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オフィスの防音は必要?音漏れの原因から対策まで解説

公開日:2024.04.25 最終更新日:2024.04.25

オフィスに防音対策を施すことで、生産性の向上がはかれます。より質の高い商品やサービスが作れるようになるため、売上も向上するでしょう。

さらに、現場で働く社員の満足度も増加し、離職率が下がりイメージアップにもつながります。

本記事では音漏れが発生する原因と、防音対策に必要な情報を紹介します。中には費用がかかる防音対策もありますがその分、防音の効果も高いです。

オフィスで優先して防音対策すべき場所についても解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。

オフィスにおける音漏れの原因

オフィスで音漏れが発生する原因は次の通りです。

  • 振動
  • 隙間から音が漏れる

それぞれ詳しく解説します。

振動

音漏れの原因となる振動には、音・空気・物体の3種類があり、振動の種類によって音の伝わり方が異なります。

振動の種類解説特徴
音響機器の振動が物体に伝わり、音として放出される音響機器の反響低音の音響機器は振振動が強力なため、反響が大きくなりやすい
空気音が空気を伝わり、室外に漏れる人の話し声
電話の着信音
部屋に隙間があると漏れやすい
物体衝撃によって発生した振動が構造物の中を伝わって振動する歩く音
ドアの開閉音
物体の落下音
壁や床の素材によって振動の発生しやすさが異なる

音の伝わり方には「空気伝搬音」「固体伝搬音」の2種類があります。

「空気伝搬音」とは、会話や電話の着信音が空気の振動によって伝わり、室外に漏れることで音漏れが起こります。一方、「固体伝搬音」とは、床や壁、天井などの物体を通じて伝わる音のことです。

音波が物体に当たると、一部は反射して元の方向に戻り、一部は物体を通過して別の空間に広がります。素材が薄い、または遮音性が低い場合は、音漏れが起こりやすくなります。

隙間から漏れる

音は振動が空気中に伝わって発生します。部屋内では、音は壁や物体に当たって反射し、通り抜ける場合もあります。

ドアやOAフロアの床下、天井裏などの隙間を通るときに、少しずつ音漏れが起こりやすいです。一方、部屋に仕切りがあると、音漏れの心配が少なくなります。

オフィスの防音対策がなぜ必要か?

オフィスに防音対策が必要な理由は次の4つです。

  • 騒音を抑えるため
  • 情報漏洩を防ぐため
  • Web会議中のハウリングを防ぐため
  • 業務に集中するため

順番に解説します。

騒音を抑えるため

オフィスでは、話し声や機械音が騒音につながる場合があります。従業員は業務に取り組んでいるため、故意に音を発生させているわけではありません。

しかし、外部から音が聞こえると、社内でのコミュニケーションがスムーズにいかず、業務が滞る可能性があります。HSPのような環境に敏感な人の場合、騒音自体がストレスにつながり、精神や体調に影響が出る場合もあります。

