オフィスのLED化をできるだけ早く進めるべき4つの理由
公開日:2021.06.28 最終更新日:2024.02.20
この記事では、オフィスのLED化をできるだけ早く進めるべき4つの理由について解説します。
LED照明の導入に悩んでいるオフィスのオーナー様は、ぜひご一読ください。
オフィスのLED化をできるだけ早く進めるべき4つの理由
既存の照明器具からLED化を行うには初期費用がかかるため、なかなか導入に踏み出せない事業者様もいらっしゃるかと思います。
オフィスのLED化を検討するための材料として、LDE照明を導入すべき理由についてご紹介していきます。
理由①交換する電球等の生産終了
内閣府は、日本を環境にやさしいエネルギー大国にするため、2020年までにLED照明の100%実現を目指しています。
そのため、水銀灯の製造・輸出入がすでに禁止となり、蛍光灯器具生産2030年までに終了を目標としています。
これらの照明を使用している場合は、交換用の照明器具が手に入らなくなるので、LED照明の早めの導入が安心です。
ちなみに、電球や蛍光灯の寿命は10年~15年なので、設置後10年を交換の目安にしてください。
理由②蛍光灯の価格高騰
蛍光灯などの生産減少・終了に伴い、照明器具の価格が高騰することが考えられます。
実際に、国内の主要メーカーではすでに生産終了が相次いでいるので、低価格で使用していた蛍光灯の価格が高騰する前に、早めのLED化をおすすめします。
メーカー 製品 生産終了時期 東芝ライテック 蛍光灯器具 2017年3月 蛍光灯ランプ 2020年1月 日立 蛍光灯器具 2018年3月 蛍光灯ランプ 2019年12月 三菱電機 蛍光灯器具 2019年3月 蛍光灯ランプ 2019年12月 パナソニック 蛍光灯器具 2019年4月 蛍光灯ランプ 2021年3月
※一部生産終了
理由③電気代を大幅に削減可能
LDE照明は電球等に比べ、少ない電力(ワット)で明るさを確保することができるため、電気代も安くなります。
実際に、オフィスでLDE照明を利用した場合、1年間に電気代がどれくらい安くなるのかを以下の表でご確認ください。
LEDの種類 | 使用個数 | 電気代 |
蛍光灯タイプ | 100本 | 年間約18万円お得 |
水銀灯タイプ | 25台 | 年間約26万円お得 |
理由④空調費の削減につながった
空調とLED照明には関係性がなさそうに見えますが、実は従来の蛍光灯等は発熱量(ワット)が高いため、室内の温度を上げて空調設備の利用が多くなります。
資源エネルギー庁の統計によると、一般的なオフィスの電力消費の内訳は空調が48%・照明が24%を占めています。
参照:資源エネルギー庁「節電アクション」
しかし、LDE照明の場合は少ない発熱量で明るさを確保することができるので、室内の温度に影響することがありません。
オフィスのLED化する際の注意点
オフィスをLED化する際は、下記の点に注意が必要です。
- LEDに適合するか確認する
- 照度と色温度を適切に設定する
- グレア対策する
- 調光機能を確認する
注意点を意識しつつ、全体の照明計画を立ててから照明器具を選びましょう。
では、それぞれの注意点を詳しく解説します。
LEDに適合するか確認する
LED化する際には、既存の配線器具がLED照明に対応しているかを確認しなければなりません。配線器具に合わないものを取り付けると、故障や漏電の原因につながります。なお、LED照明は下記の4タイプに分かれています。
タイプ | 取付工事 | 節電効果 | コスト | 特長 |
直管型LED (工事不要タイプ) | なし | 安定器による | 安い | 節電効果が安定器に左右される |
直管型LED(外部電源タイプ) | あり | 高い | 高い | 外部電源の工事が複雑になりがち |
LEDベースライト | あり | 高い | 高い | すべて新品に交換するためコストが高い |
トラストライト | あり | 高い | 安い | 電源内蔵のため簡易工事で済む |
既存の照明器具を確認し、上記の中から適切なタイプのものを選びましょう。また交換の際に配線工事を要する場合は、電気工事士の資格が必要です。
天井などに「引っ掛けシーリング」があれば無資格でも交換できますが、配線工事を伴う場合は有資格者しか作業できません。
無資格での工事は罰則の対象となるので注意しましょう。
照度と色温度を適切に設定する
オフィス全体の照度と色温度にも注意しましょう。照度や色温度が適切でない場合、作業効率が低下し、居心地も悪くなります。
一般的にオフィスの明るさは過剰な明かりによる視覚疲労を避けつつ、資料などが見やすいように設定しなければなりません。
なお照度の基準値は、厚生労働省の労働衛生基準により以下のように定められています。
作業の区分 | 基準 |
一般的な事務作業 | 300ルクス以上 |
付随的な事務作業 (文字を読み込みや資料の識別といった作業を必要としないもの) | 150ルクス以上 |
上記はすべての事務所に対して、適用される基準値です。また色温度が低すぎると居心地の悪さにつながり、反対に高すぎると緊張感が増す原因となります。
