業務用エアコンの処分方法は?流れや注意点をわかりやすく解説
公開日:2023.12.21 最終更新日:2024.07.12
業務用エアコンは、家庭用エアコンの用に処分はできません。正しい方法で処分しないと、法律違反により罰則の対象にもなります。
そこで本記事では業務用エアコンの処分方法について、流れや注意点をわかりやすく解説します。業務用エアコンの処分で悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
業務用エアコンは普通に処分できない
業務用エアコンは「家電リサイクル法」が適用されないため、一般的な手順では処分できません。家電リサイクル法とは、家庭用電化製品の廃棄物の減量と再生資源の有効利用を促進するために制定された法律です。
しかし業務用エアコンの場合は、「フロン排出抑制法」により家電リサイクル法が適用されません。フロン排出抑制法では、業務用エアコンに充填されているフロン類を、適切に回収および破壊することが義務付けられています。
そのため個人では廃棄できず、フロン回収の専門業者に依頼する必要があるのです。
家庭用エアコンは「家電リサイクル法」、業務用エアコンは「フロン排出抑制法」が適用され、それぞれ処分方法が異なることを把握しておきましょう。
業務用エアコンを処分する際の流れ
業務用エアコンを処分する流れは、以下の通りです。
- 業務用エアコンの廃棄書類(マニフェスト)を作成する
- フロン回収業者に連絡する
- 産業廃棄物処理業者に連絡する
では、1つずつ詳しく解説します。
業務用エアコンの廃棄書類(マニフェスト)を作成する
まずは業務用エアコンの廃棄に必要な廃棄書類(マニフェスト)を作成しましょう。
マニフェストとは「産業廃棄物管理表」とも呼ばれるもので、業務用エアコンの処分の流れを適切に管理するために必要な書類です。
なおマニフェストは、複写式の紙伝票を使う紙マニフェストとパソコンを使う電子マニフェストの2つがあります。
いずれも全国産業廃棄物連合会が提供しているものを使うのが一般的です。ただし要件を満たしていれば、独自のフォーマットで作成しても問題ありません。
フロン回収業者に連絡する
都道府県に登録しているフロン回収業者へ連絡し、エアコンからフロンを回収してもらいましょう。フロン回収業者の連絡先は、各都道府県のホームページなどから確認できます。
参考までに、東京・大阪・名古屋のフロン回収業者の連絡先は以下の通りです。
フロンの回収が終わると回収されたことを証明する「引取証明書」と呼ばれる書類と、エアコン本体に「フロン回収済み」と記載されたシールが貼られます。
フロン回収の費用はどれくらいかかる?
フロン回収費用の相場は、2万円から3万円ほどです。
費用の内訳には、回収機器や回収容器の運搬や搬入、回収対象機器の事前準備にかかる費用(証明書発行)などが含まれます。
またエアコンの馬力や冷房能力(kW)によっても料金は変動します。詳しくは各回収業者へ確認してみましょう。
産業廃棄物処理業者に連絡する
フロンの回収が済んだら、産業廃棄物処理業者へ連絡しエアコン本体を引き取ってもらいましょう。
もしフロンが未回収だと、引き取ってもらえない可能性があります。また業者とともにマニフェストの確認も必要になるので、事前に準備しておきましょう。
なお産業廃棄物処理業者の中には、フロンの回収もあわせて実施している業者もあります。その場合はフロン回収と本体の処理が1度で済むので、スムーズに処理できます。
その他業務用エアコンの処分方法
下記の方法でも業務用エアコンを処理できます。
- 家電量販店に依頼する
- エアコン買取業者へ依頼する
では、それぞれ詳しく見ていきましょう。
家電量販店に依頼する
大型の家電量販店であれば、業務用エアコンの引取りにも対応している場合があります。業者に依頼するより費用を抑えられる可能性もあるため、問い合わせてみるのも手です。
ただしあくまでも家電量販店は、家電製品の取り扱いをメインにしています。業務用エアコンの種類によっては対応できないケースもあるため注意しましょう。
エアコン買取業者へ依頼する
エアコンの買取を専門としている業者に依頼する方法です。家庭用エアコンとあわせて、業務用エアコンの買取にも対応している業者もあります。
新しく状態の良い業務用エアコンなら、費用をかけずに処理できる可能性があります。
業務用エアコンを処分する際の注意
業務用エアコンを処分する際の注意点は、以下の3つです。
- 個人では処分できない
- 一般廃棄物処理業者では処分できない
- 不法処理は刑罰の対象になる
それぞれ詳しく解説します。
個人では処分できない
費用を抑えたいなどの理由から、業務用エアコンを個人で処理したいと考える方もいるでしょう。しかし個人での処理は認められていません。
なぜなら業務用エアコンはフロン排出抑制法により、個人での処理が認められていないためです。フロン排出抑制法では、業務用エアコンに充填されているフロン類の適切な回収と破壊が義務付けられています。
専門の知識と技術がない個人ではフロンを適切に処理できないため、法律により規制されているのです。業務用エアコンの独断での処分は避け、専門業者等へ依頼し正しい方法で処分しましょう。
一般廃棄物処理業者では処分できない
業務用エアコンは、家庭用エアコンのような一般廃棄物には該当しません。そのため、一般廃棄物処理業者では処分できないため注意しましょう。
業務用エアコンは一般廃棄物ではなく、産業廃棄物に指定されており、「フロン回収・破壊法」に則り処理が必要です。
そのため回収できる業者も、一般廃棄物処理業者ではなく産業廃棄物処理業者に指定されています。
不法処理は罰則の対象になる
業務用エアコンを不正に処理した場合、フロン回収・破壊法に基づき罰則が科せられる可能性があります。
たとえばフロンの不適切な回収は50万円以下の罰金、マニフェストの虚偽記載などは30万円以下の罰金の可能性があります。業務用エアコンの不法処理は罰則の対象となることを認識し、適切な方法で処理するようにしましょう。
業務用エアコンの処分にかかる費用の目安
業務用エアコンの処分にかかる費用の目安は、以下の通りです。
内容 | 費用目安 |
フロンガスの回収 | およそ2万円〜3万円 回収基本料:1万円 回収料:3千円 機器設置料:4千円 破壊証明費用:6千円 |
業務用エアコンの本体撤去 | 天井埋込み型:9万円 壁掛け型:4万円 (いずれも40〜50型の場合) |
また上記の他にも、エアコンの収集や運搬費用もかかります。作業員の数が多いほど費用も割高になるため、事前に見積書を確認し不明な点は質問しておきましょう。
まとめ:業務用エアコンは専門業者へ依頼し適切に処分しよう
業務用エアコンを処分する際は、専門業者へ依頼し適切な方法で処理しなければなりません。
業務用エアコンを処分する際には、廃棄書類(マニフェスト)の作成とフロン回収業者と産業廃棄物処理業者への依頼が必要です。
なお個人で処分したり、一般廃棄物処理業者での処分はできません。業務用エアコンを不法に処分した場合は、フロン回収・破壊法に則り罰則が科せられる可能性があります。本記事の内容を参考に、業務用エアコンは適切な方法で処理しましょう。
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この記事を書いた人
hata