店舗デザインの内装を決めるポイントやスタイル別の特徴を解説!
公開日:2024.10.01 最終更新日:2024.10.01
店舗の内装はお客様に心地よい空間を提供し、売上向上につなげるための重要な要素です。しかし、どのようにデザインのコンセプトを固めればよいか分からないとお悩みの方もいるでしょう。
内装を決める際には、客層やサービス内容、店舗形態などから全体のコンセプトを固めておく必要があります。そこで今回は、店舗デザインの内装を決める方法や内装工事の費用、依頼先選びのポイントを解説します。
本記事を参考に、魅力的な店舗デザインの内装を実現し、多くの人から愛される店舗作りを目指してください。
店舗デザインの内装とは?
店舗デザインの内装とは、店舗内部の空間を表現することを意味します。店舗の外観デザインも重要ですが、内装デザインはお客様が商品やサービスに触れる空間を創り出すため、ブランドイメージの形成や顧客体験の向上に大きく貢献します。
独自の世界観を演出した店舗デザインを設計することで、集客やブランディングによい影響をもたらすでしょう。
内装は、おもに次の要素で決まります。
店舗デザインの要素 | 詳細 |
内装工事 | 壁天井、床の仕上げ、間仕切りなどの工事により空間全体を構成する |
インテリアコーディネート | 家具、什器、装飾品などの選定と配置を行う |
カラーコーディネート | 壁・家具・照明の色など、色の組み合わせによって空間のイメージを構築する |
照明・音楽・香りなど | 五感を使って空間を演出する |
なお、店舗設計も店舗デザインと同じ意味を持ち、広義には電気や給排水などの設備工事も含まれます。
効果的な店舗デザインを構築するためには、店舗のコンセプトを明確にし、ターゲット顧客にあわせた計画を練ることが重要です。店舗にあわせた最適な内装デザインを構築することで、次のようなメリットが得られます。
- 集客力や売上の向上
- 顧客満足度の向上
- ブランドイメージの確立
- 従業員のモチベーション向上
効果的な店舗デザインは、単なる見た目の美しさだけでなく、お客様に与える印象や店舗のブランドイメージを大きく左右します。お客様に感動を与える空間をデザインし、全体の利益につなげることが大切です。
店舗デザインの内装を考える際のポイント
内装を考える際は、次のポイントを押さえましょう。
- 契約する物件の立地や間取り
- 提供したいサービスとの相性
- ターゲット顧客の属性
- 顧客や従業員の動線設計
それぞれのポイントを踏まえ、魅力的な店舗デザインを構築しましょう。
契約する物件の立地や間取り
物件の立地や間取りは、店舗デザインを決める基礎であり、内装設計の自由度を左右します。物件の特性を最大限に活かすことで店舗の個性を際立たせ、魅力的な印象を与えられます。
たとえば、天井が高い物件であれば開放感のある空間、窓が多い物件では自然光を活用した明るい店舗が実現できるでしょう。
また、立地によって周辺環境や客層も大きく異なります。たとえば繁華街ではにぎやかで活気のある雰囲気作りがなじみやすく、閑静な住宅街にある店舗であれば落ち着いた雰囲気が求められるかもしれません。
周辺環境は、店舗のマーケティング活動にも大きく影響します。物件や立地が持つポテンシャルを十分に発揮することで、魅力的な店舗作りを実現できるでしょう。
提供したいサービスとの相性
サービスの内容と内装デザインは密接に結びついており、お客様が店舗で過ごす体験を大きく左右します。
たとえば飲食店であれば、食事を楽しむための快適な空間が必要です。ゆったりとしたソファや柔らかな照明など、居心地のよい内装が好まれるでしょう。一方アパレルショップでは、時間をかけて商品を比較検討できるような陳列方法や、試着室の環境が重要となります。
最適な店舗デザインを構築するには、提供するサービスの特性を深く理解することが不可欠です。店舗のコンセプトと内装のデザインがかけ離れていると、居心地の悪い空間になり、リピート率の低下を招きかねません。
サービスの内容を店舗デザインと一致させ、お客様のニーズにあった空間の演出が大切です。
ターゲット顧客の属性
ターゲット顧客の年齢層や性別、趣味嗜好によって、好まれる空間は大きく異なります。顧客の心に響く内装デザインにすることで、購買意欲を高め、リピーターの向上が見込めます。
たとえば若者向けの店舗は、トレンドを取り入れたスタイリッシュな空間、高齢者向けの店舗は、落ち着いた雰囲気の内装が好まれる傾向です。
ターゲットの属性を把握するには、地域特性の調査やニーズ分析が重要となります。具体的にはアンケートなどの調査を通じて、顧客のライフスタイルや価値観を深く理解し、内装デザインに反映させる施策が効果的です。
顧客の多様なニーズに応えることで、店舗は魅力的な場所へと進化します。
