会議室のレイアウトの種類とは?決める際のポイントも解説
公開日:2024.04.30 最終更新日:2024.08.07
会議室の目的に応じたレイアウトを適切に配置することで、より活発な会議を行えるようになります。
価値の高い議論が行えるようになると、生産性が向上します。
本記事では会議室のレイアウトの基本や決める際のポイントについて紹介します。
会議室が確保できない場合の対処法も解説しているため、ぜひ最後までご覧ください。
会議室のレイアウトの種類
会議の目的によって、適切なレイアウトは異なります。
代表的な会議室の7つのレイアウトは次の通りです。
- コの字形式
- シアター形式
- スクール形式
- ロの字形式
- 正餐(せいさん)形式
- 対面形式
- 島型(アイランド)形式
順番に解説します。
コの字形式
横長テーブルをカタカナの「コ」の字型に配置するスタイルです。
外周に椅子を並べ、空いた場所にモニターやプロジェクター、ホワイトボードを設置するスタイルです。
企画会議やプレゼンテーション、業務報告を行う会議の時に活用しやすいレイアウトです。
特にチーム単位の小規模な会議の時に適しています。
資料を投影しながら会議が可能です。
ただし、コの字の内側は使用しないため、デッドスペースが多いです。
また、ある程度の広さを確保する必要があります。
デッドスペースが多い一方、距離感を開けて参加者が向き合えます。
コミュニケーションが取りやすくなり、積極的な会議も可能になるでしょう。
シアター形式
シアター形式は、座席が全て同じ方向を向いているスタイルです。
テーブルは用意されておらず、椅子同士の間隔が狭いことがポイントです。
多人数に対して一方的に発表・報告する場面や、会議中に筆記が必要ないような規模の大きい会合に向いています。
机を使用しないため省スペースで多くの人が参加しやすいです。
ただし、全員が同じ方向を向いているため、参加者同士のディスカッションには向きません。
また、会議内容によっては筆記を求められることがあります。
小型の筆記台付きのタイプの椅子を用意する、バインダーを配布するなど対応の必要があります。
スクール形式
スクール形式は、教室のように全てのテーブルと椅子が正面の演台やスクリーンを向いて配置されているスタイルです。
勉強会やセミナー、講演会などに適しており、資格試験や筆記テストの場としても利用されます。
しかし、ディスカッションや参加者同士の議論には適していません。
会議室として利用したい場合やより柔軟なレイアウトが必要な場合には、キャスター付きのテーブルなどを利用すると良いでしょう。
ロの字形式
ロの字形式は、長机を「ロ」の字に配置するスタイルで、外周に椅子を置いて座ります。
コの字形式の配置とは異なり、前方が存在しません。
参加者同士が顔を合わせることになるため、お互いを意識しながら意見交換を行えます。
常に誰かに見られている意識が働くため、緊張感を持った会議に適しているため、重役会議や国際会議で使われることが多いです。
ただし、テーブルの内側に不要なスペースが生まれるため、広めの部屋にレイアウトする必要があります。
正餐(せいさん)形式
正餐形式は円卓を配置し、座席を取り囲むレイアウトで、主に結婚披露宴やパーティーで使用されます。
招待客が食事を楽しみながら親睦を深められます。
デメリットは、食事の手配や会場装飾に手間がかかる場合もあり、席替えをしないと交流が限定されることです。
立食形式にしたり席替えを行うことで、交流の規模を増やす場合が多いです。
対面形式
対面形式の会議は、長方形のテーブルを挟んで2つのチームが向かい合い、横一列で座る形式です。
全員が対等な立場で意見を交換しやすく、活発な討論が可能です。
特に10人未満の小規模な会議で有効であり、社内のチーム間ディスカッションや取引先との商談などに適しています。
ただし参加者が多くなると、ディスカッションに参加しにくくなります。
端に座る参加者は特にコミュニケーションが取りづらくなるため、会議の目的や参加者の数に応じてレイアウトを検討しましょう。
島型(アイランド)形式
大部屋に複数のテーブルを配置し、各テーブルに4〜8人程度が着席するスタイルです。
会議室内で独立した複数のテーブルを配置し、少人数のグループに分けることが多いです。
参加者はそれぞれのテーブルでグループを形成し、議論や作業を行います。
島型形式は、グループディスカッションや作品制作などの利用が多いです。
特に4〜6人ほどの小規模なグループでは、各参加者が積極的に発言しやすくなります。
ただし、全体でのディスカッションが難しくなるデメリットがあります。
各グループから代表者を選出して意見をまとめ、全体の会議で提出する方法が効果的です。
