オフィスレイアウトを整える3つのコツとは?パターンの例や効果を解説
公開日:2024.04.21 最終更新日:2024.05.14
小規模オフィスでも、おしゃれで機能的なレイアウトを作れます。
本記事ではレイアウトを整える効果と、生産性の高いオフィスを作るための方法について紹介します。
レイアウトを整える方法についてステップごとに解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
オフィスのレイアウトを整えることによる効果
オフィスのレイアウトを整えることで、次のような効果が得られます。
- 企業のコンセプトを伝えられる
- コミュニケーションが活発化する
- 業務効率が向上する
- オフィススペースを有効活用できる
ここでは、それぞれの効果が得られる理由について解説します。
企業のコンセプトを伝えられる
ブランディングの価値を向上させるためには、オフィス内にいるすべての人が同じ企業のコンセプトを共有している必要があります。
オフィスのデザインは、イメージを作るために重要です。ロゴや色・製品を反映したデザインがオフィス内に取り入れられていることで、企業のコンセプトを来客や社員に伝えられます。
社内で価値観を共有できるようになるため、ブランディングの価値向上につながります。
コミュニケーション活発化による業務効率の向上
特にオープンスペースや休憩スペースを整えると、部署を越えたコミュニケーションが活発化します。
会話の中から革新的なアイデアが生まれ、売上に貢献することもあるでしょう。コミュニケーションを普段から取ることで、業務上の疑問や課題をすぐに解消できるようになります。
結果として重要な業務に集中できるようになるため、仕事に対するモチベーションや効率の向上にもつながります。
オフィススペースの有効活用
オフィスを運営する際には、家賃が毎月の支出に含まれます。
レイアウトが乱雑で整理されていない場合、不要なスペースが生まれ、コストがかさみます。また、作業効率が低下し、生産性が損なわれることもあるでしょう。
一方、レイアウトを整えることで、オフィスの空間をより有効活用できます。生産性が向上し、コスト削減にもつながります。
オフィスレイアウトの運用パターン
オフィスのレイアウトは、生産性が向上するだけではなく、コミュニケーションを取りやすくするためにも重要です。
現代、固定席はもちろん、リモートワークといった働き方が多様化しているため、活動に合わせてレイアウトを決める必要があります。
オフィスレイアウトの運用パターンには、次の3つがあります。
- 固定席
- フリーアドレス
- ABW
それぞれの運用パターンについて解説します。
固定席
固定席のメリットとして、関係性が作りやすいことが挙げられます。
同じ場所に座ることで、部署内のコミュニケーションが取りやすくなるため、チームワークや一体感を醸成しやすいとされています。
また、個人ごとに専用のワークスペースがあることで、安心感につながります。ただし、固定席では部署を超えた仕事を行う場合、コミュニケーションが取りづらくなります。
フリーアドレス
デスクの指定が無く自由な場所で業務を行えるため、部署の壁を越えてコミュニケーションが取りやすくなります。
フリーアドレスでレイアウトを作成する際は、全社員分の座席を用意せずに、部署ごとに席数を調節してスペースを最適化することが一般的です。
このスタイルは、外回りの多い営業や在宅勤務者が多い部署に向いています。また、開放的で自由な雰囲気を作りたい企業にもおすすめです。
ただし、個人の書類や私物の収納場所がないため、個別ロッカーなどを別途用意する必要があります。
ABW
ABW(Activity-Based Working)スタイルは、仕事内容や気分に応じて働く場所を選べるオフィス形態を指します。
例えば、自宅やカフェ、コワーキングスペースなどから出勤が可能です。出社の義務がなくなるため、ワーク・ライフ・バランスを維持しやすくなり、各社員の生産性向上が期待できます。
また、ABWの導入に伴い、フリーアドレス化を進めることでオフィス縮小や設備コストの削減もはかれます。
オフィスデスクのレイアウトパターンについて
座席配置によって、得意な作業スタイルが異なります。
デスクのレイアウトは次の通りです。
- 対面型
- 同向型
- 背面型
- クラスター型
- ベンゼン型
- 卍型
ここでは、各オフィスデスクのレイアウトパターンについて解説します。
対面型
グループごとにデスクを向かい合わせて一つの島を作る配置方法で、島型レイアウトとも呼ばれています。
社員同士のコミュニケーションが取りやすいため、一般事務や営業などさまざまな職種に向いています。部署ごとにデスクがまとめられるため、省スペースで運用可能です。
さらに、増員や席替えが容易なため、社員の変更に対しても効率の良いレイアウトです。ただし、個人ごとのスペースを作り出しにくいため、集中力が必要な業務を行うオフィスには向いていません。
同向型
すべてのデスクを同一方向に並べる配置方法です。学校の教室を連想させることから、スクール式のレイアウトとも呼ばれています。
電話オペレーターや銀行など、個人のデスクワークが中心となる環境で用いられることが多いです。会議室や研修でも使用されるものの、コミュニケーションが取りにくいことからオフィスで使われる頻度は下がっています。
背面型
社員同士がお互い対面せずに背中を向ける配置方法です。お互いの視線を気にせず、横と後ろに職員がいるためコミュニケーションが取りやすいです。
さらに、スペース効率が良いため限られた空間でもデスクを配置可能です。デスクの間にテーブルなどを設置することで、気軽にミーティングを行えます。
集中力が求められる業務を行いつつも、ミーティングが必要な業務形態に有効な配置です。
クラスター型
隣の列との間にパーテーションを設置し、一列ごとに逆向きにデスクを配置する方法です。
