床置き型業務用エアコンとは?メリットとデメリットも詳しく解説
公開日:2021.05.20 最終更新日:2024.07.12
本記事では、床置き型業務用エアコンについて詳しく紹介します。このタイプの業務用エアコンの導入を検討している事業者様はぜひご一読ください。
床置き型業務用エアコンとは
床置き型業務用エアコンはその名の通り床に置くタイプの業務用エアコンで、特徴として設置やメンテナンスが容易なことが挙げられます。
豊富なラインナップがあり、設置場所や目的に合わせた大きさや風力のエアコンを選択できるのもポイントです。
特定の場所に送風できるものもあれば、部屋全体を涼しくできるものなど幅広く展開されています。
また、上下で別の方向に送風できる床置き型業務用エアコンは、天井型業務用エアコンで発生しやすい温度ムラをなくせるので快適です。
床置き型業務用エアコンはオフィスや工場、倉庫などのあらゆる場所に設置可能で、スタイリッシュなボディの製品が増えています。
床置き型業務用エアコンのメリット
床置き型業務用エアコンのメリットは以下の3つが挙げられます。
- 天井クレーンに干渉しない
- 一定のスポットに送風できる
- メンテナンスしやすい
メリット①天井クレーンに干渉しない
床置き型業務用エアコンのメリットとして、天井クレーンに干渉しないことがあります。
天井型業務用エアコンの場合、工場や倉庫の天井クレーンを設置・利用する際に天井のエアコンが邪魔になりがちです。
また、天井クレーンがあるために、エアコンを設置できないということもあるでしょう。
一方で、床置き型は天井クレーンに干渉しないので安心して設置できます。
メリット②一定のスポットに送風できる
床置き型の業務用エアコンは、一定空間のみに送風可能です。
とくに広い施設だと、全体に風を送るには必然的に台数を増やしたり、出力を上げたりしなければなりません。
床置き型であれば、人が集まるところや作業スペースへ集中的に風を送ることができます。
そのため電気代や台数を最小限化でき、コストを安く抑えられます。
メリット③メンテナンスしやすい
高い天井に設置する業務用エアコンは、足場を作って作業しなければならないこともあるのでメンテナンス費用が高くなりがちです。
床置き型であれば、足場はなく作業規模も小さくなるのでメンテンナンス費用も抑えられます。
また、日頃のお手入れができたり、状態を把握したりしやすいのもメリットといえるでしょう。
メリット④冷暖房効率が上がる
壁掛け型エアコンは高い位置から温風を送るため、足元が寒いことがよくあります。暖かい空気は上に行く性質を持っているため、床付近を温めるのが難しいのです。
業務用床置き型エアコンであれば、足元から温風を出せるため天井付近はもちろん、床付近まで暖かさを感じられます。
床置き型業務用エアコンのデメリット
多くのメリットがある床置き型業務用エアコンですが、デメリットもあります。
導入する種類や施設の広さによっては、スペースが狭くなることです。
最近ではスタイリッシュなタイプも増えてはいますが、それでも最低限のスペースは必要となります。
また、排水管ルートを確保できない場所だと設置できないので、注意が必要です。
床置き型業務用エアコンを導入する際には、こうしたメリットとデメリットをしっかり把握してから選びましょう。
床置き型エアコンを取り扱っている主なメーカーとその特徴
床置き型エアコンを扱っているメーカーは以下の4つです。
- パナソニック(Panasonic)
- 三菱電機(MITSUBISHI)
- ダイキン(DAIKIN)
- 日立(HITACHI)
特徴も併せて詳しく解説していきます。
パナソニック(Panasonic)
薄型のデザインで病院や一般商店、事務所などさまざまな場所で活用可能な床置き型エアコンです。「ナノイーX」技術で空気のにおいや汚れやエアコン内部のカビの発生を抑制し、清潔に使用できます。
三菱電機(MITSUBISHI)
業界トップクラスのスリムさを誇る床置き型業務用エアコンで、P50~P80形の大きさは幅470mm、高さ1,700mmです。
大きな液晶画面とMAスマートリモコンを内蔵しているため、節電の操作など豊富な運転管理機能が使いやすい設計になっています。
左右スイングでワイドな送風が可能になっており、快適性が向上しています。
ダイキン(DAIKIN)
業界トップクラスの低騒音化の実現と、室内のすみずみまで快適空間にできるダイキン独自の機能を搭載しています。
8枚の水平羽根(ルーバー)を操作し、冷房時は「上向き+水平」暖房時は「水平+下向き」にすることで、足元までしっかり気流が届きます。