また、近年はWeb会議を実施する機会が増えています。Web会議をスムーズに進めるには、クリアな音声でやり取りすることが重要です。

オフィスの防音対策を促し騒音を抑えることで、社内のコミュニケーションやWeb会議をスムーズに進められるようになります。

情報漏洩を防ぐため

オフィスではビジネスに関する重要な会話を行います。その中で、個人情報や企業の機密情報が話されることも多いです。

社員同士の軽い会話にも、同業他社にとっては有益な情報が含まれている可能性も高いです。防音対策を施すことで、無意識のうちに情報が漏れる事態も防げます。

情報漏洩のリスクを最小限に抑える必要がありますが、防音がされていないと、第三者に内容を聞かれてしまい、情報漏洩につながります。

また、従業員のプライバシーの漏洩を防ぐことも重要です。従業員が何らかの悩みを抱えている場合でも、音漏れリスクを懸念し、上司に気軽に相談できない場合があります。

円滑な業務遂行のため、個人面談時に外部に話が漏れない環境を作る必要があります。

Web会議中のハウリングを抑制するため

ハウリングとは、金属音のような不快な雑音のことで、スピーカーの音をマイクが拾うことによる音の急激な増幅が原因です。

Web会議中はパソコンやタブレットを複数台使用する場合が多いです。マイクとスピーカーが同時に使用されるため、ハウリングが発生しやすくなります。

ハウリングが発生すると、音が不快な上にコミュニケーションを円滑に取れません。会議の進行が妨げられるため、出来るだけ抑制することが重要です。

部屋に防音対策を施すことで過剰な反響音が発生しづらくなるため、ハウリングの頻度も下がるでしょう。

業務に集中するため

音漏れや騒音が発生すると、業務への集中力が低下し、作業効率が悪化します。仕様通りの製品やサービスを作り上げられなくなり、トラブルにつながる恐れがあります。

また、騒音の多い環境で会話をしようとしても、効率的にコミュニケーションを取れなくなり、意思疎通がはかれません。

チームワークが悪くなり、業務の遂行に妨げが出る恐れがあります。静かな環境で業務することで、社員の集中力をアップさせ、より良い製品やサービスをつくりあげられます。

社員の集中力アップのために、会議室だけでなく業務スペースの防音対策も必要です。

オフィスの防音対策に必要な4つの要素

以下4つの要素を組み合わせることで、オフィスの防音対策が可能です。

  • 吸音
  • 遮音
  • 制振
  • 防振

それぞれの要素について詳しく解説します。

吸音

吸音とは、音の波を吸収し、音の反響を抑制する方法です。

専用の吸音材を壁や床、天井などに設置することで、音が反射して響きづらくなります。騒音や音声そのものは小さくならないものの、空気の振動による音漏れを防げます。

遮音

遮音とは、空気や物体を介して外部から伝わる音や、内部から漏れる音を遮断する方法です。

遮音材を使用することで、外部からの音や内部から漏れる音を遮断し、音の伝達を防止できます。遮音アイテムを利用し、外部の音が壁を伝って内部へ伝わらないよう反射させる方法が一般的です。

制振

制振とは、音の振動をできるだけ短時間に抑えて、周囲への音の広がりを防ぐ方法です。

壁や天井など振動している物体に揺れを制御するアイテムを設置し、振動を熱エネルギーに変換し発散させることで音の広がりを防ぎます。音の振動を低減できるゴム製のシートを設置することが多いです。

防振

防振は、音の振動をまわりに伝わりにくくすることで騒音を防ぐ方法です。特に物体の振動によって音を伝える固体伝搬音の場合、音が遠くまで伝わります。

低音や足音といった音は、固体伝搬音として伝わりやすいですが、防振効果のあるアイテムを使用することで音漏れを軽減できます。

防振材や防振作用のあるゴムマットを用いることが多いです。

オフィスで優先して防音対策すべき場所

音漏れは、オフィスのさまざまな場所で発生します。

しかし、建物の構造や素材などの企業側の努力で変えられないものもあるため、すべてに防音対策を施すのは難しいでしょう。

そのため、優先順位を立て防音対策を行うことが重要です。防音対策を優先的に行うべき場所は次の通りです。

  • 応接室
  • 仮眠室
  • Web会議機器周辺
  • 会議室
  • リフレッシュスペース
  • 集中スペース
  • 社長室

それぞれの場所について特徴と理由を解説します。

応接室

応接室は、社内外の人が出入りする場所ですが、場所によっては会話の内容が漏れる可能性があります。機密情報に関する内容が漏れ聞こえると、情報漏洩につながる可能性もあり危険です。

また、隣接する部屋からの音漏れが大きいと来客者に不快感を与え、会社の印象を損なう可能性もあります。応接室を防音にすることで、来客者のプライバシーを守りつつ、商談における機密情報の漏洩を防止できます。

仮眠室

社員が休憩し、リフレッシュする場所です。生産性を向上させるために、睡眠や休憩を取る必要があります。

ただし、まわりの音漏れが大きい場合、仮眠を取りに来ても十分な休息がとれない可能性が高いです。休憩を取ったにも関わらず、休憩後の生産性が上がらなくなり、より良い製品やサービスを作れない恐れがあります。

仮眠室に防音対策を施すことで気分がリフレッシュされるため、起床後の業務効率化がはかれます。

Web会議機器周辺

Web会議では、音声をクリアに伝えることが重要です。

雑音がマイクに拾われると会議の質が低下し、円滑なミーティングの進行が妨げられる可能性があります。取引先に不快な思いをさせないことや、会議中の音質を確保するためにも防音対策が必要です。

また、Web会議では機密事項を扱う場合があるため、情報漏洩にも注意が必要です。防音対策が施されていない場合、Web会議の内容が外部に聞こえる可能性があり、情報漏洩につながります。

会議室

参加者が効果的に意見を交換し、議論を行うために静かで集中できる環境が必要です。防音対策が不十分だと、会議の進行が妨げられ、意思決定や情報共有の品質が低下する可能性があります。

