事務所のレイアウト図の作り方は?活用できる資料や注意点も解説
公開日:2024.04.29 最終更新日:2024.08.07
事務所のレイアウトは、社員の業務効率や働きやすさに直結する重要な図面です。しかし、効率的なレイアウトを作成することは、予想以上に難しいものです。
そこでこの記事では、事務所のレイアウト図の作り方を解説します。活用できる資料や重要な注意点も紹介しますので、自社でレイアウト図を作成したい方はぜひご覧ください。
事務所の改装にはレイアウト図が必要
オフィスの改装をするには、レイアウト図が欠かせません。レイアウト図には、会議スペースや業務スペース、休憩スペースなど業務に必要な空間をどこに配置するかを示していきます。
レイアウト図があることで、作業スペースや会議スペース、休憩スペースなど空間の用途が明確になり、作業効率の向上が見込めます。
また、コミュニケーションの流れを考慮した配置にすることで、チームワークを促進するのにも効果的です。詳細なレイアウト図を作ることは、オフィス改装への第一歩と言えます。
事務所のレイアウト図を作るための基礎知識
ここでは、レイアウト図を作るための基礎知識として、以下の3点を解説します。
- 1人あたりの必要面積
- 事務所の通路幅
- オフィス家具の寸法
1つずつ見ていきましょう。
1人あたりの必要面積
オフィスにおける従業員1人あたりの必要面積は、2.5〜4坪が目安です。社員が快適に仕事を行える十分なスペースで、効率的な作業環境を実現するために重要です。人数に応じた必要面積を確保することで、ストレスの少ない労働環境と効率的な作業の流れが促進されるでしょう。
関連記事:オフィスの1人当たりの面積の目安は?計算方法や広く確保するコツ
事務所の通路幅
オフィス改装をするときには、事務所内の通路を確保することも重要です。下表は、オフィスで確保したい通路幅の寸法を、用途別に示したものです。
通路の用途 有効寸法(幅) 通常歩行 850mm 2人がすれ違う場合 1,200mm 2人並んでゆったり歩行 1,600mm以上 避難経路としての通路幅 1,200mm以上
オフィス内でのスムーズな動線を確保するためには、どのような場合にどの程度の通路幅が適切かを理解することが大切です。特に、避難経路の1,200mm以上の通路幅の確保は、消防法や建築基準法で定められている有効寸法です。
座席やデスクの間の通路も、広めに設計しておくことで、従業員が仕事のしやすい環境を整えられます。壁に接する通路は、往来の多い場所では幅1,200mmに、そうでない場合は850mmに設定し、十分な通路幅を確保しましょう。
また、書棚や収納庫が背後にある通路は、収納物の出し入れを考慮して、幅1,600mm以上などやや広めに設計することをおすすめします。
関連記事:オフィスレイアウトの適切な寸法とは?おすすめパターンも紹介
オフィス家具の寸法
オフィスのレイアウト図を作成するときには、家具の寸法を把握しておくことも重要です。主なオフィス家具の寸法を、下表にまとめました。
家具の種類 幅 奥行き 高さ オフィスデスク 1,200mm〜1,800mm 600mm〜800mm 740mm オフィスチェア 400mm〜500mm 400mm〜500mm 高さ調節可能 書棚・ファイルキャビネット 800mm〜1,000mm 400mm〜500mm 1,000mm〜
オフィス家具の寸法を踏まえて、通路や作業スペースに十分なスペースを確保することが大切です。各家具間の移動や作業のしやすさを考慮しながら、レイアウトを慎重に計画しましょう。
関連記事:オフィスインテリアの選び方とは?こだわるべき3つの理由を解説
事務所のレイアウト図の作り方
事務所のレイアウト図を作るときは、以下の3ステップで進めましょう。
- コンセプトを明確にする
- スペース配分を決める
- オフィス家具の配置を検討する
それぞれ解説していきます。
コンセプトを明確にする
オフィスのレイアウト図を作成する前に、改装によって達成したい目標を具体化しましょう。コンセプトは、オフィス環境をどのように整えるかの指針となります。
まずは、従業員の意見を聞き、現在のオフィスの問題点を洗い出していきます。次に、課題に対する優先順位を設定し、具体的な解決策を策定しましょう。
