店舗における内装デザインとは?具体的なメリットを紹介
公開日:2021.07.05 最終更新日:2024.05.14
このコラムでは、店舗の内装デザインに関する概要や得られる効果、依頼方法について解説します。
内装デザインの変更や店舗の開業を検討している事業者様は、ぜひご一読ください。
店舗における“内装デザイン”とは?
店舗における内装デザインとは、家具や什器などを使用して一定の空間に装飾を加えることです。
室内の設計に関しても内装デザインに含まれることがあります。
インテリアデザインとも言われており、日本で社会的に認知されるのは1960年代後半です。
剣持勇や渡辺力といったデザイナーが1958年に日本インテリアデザイン協会を創設したことが発端になりました。
このように、内装デザインという考え方は日本では戦後から広まったため、比較的歴史が浅いです。
平成になると店舗だけでなく、オフィスや自宅などにも取り入れられるようになります。
情報の入りやすさや素材の入手が容易になったことで一般の人たちも内装デザインに取り組みやすくなったのです。
店舗の内装デザインにこだわることによる2つのメリット
店舗を内装デザインすることによって下記の2つのメリットを獲得できます。
- 集客効果
- 滞在時間を長くする効果
それぞれの効果について具体的にチェックしてきましょう。
メリット①集客効果を高める
素朴で内装デザインを意識していない店舗よりも、内装デザインにこだわっているお店のほうが集客しやすいというメリットがあります。
なぜなら、想定しているターゲットに対して適切な内装デザインを手がけることで、そのデザインを好む層の興味をひくことができるためです。
たとえば、おしゃれなカフェは、女性や若者を取り込みやすくなります。
また、炎や唐辛子など赤をメインに装飾された飲食店は、辛いもの好きな人々を獲得しやすいです。
コンセプトやターゲットに合わせた内装デザインは、来客してほしい人の興味をそそるため、一定の効果を期待できます。
メリット②滞在時間を長くする効果
内装デザインにこだわることで、店舗に滞在してもらう時間を長くのばすことができ、追加注文をしてもらえたり、より多くの商品に目を通してもらえることが期待できます。
結果的に利益向上につながるため、経営に良い影響を与えることもメリットです。
内装デザインを依頼する2つの方法
知識が十分でない人が内装デザインを施すと上記で挙げたような効果を獲得することが難しくなります。
そのため、専門家に依頼したいという方も多いでしょう。
具体的に内装デザインを依頼する方法は2つあります。
設計事務所に依頼する
1つ目の方法は、設計事務所に依頼することです。
設計事務所には、建築士やインテリアデザイナーなどが在籍しており、さまざまなアドバイスを受けられます。しかし、設計事務所と一言で言っても千差万別です。
例えば、住宅をメインに引き受けているところや公共施設のみを手掛けているところなどがあります。
得意とする分野がそれぞれの設計事務所で異なるため、業績などを確認し店舗の内装デザインを中心に手掛けている業者を選びましょう。
施工業者に依頼する
2つ目は、施工業者に依頼する方法です。
施工業者は工事をコア業務としている業者のことになります。
各業者によって料金などが異なるため、相見積もりを取って料金を比較したほうがいいです。
また、施工の内容を変更すると追加費用がかかるため、工事前の段階で念入りに打ち合わせをしたほうが負担は少なくなります。
店舗の内装デザインを決める際の注意点
店舗の内装デザインを決める際の注意点は、おもに以下の5つです。
- 内装の制限
- 建物の耐用年数
- 工事予算
- 現場での確認作業
- 施工後の検査
それぞれ詳しく解説します。
内装の制限
内装制限とは、建築物における火災の被害拡大を防ぎ、人命を守るために定められた規定です。おもに消防法と建築基準法の2つの法律で定められています。
消防法は火災時の延焼を防ぎ避難を促進するために、「壁・天井・床」などの内装材料の性能や施工方法が規定されています。