会議室のレイアウトを決める際の寸法は人数に応じて決める
会議室に必要な広さは参加者の数によって変わります。
ここからは、人数別に必要な広さについて解説します。
4~10人が利用する場合
人数が少ない会議の場合、6~20㎡程確保すると良いでしょう。
狭い会議室でも対応可能ですが、机と椅子をコンパクトなものにし圧迫感が出ないようにすることが重要です。
参加者1人当たりに幅600~700mm×奥行450~600mm程度は確保しましょう。
また、プレゼン発表で移動がある場合は、別途通路スペースも確保する必要があります。
10~30人が利用する場合
10~30人を想定した会議の場合、20㎡~30㎡程度の面積がある会議室を用意しましょう。
さまざまなレイアウトで利用可能な人数ですが、レイアウトを組み立てる際は次の3点に注意する必要があります。
- 椅子を引いた際にテーブルに当たらず立ち上がれる
- 椅子を引いた際に後部側に人が通れるスペースを作れる
- ホワイトボードを利用する場合、壁と最前列の間を1,200mm程度確保する
上記を考慮したレイアウトを作ることで、参加者は快適な会議時間を過ごせます。
30人を超える場合
30人を超える場合は、大規模な会議に分類されます。
人数が増えると、レイアウトや使用する家具によって必要な広さが変わります。
寸法が120~200㎡程度の会議室を確保すると、さまざまなレイアウトに対応可能です。
ただし、人数が多いため参加者全員のディスカッションはできません。
デスクを設置するとスペースが大きく必要です。
また、1つのテーブルに何人座るかによって、動員可能な人数が変わるため、事前によく確認しましょう。
シアター形式を検討することで、1人当たりに確保すべき面積を減らせます。
会議室をレイアウトする際のポイント
次の6点に焦点を当てて会議室をレイアウトすることが重要です。
- 会議の目的や用途を把握する
- 防音対策を高める
- 会議に適した照明を選ぶ
- 柔軟性のある家具を用意する
- 異なるタイプの会議室を用意する
- 機能とデザイン性のバランスを意識する
順番に解説します。
会議の目的・用途を把握する
会議の目的や用途を事前に把握しておくことで、レイアウトを決める時間を短縮可能です。
通常業務に回す時間を増やせるため、業務の生産性向上に貢献します。
多くの場合、会議室は少人数向けのレイアウトが主流であり、大人数を収容できる部屋が限られています。
大人数が参加する会議が頻繁に行われる場合は、事前に対応できるレイアウトを考慮しておくことが重要です。
有効なのは、シアター形式やスクール形式の会議室をレイアウトすることです。
簡単に切り替えられるため、レイアウト変更にかかる手間を最小限に抑えられます。
防音対策を高める
会議室はオフィスの中でも防音対策を優先的に講じる必要があります。
会議室からの音漏れによって、情報漏洩のリスクが増えるだけではなく、業務の生産性を下げる原因にもつながる場合があるためです。
会議室の防音対策は次の通りです。
- 壁に吸音性の高い資材を使う
- 隙間を作らない
- 防音フェルトボードを貼り付ける
会議室の防音対策においては、機密性を高められるように注意することが重要です。
開かれた空間で会議室を作る場合は
- パーテーションで区切る
- 個人デスクから離れた場所に会議スペースを作る
といった対策を取ると良いでしょう。
ただし賃貸オフィスだと、現状復帰時に別途料金が発生する場合があるため、導入する際は注意しましょう。
関連記事:オフィスの防音は必要?音漏れの原因から対策まで解説
会議に適した照明を選ぶ
自然光に近く活動的な印象を与えるために、会議室では昼白色の照明が使われることが多いです。
しかし会議の内容によっては、リラックスした雰囲気で行いたい場合があります。
電球色の下で会議を行うことで、リラックスした雰囲気でアイデアが浮かびやすいことがあるでしょう。
いずれの色を選ぶ際でも、人の顔が見え、資料の判読に支障が出ない明るさを選ぶことが重要です。
柔軟性のある家具を用意する
レイアウトの変更が頻繁であれば、可動式の会議用テーブルを利用すると便利です。
スタック式のテーブルはキャスター付きで移動が容易であり、天板を折りたたんで省スペースで収納可能です。
折りたたみ式のテーブルは、脚が下りてコンパクトに収納できるため、スペースを節約できます。
椅子も商品によってスタッキングの可・不可が分かれているため、状況に応じて選びましょう。
スタッキング可能な椅子は積み重ねられるため、収納性に優れています。
一方、スタッキングできない椅子は素材や機能性を重視したものが多く、長時間の会議でも疲労を軽減させる効果が期待できます。
