賃貸物件退去後の原状回復にかかわる条例「東京ルール」とは?
公開日:2021.07.08 最終更新日:2021.08.05
このコラムでは、賃貸物件退去後の原状回復における東京ルールについて解説します。
原状回復についてのルールを今一度ご確認したいオーナー様は、ぜひご一読ください。
東京ルールとは?
東京ルールとは、住宅の賃貸借に関わるトラブルを防止するために、平成16年10月1日に施行された賃貸住宅紛争防止条例のことです。
東京ルールでは、宅地建物取引業者が賃貸借契約を交わす双方に「退去時の原状回復」、「契約期間中の修繕」、「特記事項に関する内容」を伝えるように定められています
適用されるのは、平成16年10月1日以降に契約を結んだ賃貸住宅です。
ちなみに、店舗や事業用建物に関しては適用対象外となるので注意しましょう。
これにより、不動産や賃貸契約に関する知識が少ない借主を保護し、トラブルの発生を抑制しています。
東京ルールが定める退去時の原状回復に関する内容
東京ルールに定める退去時の原状回復の要点は、大まかに分けて3つあります。
要点①借主の故意・過失でできた汚れや傷
意思を持って内装の一部を破損させた場合や誤って傷を加えたとき、借主がその費用を負担します。
たとえば、猫の引っかき傷や家具を引きずった際にできた傷、壁の落書きなどです。
万が一、注意を払っていたとしてもこのような傷や汚れの修繕費用の負担は借主となります。
要点②経年変化による汚れの修繕義務は貸主が負う
経年変化に伴ってできる汚れの修復費用は貸主に修繕義務が課されます。
経年変化とは、時の流れとともに品質などが変化することです。
たとえば、建築した当初は、設備やクロス、床などはすべて新品の状態になります。
しかし、時の経過とともに備え付けられていたものが傷んだり、汚れたりするでしょう。
具体的には、障子の日焼け、給排水設備の劣化、防水機能の低下などです。
また、鍵の交換や浴槽の取替えなどもオーナー負担になるので注意しましょう。
要点③特約を設けられる
貸主と借主双方が納得した場合、新しいルールを特別に設けることができます。
これは、民法の契約自由の原則によるものです。
有効な特約するためには、下記の要件をすべてクリアしなければなりません。
- 必要性が認められ客観的かつ合理的な事由があること
- 賃借人が内容を認識していること
- 賃借人が義務を負うことに対して意思表示を示していること
具体的には、襖や畳の貼り替え義務や室内清掃の義務を定めているケースが多いです。
特約の内容は宅地建物取引業者が細かく説明し、賃借人はそれぞれ内容を詳しく理解しなければなりません。
また、特約の有効性は裁判所によって判断されます。
もし、特約の内容をめぐるトラブルが発生している場合、東京都の相談窓口などに問い合わせましょう。
東京ルールは退去時の原状回復などが定められている
以上、賃貸物件退去後の原状回復における東京ルールについて解説しました。
東京ルールは、賃貸住宅の原状回復などに関するトラブルを抑制するために作られた条例です。
3つの要点を押さえて、入居者の退去希望があった場合はスムーズに退去完了できるよう早めに原状回復業者の手配を行いましょう。
ご自身で管理されている物件の原状回復業者をお探しの際は、ぜひEMEAO!にご相談ください。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!