キャリアアップ助成金とは?申請の流れと受給の条件を徹底解説
公開日:2020.10.21 最終更新日:2021.05.07
「良い結果を出してくれるスタッフを正社員にしたいけれど、人件費がかかってしまう……」
「従業員のモチベーションを上げてもっと生産性を上げたいなぁ」
このようなお悩みはありませんか?
中小企業であれば、キャリアアップ助成金という制度を使って人材確保にかかるコストを抑えることができます。
本記事では、キャリアアップ助成金の概要や申請方法を解説します。
中小企業の経営者様はぜひご覧ください。
キャリアアップ助成金とは
キャリアアップ助成金とは企業内において非正規雇用契約者の能力向上や待遇改善を図るための助成金です。
雇用保険法を法的根拠とする雇用安定事業のひとつで、キャリアアップ助成金の対象となる従業員を正社員として雇用したり、賃金規定を改定して基本給を増額した事業主に対して支給されます。
非正規雇用だけど正社員になりたい、キャリアアップの機会が欲しいという労働者の働く意欲や能力の向上を後押しすると同時に、人材確保にかける金銭的な余裕がない、人材育成を生産性向上につなげたいといった事業主側の意欲も同時に支援する仕組みでもあります。
キャリアアップ助成金は7種類のコースに分かれています。
いずれも非正規労働者の地位や待遇改善に関するもので、非正規雇用労働者等を正規雇用とした場合の正社員コース、賃金規定等を改定した場合の賃金規定等改定コース、法定の健康診断以外の健康診断を制定した場合の健康診断制度コース、正規雇用労働者と共通の職務等に応じた賃金規定等を新たに設けて適用した場合の賃金規定等共通化コースなどがあります。
なお、キャリアアップ助成金の申請を行う際は、事前にこちらの助成金申請に必要な費用もあわせてご参照ください。
キャリアアップ助成金を申請できる企業の条件
キャリアアップ助成金を受給するためには計画書を作成・提出しますが、それ以外にもキャリアアップ支援金支給対象事業主としての受給条件を満たしている必要があります。
条件は事業主が雇用保険に加入していることが前提で、事業所ごとにキャリアアップ管理者を置いていること、該当するコースの対象となる従業員についての賃金支払状況を明確にできる書類が整備されていることなどがあります。
また、当たり前ですが支給のための労働局の審査に協力できる、実地調査を受入れられることも条件です。
過去に遡り所定期間内に不正受給があった、労働関係の法令違反があった事業主はキャリアアップ助成金の支給対象から外れることになります。
対象となるのが中小事業主であることもポイントです。
対象となる事業主は業態や資本金、常時雇用する労働者の人数で決まり、飲食店を含む小売業の場合は資本金5000万円以下か常時雇用する労働者が50人以下、サービス業の場合も資本金5000万円以下か労働者が100人以下です。
卸売業とその他の業種は資本金がそれぞれ1億円以下、3億円以下、または労働者の人数が100人以下、300人以下と定められています。
資本金の額・出資の総額 | 常時雇用する労働者の数 | ||
小売業(飲食店を含む) | 5,000万円以下 | または | 50人以下 |
サービス業 | 100人以下 | ||
卸売業 | 1億円以下 | ||
その他の業種 | 3億円以下 | 300人以下 |
キャリアアップ助成金の申請の流れ
キャリアアップ助成金は、まずキャリアアップ計画書を作成し所轄の労働局に提出します。
その後、計画書に記載された内容を実施し、完了したら改めて助成金を申請します。
申請の流れは正社員化コースとそれ以外で異なり、正社員化コースの場合はキャリアアップ計画書に対象者と正社員に転換する日までの期間、方法、何のために正社員化し担当管理者は誰なのかを記載します。
次に就業規則の改定をおこない、非正規労働者の転換について明確に定めます。
正社員への転換は就業規則に基づいてなければならず、就業規則の改定には労働組合あるいは労働者の過半数以上を代表する労働者の意見を聞く必要があります。
それが完了したら正社員への転換で、転換後は6ヶ月間の給与を支払います。
この場合の給与は転換前より一定割合以上増額している必要があり、給料を算定する際には注意が必要です。
正社員への転換が完了したら計画が達成されたので、完了から2ヶ月以内にキャリアアップ助成金の申請をおこないます。
それ以外のコースについても正社員化コース同様、キャリアアップ計画書を作成・提出し取り組みを実施、就業規則に定めのない場合は必要に応じて改定をおこない、計画書の内容の通り取り組みます。
そして取り組みが終ったら6ヶ月間の賃金支払をおこない、完了したら2か月以内にキャリアアップ助成金を申請します。
中小企業はキャリアアップ助成金を申請して、人材確保・育成に活用しよう!
今回は、キャリアアップ助成金の基本的な概要や申請の流れについて解説しました。
キャリアアップ助成金を申請するメリットや、自社の場合申請できそうかどうか、ご判断いただく材料となりましたでしょうか。
キャリアアップ助成金を申請することで、従業員は待遇改善などによりモチベーションが上がり、企業は優秀な人材を確保できるというメリットがそれぞれあります。
申請のための書類の準備などが難しく、申請できるか不安な場合は助成金申請代行業者の利用がおすすめです。
過去の実績をもとに、スムーズにキャリアアップ助成金の申請を行ってもらうことができます。
助成金申請代行業者をお探しの際は、ぜひEMEAO!までご相談ください。
キャリアアップ助成金の申請に強い優良業者を無料で紹介いたします。
この記事を書いた人
編集部員 岡本
編集部の岡本です。以前はWEBディレクターとして中小企業のホームページ制作のディレクション等をしておりました。ユーザー様の声をきちんとコンテンツの内容や方向性に反映して、より良いメディアに出来るように日々精進してまいります。