負荷に応じた風量自動制御や急・強・弱の3段階で切り替えが可能です。
日立(HITACHI)
大きな液晶画面で確認できる多機能操作パネルが標準装備された、コンパクトサイズの床置き型エアコンです。ロングライフフィルターを標準装備し、約2,500時間のメンテナンスが不要になりました。ファンモーター、電気品箱のメンテナンスやフィルターの取り外しが容易な設計です。
また、160形以下では従来機よりも9〜24%の軽量化に成功し、搬入作業がしやすくなりました。
床置き型業務用エアコンを選ぶための4つのポイント
床置き型業務用エアコンを選ぶためのポイントは以下の4つです。
- 室内機の形状
- 能力(馬力)
- 省エネ効率
- 施工
それぞれ解説します。
室内機の形状
設置場所の大きさや形状から室内機を選びましょう。スペースが狭い場所にはコンパクトなタイプが適しています。基本的に必要な馬力によって大きさが決まるため、能力から考える方法もあります。
能力(馬力)
業務用エアコンに必要な冷暖房能力(kW)は、床面積(㎡)×算出基準熱負荷(W/㎡)で算出できます。
算出基準熱負荷とは、外気の熱や太陽熱、人や照明器具などが発する熱などを考慮した指数です。ダイキンによると例えば、飲食店での算出基準熱負荷(W/㎡)は190〜370です。床面積15㎡の飲食店に業務用エアコンを導入する場合、以下の計算式で馬力が求められます。
15㎡(床面積)×280W/㎡(算出基準熱負荷)=4.2kW
冷房能力2.8kWを1馬力と換算すると、この飲食店には1.5馬力の業務用エアコンが適しています。
関連記事:業務用エアコンの馬力とは?業種別に最適な目安を紹介
省エネ効率
省エネ効率は通年エネルギー消費効率(APF)で表し、高い数値ほど優れています。床置き型業務用エアコンの場合、室外機のシリーズによって省エネ性能に差がでますので、各メーカーのシリーズを比べてみましょう。
一般のエアコンに比べて業務用エアコンは消費電気量も膨大になるため、省エネ効率の高さが大きな節約につながります。
施工
床置き型業務用エアコンの設置には専門知識が必要なため、専門業者への依頼がおすすめです。例えば、同じ広さの部屋に床置き型エアコンを置く場合でも、飲食店なのか事務所なのかでは算出基準熱負荷が変わるため必要な馬力が違います。
業者を選ぶときには、状況に合わせた提案をしてくれるかも考慮するといいでしょう。
床置き型業務用エアコンの室外機シリーズを4つ紹介
おすすめの床置き型業務用エアコンの室外機シリーズは以下の4つです。
- パナソニック「Gシリーズ」
- 三菱電機「スリムZRシリーズ」
- ダイキン「FIVE STAR ZEASシリーズ」
- 日立「省エネの達人」
それぞれ解説します。
パナソニック「Gシリーズ」
パナソニックのGシリーズはR32冷媒の省エネ性能に優れ、機能部品を徹底改良した製品です。超省エネで期間消費電力を大幅に下げることに成功しています。床面温度がわかる「床温センサー」と人の動きを感知する「人感センサー」機能があるため、状況に応じた節電制御が可能です。
三菱電機「スリムZRシリーズ」
スリムZRシリーズは、省エネ技術をアップさせたことでランニングコストの大幅な削減が可能な製品です。
最新機種では、三菱電機独自の「SiCパワー半導体」技術を業界で初めて採用しました。約30%以上の電力損失を低減できる業務用エアコンです。
ダイキン「FIVE STAR ZEASシリーズ」
FIVE STAR ZEASシリーズは、人の動きに合わせてエアコンの運転を調整するセンシング機能を搭載し、快適性と省エネ性に優れた製品です。
全機種で地球温暖化への影響が少ない新冷媒R32を採用しています。
人感知と床温度がわかる2つのセンサーでランニングコストの節約も可能です。
日立「省エネの達人」
省エネの達人は、価格重視で導入費用を抑えたい方におすすめの製品です。1台の室外機に複数台の室内機を接続できます。それぞれの室内ユニットは個別に運転を制御できるため、環境や使用状況に合わせて空調設定が可能です。
床置き型業務用エアコンは豊富なラインナップがあり簡単に設置できる
以上、床置き型業務用エアコンの概要とメリット・デメリットを解説してきました。
床置き型業務用エアコンにはさまざまな種類があり、設置・メンテナンスがしやすいというメリットがあります。
また、人のいる空間に集中的に送風が可能です。
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この記事を書いた人
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