QRコード決済を導入しよう!人気ランキングや費用、導入メリットを解説
公開日:2024.06.01 最終更新日:2024.06.01
QRコード決済の導入を検討しているなら、基礎知識を得ておくことが重要です。
本ガイドでは、QRコード決済の基礎知識や費用、導入の流れ、人気ランキングを解説します。QRコード決済の導入に必要な知識を得られるので、ぜひ参考にしてください。
QRコード決済とは?
QRコードで決済に必要な情報をやり取りする決済方法です。QRコードは1994年にデンソーウェーブが開発した2次元コード。小さなコードで大容量の情報を表現できます。
キャッシュレス推進協議会の消費者インサイト調査(2022年度)によると、コード決済アプリの保有率は73%でした。クレジットカード(接触式)の82%に次いで、消費者が多く保有している決済方法がコード決済です。
コード決済サービスには次のようなものがあります。
- PayPay
- LINE Pay
- au PAY
- 楽天ペイ
- d払い
- メルペイ
- FamiPay
- ゆうちょPay
- AEON Pay
- J-Coin Pay
- pring
- 銀行Pay
- WeChat Pay
- Alipay+
- OKI Pay
- commoney
- atone
- YOKA! Pay
QRコード決済のやり方
QRコード決済は、ユーザーか店舗のどちらかが、決済用のQRコードを読み取って処理します。具体的には以下の2種類です。
方式 | 概要 |
ストアスキャン方式 利用者提示型 CPM | 店舗が、ユーザーの決済アプリに表示されたコードを読み取る |
ユーザースキャン方式 店舗提示型 MPM | ユーザーが、店舗で表示されたコードを決済アプリで読み取る |
コード決済サービスによって呼び方が異なります。
店舗が簡単に導入できるのは、専用の決済端末を準備する必要がなく、QRコードを設置するだけのユーザースキャン方式。一方、売上データを管理しやすいのは専用の決済端末が必要なストアスキャン方式だといえます。
QRコード決済の導入費用
QRコード決済の導入にかかる費用は、以下のとおりです。
費用 | 内容 | 相場 |
初期費用 | ストアスキャン方式の場合、コードを読み取るための機器を準備する | 0~86,680円 |
決済手数料 | 売上に決済手数料率を乗じた金額を決済サービスに支払う | 1.76~3.245% |
振込手数料 | 一部の決済サービスでは、売上入金時に振込手数料を負担する | 0~330円 |
通信料 | コード決済を利用するには通信環境が必要であり、費用は店舗が負担する | 5,000円~ |
クレジットカード決済や電子マネー決済と比べて、QRコード決済の決済手数料は低い傾向があります。ただし、決済代行サービスを通じてQRコード決済を導入する場合は、別途費用がかかる可能性があるので注意してください。
QRコード決済の導入方法
QRコード決済による支払いを受け付けるために、QRコード決済サービスとの契約が必要です。個別契約と決済代行業者を通じた契約の2通りの方法があるので、詳しく紹介します。
個別に契約
PayPayならPayPay株式会社、au PAYならKDDIに対して、個別に加盟を申し込んで契約する方法です。決済サービスごとに申し込みが必要ですが、決済代行業者を通じて契約するより決済手数料が安くなるのがメリットです。
決済代行業者を通じてまとめて契約
決済代行業者と契約すると、複数のQRコード決済をまとめて導入できます。例えば、PayPayではPayCAS MobileとPayPay QRコード決済の2通りの導入方法が紹介されており、PayCAS Mobileが決済代行業者を通じてまとめて導入する形です。
決済代行業者を利用すると、契約手続きの手間を削減できるほか、複数の決済方法の売上や入金を一元管理できます。ただし、個別契約と比べて決済手数料が高くなる点は注意が必要です。
QRコード決済の導入メリット
QRコード決済の導入は、店舗にとって以下のメリットがあります。
- 初期費用が安い
- マーケティング効果を期待できる
- レジ業務を効率化できる
- インバウンド需要に対応できる
- 販売履歴を管理しやすい
ほかの決済方法と比べてQRコード決済が優れている点を確認していきましょう。
初期費用が安い
クレジットカード決済では、カードの磁気やICチップに記録された情報を読み取るために決済端末が必要です。一方、ユーザースキャン方式のQRコード決済なら、店舗はQRコードを設置するだけで決済できます。
QRコード決済は決済端末が不要なため、初期費用を抑えて導入できるのがメリットです。
マーケティング効果を期待できる
