R22冷媒ガスのエアコンは使用禁止?入れ替えの必要性を解説
公開日:2023.11.19 最終更新日:2024.07.12
業務用エアコンで10年以上前に設置された機器は、R22冷媒ガスが使用されている可能性があります。R22冷媒ガスが使用されているエアコンは、故障などのトラブルが起こった場合にさまざまなデメリットがあるため、早めに交換することをおすすめします。
本記事では業務用エアコンの冷媒種類の確認方法と、R22冷媒のエアコンを使い続ける問題点を解説します。なぜ交換すべきなのか理由を知ることで、交換業者への依頼がスムーズに進みます。
古い型式の業務用エアコンを使用している人は、ぜひご覧ください。
R22冷媒のエアコンは使用禁止?使い続けることはできる?
R22冷媒の業務用エアコンは、ガス漏れや故障がなければそのまま使い続けることはできますが、早めに該当機器の入れ替えをおすすめします。ここでは、R22冷媒が全廃された時期と、代替冷媒のR32・R410Aについて詳しく解説します。
R22冷媒はいつまで使われていた?
エアコンに使用されている冷媒ガスには、R22、R407C、R410Aなど多くの種類があります。その中でも、冷媒ガスR22は環境保護の観点から2020年をもって製造終了となり、全廃されました。
これは、オゾン層保護を目的とした国際的な取り組みである1987年のモントリオール議定書と日本の1988年に制定されたオゾン層保護法に基づき、フロン類の生産と使用の段階的な削減を目指すためです。現在では、R22冷媒は市場で入手困難な状態になっています。
R22冷媒とは
R22冷媒ガスは、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の一種で、水素・塩素・フッ素・炭素からなる化合物です。前述の通りエアコンや冷蔵冷凍庫で広く利用されていましたが、オゾン層を破壊する塩素を含んでいることが問題となり、全廃されました。
R22冷媒の代替はR32・R410A
現在のエアコンは、R32やR410Aという新代替物質と呼ばれる新冷媒が使われています。新冷媒のオゾン層破壊係数は0で、オゾン層を破壊する心配はありません。
特に、R32はこれまでに使用されていた冷媒に比べると地球温暖化係数が低く環境負荷が小さいため、現在の業務用エアコンの多くは、R32が使われています。
使用中のエアコンはR22冷媒?確認する方法
使用中のエアコンの冷媒は、銘板や製造年数を確認すれば把握できます。それぞれの詳細を見ていきましょう。
室外機の銘板を確認する
エアコンに封入されている冷媒ガスを確認するには、室外機に貼り付けられている銘板をチェックしましょう。シール状の銘板には、エアコンの型式とともに使用されている冷媒ガスの種類と量が記されています。銘板にR22と記載があれば、機器の更新をおすすめします。
製造年数を確認する
室外機で銘板が確認できないときには、製造年数を確認しましょう。エアコン本体の下、または側面に製造年月日が記載されたシールが貼ってあります。
多くの空調機器メーカーは、1999年から2000年にかけてR22を使用する製品の生産を終了し、新冷媒を使用した機器に製造を移行しました。そのため、2000年以前に作られた空調機器は、R22が封入されている可能性が高いと言えます。
R22冷媒のエアコンを使い続けることの問題点
R22冷媒が使われている業務用エアコンを使い続けることの問題点には、以下の4つがあります。
- 電気代が高くなる
- 修理費用が高額になる
- 修理までに時間がかかる
- 環境に悪影響を及ぼす可能性がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
関連記事:R22型フロンを使用した業務用エアコンを入れ替えるべき理由
電気代が高くなる
R22冷媒の業務用エアコンを使い続けていると、電気代が高くなる可能性があります。R22冷媒が使われていた時代の製品は、現代の省エネ型エアコンと比較して、電気代が高くつきやすいのが難点です。
エアコンの効率は年々向上しているため、古いモデルは新しいものに比べて電力消費が大きくなりがちです。もし月々の電気代が高いと感じているなら、より省エネ性の高い新型エアコンへの買い替えをおすすめします。
特に、2000年前後に製造されたエアコンは、現在のモデルの約2倍の電力を使用することがあるため、知らず知らずのうちに余計なコストがかかっている可能性があります。
修理費用が高額になる
R22冷媒の業務用エアコンは、故障したときに修理費用が高額になる可能性があります。R22冷媒を使用したエアコンの生産は既に終了しているため、本体だけでなく、部品の入手が難しいことも珍しくありません。
また、R22冷媒ガスは入手が困難で価格も上昇しているため、故障やガス漏れの際には通常よりも高い費用が発生することを理解しておきましょう。
修理までに時間がかかる
R22冷媒を使用しているエアコンは、修理に時間がかかる可能性があるのも問題の1つです。修理に必要な部品などを入手するのに時間がかかり、しばらく使用できないリスクがあります。
さらに、夏場の暑い時期や冬の寒い時期など、エアコンの稼働が多い時期は故障が起きやすく、業者が多忙で修理の予約が取れないことも少なくありません。エアコンの使用頻度が高い時期に長期間使用できないとなると、店舗やオフィスの営業にも影響が出るため、事前に入れ替えの検討をおすすめします。
環境に悪影響を及ぼす可能性がある
R22はオゾン層を破壊する可能性がある成分が含まれているため、漏れ出さないように定期的に点検を行う必要があります。R22が封入されたエアコンを使用し続けると、オゾン層への悪影響を考慮しなければならない上に、企業として環境保護への取り組みが問われてしまうことも考えられます。
R22冷媒の業務用エアコンに関してよくある質問
ここでは、R22冷媒の業務用エアコンに関して、よくある質問に回答していきます。
R22冷媒ガスだけを新しいものに入れ替えられる?
空調機器には、使用する冷媒の種類が指定されているため、R22冷媒ガスだけを別の種類に入れ替えることはできません。異なる冷媒を使用した場合、機器の故障や誤作動を引き起こしやすく、最悪の場合、事故につながる恐れがあります。
そのため、R22冷媒のエアコンを交換するときには、機器の本体ごと新しいものに入れ替える必要があります。業務用エアコンの場合は機器の入手に時間がかかる可能性もあるため、計画性をもって更新していくことをおすすめします。
室内機はそのままにして室外機だけ入れ替えられる?
業務用エアコンは室内機と室外機がセットになっているため、室外機だけを交換することはできません。エアコンの能力や性能を十分に発揮するためには、室内機と室外機の両方を、同時に新しい機器へと交換しましょう。
まとめ:R22冷媒のエアコンは早めに入れ替えを検討しましょう
10年以上前に製造された業務用エアコンには、R22冷媒が使用されている可能性があります。R22冷媒は、オゾン層の破壊物質であるHCFCの一種であるため、2020年に全廃されました。R22冷媒が使用されているかどうかは、銘板や製造年月日を調べることでわかります。
R22冷媒のエアコンを使用し続けていると、電気代が高くなる、修理費用が高額になるなどの問題点があるため、早めの交換をおすすめします。業務用エアコンの入れ替えを依頼する専門業者を探すときには、ぜひEMEAO!にご相談ください。
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hata