業務用エアコンの室外機を台風から守る対策を解説
公開日:2023.11.23 最終更新日:2024.07.12
業務用エアコンにトラブルが起こると営業に支障をきたすことがあるため、台風のときは事前に備えておく必要があります。どのような対策をすべきか決めるためにも、エアコンの室外機に起こりやすいトラブルや被害を知っておくことをおすすめします。
本記事では、台風の時にエアコンを使用するリスクと、室外機に起こりやすい被害・対策方法について詳しく解説します。
台風のときにエアコンを使用すると壊れる?
台風で暴風が吹き荒れているときは、基本的にエアコンの使用は避けるほうがよいです。室外機のファンに負荷がかかり、モーターが損傷する恐れがあるためです。
締め切った部屋では不快感を覚えやすくエアコンを使いたくなるものですが、可能な限り控えましょう。
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台風によってエアコンの室外機に起こりやすい被害
台風のときエアコンの室外機に起こりやすい被害には、以下の3つがあります。
- 室外機の転倒・落下・位置のずれが起こる
- 室外機の浸水により故障する
- ドレンホースの逆流によりポコポコ音が鳴る
それぞれについて、詳しく解説していきます。
室外機の転倒・落下・位置のずれが起こる
台風による強風の影響には、室外機の転倒や落下、位置のずれなどが起こります。室外機の重量は20〜50kg程度ですが、それでも暴風で動いてしまうケースは少なくありません。
室外機が転倒すると、エアコンに使用されている冷媒ガスの漏れにも注意が必要です。室外機が損傷するなど、被害が大きかった場合はエアコン本体の交換が必要になる場合もあるでしょう。
室外機の浸水により故障する
地面に近い位置に設置するエアコンの室外機は、台風による大雨で浸水し、故障する恐れがあります。室外機は雨にさらされても問題ないように設計されていますが、多くの場合、水没すると故障は避けられません。
特に、大雨のときにエアコンを稼働していてブレーカーが落ちたときは、室外機が漏電している可能性も考えられます。その際は室内機の電源を抜き、ブレーカーを下げておきましょう。
ドレンホースの逆流によりポコポコ音が鳴る
エアコンから水が漏れるときに、ポコポコという音が発生することがあります。この音は、暴風がドレンホースに吹き込んでいるときに起こるものです。この影響で、ドレンホース内の結露水が逆流してくることも考えられます。
音がしたからといって必ず逆流するとは限りませんが、エアコンの周りにバスマットを敷くなど、早めの対策を講じましょう。
強風によりファンが逆回転して故障する
台風による暴風の影響で、モーターファンが逆回転し、ファンが故障することもあります。室外機の中の中央や後部で、熱交換器(コンデンサー)の後ろに配置されているのが、室外機のモーターファンです。
ファンモーターが台風による強風の影響で逆回転を起こすと、大きな負荷がかかるため、注意が必要です。
台風のときエアコンの室外機にしておきたい対策
台風の被害を小さくするために、エアコンの室外機にしておきたい対策は以下の3つがあります。
- カバーやブルーシートをかける
- 室外機が動かないように固定する
- ドレンホースに逆流防止弁をつける
それぞれについて、詳しく見ていきましょう。
カバーやブルーシートをかける
室外機をカバーやブルーシートで覆っておくことで水の侵入と、木の枝など飛来物が内部に入るのを防ぐことができます。
カバーは室外機に合うサイズを選び、ブルーシートは外れないようにしっかりと覆いましょう。また、この状態でエアコンを使用すると、熱が屋外に放出されず、故障の原因となってしまいます。カバーをしている間は、エアコンの使用は絶対に避けましょう。
室外機が動かないように固定する
事前に室外機が動かないよう固定しておくことも大切です。一般的に、エアコンの室外機は架台に据え付けられていますが、経年劣化や風などの影響でボルトが緩んでいる可能性もあります。
特に、土や砂利の上に設置してある室外機は不安定になりやすく、転倒や位置ずれが起こる危険性が高いと言えます。もし位置ずれが起こりそうであれば、専門業者に依頼して専用の固定金具を使い、室外機を固定しておきましょう。
なお、屋上など風の強い場所に室外機が設置されている場合は、通常の固定金具に加えて、転倒防止用の金具を取り付けておくと効果的です。
ドレンホースに逆流防止弁をつける
ドレンホースの逆流による異音の問題を解決するには、逆流防止弁の取り付けをおすすめします。防虫キャップや異音防止キャップという名称で売られていることもあります。
逆流防止弁は、ドレンホースの異音の発生を防ぐだけでなく、水の逆流や害虫の侵入を防ぐ効果も期待できます。ルームエアコン用のドレンホース逆流防止弁であれば、ホームセンターでもに手に入ります。
台風で室外機にトラブルが起こったときの対処法とポイント
台風で室外機にトラブルが起こった場合は、必ず業者に連絡しましょう。詳しく解説していきます。
壊れた・動かない・飛んだ場合は業者に連絡する
室外機の位置が動いた場合は、決して自分で元に戻そうとせず、専門業者に修理を依頼してください。
このとき、エアコンの室内電源は抜いておきましょう。業務用エアコンの場合は、リモコンで電源を切ったあと、電源ブレーカーを落とします。
万が一、冷媒ガスに触れた場合は、怪我をする恐れがあり危険です。目に見えない損傷だったとしても安全とは言い切れないため、室外機の位置に少しでも異常を感じたときは、早めに業者に連絡しましょう。
室外機の故障には保険が使える可能性がある
台風で室外機が故障した場合は、火災保険を使える可能性があります。火災保険は火事だけではなく、自然災害による家屋への損害も対象になっているためです。
例えば、台風や雪、落雷などによって室外機が損傷した場合、風災・雪災・落雷などの特約がついていれば補償の対象になります。
しかし、補償内容は契約した保険プランによって異なるため、どのような損害が保険金の支払い対象になるかは、契約内容を確認しなければ分かりません。特に、自然災害による損害を補償する特約は基本プランに含まれていないこともあるため、追加で特約を組んでいるかを確認しましょう。
なお、保険金を請求するときには、故障が自然災害によるものだという証明が必要です。場合によっては、専門の業者による診断が求められることもあります。保険を利用するときには、契約内容を再確認し、必要に応じて保険会社やエアコンの専門業者に相談しましょう。
まとめ:室外機の台風被害が起こった場合は業者に相談しましょう
台風で室外機に起こりやすい被害には、転倒や位置のずれ、浸水、異音、ファンの故障などがあります。台風に備えるには、室外機にカバーをかける、位置が動かないように固定する、ドレンホースに逆流防止弁をつけるなどの方法があるため、適切な対策を行いましょう。万が一、室外機にトラブルが起こったときには、自己判断せずに早めに業者にご相談ください。
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この記事を書いた人
hata