QRコード決済を導入すると利用可能店舗として掲載されるため、新規顧客からの認知を獲得しやすくなります。PayPayユーザーやd払いユーザーなどコード決済ユーザーは数千万人いるとされており、多くのユーザーにアプローチできるのがメリットです。
QRコード決済サービスが実施する還元キャンペーンも、店舗集客にポジティブな効果があります。ポイント還元を目的に、コード決済サービスを利用できるお店を積極的に探すユーザーがいるからです。
マーケティング効果を見込める点は、ほかの決済方法にはないQRコード決済独自のメリットといえます。
レジ業務を効率化できる
QRコード決済では現金のやり取りが発生しないため、顧客1人にかけるレジ業務の時間が減ります。お釣りを渡す必要がない点はもちろん、レジ締め作業が楽になります。
非接触で決済が完結するため、現金よりも衛生的な決済方法でもあります。
インバウンド需要に対応できる
日本を訪れる外国人のなかでも、中国人は以下の決済手段をよく利用しています。
- 支付宝(Alipay)
- 微信支付(WeChat Pay)
これらのQRコード決済サービスでの支払いを受け付けることで、インバウンド需要に対応可能です。
販売履歴を管理しやすい
QRコード決済では店舗側のWebサイトやアプリで決済履歴が記録されているので、販売履歴を管理しやすい点がメリットです。販売履歴がデータとして残るので、売上分析や経理処理に役立ちます。
QRコード決済導入の注意点
QRコード決済を導入するときは、次の3点に注意してください。
- サポート内容を確認しておく
- 静的QRコードの利用は避ける
- 手数料率の低いサービスを選ぶ
注意点について紹介していきます。
サポート内容を確認しておく
QRコード決済の導入後、セキュリティ上の問題や決済エラーが発生する可能性があります。サポート対応が遅かったり、適切な対応を受けられなかったりすると、売上や信頼の損失につながります。
したがって、QRコード決済を導入するときは、どのようなサポートを受けられるのか確認しておくことが重要です。
静的QRコードの利用は避ける
格納されているデータが固定で更新されない静的QRコードは、リスクが高いため利用を避けましょう。ストアスキャン方式の場合、ユーザーが表示するQRコードが盗撮され、悪用される懸念があります。
ユーザースキャン方式でも、店舗が表示しているQRコードを第三者にすり替えられ、売上が盗まれてしまうおそれがあります。
一定間隔ごとにQRコードが更新される動的QRコードなら、上記のようなリスクに対する安全性は高めです。導入するQRコード決済は、動的QRコードを使用するものにしましょう。
手数料率の低いサービスを選ぶ
QRコード決済サービスによって手数料率が異なるため、同じ売上であっても入金される金額は異なります。仮に月間10万円の売上であれば、手数料率が1%のものと3%のものでは1,000円の差です。1年間、2年間など長期的に見ると大きな差となります。
したがって、QRコード決済を導入するときは、できるかぎり手数料率の低いサービスを選びましょう。ただし、手数料率が低くてもユーザーから人気のあるQRコード決済もあるので、導入効果とコストを比較することが重要です。
QRコード決済への対応をアピールする
QRコード決済に対応しても、認知されずに利用率が低くなる可能性もあります。「QRコード決済で支払えるなら行ってみたい」といったユーザーを引き込むために、QRコード決済への対応をアピールしなければなりません。
店頭はもちろん、WebサイトやSNSを活用してアピールしましょう。
QRコード決済を導入する流れ
QRコード決済を導入する流れは、次のとおりです。
- 導入するQRコード決済サービスを選ぶ
- インターネット接続環境を整える
- 加盟店申請をする
- セッティングして利用を開始する
導入するQRコード決済サービスを選ぶ
利用顧客層やターゲット層を考慮し、どのQRコード決済サービスを導入するか選びましょう。海外顧客が多い場合は、AlipayやWeChat Payの導入は欠かせません。
なお、決済代行業者を利用すると、複数のQRコード決済をまとめて導入できます。
インターネット接続環境を整える
QRコード決済の処理は、セキュリティの観点から、基本的にインターネット接続環境が必要です。既に構築している場合は不要ですが、まだ構築していない場合はインターネット接続環境を構築しましょう。
なお、決済代行業者によってはiPhoneで決済の受付が可能であったり、決済端末自体に通信機能が備わっていたりする場合もあります。インターネット接続環境の構築が困難な場合、決済代行業者に相談しましょう。
加盟店申請をする
準備が整ったら、QRコード決済サービス事業者または決済代行業者に加盟店申請をします。加盟店申請で提出が求められる事項は次のとおりです。
- ホームページURL
