業務用エアコンのリースとは?メリットや注意点も解説
公開日:2020.07.22 最終更新日:2024.07.30
業務用エアコンのリースとは、どのような仕組みで利用できるのでしょうか。
本記事では、業務用エアコンのリースの仕組みやメリット・デメリット、月額料金の相場まで、リースに関する基本的な情報をわかりやすく解説します。
業務用エアコンの新規導入や入れ替えをご検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
業務用エアコンの導入で使える“リース”の仕組みとは?
業務用エアコンの契約形態の1つであるリース契約とは、指定した機種の業務用エアコンの機器を自社に代わってリース会社が購入し、月々の定額料金をリース料金としてリース会社に支払うことで業務用エアコンを利用するという仕組みで成り立っています。
希望の最新機種を貸し出してもらえる点や、初期費用なしで業務用エアコンを導入できる点が大きなメリットといえます。
業務用エアコンのリース料金は、次のような計算式で算出できます。
この計算式では、エアコン本体の購入費と設置工事費の合計金額に対し、リース利用にかかる手数料を含んだ「リース利率」を掛け合わせてリース料金の総費用を計算します。
最終的にリース代金の総費用をリース期間の月数で割った料金が、毎月の月額料金となります。
エアコンの本体費用や設置工事費など、通常エアコンの購入時に一括で支払わなければならない費用が毎月の月額料金に含まれているため、毎月一定の金額を支払うだけで業務用エアコンを導入できます。
このとき、初月だけ工事費や保険費などの諸費用が含まれた高額な代金を支払う必要はありません。
リース契約を結ぶ際に気をつけなければならないのは、リース契約を締結するにはリース会社の審査に通過する必要がある点です。
審査では月額料金を確実に支払うのに十分な経営状況であるかについて審査され、借金がある場合や会社を設立して間もない場合など、月々の支払い能力がないと判断できる財政状況が明らかになった場合にはリース審査に通りにくくなります。
しかし、業者によって新規開店に際して業務用エアコンをリース利用したいという層に向けて特別にサポートを行ってくれるケースもあります。
そのため、新規開店で業務用エアコンの導入を検討する場合には、業務用エアコン業者に相談したうえで、自社でもリース契約に通過できるかどうかをしっかり確認しておきましょう。
リースとレンタルの違い
リースとレンタルは、毎月一定の支払いをすることで機器を貸し出してもらう仕組みという点が共通しているものの、初期費用の扱い方に違いがあります。
リースでは月々の支払いに初期費用が含まれているため初期費用の支払いが不要である一方、レンタルでは保証金や設置工事費などの諸費用を月額料金とは別途に支払う必要があります。
そのため短期間限定での使用が決まっている場面では、リース契約よりレンタル契約を結ぶほうがトータルの費用を安く抑えられます。
業務用エアコンのリース料金の相場
ここまで、リース契約の仕組みやレンタルとリースの違いについて解説しました。
それでは実際にリース利用で業務用エアコンを導入する際、リース料金の相場としてどのくらいの金額が目安となるのでしょうか。
先述したように、業務用エアコンのリース料金には業務用エアコンの本体価格だけでなく設置工事費や手数料などが含まれています。
ちなみに設置工事費についてくわしく知りたい方は、業務用エアコンの設置工事費用の解説記事をご確認ください。
またエアコンの本体価格や工事費は、業務用エアコンのパワーの指標である「馬力」によって異なります。
つまり面積の広い部屋ほど馬力が大きいエアコンが必要となり、たとえ同じ期間利用する場合でも使用するエアコンの馬力によって業務用エアコンのリース料金は変動するのです。
業務用エアコンを7年契約でリース利用した場合、1台あたりにかかる月額料金の相場をエアコンの馬力ごとにまとめたのが、以下の表です。
1.5馬力 | 6馬力 | 10馬力 | |
本体価格 | 30万円~ | 50万円~ | 50万円~ |
設置工事費用 | 5万円~ | 10万円~ | 50万円~ |
リース利率 | 1.7% | 1.7% | 1.7% |
月額リース料金 | 5,950円~ | 10,200円~ | 13,260円~ |
支払い総額 | 499,800円~ | 856,800円~ | 1,113,840円~ |
具体的にどの程度の面積の部屋に、何馬力のエアコンが適しているのか、または7年より短い契約期間では価格相場はどのように変化するのかなど、詳しい内容についてはこちらをご覧ください。
