オフィスレイアウトの適切な寸法とは?おすすめパターンも紹介
公開日:2024.04.21 最終更新日:2024.05.14
オフィスのレイアウトを検討する際、適切な寸法が分からずに悩んでいませんか?
今回の記事では、オフィスレイアウトの基準的な寸法や、1人当たりの望ましいスペースについて解説します。またレイアウトを検討する際の注意点や、代表的なパターンなども紹介します。
法令等で定められた寸法についても触れますので、ぜひ最後までご覧ください。
オフィスレイアウトの基準的な寸法
快適で機能的なオフィス空間を実現するためにも、基準寸法を意識したレイアウト設計を心がけましょう。各場所の基準的な寸法は以下のとおりです。
通路幅 |
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デスク面積 |
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収納 |
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コピー機周り |
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会議室 |
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通路幅
一般的なオフィスの通路幅は、以下の基準が目安です。
- 主要な通路:1,200mm以上
- 補助的な通路:900mm以上
特に主要な通路は、車椅子の通行にも配慮し1,200mm以上の幅を確保することが求められます。また消防法の観点からも、避難経路となる通路は最低でも800mm以上の幅が必要です。
通路幅を十分に取ることで、社員の移動がスムーズになり、業務効率の向上につながります。加えて万が一の際の避難経路としても機能するため、安全面でも重要な意味を持ちます。
デスク面積
オフィスにおける1人当たりのデスク面積は業務内容や役職によって異なり、概ね以下の数値が標準的です。
- 一般社員:1,200mm×700mm程度
- 管理職:1,400mm×800mm程度
- 役員クラス:1,600mm×900mm以上
デスク面積が狭すぎると、作業スペースが限られ業務効率の低下につながります。一方で広すぎるとスペースの無駄になり、オフィス全体を効率よく使えなくなるため、適切なバランスを見極めることが大切です。
またデスク間の間隔も重要なポイントです。最低でも600mm程度の間隔を設けることで、社員同士のコミュニケーションが取りやすくなります。プライバシーに配慮しつつ、適度なコミュニケーションが生まれる環境を目指しましょう。
収納
一般的な書類収納として使用されるキャビネットや書棚の標準的な寸法は、奥行き450mm以上、幅900mm程度です。高さは天井高や収納物に合わせて設定しますが、一般的には1,800mm前後が使いやすいといわれています。
通路に面して設置する場合は、開閉に必要な前面スペースにも配慮が必要です。扉の開閉や引き出しの出し入れがスムーズに行えるよう、十分なスペースを確保しましょう。
加えて収納スペースの配置も重要なポイントです。頻繁に使用する書類や備品は、デスクから手の届く範囲に配置するなど、利便性を考慮したレイアウトを心がけることが大切です。
コピー機周り
コピー機の前面には、用紙の補充や操作のために十分なスペースを確保しましょう。使用中でも他の人が通行できるように、前面に450mm以上、通路側に600mm以上のスペースを設けるのがおすすめです。
デスクとコピー機の間隔は最低でも1,000mm以上が望ましく、ゆとりを持たせるなら1,500mm程度が適切な寸法と言えます。デスクで作業している人がコピー機を使用する際に、スムーズに移動できるスペースを確保しましょう。
また壁とコピー機の間は、背面から出る熱やノイズを考慮し450mm〜1,000mm程度を確保しましょう。
会議室
会議室の広さは、収容人数に応じて決定します。1人あたり1.5〜2.0m²程度のスペースを目安に、テーブルと椅子を配置できる広さを確保しましょう。例えば6人用の会議室であれば、9〜12m²程度の面積が必要です。
