病院の照明を蛍光灯からLEDに交換する3つのメリット
公開日:2021.06.29 最終更新日:2024.02.21
この記事では、病院・クリニックにLED照明を導入することによって得られる3つのメリットについて解説します。
照明のLED化に迷っている病院経営者様は、ぜひご一読ください。
病院・クリニックにLED照明を導入する3つのメリット
病院やクリニック内の照明について、費用をかけてまでLED化する必要はあるのかと疑問に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか?
ここではLED化に向けた、病院やクリニックでLED照明を導入する3つのメリットをご紹介します。
メリット①施設の光熱費を削減できる
LDE照明は従来の照明に比べて、少ない消費電力で明るさを確保することができます。
そのため、従来の電球100Wと同等の明るさを確保する場合、LED照明では20Wの消費電力で足りるのです。
具体的な電気代は以下の計算式に当てはめると算出することができます。
電球100WとLED照明の20Wの1時間の電気料金を比較してみると…
電球 100W÷1000×1時間×27円=2.7円 LED照明 20W÷1000×1時間×27円=0.5円
1年間の消費電力に換算すると、電球23,652円・LED照明4,380円と大幅に電気代を節約することができます。
病院やクリニックの場合は、照明の数も多いので大幅に電気代を削減することができます。
メリット②省エネ効果によって多くの電力を医療機器に回せる
LED照明で従来の電球と同じ明るさを確保すると、約70%も消費電力を削減することができます。
電気代を大きくコストカットできる分、高額な医療機器の費用に回すことが可能となるので、診療環境を確保するためにも省エネを推進していくことが重要です。
メリット③万が一落下してしまった場合も安全
LED照明の素材はガラス管ではなく、ポリカーボネートを採用しています。
そのため、万が一LED照明が落下した場合でも、床にガラスが飛散することがないので安心です。
患者の安全を保障するためにも、危険性の少ない照明への変更がおすすめです。
病院・クリニックにLED照明を導入する際の注意点
病院やクリニックにLED照明を導入する際の注意点は、次の3つです。
- 医療機器への影響を考慮する
- 色温度と演色性に注意する
- 調光機能付を選ぶ
それぞれ詳しく解説します。
医療機器への影響を考慮する
LED照明は、白熱電球や蛍光灯といった従来の照明と比べ、高周波ノイズを発する場合があります。これはLEDが電圧を変化させることで、点灯する仕組みのためです。
対策を施していないLED照明を設置した場合、ノイズが医療機器に影響を与え誤作動や故障を引き起こす可能性があります。
対策としては、低ノイズ設計のLEDやノイズフィルターの設置が有効です。また設置の際は、既存の医療機器とLED照明との互換性も確認しておきましょう。
色温度と演色性に注意する
病院では手術といった精密作業を伴うため、LED照明の色温度と演色性には十分注意しましょう。色温度と演色性が適切でない場合、診察や手術に影響を及ぼす恐れがあります。
診察室や手術室では、自然光に近い色温度 (5,000K〜6,500K) が適切です。また病室や待合室においては、患者がリラックスできる暖色系の色温度 (3,000K~4,000K) を選びます。
演色性は、患者の皮膚の色を正確に判断できるRa90以上のものを選ぶようにしましょう。
調光機能付を選ぶ
患者の状態や時間帯に合わせて照度を調整できるように、調光機能付のLED照明を設置しましょう。
従来の調光器と互換性があり、0〜100%の範囲で調光できる照明を選ぶのがポイントです。さらにタイマー機能やシーン設定機能などがあると、より快適に照らせます。
照明の明るさが原因で患者にストレスを与えないよう、利用シーンに合わせて最適な明るさに調整できる照明を選ぶようにしましょう。
病院の照度基準について
病院の照度は「日本工業規格JISZ9110照度基準」により、下記のように基準値が設定されています。
照度(ルクス) | 設置場所 |
75〜150 | 洗面所、トイレ、更衣室、麻酔室、霊安室など |
150〜300 | 待合室、外来の廊下、面会室 |
300〜750 | 診察室、救急治療室、分娩室 |
750〜1,500 | 手術室 |
5,000〜10,000 | 視機能検査室 |
また照度だけではなく、色温度や演色性にも注意が必要です。手術などの精密作業に支障をきたさないよう、照度基準に適合するLED照明を設置しましょう。
病院向け照明の種類
病院向けに使われるおもな照明の種類を、4つ紹介します。
- 一般照明
- 局所照明
- 誘導照明
- 殺菌灯
それぞれの使用用途や特徴を把握し、適切なLED照明を選ぶのがポイントです。では、1つずつ詳しく解説します。
一般照明
一般照明は、おもに天井に設置され部屋全体を明るく照らすための照明です。LED照明も広く活用されており、診察室や待合室、廊下などに設置されています。
また設置の際は多くの患者が行き交う場所であることを考慮し、落ち着きのあるものを選ぶのがポイントです。
患者に病院という特別な環境に来たことを感じさせないような照明を選ぶようにしましょう。
局所照明
局所照明は、手術室や診察台など特定の場所を明るく照らすための照明です。おもに手術灯や診察灯、ヘッドライトなどが活用されています。
診察灯には診察しやすいよう、調光機能や照射角度の調節機能が付いています。また最近では、LED照明の診察等が主流です。
誘導照明
緊急時や停電時などに、避難経路を照らすための照明です。非常用照明や誘導灯などが用いられています。
電池式や蓄電池式など停電時でも点灯するようになっており、病院の各所に設置されています。また暗い場所でも視認しやすいよう、赤色や緑色になっているのが特徴です。
殺菌灯
殺菌灯は手術室や病室など、殺菌対策が必要な場所に設置する照明です。紫外線の光で殺菌し、院内感染の予防などに役立ちます。
病院やクリニックでは細菌やカビ、ウイルスを短時間で死滅させるUV殺菌灯などが活用されています。
ただし紫外線光で殺菌する仕組みのため、人体へ照射されると危険です。人体へ影響が出ないよう、適切に設置しましょう。
LED照明による人体への影響は?
病院にLED照明を導入するにあたり、人体への影響がないか気になる方もいるでしょう。さまざまな症状の患者が集う病院においては、人体への影響の有無は把握しておくべきです。
LED照明は適切に使用すれば人体への影響はありません。ただし以下の点においては、注意が必要です。
注意すべき点 | 対策方法 |
ブルーライト | 患者の睡眠の妨げにならないよう、ブルーライトカット機能付の照明を選ぶ |
ちらつき | 患者の目や脳に負担を与えないよう、ちらつきを抑えた照明を選ぶ |
紫外線 | 紫外線カット機能付のLED照明を選ぶ |
光刺激 | 間接照明を併用し、適切な照度を保つ |
また演色性や色温度にも注意しつつ、照度基準に合った照明を選ぶようにしましょう。
病院等の照明のLED化は病院側・患者側双方にとってメリットになる
以上、病院・クリニックにLED照明を導入することにより得られる3つのメリットについて解説しました。
LED照明は大幅なコストカットが可能となり、その分高額な費用がかかる医療設備の充実化ができます。
また、割れにくい素材を活用しているため、患者に対しても安全性を保証できるでしょう。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!