LED照明の交換費用の相場とコストを抑えるポイント
公開日:2020.11.02 最終更新日:2024.02.21
蛍光灯に比べると大幅にランニングコストを抑えられるLED照明。
しかし場合によっては工事が必要になることがあり、思いの外交換費用がかかってしまう可能性があります。
そこで今回は、LED照明設置にかかる費用の相場と、できるだけ料金を抑えるポイントについてご紹介します。
LED照明の交換費用の相場
LED照明の設置する際は、購入とリースの2パターンがあります。
それぞれ交換にかかる費用が異なるため、順番に見ていきましょう。
LED照明を購入する場合
LED照明を購入する場合、費用相場は1本あたり1,000〜3,000円となっています。
仮に広い部屋で10本以上の照明がある場合、1部屋につき10,000〜30,000円、あるいはそれ以上の費用がかかり、オフィス全体の照明を交換するとなるとそれなりに高額となります。
また、LED照明の交換費用は、採用するLED照明のワット数によって大きく異なります。
以下に、LED照明本体の価格相場についてまとめました。
ワット数 | LED照明の価格相場 |
20W相当未満 | 1,066円 |
20~30W未満 | 1,368円 |
30~40W相当 | 1,755円 |
40~60W未満 | 1,805円 |
60~80W未満 | 1820円 |
80~100W未満 | 2,297円 |
100W相当以上 | 2,980円 |
発売当初は高価だったLED照明も年々価格が低下傾向にあり、最近はかなり安価な製品も出回っています。
とはいえ、価格だけで選んでしまうと早々に電球が切れてしまったり、部品が破損してしまったり、と結局数年で買い替えなければならないというケースが後を絶ちません。
LED照明を選ぶ際は、価格を抑えつつも、ある程度の耐久性や品質に定評のある製品を選ぶと安心です。
LED照明をリースする場合
LED照明をリースする場合の費用相場は、1本あたり月額200〜2,000円です。
基本的に数年単位のリース契約となり、例えば5年契約でリースした場合の総額は1本あたり12,000円〜100,000円程度となります。
ただしLED照明をリースする場合、毎月必要となるランニングコストは契約期間や照明のタイプ、契約個数などによって異なります。
以下、リース期間を5年とした場合の照明種類別相場表をご覧ください。
種類 | 月額料金 (本/月) | 総額 (リース5年の場合) |
コンパクトLED 直管タイプ | 200~300円 | 12,000円~18,000円 |
コンパクトLED ダウンライト型 | 100~200円 | 6,000円~12,000円 |
LED電球 | 100~150円 | 6,000円~9,000円 |
LED投光器 | 1,000~2,000円 | 50,000~100,000円 |
LED水銀灯 | 1,000~2,000円 | 50,000~100,000円 |
LED照明のランニングコスト
10年間のコスト | 白熱電球 | 電球型蛍光灯 | LED照明 |
電球交換回数 | 20回 | 3回 | 0回 |
電球交換費用 | 2,000円 (20回×100) | 3,000円 (3回×1,000) | 0円 |
電気代 | 29,160円 | 5,400円 | 3,780円 |
ランニングコスト(合計) | 31,160円 | 8,400円 | 3,780円 |
参照:ESCO
10年スパンで見ると、寿命が長く電気代が安いLED照明は、他の電球と比較してランニングコストが低いことがわかります。トータルのランニングコストで、白熱電球は31,160円、電球蛍光灯は8,400円、LED照明の場合は3,780円です。白熱電球とLED照明では、10年間で27,380円の差があります。
しかし、使用状況によりランニングコストは大幅に変動することもあるため、詳細な電気代を把握したい場合は見積りを取りましょう。
LED照明は購入とリースのどちらがコストを抑えられるのか?