- 店舗外観写真
- 店舗内観写真
- 法人番号(法人の場合)
- 本人確認書類の写し(個人の場合)
- 入金先の口座情報
詳細は申請先によって異なる可能性もありますが、提出を求められた場合にすぐ対応できるよう準備しておきましょう。
セッティングして利用を開始する
審査に通過したら、必要なセッティングを完了させてQRコード決済による支払いを受け付けます。
セッティングの内容は申込先によって異なりますが、決済代行業者の場合、対応する決済端末を導入するか、専用アプリを導入したモバイルデバイスの準備が必要です。
QRコード決済事業者の場合、管理サイトにアカウントを登録し、届いたQRコードを店舗で表示するといった準備が必要です。
QRコード決済人気ランキング
MMDLabo株式会社が行った「2024年3月QRコード決済の利用に関する調査」によると、QRコード決済の人気ランキングは次のとおりでした。
- PayPay
- 楽天ペイ
- d払い
- au PAY
- FamiPay
- メルペイ
各サービスの特徴を紹介します。
PayPay
運営会社 | PayPay株式会社 |
初期費用 | 無料 |
決済手数料 | 2.178% ※PayPayマイストア ライトプラン契約で1.76% |
入金サイクル | 毎月1回 |
振込手数料 | 無料 |
PayPayの利用率は49.5%と他のQRコード決済サービスと大きな差をつけて高く、非常に人気のあるQRコード決済サービスといえます。
PayPayはソフトバンク傘下のPayPay株式会社が提供するQRコード決済サービスで、登録ユーザー数は6,300万人です。ほかのQRコード決済サービスと比べて、決済手数料率が低い特徴があります。
楽天ペイ
運営会社 | 楽天ペイメント株式会社 |
初期費用 | 無料 ※キャンペーン |
決済手数料 | 3.245% |
入金サイクル | 23時45分までの入金依頼で翌営業日 ※楽天銀行口座なら翌日入金 |
振込手数料 | 330円 ※楽天銀行口座は無料 |
楽天ペイは25.9%と、PayPayに次ぐ利用率を誇ります。楽天ペイは楽天ペイメント株式会社が提供する決済サービスで、導入後はクレジットカード決済や電子マネー決済にも対応可能です。
d払い
運営会社 | 株式会社NTTドコモ |
初期費用 | 無料 |
決済手数料 |
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入金サイクル |
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振込手数料 |
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QRコードはメルペイと共通なので、d払いに対応すればメルペイにも対応します。Webサイトから申し込むと、決済手数料が最大6ヶ月間無料になるのが特徴です。
au PAY
運営会社 | KDDI株式会社 |
初期費用 | 無料 |
決済手数料 | 2.86% |
入金サイクル |
|
振込手数料 | 無料 |
WeChat PayやAlipay+も同時に申し込めるので、中国人ユーザーが多い店舗におすすめです。
FamiPay
運営会社 | 株式会社ファミマデジタルワン |
初期費用 | 無料 |
決済手数料 | 要問い合わせ |
入金サイクル | 月末締め翌月15日払い |
振込手数料 | 要問い合わせ |
メルペイ
運営会社 | 株式会社メルペイ |
初期費用 | 無料 |
決済手数料 | 2.86% |
入金サイクル |
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振込手数料 |
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月間利用者数2,260万人のメルカリと、会員数約9,481万人のdポイントクラブ会員からの集客効果を見込めるのが特徴です。
まとめ:QRコード決済を導入しよう
QRコード決済は、レジ業務を効率化できるだけでなく、マーケティング効果を期待できるといった特有のメリットがあります。導入方法は、QRコード決済サービス事業者に直接申し込む方法と、決済代行業者を通じてまとめて契約する方法があります。
直接申し込む場合は初期費用は無料なのが一般的ですが、複数のQRコード決済を導入する場合は手間がかかる点に注意しておきましょう。複数のQRコード決済を導入するなら、決済代行業者を利用するのがおすすめです。
自社に適した導入方法を検討したうえで、QRコード決済を導入しましょう。
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