建築基準法は、火災時の初期段階における安全避難の確保が目的です。内装材料の燃えにくさや煙の発生量などが制限されます。
いずれも内装制限を遵守して施工しないと、法律違反に問われる可能性があります。万が一の火災時に従業員や顧客を守れるよう、内装制限の基本を理解しておきましょう。
建物の耐用年数
建物の耐用年数は、適切な税務処理と節税のためにも重要な項目です。店舗内装は購入時に一括で費用として計上するのではなく、耐用年数にわたり減価償却で計上します。
店舗内装は固定資産ではないため、工事費用として一括計上できません。ただし毎年、一定額を費用として計上することで、購入時の費用負担を平滑化でき節税にもつながります。
なお店舗内装の耐用年数は、建物の構造や用途によって変わります。誤った耐用年数を設定すると追徴課税される可能性があるため注意しましょう。
工事予算
店舗内装に必要な経費は、正確に洗い出しておきましょう。内装で店舗全体の工事予算がオーバーした場合、必要な設備を設置できなくなる可能性があります。
また予算が足りなくなると、店舗の開業が遅れるといった事態も懸念されます。内装工事の見積もり時点で希望条件と予算を明確にし、予定通りに開業できるようにしましょう。
現場での確認作業
内装工事は始まったら、業者任せにするのではなく定期的に現場に足を運びましょう。もしイメージと異なる形で工事が進んでいた場合にも、早めに修正を指示できるためです。
完成間近に修正依頼を出した場合、開業日が伸びたり費用が上乗せされたりする可能性があります。定期的に現場を確認し、現場責任者と完成イメージをすり合わせておきましょう。
施工後の検査
施工後の内装は、細かくチェックしましょう。基本的に汚損などがあった場合には、施工直後であれば無償対応してくれます。
- 壁・天井・床などの傷や汚れ
- クロスやタイルなどの継ぎ目
- 塗装ムラや色ムラ
- ドアや窓の開閉
- 水回りや電気設備 など
図面通りに施工されているかはもちろん、上記の箇所を中心に細かくチェックしましょう。
業種別の店舗の内装デザインのポイント
内装デザインのポイントを、業種別に3つ解説します。
- アパレル
- 飲食店
- 美容院
1つずつ詳しく解説します。
アパレル
アパレルショップの内装デザインで重要なのが、ブランドのコンセプトが一目でわかり顧客の購買意欲につなげることです。
そのためにはショップに並ぶ商品と、内装デザインの雰囲気を統一させなければなりません。ブランドのコンセプトを固めた上で、色使いやインテリアを考えましょう。
またアパレルショップにおいては、顧客の滞在時間が長いほど売上も伸びやすいと言われています。つまり、店舗に長居しても疲れない利便性と快適性も重要です。
たとえば家族連れや主婦がターゲット層なら、ベビーカーでも通りやすい広めの通路を確保するといったデザインも有効です。
コンセプトを明確にしつつ、商品とターゲット層に合わせて利便性と快適性も追求したデザインを考えましょう。
飲食店
飲食店の内装は、提供する料理や立地条件、ターゲット層によりそれぞれデザインが異なります。まずは店舗全体のコンセプトを明確にし、デザインの方向性を固めましょう。
また飲食店の内装で重要なのが、動線とレイアウトです。従業員の動きだけではなく、顧客の動きも考慮し、レジや厨房、フロアの動線とレイアウトを考えます。
さらに飲食店の場合は、照明の色にも注意しなければなりません。一般的に自然光に近い色は、料理をおいしそうに見せる効果があるとされています。
「高級志向」「回転率を上げたい」など、店舗のコンセプトを理解した上で、店舗の集客と付加価値につながるような内装デザインにしましょう。
美容院
美容室の内装デザインで重要なのが、機能性と動線作りです。カットやシャンプーで従業員がフロアを行き来する頻度が多いため、スムーズな動線作りが求められます。
加えて、髪の毛の掃除のしやすさや水回りの利便性といった機能性も重要です。業種柄おしゃれな内装ばかりに注目しがちですが、まずは機能性と動線作りを第一に考えましょう。