同じ種類のLED照明を同じ本数導入する場合、リースよりも購入の方が費用を抑えられます。
リース契約の場合、月額料金に手数料や設置費用などが含まれるため、初期費用をかけずに交換できるのが大きなメリットです。
ただし、リースが一定期間を過ぎると利用料金の総額が購入費を上回り、その分がリース会社の利益となる仕組みとなっているため、最終的に購入費用の2倍ほどの費用を支払うケースも珍しくありません。
一方、購入する場合は導入時に高額な初期費用が発生することがデメリットではありますが、ランニングコストがかからないため、リースに比べると大幅に費用を抑えることが可能です。
初期費用を払う余裕がある企業ならば購入を、できるかぎり初期費用を抑えたいという方にはリース契約がおすすめです。
LED照明を導入するメリット
近年はコストや省エネの観点から、蛍光灯をLED照明に交換するケースが増えています。
以下に、LED照明を採用することで得られるメリットについてご紹介します。
- 寿命が長い
白熱電球の寿命が1,000〜2,000時間、蛍光灯が6,000〜12,000時間なのに対し、LED照明は40,000〜50,000時間と言われています。
1日8時間点灯しても15年前後使用できるため、交換費用も抑えられます。
- 消費電力が少ない
通常、消費電力が大きいほど明るくなりますが、電気エネルギーの変換効率がいいLED照明は、白熱電球の約1/6、蛍光灯の約1/2の消費電力で明るさを保つことができるため、電気代が安くなります
- 点灯速度が速い
蛍光灯はスイッチを入れてから電気が点灯するまでに時間がかかりますが、LED照明は電気を入れた瞬間に明るくなります。
- 寒さに強い
蛍光灯は気温が下がると点灯までに時間がかかったり、場合によっては点灯しなくなったりすることがあります。
しかし、LED照明は氷点下20度であっても発光効率が落ちないことが証明されており、寒冷地の屋外でも使用可能です。
LED照明の注意点
LED照明を導入する際は、いくつか注意点があります。蛍光灯と交換する場合は以下の点に注意し、交換後に支障がないか見極めることが大切です。
- 重量が重い
- 暗くなることがある
- 高温多湿な場所での使用は不向き
重量が重い
LED照明は放熱用のヒートシンクなど発光部分以外の部品が含まれるため、蛍光灯照明などと比べると重くなる傾向にあります。そのため、照明器具の耐荷重を確認しなければいけません。
近年のLED照明は軽量化も進んでいるため設置しやすくなりましたが、照明器具に合った重量であるか確認しましょう。
暗くなることがある
LED照明の光は特性上、光が直進的になる傾向にあるため一方向に照明が集中しやすいです。そのため、光に照らされる範囲が狭くなり、暗く感じることもあります。設置場所の広さや必要な明るさ、照明の間隔に注意して配置することが大切です。また、広範囲を照らしたい場合は、配光角(光の拡散度)が大きい電球を選ぶことも1つの手段でしょう。
高温多湿な場所での使用は不向き
LED照明は半導体や電子経路が含まれているため、高温多湿な環境や油煙環境では劣化が進みやすくなります。浴室や厨房などで使用する場合は、寿命が縮みやすくなるでしょう。LED照明が劣化しやすい環境下の場合、専門的な加工がされた特殊環境用のタイプを使う必要があります。
耐熱性や防塵性などに優れた特殊環境用のLEDがあるため、取り付けたい環境に合ったLED照明を選びましょう。
LED照明の交換工事の流れ
蛍光灯をLED照明に交換する場合、家庭で見られる丸型のシーリングライトか電球型であれば自身で作業可能ですが、オフィスや工場などで見られる細長い直管型蛍光灯はバイパス工事が必要となります。
バイパス工事とは、既存の安定器の線を切断し、LED照明と直結させる配線工事のことで、作業をするには電気工事士の資格が必要となるため、必ず業者に依頼しましょう。
LED照明の交換工事の流れは、以下のとおりです。
- 既存の蛍光灯を撤去する
- 安定器と繋がっている線を切断する
- LED照明に必要な線と繋ぐ
- LED照明とカバーを設置する
有資格者であれば特に難しい作業はなく、特殊な状況でない限り、1台につき20〜30分で交換作業が完了します。
LED照明の交換に工事が必要な場合
以下に該当する場合、交換工事が必要です。
- 既存の蛍光灯器具に「安定器」が取り付けられている場合
- 直接配線に触れなければ交換できない