一般的には昼間の自然光に近い、4,000〜5,000K(ケルビン)前後が適切な色温度です。
グレア対策する
目の疲労や頭痛を避けるために、グレア(光による眩しさ)対策も必要です。LED照明は従来の照明と比べると光源が小さく、眩しく感じる場合があります。
光源を直接見ないよう、設置時は照明器具の角度を調節しましょう。ほかにもルーバーやシェードなどのフレア防止器具を取り付けるのもおすすめです。
また壁面の反射を利用する間接照明も、効果的です。グレアが原因で集中力が低下しないよう、工夫して照明を設置しましょう。
調光機能を確認する
調光機能付の照明を選ぶと、時間帯や作業内容に合わせて適切な照明環境を構築できます。
たとえば時間に応じて明るさと光色を変化させれば、オフィス内にいても自然光と同じような環境を作り出せるため、規則正しい体内リズムを整えられます。
また休憩室に調光機能付の照明を設置すれば、従業員の仮眠時にも役立つでしょう。
さらに人感センサー付の器具であれば、社員の在籍状況によって明るさを調節できるため省エネにもつながります。
オフィスのLED化にかかる費用
オフィスのLED化にかかる費用の相場は、以下の通りです。
内容 | 費用の相場 |
LED照明の購入 | 1本あたり1,000〜3,000円程度 |
LED設置の工事費用 | 1か所あたり3,000円〜5,000円 |
広範囲の交換であれば、数十万円ほどの費用がかかります。とはいえ、従来の白熱電球や蛍光灯よりも電気代を抑えられるため、トータルコストで考えればLEDの方がお得です。
オフィス・事務所のLED化でよくある質問
オフィスのLED化でよくある質問を、3つ紹介します。
- 事務所のLED化で活用できる補助金はありますか?
- 事務所の照明をおしゃれに見せる照明器具はありますか?
- 事務所の照明は何ルーメンが目安ですか?
いずれもオフィスのLED化を進める上では、把握しておきたい内容です。では、それぞれ詳しく解説します。
事務所のLED化で活用できる補助金はありますか?
環境省による「LED照明導入促進事業」を活用すれば、1/3〜1/5(上限1,200万〜2,000万円)の取付工事費用の補助を受けられます。
また地方自治体においても、さまざまな補助金制度が用意されています。
主要都市以外でも制度を設けている自治体は多いため、自身の地域でも確認してみましょう。
事務所の照明をおしゃれに見せる照明器具はありますか?
オフィスで人気の照明器具と特徴を、いくつか紹介します。
照明器具の種類 | 特徴など |
シーリングライト | ・部屋全体を広範囲に照らす ・執務室などの設置におすすめ |
ダウンライト | ・照明を目立たせたくない場合におすすめ ・通路など部分的に設置する |
ペンダントライト | ・照明自体を目立たせる造り ・会議室や商談室におすすめ |
シャンデリア | ・華やかで存在感がある ・応接室やエントランスにおすすめ |
スポットライト | ・照らしたい部分を狙って明るくする ・企業ロゴや展示物の強調におすすめ |
スタンドライト | ・補助照明として活用 ・ミーティングスペースにあると便利 |
ブラケットライト | ・壁に取り付けて使用 ・階段や廊下のアクセントにおすすめ |
ウォールウォッシャー | ・光の反射で壁面を部分的に照らす ・エントランスの企業ロゴやリラックススペースの設置におすすめ |
たとえば殺風景になりがちな階段や廊下にブラケットライトを設置するだけでも、華やかさを演出できます。上記の表を参考に照明器具を選び、オフィスを快適かつおしゃれに演出しましょう。
事務所の照明は何ルーメンが目安ですか?
一般的に事務所においては、1平方メートルあたり500〜2000ルーメンが適切な範囲と言われています。LED照明が普及する前までは、照度は「W(ワット)」を基準にするのが一般的でした。
しかしLEDは少ないワット数でも明るく照らせるため、LED照明の場合はワットではなくルーメンを明るさの基準としています。
ただし明るさの目安はオフィスの構造により異なるため、あくまでも参考値です。工事の際は専門業者と相談しつつ、適切な明るさになるよう設置しましょう。
オフィスのLED化をすることで大幅なコスト削減が可能
以上、オフィスのLED化をできるだけ早く進めるべき4つの理由について解説しました。
そもそも蛍光灯や水銀灯は生産終了が決まっているため、遅かれ早かれLED照明には入れ替えなければいけません。
LED化初期費用にかかる費用は約7年で回収できるので、早めのLED化をおすすめします。
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この記事を書いた人
編集部員 城下
EMEAO!編集部員の城下です。雑誌編集者と人材コーディネーターの勤務経験を生かし、現在はWebコンテンツの作成を担当しています。業者選定ガイドでは真っ白でクリーンな情報を届け、皆様にとって有益な知識の溢れるお城となるようなメディアを目指します。よろしくお願いします!