また室内の導線にも配慮し、テーブルや椅子の配置は参加者が自由に移動できるようにゆとりを持たせてください。テーブルの端から壁までの間隔は、最低でも900mm以上確保するのが理想的です。
さらに出入り口やドアの幅は、最低でも800mm以上の幅を確保しましょう。出入口に余裕を持たせることで、車椅子利用者への配慮ができます。
1人当たりの望ましいスペース
法律による一人当たりの面積の目安は1坪(約3.3m²)です。
事務所衛生基準規則では、従業員1人当たりのスペースは10立法メートルと定められています。一般的な天井の高さである3mのオフィスなら、面積が約3.3㎡になります。
ただし3.3㎡は、これはあくまで最低限の水準です。一般的なオフィスレイアウトであれば、2.5坪(約8.25m²)から3坪(約10m²)以上あれば余裕を持ったスペースと言えるでしょう。
デスクの配置によって、通路の幅やワークスペースの広さが変わるとともに、業務への集中度やコミュニケーションのあり方も変化します。スペース内の構成比やデスクサイズ・レイアウトについても検討することが大切です。
適切な寸法にするメリット
適切な寸法を確保することで得られるメリットは、以下の2点です。
- 業務効率が向上する
- コミュニケーションが円滑になる
メリットを理解し、生産性の高いオフィスを実現してください。
業務効率が向上する
十分なスペースを確保することで、ストレスを感じることなく業務に専念できるようになります。デスク面積が狭ければ作業効率の低下につながり、必要な収納を確保できなければムダな動きが増える可能性もあります。余計な移動を減らしたい場合は、余裕のある通路幅を確保しましょう。
さらに適切な寸法でデスクや什器を配置することで、オフィススペースを最大限に活用できます。限りあるスペースを有効活用し、効率的な業務運営が実現可能です。
コミュニケーションが円滑になる
デスク間の間隔を適切に設定することで、隣り合う社員との自然な会話が生まれやすくなります。お互いの顔が見える距離感が、コミュニケーションのきっかけを作ってくれるのです。
一方で過度に密集したレイアウトは、社員のプライバシーを侵害しコミュニケーションの妨げになることもあります。適度なパーソナルスペースを確保することで、社員はリラックスした会話ができるでしょう。
社員の導線を考慮したレイアウトも、コミュニケーション促進に効果的です。頻繁に連携する部署を近くに配置することで、活発な情報共有やコラボレーションが期待できます。
オフィスレイアウトを検討する際の注意点
ここではオフィスレイアウトを考える上で特に注意すべきポイントとして、以下の2つを解説します。
- 法令順守
- 導線の確保
変更したあとに後悔しないよう、ポイントを押さえておきましょう。
法令順守
建築基準法をはじめとする各種法令で、オフィスの設計に関する様々な基準が定められています。これらの基準を満たさないレイアウトは違法となる可能性があるため、十分な確認が必要です。
例えば建築基準法令第2節では、オフィスの面積に応じた出入口の数や幅、避難通路の確保などが義務付けられています。延べ面積1000m²以上のオフィスでは、2つ以上の直通階段を設置しなければいけません。
また事務所衛生基準規則では、1人当たりの気積(オフィスの容積)を10m³以上確保することが定められています。
加えて、消防法に基づく防火対象物の用途変更などの手続きも必要となるケースがあります。オフィスの規模や用途に応じて、防火区画の設定や消防設備の設置などが求められるのです。
さらにバリアフリー法や省エネ法など、オフィス環境に関わる他の法令にも目を通し適切に対応しましょう。
導線の確保
適切な導線を確保できないと、作業効率の低下や安全性の問題につながる可能性があります。
例えば通路は、各部署間の移動や資料の運搬がスムーズにできるよう、十分な幅を確保しましょう。最低でも1,200mmの幅が必要とされますが、余裕を持たせて1,700mm以上の幅を設けるのが理想的です。特に両側が壁に囲まれた通路では、1,600mm以上とするのが理想的です。
また導線が交差したり、遠回りしなければいけないようなレイアウトは避けましょう。まっすぐで分かりやすい動線を設定することで社員の移動がスムーズになり、業務効率の向上につながります。
