業務改善助成金の概要や目的、受給に必要な条件や申請の方法
公開日:2020.12.07 最終更新日:2021.05.07
働き方改革の一環で、国は最低賃金を1,000円に引き上げることを目標としています。
しかし中小企業や小規模事業所にとっては、従前の収益のままで賃金のみをアップさせると経営が困難になるという悩みがあります。
そこで、まずは事業所の生産性を向上させることで将来的に賃金の引き上げを目的としている「業務改善助成金」という制度をご存じでしょうか?
本記事では、業務改善助成金の概要や受給条件、申請方法などをまとめて解説いたします。
賃金の引き上げや業務の効率化を目指されている事業者様はぜひ最後までご覧ください。
業務改善助成金の目的と概要
業務改善助成金とは、事業所内の最低賃金を引き上げることを目的とした制度です。
業務の見直しや生産性を向上させる工夫や、それを目的として導入した新規の設備などにかかった費用が助成の対象となります。
助成金の給付を受けるには、設備導入などの措置を行なって生産性をアップした上で、最低賃金を引き上げた場合に適用されます。
引き上げた賃金には一定額以上の条件があり、内容の適性が認定されれば設備投資にかかった費用の一部を助成します。
業務改善助成金を申請する場合は、事前に助成金申請で必要な料金相場も参考にしてみてください。
業務改善助成金の受給条件
業務改善助成金の対象となる企業は、事業所内最低賃金とその地域の最低賃金との差が30円以内にあり、事業所規模が勤務者が100人以下の企業です。
事業場内の最低賃金が850円未満の場合と850円以上の場合で、引上げ額コースが分かれます。
下記のような要件を満たすと業務改善助成金の支給対象となります。
- 賃金引き上げ計画の策定
- 引き上げ後の賃金を実際に支払うこと
- 生産性向上に繋がる機器や設備の導入による業務改善
単なる経費削減による費用や、通常の事業活動などにかかる費用などは申請対象に含めることはできないので注意しましょう。
参照:厚生労働省HP“業務改善助成金:中小企業・小規模事業者の生産性向上のための取組を支援”
業務改善助成金の申請方法
業務改善助成金の申請の際には、まず助成金交付申請書を作成します。
どのような設備を導入し、どのような手段で効率化を実現するか具体的にわかる内容を記した事業改善計画書と、どの従業員を対象としていくら賃金を上げるかなどを策定した賃金引き上げ計画書を添付して都道府県労働局に提出します。
そして、労働局で内容を精査し、計画に無理がないか、適正が認められれば助成金の交付決定通知をもらうことができます。
通知書を受け取れば終了ではありません。
計画書の内容に基づいて、事業所内に生産性向上のための設備や機器を導入し、効率化を実現してから最低賃金の引き上げを実施する必要があります。
その後、事業の業績や賃金引き上げを証明する事業実績報告書を作成、提出し、内容が認められれば助成金が交付されます。
業務改善助成金は、中小企業の生産性向上や賃金引き上げを目的とした助成金
今回は、業務改善助成金について、どのような助成金なのか概要を解説しました。
業務改善助成金の目的や対象となる企業の条件についてご理解いただけたでしょうか?
業務改善助成金の最終的な目標は賃金の引き上げです。
しかし、中小企業にとっては賃金のみ引き上げると経営が困難になる場合が多々あるため、まずは業務効率化や生産性の向上を目的とし、そのために一部経費を受給できるのが業務改善助成金制度です。
業務改善や、将来的な賃金の引き上げをお考えの中小規模の事業者様は、業務改善助成金をぜひご検討ください。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!