また内装のデザインは、美容室のコンセプトやターゲット層により異なります。壁・床・天井・照明など、非日常感を意識するとおしゃれな空間を演出できます。
店舗の内装デザインによく使われるスタイル
店舗の内装デザインによく使われるスタイルを、5つ紹介します。
- ナチュラル
- モダン
- インダストリアル
- 和風
- 北欧
1つずつ詳しく見ていきましょう。
ナチュラル
木材やグリーンなど、自然素材を活かした温かみのある空間を演出できるスタイルです。木材・石・レンガ・グリーンなど、自然の風合いを感じられる素材を取り入れます。
また色合いは白・ベージュ・ブラウンなど、自然でシンプルなものがおすすめ。反対に、派手な色や柄は空間が重く見えてしまうため注意が必要です。
さらに照明は暖色系のものを選び、間接照明と併用することでやわらかい光を演出できます。温かみがあり、20代から40代の幅広い年齢層の女性に人気のスタイルです。
モダン
モダンスタイルは、スタイリッシュで洗練された空間を演出するのに向いています。色味や装飾は控えめにし、全体的にスッキリとしたデザインにするのが基本です。
色合いは白・黒・グレーなどのモノトーンカラーをベースにし、差し色で鮮やかな色を取り入れると洗練されたデザインになります。
また店舗に置く商品や什器のディスプレイも、モダンスタイルを意識しましょう。幾何学模様の什器や、モノトーンカラーの商品を置くと効果的です。
普遍的でどの世代にも好まれやすく、アパレルやカフェなどさまざまな店舗で活用できるスタイルと言えるでしょう。
インダストリアル
インダストリアルデザインとは、工場や倉庫のような無骨な空間を活かしたデザインを指します。メンズ向けのサロンなど、男性をターゲットにした店舗におすすめです。
素材は無骨でクールな印象を与える、鉄、レンガ、コンクリートなどが中心。黒・グレー・ブラウンなどのダークトーンでまとめましょう。
店内に設置する家具は、ヴィンテージものや工業用家具などを選びます。インテリアとして、アメリカンバイクなどを置く店舗もあります。
また照明は空間が重くならないよう、スポットライトやペンダントライトなどを上手く活用しましょう。無骨な印象が強くなりすぎないよう、素材や色合いのバランスが大切です。
和風
和風の店舗デザインで重要なのが、インテリアアイテムです。掛け軸や絵画といった和のテイストを感じられるインテリアを揃えるのがポイントです。
素材は木材・竹・畳・和紙などを使い、温かみのある空間を作りましょう。また照明器具のシェードやパーテーションに和紙を使うと、やわらかさと風情を演出できます。
なお、カラーコーディネートは白・ベージュ・ブラウンなど落ち着いた色を中心にします。派手な色や柄は空間がうるさく見えるため控えましょう。
北欧
北欧風スタイルとはフィンランドやノルウェー、スウェーデンやデンマークといった北欧諸国で発祥したデザインの総称です。
シンプルかつナチュラルなスタイルが特長で、アパレルやカフェなどさまざまな店舗で採用されています。
床やインテリアの素材は、温もりを感じられる木材を選びます。色使いはホワイトカラーをベースに、ブラウンやグレーなどをアクセントで入れると効果的です。
またおしゃれな北欧スタイルを演出する上で欠かせないのが、「ファブリックパネル」です。
厚みのある板に好みの布を巻き付けて作るインテリアで、季節やシーンに合わせて布を張り替えれば簡単にイメージチェンジできます。
ファブリックパネルと合わせて北欧家具をバランスよく取り入れれば、北欧らしいゆったりとした空間を演出できます。
集客効果などを得るために店舗の内装デザインは非常に重要
以上、店舗の内装デザインに関する概要や得られる効果と依頼方法について解説しました。
内装デザインを綿密に計画することで、集客効果やお客さんに長く滞在してもらえる効果を得ることができます。
お店の利益に直結することもあるため、内装デザインにこだわることは非常に重要です。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!