また、 会議室では、機密情報や重要な議題について話し合うことが多いです。周囲の騒音が入り込むと、会議の内容が外部に漏れる可能性があります。

さらに、大きい声が廊下や他の部屋に聞こえるような場合、通常業務の妨げとなり、生産性が低下する可能性もあります。

リフレッシュスペース

従業員がリラックスしストレスを解消する場所です。防音対策が施されていない場合、外部の音にリラックスできず、集中力が回復しない可能性があります。

一方、リフレッシュスペースではさまざまな会話が行われるため騒がしくなる場合があり、無意識のうちに機密情報を話すこともあります。

たとえ利用者が社員限定であっても、近くを来客が通る際に社内の情報が洩れるリスクにも注意を払うことが重要です。

集中スペース

社員が静かな環境で作業に集中するための場所です。騒音が入り込むと、社員の集中力が低下し、作業効率が悪化します。

さらに、集中スペースは社員が個人的なタスクに集中したり、新しいアイデアを考える場所でもあります。

防音対策が不十分な場合、集中できず創造力が妨げられる恐れがあり、考えていた新しい製品やサービスのイメージが失われる可能性もあります。

集中スペースは生産性を上げるための場所のため、優先的に防音対策を行う必要があります。

社長室

社長室は企業運営に関するやり取りがある場所で、情報漏洩のリスクが特に高いです。社長室には社内のあらゆる機密情報が持ち込まれます。

書類はもちろん、役員や秘書による口頭での連絡事項も機密情報が多く、防音対策が不十分だと外部に漏れ出る可能性が高いです。社長室は防音対策だけではなく、セキュリティ対策も万全に行うことが重要です。

オフィスにおける防音対策の例

オフィスに置ける防音対策の例として、次の5つが挙げられます。

  • 壁や床、窓を防音対応にする
  • 吸音可能なアイテムを設置する
  • ドアや壁の隙間を埋める
  • サウンドマスキング設備を導入する
  • Web会議ブースを導入する

順番に解説します。

壁や床、窓を防音対応にする

オフィスの壁は、密度の高い素材がおすすめです。特に、次の素材が防音に向いています。

  • 石膏ボード
  • コンクリート
  • ウール
  • ウレタン

オフィスの床にも防音対策が可能です。フローリングよりも吸音性の高いカーペットを採用しましょう。

タイルカーペットは防音効果が高い上に土足でも汚れにくいです。汚れても一部のみの張り替えが可能なため、コストを抑えつつ吸音性を追求できます。

また、窓から音が漏れる可能性があります。窓ガラスの音漏れを防ぐには、内窓を付け二重窓にするか、二重ガラスを用いると良いでしょう。

二重窓にすると、窓と窓の間に空気の層ができるため、音が窓内で反復し、窓の外に音が伝わりづらくなります。

吸音可能なアイテムを設置する

壁や床がすでに設置されている賃貸物件でも、吸音材を使うことで防音可能です。吸音材には吸音パーテーションや吸音ボードといったアイテムがあります。

吸音パーテーションは反射や音場を調整し、音漏れを防止できます。

簡単に設置や撤去したい場合は置き型、スペースを完全に区切り防音対策を徹底したい場合は施行型が効果的です。

また、吸音ボードや吸音パネルを壁に取り付ける方法もあります。高い吸音性と通気性、防炎性を求める場合、フェルト製の吸音ボードがおすすめです。

ドアや壁の隙間を埋める

音漏れは、ドアや窓の隙間からも発生するため、隙間を塞ぐことで音漏れを軽減できます。そこで、パッキンやシリコンコーキングを使いドアや窓、壁の隙間を埋めることが効果的です。

すぐに隙間を埋められる方法としては、防音テープの貼り付けがあります。合成ゴムやウレタンといった素材で作られた防音テープは、カットして貼り付けられるため、手軽に使えます。

サウンドマスキング設備を導入する

必要以上に静かな空間の場合、小さな雑音や広い範囲の音漏れを拾う場合があります。

あえてスピーカーから騒音と同じ周波数の音を流し、雑音を聞こえにくくするサウンドマスキング設備によって音漏れを防げます。

サウンドマスキング設備には、工事が不要な置き型タイプと天井裏に設置するタイプがあるため、状況に合わせて適切なものを選びましょう。

ただし、会話の妨げになる可能性があったり、遮音されていない場所では効果が出にくいため、スピーカーの配置場所や音量の設定には注意が必要です。

Web会議ブースを導入する

Web会議専用のブースを導入することで、外部から音が聞こえたり会議ブースから音漏れすることを防ぎ、会議に集中できる環境が作れます。

Web会議ブースを作成する際は間仕切りを部屋の中に導入することが多いです。間仕切りはオフィスの天井まで届く高さになるため、遮音性や防音性に優れています。

まとめ:オフィスに防音対策を施し、快適な業務環境を作ろう

オフィスに防音対策を施す理由は、情報漏洩を防ぐためだけではありません。生産性も向上やコミュニケーションの活発化により、売上増加にもつながる可能性があります。

一度にすべての部屋に対して防音対策を行うと費用がかさみます。部屋に優先順位を立て、防音対策を施すとよいでしょう。

低予算でも対応可能な方法もあるため、ぜひ社内にとって最適な防音対策を立ててみましょう。

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