原状回復におけるガイドラインの概要と知っておきたい重要ポイント
公開日:2021.01.20 最終更新日:2021.02.09
今回は、原状回復におけるガイドラインとはなにかという概要から、ガイドラインの重要ポイントまで解説します。
はじめて原状回復を依頼するという事業者様・管理者様はぜひご一読ください。
原状回復におけるガイドラインの概要
原状回復におけるガイドラインとは、国土交通省が作成した、原状回復の費用を誰が負担するかについてのルールです。
家や部屋の貸し借りの契約が終了する際には、借りていた家や部屋を貸主に引き渡しますが、毎日生活・利用していた家や部屋は元のようなきれいな状態ではないことがほとんど。
そこで、貸主は元の状態に戻すために、借主から預かった敷金を原状回復の費用に充てるというケースが一般的です。
しかし、借主の責任ではない経年劣化を、貸主が借主から預かった敷金で修復することによってトラブルが起きるケースもよくあります。
そこで、原状回復におけるトラブルを減らすために、国土交通省がガイドラインを作成したというわけです。
原状回復におけるガイドラインに法的拘束力はあるの?
原状回復におけるガイドラインは、かつては拘束力がありませんでした。
しかしながら、民法の改正によって原状回復の費用をどちらが持つかがはっきりと決められ、原状回復におけるガイドラインに法的な拘束力が生まれています。
法律の条文では包括的な内容となっていますが、実務上においては「原状回復におけるガイドライン」が重視されます。
そのため、貸主と借主がお互いに納得のいく形で賃貸契約を進め、トラブルなく契約満了するためには、ガイドラインを参考にすることが大切といえます。
原状回復におけるガイドラインの重要ポイント
ここでは、原状回復のガイドラインの中で最も重要なポイントをご紹介します。
一番の重要ポイントは、原状回復とは元の状態に戻すこととイコールではないという点です。
ガイドラインでは、原状回復とは賃借人の故意・過失、善管注意義務違反、その他通常の使用を超えるような使用による損耗・毀損を復旧することを指すとされています。
そして、それ以上の回復作業は貸主の責任とされています。
つまり、通常の用途で使用していたのに、時間の経過や使用によって影響が出た部分については借主の責任ではないということです。
通常の使用では年数がたつと劣化するものですから、年数経過にしたがって借主の負担が軽減されるようになっている点もポイントです。
また、部分的な破損に対して全体の修理してしまうと原状回復費用の負担が大きくなりすぎます。
そこで、限定的な形で施工単位を決め、必要に応じて修正していく形になっているのです。
原状回復におけるガイドラインの概要と知っておきたい重要ポイント
以上、原状回復におけるガイドラインの概要と事前に知っておきたい重要ポイントについて解説してきました。
原状回復のガイドラインは、国土交通省が作成した、借主と貸主どちらが原状回復の費用を払うのかという基準です。
原状回復とは元の状態に戻すこととイコールではなく、借主は時間の経過や使用によって影響が出た部分を元に戻す必要はありません。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。