スペース配分を決める
改装のコンセプトが決まったら、スペースの配分(ゾーニング)を計画していきます。用途ごとに、オフィス内のエリアを分けていきます。例えば、ミーティングスペースや社内カフェなど、従業員が集まる場所には広いスペースを割り当てましょう。
一方、作業場所など集中できる環境を構築するには、個室やパーテーションで仕切りを設けられるスペースに配置していきます。目的に応じたスペースを配置していくことで、生産性の向上や従業員満足度の向上が見込めるでしょう。
人数に応じてオフィス家具の配置を検討する
スペースの配分が決まったあとは、従業員の人数に応じて、レイアウト図にオフィス家具を配置していきます。このとき、社員数や部署の規模、必要な機器やオフィス家具のサイズを考慮する必要があります。
デスクやイス、書庫や通路の幅を参考に、動線を確保しながら作業効率の上がる配置を検討していきましょう。可能であれば、将来的な増員や部署の拡張を見越して、柔軟性のある配置にしておくことをおすすめします。
事務所のレイアウト図を作成するときに活用できる資料
事務所のレイアウト図を作成するときに活用できる資料には、以下の2つがあります。
- 建築の図面
- 入居工事関連資料
それぞれについて、詳しく解説します。
建築の図面
事務所のレイアウト図を作成するときには、建築の図面が欠かせません。オフィスビルの平面図には、柱の位置や壁の厚さ、ドアや避難経路の場所など、詳細な内容が記載されています。
平面図だけでなく、電気系統図などもあれば、コンセントや分電盤の位置が確認可能です。図面と現状が異なることもあるため、現地調査や実測を行い、最新の情報を反映させていきましょう。
入居工事関連資料
事務所のレイアウト図を作成するときには、入居工事に関連する資料を確認します。建物の登記法本や建築確認概要書、貸方基準などを準備しておきましょう。
登記謄本には、不動産に関する情報の他、工事の区分や規則なども記載されています。貸方基準には、テナント部分と共有部分において、オーナーと借主のどちらが工事の発注や費用負担をするかが記載されています。
テナントの、どの範囲まで改装工事を行えるか確認しておくためにも、入居工事関連資料を確認する必要があります。
事務所のレイアウト図を自社で作成するときの注意点
事務所のレイアウト図を自社で作成するときには、以下の2つに注意しましょう。
- 動線を確認する
- 関連法案を確認する
それぞれ、詳しく解説します。
動線を確認する
計画段階で動線を確認したあと、図面上でも再確認し、従業員の作業動線や往来がスムーズに行えるかを確認しましょう。頻繁に移動するエリアとエリアの間の通路幅は確保されているか、家具や設備が使いやすいように配置されているかを検証していきます。
また、建物の柱などがありレイアウトを自由に決められない場合は、反対に活用する方法を考えてみましょう。工夫を凝らすことで、実用的かつ効率的なオフィス空間の実現につながります。
関連法案を確認する
事務所のレイアウト図を自社で作成するときには、関連する法規制を確認し、遵守することが欠かせません。建築基準法・消防法・労働安全衛生法などが、オフィス設計には直接関わってくるためです。
建築基準法や消防法では通路幅に関する基準が定められており、非常時の避難経路を確保する必要があります。また、パーテーションを設置して個室空間を形成する場合、消防法により消火設備の配置が義務付けられています。
このように、オフィス改装では遵守すべき法律が複数あるため、関連法規には十分に注意する必要があるでしょう。
事務所のレイアウト変更は専門業者に依頼しましょう
事務所のレイアウト図を作成するときには、従業員1人あたりの必要面積や事務所の通路幅、オフィス家具の寸法などを把握する必要があります。レイアウト図を作るときには、建物の図面や入居工事関連資料を準備しておきましょう。
事務所のレイアウト図を自社で作成するのが難しいと感じたときには、専門業者に計画を依頼するのも方法の1つです。専門業者に相談して、あなたの事業にあった快適なオフィスのレイアウト図を検討しましょう。
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この記事を書いた人
hata