な空間を作れるため、コミュニケーションの活性化につながります。
たとえば進行中のプロジェクトに合わせて人員を横並びで配置すれば、意見交換がスムーズになります。
社員同士の交流が少なく悩んでいる場合は、ユニバーサルレイアウトの導入を検討してみましょう。
ワークスタイルの多様化に対応できる
従来の島型対向式レイアウトは部署ごとに仕切りや役職席があるため、責任者が全体を見渡しやすい反面、自由度は低いレイアウトでした。
ユニバーサルレイアウトでオフィス内の移動を自由にすれば、ワークスタイルの多様化にもスムーズに対応できます。
オフィス内の移動も自由にできるため、ミーティング用のコミュニケーションスペースを設けたり、作業に集中するための個室スペースを設けるといった使い方もできます。
ユニバーサルレイアウトのデメリットや注意点
ユニバーサルレイアウトを導入するデメリットや注意点は、おもに2つです。
- 社員の所属部署やチームがわかりづらい
- 役職席を配置できない
それぞれ詳しく解説します。
社員の所属部署やチームがわかりづらい
ユニバーサルレイアウトは部署ごとに席を区切らないため、社員の所属部署やチームがわかりづらくなります。
そのため、社員の多い大企業や入社して間もない従業員などは戸惑う可能性があります。
出入り業者や来客時の案内などで困るケースも考えられるため、その点も踏まえて導入するかどうかを検討すると良いでしょう。
役職席を配置できない
役職席を配置できないのも、ユニバーサルレイアウトのデメリットの1つです。ユニバーサルレイアウトは横並びで席を配置するため、役職席とわかる席は配置できません。
島型対向式レイアウトは全体を見渡せる役職席は配置されるため、責任者にとっては部下を管理しやすいメリットがありました。
ユニバーサルレイアウトは役職席がないことから、島対向式のレイアウトと比べると部署全体に責任者の目が届きづらくなります。
上司が部下の管理をしづらくなることで、業務内容によっては支障が出る可能性があります。
ユニバーサルレイアウトで失敗しないためのポイント
ユニバーサルレイアウトの導入で失敗しないためのポイントを、4つ解説します。
- 自社のオフィス環境に適応できるか確認する
- 従業員の理解を得ておく
- ユニバーサルレイアウトに適した家具や設備を選ぶ
- ミーティングスペースを確保する
では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
自社のオフィス環境に適応できるか確認する
ユニバーサルレイアウトを導入刷る際は、自社のオフィス環境に適応できるか確認しておくことが重要です。
ユニバーサルレイアウトはオフィスの広さや形状、従業員の業務内容などによって適応度が異なります。
オフィスの広さが十分でない場合、通路が狭くなったり圧迫感を感じたりする可能性があるため注意が必要です。
また従業員の業務内容によっては席が横並びになることで、周囲の動きや雑音が気になり集中力が妨げられるケースもあります。
オフィスの広さや社員の人数、業務内容を考慮しユニバーサルレイアウトが適応できるか検討しましょう。
従業員の理解を得ておく
ユニバーサルレイアウトを導入する際には、責任者だけではなく従業員の理解も得ておきましょう。
オフィス環境の変化は、従業員の働き方に大きく影響するものです。責任者の独断でレイアウトを変えたことで、従業員の士気が下がるケースも考えられます。
事前にアンケートや短期間の試験導入を実施するなどして、従業員から十分な理解を得てから導入した方が賢明です。
ユニバーサルレイアウトに適した家具や設備を選ぶ
ユニバーサルレイアウトの場合、基本的にオフィス家具は統一します。
デザインや形状が異なる家具を配置すると従業員の好みや作業環境に影響が出てしまい、業務に支障が出る可能性があります。
誰がどの座席を使用しても影響が出ないよう、オフィス家具は統一すべきです。なおキャスター付きのイスやデスクにすれば、ミーティング時などでも対応しやすくなります。
ミーティングスペースを確保する
ユニバーサルレイアウトの導入で重要なのが、ミーティングスペースの確保です。
ユニバーサルレイアウトは部署ごとに配置が分かれていないため、島対向式のレイアウトのようにその場でミーティングを開始できません。
個人の作業スペースとは別にミーティングスペースを用意することで、緊急時のミーティングでもスムーズに対応できます。
ユニバーサルレイアウトでよくある質問
ユニバーサルレイアウトの導入でよくある質問を、3つ紹介します。
- 島型対向式レイアウトとの違いは何ですか?
- フリーアドレスとの違いは何ですか?
- ユニバーサルプランとは何ですか?
いずれもオフィスにユニバーサルレイアウトを導入する上で、把握しておきたい内容です。では、1つずつ詳しく解説します。
島型対向式レイアウトとの違いは何ですか?
島対向式レイアウトとユニバーサルレイアウトの違いは、下記の通りです。
席の配置 | メリット | デメリット | |
島対向式レイアウト | 部署やチームごとにデスクをレイアウトし、基本的に対面で配置する | 責任者が部下を管理しやすい | 組織変更や人員増減に対処しづらい |
ユニバーサルレイアウト | オフィス全体を均一にレイアウトし、基本的に横一列で配置する | 組織変更や人員増減にもスムーズに対処できる | 役職席がなく、社員の所属部署やチームがわかりづらい |
従来の島対向式のレイアウトにするかユニバーサルレイアウトのどちらが良いかは、自社の規模や業務内容により異なります。
従業員の意見も積極的に取り入れ、働きやすいレイアウトを取り入れると良いでしょう。
フリーアドレスとの違いは何ですか?
フリーアドレスとは、名前の通り個人席を配置しないレイアウトのことです。部署や役職に関係なく、社員が好きな座席を選べます。
一方、ユニバーサルレイアウトも部署や役職で席を区切りませんが、フリーアドレスとは違い基本的には固定席です。
なお、ユニバーサルレイアウトでもフリーアドレスを導入している企業もあります。固定席にするか自由席にするかは、社員数や業務内容に応じて決めると良いでしょう。
ユニバーサルプランとは何ですか?
ユニバーサルプランとユニバーサルレイアウトは、どちらも同じ意味で使われています。いずれも役職席を決めず横並びに配置し、デスクを横一列にレイアウトします。
組織変更や人員増減に対処しやすく、ワークスタイルの多様化に伴い導入企業も増えているオフィスレイアウトです。
まとめ:ワークスタイルの多様化に合わせユニバーサルレイアウトを検討しましょう
ユニバーサルレイアウトは従来の島型対向式レイアウトとは異なり、役職や部署で席を区切らずオフィス全体を均一にレイアウトする方法です。
組織変更や人員増加に伴うレイアウト変更の手間がなく、デスクを横一列で配置するためコミュニケーションが活性化しやすいのが特長です。
テレワークやフリーアドレスといった働き方にも対応しやすく、ワークスタイルの多様化に伴い導入する企業も増えています。
今回の内容を参考に、ぜひユニバーサルレイアウトの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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この記事を書いた人
hata