関連記事:業務用エアコンのリース料金の相場を部屋面積に適切な馬力別に紹介
業務用エアコンをリースで導入するメリット
ここまで、業務用エアコンのリース料金の相場について解説しました。
それでは、実際に業務用エアコンをリース利用することによるメリットには、どのようなポイントが挙げられるのでしょうか。
ここからは、業務用エアコンをリースで導入するメリットについて解説します。
メリット①初期費用がかからない
業務用エアコンをリースで導入するメリットとしてもっとも大きいポイントが、新品のエアコンを初期費用無料で導入できる点です。
通常本体を購入するかたちで業務用エアコンを導入する際、本体機器の価格のほかに別途設置工事費が必要となります。
その点リースで導入する場合、初期費用を含むトータルの費用をリース期間に応じて分割して支払うため、初期費用を支払う大きな負担を負うことなく最新機種の業務用エアコンをスムーズに設置できます。
初期費用を削減できることで設備投資費用をエアコン導入後のランニングコストに運用することが可能です。
メリット②動産保険が適用される
リース会社と契約を結ぶ際には、動産保険にかかる保険料も月額リース料金に含まれます。
動産保険とは、洪水や台風などの自然災害、または不慮の事故などで機器に不具合が生じた際に適用される保険のことです。
動産保険に加入することで、万が一災害や予期せぬトラブルで業務用エアコンが故障した場合でも、故障に対する補償を受けられるメリットが得られます。
ただし動産保険の対象は災害や不慮のトラブルによる故障に限定されるため、故意による故障や経年劣化による不具合に対しては補償が受けられず、別途保守費用が必要となるケースもあります。
メリット③リース料金を経費として計上できる
リース契約で業務用エアコンを導入する場合、機器の所有権はリース会社に属するため、月々のリース料金は賃料として賃貸借処理が可能です。
つまり業務用エアコンの導入にかかる費用を経費として計上できるため、固定資産税の支払いや事務処理が不要となるメリットがあります。
このメリットは節税に役立つほか、事務手続きにかかる人的・経済的コストを削減できます。
ただし、以下のいずれかにあてはまる場合には、リース料金を経費処理できません。
- 上場企業
- 資本金5億円以上の大企業
- 負債総額200億円以上の企業
このとき、大企業の場合でもリース1件あたりの料金総額が300万円以下であれば、例外的に賃貸借処理が可能です。
リース契約を検討する際には、自社の経営状況に関して正確な状況を把握し、自社の経営状況がリース契約における賃貸借処理の対象となるかについて、必ず確認しておきましょう。
メリット④銀行の借り入れ枠を温存できる
業務用エアコンをリース利用で導入する場合、原則として担保を必要としないため、銀行借入枠を温存したまま銀行からの融資を受けられます。
リースは毎月の支払いで機器を利用する仕組みであることから、一見設備投資のための借入と似た仕組みに感じられるかもしれません。
しかしリースは借入と異なる仕組みで運用されるため、借入によるメリットをそのまま受けることが可能です。
メリット⑤管理業務が簡単になる
リース利用では、通常機器を購入した場合に発生する事務手続きをリース会社が代行してくれるため、煩雑な手続きに対し社内のリソースを割くことなく、月額リース料金の支払いのみで業務用エアコンを利用可能です。
業務用エアコンを自社で購入する場合には、減価償却計算や税金・保険料の支払いなど、事務手続きを自社で行う必要があります。
しかしリース契約を結ぶことで、一連の事務手続きをリース会社に委託し、事務手続きにかかる手間やコストを削減できるのです。
業務用エアコンをリースで導入するデメリット
ここまで、業務用エアコンをリースで導入するメリットについて解説しました。
それでは、反対にリース導入によるデメリットにはどのようなポイントが挙げられるのでしょうか。
ここからは、業務用エアコンをリースで導入するデメリットについて、3つのポイントを解説します。
デメリット①購入よりも支払い総額が高くなる
リース利用によって毎月の安価な支払いだけで業務用エアコンを導入できるというメリットが得られますが、一方でリース料金にはリース会社への手数料含む“リース利率”が加算されるため、一括で機器を購入する場合と比較して支払い総額が割高になるというデメリットがあります。
初期費用としてまとまった予算を用意できない場合にはリース利用で初期費用を浮かせる方法が効果的です。
しかしトータルで必要な費用は本体機器の購入費や設置工事費にくわえ別途手数料が加わった高額な費用が必要であるという点に注意が必要です。