顧客や従業員の動線設計
動線がスムーズで分かりやすい店舗は、お客様にストレスを感じさせることなく、快適に過ごしてもらえます。また、従業員の業務も効率化されるため、生産性の向上も見込めるでしょう。
具体的には、商品の陳列方法や什器の配置を最適化します。動線を明確にするために床材の色を変えたり、案内表示を設置したりなどの工夫も有効です。
配置や動線を考慮することで、顧客と従業員の双方にとって快適な空間が生まれます。
店舗デザインの内装工事にかかる費用
店舗デザインの費用は、店舗のインテリアだけを依頼する場合と、内装工事を実施する際とで目安となる金額が異なります。店舗のコーディネートのみ依頼する場合は、50,000〜150,000円程度が相場です。
内装工事の費用相場は物件の種類によって異なり、おおむね次のとおりです。なお、物件の広さや必要な工事の数によって、費用は前後します。
物件の種類 | 詳細 | 費用目安 |
スケルトン物件 | 内装をゼロから施工する物件 | 10,000,000~20,000,000円 |
居抜き物件 | 前のテナントが使用していた内装や設備などが残っている物件 | 2,000,000~6,000,000円 |
これらにくわえ、業務に必要な機材や家具は別途調達しなければなりません。
内装工事や店舗デザインには初期費用がかかりますが、長期的な視点で見るとさまざまなメリットが得られます。予算と相談しながら、理想的な店舗デザインを実現しましょう。
内装デザインのスタイル
店舗の内装デザインには、さまざまなスタイルが存在します。ここから、人気のデザインとそれぞれに適した業種などを見ていきます。
- 洋風デザイン
- 和風デザイン
- 北欧風
- モダンスタイル
- ナチュラルスタイル
それぞれの特徴を把握し、店舗デザインのコンセプトを決める際に役立てましょう。
洋風デザイン
洋風デザインは、優雅で洗練された雰囲気が特徴のスタイルです。色使いは白やベージュ、ブラウンを基調としたものが多く、開放感のある空間を演出できます。
高級レストランやブティック、ジュエリーショップなどの高品質な商品やサービスを提供する店舗で取り入れやすいデザインです。落ち着いた雰囲気もあわせ持つため、お客様に快適な時間を過ごしていただけるでしょう。
和風デザイン
和風デザインは日本人にとって親しみやすく、落ち着ける空間を提供できるのが魅力です。店舗の内装を和風にすることで、非日常さや特別感も感じさせられるでしょう。
和風雑貨店やカフェをはじめ、茶道や華道といった伝統のある技芸を体験できるワークショップや教室などにあうスタイルです。竹や石などの自然素材をインテリアに取り入れることで、より心が安らぐ空間となります。
北欧風
北欧風はヨーロッパ北部で生まれたスタイルで、明るく開放的な雰囲気が特徴です。色使いは白やグレー、パステルカラーを基調としており、自然光を利用した温かみのある空間を演出できます。
北欧風のスタイルは、カフェや雑貨店、美容室、アパレルショップなどの多様な業務形態で採用されています。とくに女性客に好まれやすく、ポジティブな印象を与えてくれるでしょう。
モダンスタイル
都会的でスタイリッシュな雰囲気を感じられるのが、モダンスタイルの特徴です。モノトーンやグレー、ブラックなどを基調とするため、洗練された空気感になります。
ブランドアパレルショップや美容室など、トレンドに敏感な顧客をターゲットとした店舗に向いています。モダンスタイルを取り入れることで、店舗に訪れた顧客に新鮮な印象を与えられるでしょう。
ナチュラルスタイル
ナチュラルスタイルは、木材やタイルなどの素材を活用し、温かみのある店舗を作り出せます。リラックス効果も期待できることから、カフェや雑貨店、リラクゼーションサロンなどでも採用されているスタイルです。
万人受けしやすいため、幅広い客層を持つサービスにも適しています。自然素材を取り入れることで、優しい空間を演出できるでしょう。
店舗の内装をおしゃれで好印象なデザインにするポイント
店舗の内装デザインは、お客様の第一印象を大きく左右する重要な要素です。おしゃれで魅力的な空間を作り出すことで、お客様に心地よい体験を提供し、リピーターを増やせるでしょう。
魅力的な内装を実現するためには、以下のポイントを押さえることが大切です。
- デザインに統一感をもたせる
- コンセプトにあったインテリアと照明を選ぶ
- 色のバランスを整える
それぞれ解説します。
デザインに統一感をもたせる
統一感のあるデザインは調和的な空間を作り上げ、店舗のコンセプトを明確に伝えられます。たとえばナチュラルスタイルのカフェであれば、温かみのある木材や自然素材を全体的に使い、柔らかな照明を配置することで統一感が生まれます。全体が統一されることで、居心地のよい空間が生まれるでしょう。
