エアコンの霜取り運転が終わらない!原因と対策を解説
公開日:2023.12.21 最終更新日:2024.07.12
エアコンから温風が出ずに部屋が暖まらない場合、霜取り運転になっているかもしれません。霜取り運転は暖房機能が一時的に停止するため、部屋が暖まりません。
そこで今回はエアコンが霜取り運転かを確認する方法や回避する方法などを解説します。
エアコンの霜取り運転で悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。
エアコンの霜取り運転とは?
エアコンの霜取り運転とは、結露が原因で発生した霜を室外機の熱交換器(温風を出すための部品)を温めることで溶かすモードです。
室外機に霜が発生してしまうと、室外機への空気の吸引が妨げられ故障の原因となります。霜の付着による故障を防ぐために、霜取り運転の機能が付いているのです。
また霜取り運転中は、エアコンの吹き出し口から温風は出ません。そのため部屋が暖まらず、「故障かな?」と勘違いしてしまうケースもあります。
エアコンが霜取り運転か確認する方法
エアコンが霜取り運転かを確認する方法を、3つ紹介します。
- エアコンランプの点滅
- 「プシュー」「ポコポコ」といった音がなる
- 一時的にエアコンが停止する
では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
エアコンランプの点滅
エアコンが霜取り運転に入ると、エアコン本体の運転ランプが点滅します。この点滅が10〜15分で消え、運転を再開するのなら霜取り運転の可能性が高いでしょう。
気温が低く室外機が雪で覆われているような状態であれば、急に暖房が止まり霜取り運転モードに切り替わります。
降雪状態でエアコンが急停止→エアコンランプ点滅→10〜15分で再開なら、霜取り運転の可能性が高いです。
ただしすべての機種が霜取り運転時に、エアコンランプが点滅するとは限りません。その場合は「音」で判断しましょう。
「プシュー」「ポコポコ」といった音がなる
エアコンの霜取り運転時には、「プシュー」「ポコポコ」といった音が鳴ります。
霜取り運転は室外機に付着した霜を溶かす際に、一時的に湯気が出たり音が鳴ったりします。この音は冷媒が流れる際に発生する音で、故障ではありません。
霜取り運転が終われば、音も止まります。霜取り運転でエアコンランプが点滅しない機種の場合は、音を参考に霜取り運転か判断してみてください。
一時的にエアコンが停止する
エアコンの霜取り運転は、10〜20分ほどエアコンが一時的に停止します。この停止時間も、霜取り運転かどうかを判断する基準の1つです。
もし20分以上経っても運転が再開しない場合は、別の原因を疑いましょう。
室内機のフィルターやドレンホースなどにゴミやホコリが溜まっていると、エアコンが正常に動かなくなります。その場合はゴミを除去することで、不具合が解消されます。
ただし掃除するために室外機を自分で分解したり、移動させたりするのは控えましょう。専門知識がない状態での作業は、故障の原因になる可能性があります。
エアコンの霜取り運転を回避する方法
エアコンの霜取り運転を回避する方法は、以下の6つです。
- フィルターを清掃する
- 設定温度を低くする
- 暖房器具を増やす
- 室外機の位置を変える
- 仕切りを活用する(業務用)
- 室外機を改良する(業務用)
では、それぞれ詳しく解説します。
フィルターを清掃する
エアコンフィルターにホコリやゴミが詰まっていると、不具合が起きる原因となります。
フィルターが汚れているとエアコンの能力が低下し、霜取り運転の回数が増える可能性があるためです。
また霜取り運転以外にも、フィルターの汚れはエアコンに悪影響を及ぼします。エアコンの性能が落ちることで負荷がかかり、エアコンの寿命を縮めるためです。
なお家庭用エアコンであれば、簡単なクリーニング程度なら自分でできます。洗浄スプレーなども販売されているので、定期的に清掃しましょう。
関連記事:業務用エアコンの掃除方法とは?掃除手順やタイミングも詳しく解説
設定温度を低くする
エアコンの設定温度を低くするのも、霜取り運転を回避する方法の1つです。設定温度が高く室内を温めようとするほど、熱交換器は冷えてしまいます。
その結果、霜が付着しやすくなるため、より霜取り運転になる可能性が高くなります。
霜取り運転の頻度が多いようであれば、設定温度を今より1〜2度低くしてみましょう。熱交換器の温度が上がり、霜取り運転になる頻度を減らせます。
暖房器具を増やす
エアコン以外の暖房器具を増やすのも、有効な方法です。室内の温度と外気温の差が大きいと暖房運転に負荷がかかり、熱交換器を冷やしてしまうためです。
ほかの暖房器具を併用し、エアコンに負荷をかけすぎないことで霜取り運転になる回数も減らせます。
サーキュレーターを使い空気を効率よく循環させれば、温度のムラがなくなる上に電気代の節約にもなるのでおすすめです。
室外機の位置を変える
室外機の位置を高い位置に変えることで、雪が積もりにくくなり霜取り運転の回数を減らせます。
室外機の側面や下部、ドレンホースなどが降雪で塞がれるとエアコンが正常に作動しません。また霜も発生しやすくなるため、霜取り運転になる頻度も上がってしまいます。
ただし無理に室外機を移動させると、故障の原因につながります。配管の延長やつなぎ直しといった専門知識も必要なため、業者へ依頼するといいでしょう。
仕切りを活用する(業務用)
工場のような室内が広大な場所にエアコンを設置している場合は、仕切りで空間を分けるのも有効です。
広大な空間を一度に暖めようとすると、その分エアコンにも負荷がかかります。仕切りを使い個別に暖めることで、効率よく室内温度を上げられます。
部屋がなかなか暖まらないと、設定温度も上げがちです。熱交換器の冷却につながるため、霜取り運転になる回数も増えます。
工場のような広い空間でエアコンを使う場合は、仕切りを使い効率よく室内温度を上げましょう。
室外機を改良する(業務用)
室外機にオプション機材を付け改良することで、熱交換器の性能を上げ霜取り運転の回数を減らせます。
具体的には外付け熱交換器を室外機の外面にある吸込口に設置し、室外機側の熱交換器を直接温めます。外付け熱交換器の放出する熱が室外機側の熱交換器を温めることで、霜の付着を予防します。
専門業者による工事費等はかかりますが、霜取り運転の回数が多いようであれば検討してみましょう。
熱湯や霜取りスプレーを使うのはNG
「室外機の霜を溶かせば問題ないのでは?」と考え、熱湯や霜取りスプレーの使用を考える方もいるでしょう。
しかし室外機への熱湯や霜取りスプレーの使用は、いずれも室外機を故障させる危険な行為です。
室外機の熱湯をかけると、急激な熱変化により部品が破損する恐れがあるためです。さらに水道水に含まれるミネラル成分も、室外機側熱交換器のフィンを痛める原因になります。
また霜取りスプレーは、そもそもエアコンの室外機への利用を想定したものではありません。
室外機には強力な電流が流れているため、スプレーの噴射が原因で発火する可能性もあります。熱湯や霜取りスプレーを使い室外機の霜を除去するのは、危険なため控えましょう。
まとめ:霜取り運転を回避し快適な温度を保とう
エアコンの霜取り運転は、室外機に付着した霜を熱交換器を温めることで溶かす運転モードです。霜取り運転になると一時的に温風が出なくなるため、部屋が暖まりません。
霜取り運転の回数を減らすためにはエアコンフィルターをこまめに掃除し、室内温度の設定を下げるのが有効です。今回の内容を参考にエアコンの霜取り運転を回避し、快適な冬場を過ごしましょう。
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この記事を書いた人
hata