デメリット②中途解約ができない
リース契約では原則中途解約が禁止されています。
そのため急遽解約が必要となった場合には、残りのリース期間分の残債金と解約金を支払う必要があります。
以上のことから、リース利用を行う際にはリース期間が適切であるかをしっかりと確認したうえで、中途解約が発生しないよう気をつけて利用しましょう。
デメリット③機器の所有権がリース会社にある
リース契約では機器の所有権がリース会社に属するため、期間満了となった際やリース料金を全額支払い終わった際に、リースした業務用エアコンを自社で所有することは不可能です。
具体的には自社に所有権が認められないことで、エアコンの売却や処分を自社で行えないといったデメリットに繋がります。
また期間満了後も継続して業務用エアコンを利用したい場合には“再リース”という契約を新たに結び、通常の流れに則って月額料金の支払いが開始されます。
期間満了後とはいえ無料で機器を使い続けられない点も、リース利用のデメリットといえるでしょう。
リース期間満了後の選択肢
ここまでリースで業務用エアコンを導入するデメリットについて解説しました。
デメリット③で述べたように、リース期間満了後は再リースというかたちで再契約を結ぶ必要がありますが、リース期間満了後の選択肢にはもう1つ「レベルアップ更新を行う」という方法があります。
ここからは、リース期間満了後の選択肢について、くわしく解説します。
選択肢①業務用エアコンの入れ替え(更新)
リース契約ではリース会社が利用者に代わって機器を購入するため、リース期間満了時にはリース会社に機器を返却する義務があります。
そのため期間満了後の選択肢として、利用していた業務用エアコンを一度リース会社へ返還し、新たな機種のリース契約を結ぶことで業務用エアコンを入れ替える“更新”という方法があります。
選択肢②業務用エアコンの再リース
2つ目の選択肢は、リース期間満了後も期間を延長し継続して同じ業務用エアコンを利用する“再リース”という方法です。
再リース料は一般的に元の月額料金の1/10程度の料金で利用できるため、経済的な負担を軽減できます。
再リース契約は1年ごとに更新され、その後も繰り返し年間契約を更新すれば業務用エアコンの利用を半永久的に継続可能です。
これらの方法のほかにも「買い取り」「撤去」といった選択肢があるケースもあります。
ただし機器の撤去やリース会社への返却を行う際に発生する費用は、利用者が自己負担する必要があります。
業務用エアコンのリース業者を選ぶ際に押さえたいポイント
ここまでリース期間満了後の選択肢について解説しました。
リース契約を行う際の一連の流れを把握できたでしょうか。
ここからは、業務用エアコンのリース業者を選ぶ際に押さえたいポイントとして、3点を解説します。
ポイント①複数社に相見積もりを申請する
業者を選ぶ際には、複数の業者に相見積もりを申請し、複数社の料金を比較・検討したうえで最適なプランを利用できる業者を選ぶことが大切です。
複数社を比較することで業者ごとの特徴や強みを把握でき、自社のニーズにぴったりな業者を選べます。
ポイント②実績や利用者からの声を確認する
業者を選ぶうえで、多数の実績をもち利用者の満足度が高い業者を選ぶことが重要です。
多くの実績をもつ業者は多くのケースに対応してきた経験・知識があるため、状況に応じた柔軟な対応が可能であると判断できます。
またレビューサイトや業者のホームページに記載されている利用者の声を確認することで、実際の対応やサービス内容を正確に把握できるでしょう。
ポイント③希望の契約形態に対応しているか確認する
業務用エアコンの導入方法として「購入」「リース」「レンタル」など数多くの選択肢がありますが、業者によっては対応していない契約形態もあります。
例えば、リース利用を検討しているにも関わらず業者がリース契約に対応していない場合にはリース利用を行えません。
業者を選ぶ際には希望の契約形態に対応しているかを事前に確認し、希望の契約形態で業務用エアコンを導入できるように注意しましょう。
月額料金6,000円から業務用エアコンのリース利用が可能
本記事では、業務用エアコンのリース契約の仕組みやメリット・デメリット、部屋面積ごとの月額リース料金の相場などについて解説しました。
初期費用なしで業務用エアコンを導入できるリース契約では、1台あたり月6,000円程度から利用可能であるため、まとまった予算を準備できない場合でも比較的簡単に業務用エアコンを導入できます。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。