一方、統一感がなければ内装や照明、小物などがバラバラで、まとまりのない印象を与えてしまいます。店舗のコンセプトが伝わりづらくなると、ブランドイメージの低下を引き起こしかねません。
ただし、統一感を出しすぎると単調な印象になってしまうため、アクセントとなる要素をポイントでくわえるのもおすすめです。空間の一部に遊び心のあるデザインや、個性的な素材を取り入れることで全体に奥行きが生まれ、お客様の記憶に残る魅力的な店舗になります。
コンセプトにあったインテリアと照明を選ぶ
インテリアと照明は、店舗の雰囲気を大きく左右する要素です。コンセプトにあったインテリアを配置し、適度な光を取り入れることで魅力的な空間を提供できます。
インテリアを選ぶ際は、店舗のコンセプトやお客様のニーズにあったものを選びましょう。高級感のあるレストランであれば、重厚感のある家具や暖色系の照明を使用すると、特別な空間を演出できます。
また、光のあたり具合によって雰囲気が大きく変わるため、照明器具はこだわって選ぶのがおすすめです。空間の広さや動線なども考慮し、独自の世界観が伝わる店舗デザインを作り上げましょう。
色のバランスを整える
色は人の心理に影響を与える要素です。内装の配色や色味を工夫することで、店舗の雰囲気を大きく変える効果があります。
暖色系は温かい印象を与えやすく、食欲増進や活気あふれる雰囲気作りに効果があります。一方、寒色系は気持ちを落ち着かせ、清潔感を思わせる色味です。
色味を考える際は再現したいイメージを踏まえ、メインカラー、サブカラー、アクセントカラーの3色に絞って配色しましょう。各色の割合は70%、25%、5%になるように調節します。3色を適切に組み合わせることで全体の調和が取れるため、好印象を与える空間を作り出せます。
色のバランスを取る際は、カラーホイールを用いると便利です。相性のよい色同士がひと目で分かるため、まとまりのある色合いを表現できます。
店舗デザインの依頼先を選ぶポイント
理想の店舗を実現するためには、信頼できる依頼先選びが不可欠です。店舗デザインで失敗しないためにも、下記のポイントを踏まえて依頼先を選びましょう。
- 理想の店舗デザインを再現できる依頼先を選ぶ
- 相見積もりを依頼する
- メンテナンスの有無を確認する
最適な依頼先を見つけ、魅力的な店舗デザインを実現してください。
理想の店舗デザインを再現できる依頼先を選ぶ
業者によって得意なデザインのテイストが異なるため、どこに依頼するかで完成に大きな差が生じます。まずは自社が理想とするデザインを明確にし、実現できる業者の選定が大切です。
ポートフォリオや過去の事例を参考に、その業者が得意とするデザインや強みを確認しましょう。直接店舗に行って業者の施工事例を見たり、実際に話を聞いたりするのもおすすめです。ほかの顧客からの評判も参考にすると、より客観的な評価ができるでしょう。
また、担当者との意思疎通を密に行い、自分の理想を的確に伝えることも重要です。要望を適切に汲み取り、デザインに反映してくれる担当者であれば、希望どおりの店舗に仕上がる可能性が高まります。理想の店舗を実現するためにも、多面的に情報収集を行ってください。
相見積もりを依頼する
同一の設計内容でも、業者によって費用や提案内容が大きく異なることがあります。よりよい条件で契約するためにも、相見積もりを取りましょう。
相見積もりを取る際は、比較しやすいように同じ条件で見積もり依頼することが大切です。費用面だけでなく条件面でも比較検討し、自社のニーズにもっともあった業者を選定してください。
メンテナンスの有無を確認する
内装工事が終わったあとも、時間の経過とともに設備が劣化・故障する可能性があります。もし依頼先の業者がメンテナンスに対応していない場合、小さなトラブルでも自分で対処しなければなりません。
したがって、定期的なメンテナンスの実施を行ってくれる業者を選ぶと安心です。トラブル発生時も素早く対応できる業者であれば、不具合が生じた際もスムーズに解決してくれるでしょう。
ただしメンテナンスの対応範囲や費用は依頼先によって異なるため、サービスの契約前に必ず確認してください。店舗の価値を維持するためにも、メンテナンスの重要性を認識し、長期的な視点から最適な業者を選びましょう。
内装にこだわり魅力的な店舗をデザインしよう
店舗の内装デザインは、ターゲットやコンセプトにあわせたスタイルを選ぶことが重要です。店舗の内装によってお客様に与える印象が異なり、売上やリピーターの数に影響を与えます。
理想の店舗デザインを実現するためにも、依頼先に明確なコンセプトやイメージを伝え、円滑なコミュニケーションを取ることが大切です。信頼できるパートナーを選び、素敵な店舗デザインを実現してください。
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