関連記事:オフィスインテリアの選び方とは?こだわるべき3つの理由を解説
異なるタイプのミーティングスペースを複数設置する
会議室のレイアウトを考える際、複数のミーティングスペースを設置すると良いでしょう。
集中して会話を行う プレゼンテーション 休憩 打ち合わせスペース名 得意な会議方法 オープンスペース 自由な雰囲気でアイデアを生み出す プライベートブース 機密事項が多い 大きな会議室 チームミーティング ラウンジエリア リラックスした雰囲気でのミーティング 小会議室 小規模な会議
会議室をレイアウトする際は、各ミーティングスペースが最大限に活用できるように配慮することが重要です。
会議室を考慮できると、生産性の向上やチームワークの強化が期待でき、社員の満足度が向上するでしょう。
機能性とデザイン性のバランスを意識する
会議室は単に会議の場所として利用できますが、デザイン重視にすることで、商談のイメージアップが図れます。
自社のイメージを良く印象づければ、取引の促進や売上増といった社内への貢献にもつながります。
また、デザイン性の高い空間での会議は、社員間のコミュニケーションにも良い影響を与えるため、意識すると良いでしょう。
ただし、デザインを重視しすぎて使い勝手が悪い会議室になることは避けましょう。
空調や家具の品質、収納の利便性にも注意を払うことが重要です。
質の高い音響環境や、モニターやプロジェクターといった最新の設備を導入することで、効率的で生産性の高い会議を行えます。
また、Wifi接続や充電エリアなど、デバイスをサポートするための設備も欠かせません。
会議室のレイアウトを検討する際は、用途をよく確認しましょう。
機能性とデザイン性の両方を考慮しながら、快適なレイアウトを作ることが重要です。
会議室が確保できない時の対処法
会議室が少なく場所が確保できない場合は、以下3つの方法で対処できます。
- Web会議でミーティングする
- スペースをパーテーションで区切る
- 小会議ができるテーブルスペースを用意する
順番に解説します。
Web会議でミーティングする
現代ではリモートワークが発達しており、社員がオフィスにいないことも増えました。
Web会議であればリモートからの参加も可能なため、場所を選ばず会議を行えます。
場所の制約がないため、来社や出向といった移動に関わる経費を削減できます。
移動にかかる時間も不要になるため、業務にかける時間が増やせ、生産性も上がるでしょう。
また、配布資料の印刷が不要になるため、資料作成の手間を省けるといったメリットもあります。
スペースをパーテーションで区切る
会議室に余裕がない場合、オフィス内のテーブルをパーテーションで区切り、少人数向けの会議エリアを作成することもおすすめです。
導入工事が不要で組み立てが自分で可能なパーテーションもあります。
また取り外しも簡単なため、レイアウト変更やオフィス移転時にもスムーズに移動可能です。
パーテーションには天井まで届くハイパーテーションと、天井までは届かないローパーテーションの2種類に分けられます。
手軽に空間を仕切りたい場合は、ローパーテーションがおすすめです。
ハイパーテーションの場合、取り付け工事が必要なものの、ドアを取り付け個室を作れるため機密性の高い会議に向いています。
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小会議ができるテーブルスペースを用意する
ソファとテーブルがセットになったブースを設置すると、小規模な会議や打ち合わせが気軽に可能です。
このようなスペースは、ファミレス式テーブルスペースとも呼ばれています。
ファミレス席は会議室に比べてスペースを省けます。
また、テーブルとソファを柔軟に配置できるため、好きな場所に設置できることが魅力的です。
通常、会議室では消防法により、通路幅を1.2m以上確保する必要がありますが、ファミレス式のテーブルスペースでは通路を再設置する必要がありません。
また、設置には工事が不要なため、コストも安く抑えられます。
まとめ:会議室のレイアウトを事前に確認し、最適な方法でミーティングを行おう
会議室を効果的に利用することで、レイアウト変更時に時間を取らず、作業の生産性を向上させられるようになります。
また、機能性だけではなくデザインにもこだわることで、社員の満足度が向上する可能性があるでしょう。
さまざまなレイアウトを理解し、会議に応じて最適な方法で会議を行いましょう。
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この記事を書いた人
hata