さらに出入口や階段、エレベーターへのアクセスは、混雑を避けるためにも複数ルートを設けることを検討してください。非常時の避難経路についても十分に検討し、安全性の高いレイアウトを目指すことが重要です。
オフィスレイアウトの4つのパターン
オフィスレイアウトには大きく分けて、以下の4パターンがあります。
- 向かい合わせ型
- 背中合わせ型
- ブース型
- クラスター型
それぞれに特徴がありますので、レイアウトの目的に応じて選びましょう。
向かい合わせ型
向かい合わせ型のレイアウトは、デスクを対面するように配置した島型のレイアウトです。このレイアウトのメリットとデメリットは、以下のとおりです。
メリット
- 最小限のスペースで配置できる
- コミュニケーションが取りやすい
- 同じ部署のメンバーを向き合わせることで、情報共有や連携が促進される
デメリット
- 対面のため視線が気になる
- 社員同士の距離が近すぎると、集中力が低下する可能性がある
- プライバシーの確保が難しい
向かい合わせ型は、コミュニケーションを重視する部署に適したレイアウトと言えますが、デメリットにも配慮した設計が必要です。
背中合わせ型
背中合わせ型(背面式)レイアウトは、デスクを背面で向き合わせるように配置したレイアウトです。メリットとデメリットは以下のとおりです。
メリット
- 振り向くだけでメンバーと会話でき、コミュニケーションがとりやすい
- フロアを効率よく使用できる
- 社員のプライバシーをある程度確保しつつ、集中しやすい環境が作れる
デメリット
- 机の正面にパーテーションを設置する必要がある場合、コストがかかる
- スペース効率は良いが、レイアウトとしての特徴に乏しい
背中合わせ型は、集中と交流を両立させたい場合に適したレイアウトです。ただし、パーテーションの設置などによるコスト増加の可能性がある点には注意が必要です。
ブース型
ブース型レイアウトは、パーテーションで区切られた個人スペースを確保できるレイアウトです。デスクを島型に配置し周囲をパーテーションで囲むことで、プライバシーを保護しながら集中して作業に取り組める環境を作れます。
メリット
- 個人の作業効率を重視する業務に適している
- 電話応対やデータ入力など、周囲の雑音に影響されやすい作業に有効
- パーテーションの高さを調整することで、適度なコミュニケーションも促進できる
デメリット
- パーテーションの設置にコストがかかる
- レイアウト変更の柔軟性が低い
- 個人のスペースが強調されすぎると、コミュニケーション不足になる恐れがある
ブース型は、集中が必要な業務と適度な交流を両立させたいオフィスに適したレイアウトです。ただしパーテーション設置のコストや、レイアウト変更の柔軟性の低さには注意が必要です。
クラスター型
クラスター型レイアウトは、前席の背中を見るようにデスクを同じ向きに並べ、隣の列はデスクの向きが逆になるように配置したレイアウトです。列の間にはテーブルや収納家具などを設置し、2列をローパーテーションで仕切るのが一般的です。
メリット
- 適度にプライバシーを確保しつつ、必要に応じてコミュニケーションを取れる
- 島型に比べてスペースを有効活用できる
デメリット
- レイアウト変更の柔軟性が低い
- 部署間のコミュニケーションが取りづらい場合がある
クラスター型は、少人数チームでのコミュニケーションを重視するオフィスに適したレイアウトです。
まとめ:法令等を守って適切な寸法でレイアウトしよう
オフィスレイアウトを検討する際は、建築基準法令などのルールを守る事が前提です。ただし最低限の寸法を守るだけでなく、従業員が働きやすい環境にすることも重要です。
オフィスレイアウトの寸法を適切にすることで、業務の効率アップやコミュニケーションの促進が期待できます。さらに限られたオフィス全体を有効活用でき、コスト削減にも役立ちます。
今回紹介したオフィスレイアウトのパターンを参考に、自社に最適なレイアウトを見つけてください。
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この記事を書いた人
hata