安定器が取り付けられている場合、LEDに合わせた電気配線にするための「バイパス工事」が必要です。正しく工事が行われずLEDを使用すると、安定期が劣化して必要以上に電力を消費したり、照明が点灯しなかったりする可能性があります。
配線に触れる必要がある場合、自身で取り付けを行うと漏電や火災が発生する原因となるため大変危険です。専門知識のあるプロの業者に依頼しましょう。
LED照明の交換に工事が不要な場合
以下に該当する場合は、LED照明の交換に工事が不要です。
- 天井に配線器具が設置されたシーリングライト
- 電球
一般家庭で設置されることの多いシーリングライトは、配線器具が天井に配置されているため自分でLEDを差し込むだけで交換できます。また電球は、LEDの電球を付け替えるだけで交換が完了します。
LED照明の交換にかかる費用を抑えるためのポイント
ここまで、LED照明の交換にかかる費用についてご紹介しました。
次に、費用を相場よりも抑えるためのポイントを3つご紹介します。
ポイント①LED工事がいらない商品を選んで工事費用をカットする
LED照明の交換費用を抑える最も手軽な方法は、工事不要の商品を購入し自分で交換することです。
ただし、素人が交換する場合はその場に残った既存の配線や安定器が残り、そこに向けて放電され続けるため、余計な消費電力がかかり十分な節電効果が得られない可能性があります。
ポイント②補助金制度を利用する
LED照明の工事には、補助金制度を利用できる可能性もあります。
近年、よりよい環境づくりのために省エネ効果の高いLED照明の採用が推奨されており、各自治体が工事費用を一部負担する補助金制度を導入しています。
ただし自治体によって条件が異なるため、事前に所属する自治体に確認しましょう。
ポイント③複数業者を比較検討する
複数の業者に相見積もりを依頼するのも1つの手です。
3社ほどの業者に対し、予算や導入時期、設置場所、導入形態など全く同じ条件で見積もりを依頼すれば、費用や業者の信頼度も比較しやすくなるでしょう。
また、相見積もりをとっていることを伝えることで、費用が安くなったり、よりよい条件を提示してくれたりする業者も出てくるはずです。
LED照明の交換依頼をする業者を選ぶポイント
LED照明の交換を業者に依頼する際は、優良な業者を見極めることも大切です。以下のポイントを抑え業者を選定しましょう。
- 豊富な交換実績がある
- サポート内容が充実している
- 見積もり内容が明確である
ポイント①豊富な交換実績がある
業者を選ぶ上で、実績の豊富さは工事のクオリティやスムーズさに関わります。自社の目的に合った実績はあるのか・どんな企業での工事実績があるのか・本業と関連性があるのかなどという基準で調査しましょう。
実績を把握するためには、業者のホームページに掲載された会社概要や、営業担当者に確認するなどの方法があります。また、口コミサイトを参考にすれば実際にサービスを利用したユーザーの生の声を把握できます。
ポイント②サポート内容が充実している
アフターフォロー体制など依頼主へのサポート内容が充実している点も大切なポイントです。業者によっては、工事後も定期的にメンテナンスを実施してくれます。サポート体制が整っていれば、何かトラブルがあった場合にも安心です。
ポイント③見積もり内容が明確である
信頼できる業者の特徴として、見積もり内容の明確さも挙げられます。見積りの内訳が詳しく記載されていることは大きなポイントです。工事費用一式などひとまとめにされている場合、使用される部品や何にいくらかかっているのか把握できません。
また、実際に使用する照明の種類や電気料金単価などで費用も変動するため、交換後を見越して確認する必要があるでしょう。
見積もり内容が曖昧なまま工事を進めると、想定外の金額を請求されたり、交換後の運用で予想外の電気代がかかったりということも起こり得ます。明確に見積りを出してくれる業者を選びましょう。
LED照明設置にかかる費用相場は1本あたり1,000~3,000円ほど
LED照明を交換する際の費用相場と、できるだけ費用を抑えるポイントについてご紹介しました。
LED照明を購入する場合、費用は照明1本あたり1,000〜3,000円ほどが相場とされていますが、金額は照明のワット数によって変動します。
できるだけ安価に済ませたいという方は、ぜひ今回ご紹介したポイントを押さえて交換を行ってみてくださいね。
「相場も分かったから、さっそくLED照明を業者に発注したい」
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。