在籍型出向のサポートになる厚労省の産業雇用安定助成金とは
公開日:2021.04.06 最終更新日:2021.05.07
このコラムでは、厚生労働省の産業雇用安定助成金について解説します。
新型コロナウイルス感染症の影響により、一時的に事業の縮小を余儀なくされた事業者様は、ぜひご一読ください。
産業雇用安定助成金とは
産業雇用安定助成金とは、新型コロナウイルス感染症の影響で事業を一時的に縮小する事業主に対し、在籍型出向による労働者の雇用を維持するために必要な、賃金や経費の一部を出向元と出向先の双方の事業主に助成する政策です。
助成対象となっている「在籍型出向」とは、出向元企業と出向先企業との間で 出向契約を結び、契約終了後に労働者は出向元企業に復職することが保証された出向となります。
なお、産業雇用安定助成金の申請については、助成金申請代行の費用もあわせてご覧ください。
産業雇用安定助成金の対象者
産業雇用安定助成金は、事業主と出向労働者が対象となります。
それぞれの対象の詳細につきましては、以下のようになります。
事業主
助成金の対象となる事業主は2タイプあります。
1つは労働者の雇用維持を目的とした在籍型出向による労働者を送り出す事業主です。
もう1つは、在籍型出向による労働者を受け入れる事業主が対象となります。
出向労働者
出向労働者は、出向元企業において雇用される雇用保険の被保険者が対象となります。
ただし、以下のいずれかに該当する場合は対象外となります。
- 出向開始日の前日までの雇用期間が6か月未満の方
- 解雇を予告されている方
- 退職願を提出・退職勧奨に応じた方
- 日雇労働被保険者の方
- 併給調整の対象となる助成金等の支給対象の方
産業雇用安定助成金の受給額
助成金の受給額は、出向運営経費と出向初期経費に分けられ、それぞれ経費の目的や金額が異なります。
それぞれの経費の支給額としては以下のようになります。
出向運営経費
出向運営経費は、出向元と出向先の事業主に対し出向中に必要な経費の一部が助成されます。
該当する経費としては、教育訓練・労務管理に関する調査費用などです。
中小企業 | その他 | |
出向元が労働者の解雇を行っていない場合 | 9/10 | 3/4 |
出向元が労働者の解雇を行っている場合 | 4/5 | 2/3 |
助成上限額 | 12,000円/日 | |
助成期間 | 1ヵ月~2年まで | |
助成人数 | 最大500人まで |
出向初期経費
出向初期経費は、出向元と出向先の事業主に対し出向するために必要な措置を行った経費が定額で助成されます。
該当するものとしては、教育訓練・機器や備品の整備にかかる経費などです。
出向元 | 出向先 | |
助成額(定額) | 1人当たり10万円 | |
加算額(定額) | 1人当たり5万円 |
「加算額」とは、出向元が雇用過剰業種・生産性指標要件が悪化した企業で、出向先が異業種から労働者を受け入れる場合に加算されます。
産業雇用安定助成金の申請方法
産業雇用安定助成金の申請から受給までの流れは以下の通りです。
- ①出向元と出向先の事業主が契約
- ②出向計画届の提出
- ③出向の実施と支給申請書の提出
- ④審査後に助成金を支給
契約を行う際には、出向期間・労働者の処遇や賃金等を決め、作成した出向計画届を出向開始日の前日までに提出します。
その後、出向元と出向先の事業主が支給申請書を作成し、任意で設定した期間ごとに提出します。
提出された支給申請書に基づいた助成金が、出向元と出向先の事業主に支給されます。
出向計画届と支給申請書の様式は、厚生労働省のHPからダウンロードが可能です。
作成した各書類は、出向元事業主が労働局かハローワークへ提出してください。
新型コロナウイルスで落ち込んだ経営を立て直すための助成金
以上、厚生労働省の産業雇用安定助成金について解説しました。
新型コロナウイルスの影響で苦しい状況に陥っている事業主様にとって、経営を立て直すために活用できる助成金となっています。
「申請書類の作成方法がわからない」
「出向先企業の候補が見つからない」
とお悩みの事業者様は、ぜひEMEAO!にご相談ください。
この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!