クラスターは本来ぶどうの房を意味するため、レイアウトを上から見た時に、房についたぶどうのようなイメージになります。
このレイアウトであれば、パーテーションでグループが区切れます。さらに、プライバシーが守られやすく、コミュニケーションが活発化しやすいです。
また、スペース効率が良いため、限られたスペースでも多くの人を配置可能です。
ベンゼン型
120度のブーメラン型デスクを使用し、六角形に並べ背中合わせに座る配置方法です。
正面にパーテーションを置くことで作業に集中できる一方、後ろを向くと部署内でのコミュニケーションが取れます。集中したい作業と、コミュニケーションを取る作業の両方が、1日に何度も行われるような部署におすすめです。
デスクが広いため1人当たりの机上面積が大きく、複数モニターが見やすい反面、スペース効率にやや難があるため注意が必要です。
卍型
4台のデスクを卍字の形に並べる配置方法です。社員のプライバシーを一定程度確保しつつ、コミュニケーションが取りやすく、集中しやすい環境を作れます。
デスクが隣接していても視線が合いづらいため、個人業務がメインの部署に向いています。ただし、対面型や背面型に比べ場所を取るため、狭いオフィスではレイアウトできない場合があります。
オフィスレイアウトを整えるコツ
次の3ステップを行うことで、オフィスのレイアウトを整えます。
- コンセプトを決める
- ゾーニングを決める
- 動線計画を立てる
ここでは、各ステップについて解説します。
①コンセプトを決める
オフィスのレイアウトを整える際に、目的や企業文化、働く人々のニーズを反映することが重要です。
コンセプトを決め、ゾーニングや動線、家具の配置をコンセプトに基づいて計画することで、スムーズに進められます。
また、オフィスレイアウトは企業の理念やブランド価値を、社内外に浸透させる際に役立ちます。エントランスや応接スペースなど外部の目に触れる場所は、自社製品や自社のカラーを活用することで、ブランディング効果を高められます。
②ゾーニングを決める
ゾーニングとは、オフィス内の異なるエリアを機能別に分けることです。オフィス内は、次の3エリアに分けるとよいでしょう。
- 静かな作業エリア
- コミュニケーションを促進するオープンスペース
- リラックスできる休憩エリア
ゾーニングを行う際に押さえておきたいポイントは次の通りです。
- 社員1人当たりに必要な面積を確保する
- 従業員の働き方に合わせる
- 各機能のスペース面積を決める
- 応接室の場所は優先的に決める
それぞれのポイントを抑えることで、各エリアをより効率的に利用可能です。
社員1人当たりに必要な面積を確保する
社員1人当たりに確保する面積は約10.5㎡(約3坪)がよいとされています。面積が少なすぎるとリスクが高まる場合があるため注意が必要です。
- 機密情報を漏洩するリスク
- 生産性が低下するリスク
面積が不足していても、通常業務やミーティングスペースを優先的に確保する必要があります。一方、面積が広すぎると光熱費や賃料のコストが上がります。
オフィススペースを効率よく活用するためには、不要なものを処分し共有可能なものは共有するといった工夫が必要です。
従業員の働き方に合わせる
例えば、外勤者が多い企業や部署では、席の数を減らしてフリーアドレス制を導入し、必要なエリアを増やしましょう。
一方、内勤者が多く在席率が高い場合は、デスクワークがはかどるよう大きめのデスクを採用する場合が多いです。
リモートワークが発達し出社率が低下している場合、固定席を撤廃してフリーアドレスを導入し、他エリアの割合を増やしましょう。
各機能のスペース面積を決める
機能ごとのスペース面積の比率は次の通りです。
スペース名 解説 割合 作業場所、自席 社員が作業を行う場所 50~60% 共有スペース 会議室や応接室 14% 情報管理スペース 機密文書の保管場所、サーバールーム 10% 役員用スペース 役員専用の場所 8% リフレッシュスペース 食堂などさまざまな目的で使用可能な場所 7% 収納スペース 書類や備品を収納する場所 4% 交通スペース 通路や廊下 2%
上記の割合を考慮しつつ、各機能スペースに適切な面積を割り当てオフィスレイアウトを構築します。図面上で家具や間仕切りの配置をシミュレーションすると、効果的に動線や使いやすさを確認可能です。
応接室の場所は優先的に確保する
応接室を優先的に決定することで、他の機能スペースの配置がしやすくなります。
応接室はオフィスの受付や入り口付近のような、社内情報を社外の人から見えない場所に設置することが一般的です。社外の人がトイレや給湯室を利用する場合も考慮しましょう。
③動線計画を立てる
動線が簡略化されていると、スムーズに移動可能なため作業効率を高められます。また、動線は緊急時の避難経路としても活用されるため、安全性を確保する必要があります。
業務内容に応じて動線を確保しつつ、デスクや複合機といった業務に必要なアイテムを配置します。主要な項目と確保すべき通路幅の関係は次の通りです。
座席と座席 座席と壁項目 確保すべき通路幅 メイン通路と座席 1,600mm デスク同士と壁 900mm 収納庫と座席 1,500mm
複雑な動線の場合、目線が合いやすくなる工夫を入れることで、コミュニケーションの活発化にもつながります。新しいアイデアが生まれ、社内の発展につながる可能性もあるでしょう。
まとめ:オフィスのレイアウトを整え作業スペースを確保しよう
オフィスのレイアウト改善による効果は、作業環境の整備だけではありません。社員の生産性向上やコミュニケーションの活発化、企業ブランド強化にもつながります。
いずれも成功に不可欠な要素のため、経営戦略の一部として考慮するのも重要です。オフィスのレイアウトを整え作業スペースを確保することで、さらなる会社の発展を見込めます。
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この記事を書いた人
hata