定期清掃の概要や具体的な作業内容、日常清掃との違い
公開日:2019.08.23 最終更新日:2024.05.24
清掃業者のWebサイトでは、たいてい“日常清掃”と“定期清掃”というサービスメニューがあります。
日常清掃は、フロア掃除やトイレ掃除、ゴミ回収など常日頃必要な身の回りの掃除のこと。
では、定期清掃とはどんな清掃を指すのでしょうか?
今回は清掃業者への依頼を考えている事業者様へ向けて、定期清掃の内容や日常清掃との違いを解説します。
定期清掃とは
「定期清掃」とは、日常的な掃除だけではまかないきれない専門的な技術を要するメンテナンスを定期的に行うサービスのこと。
一般的には月に1回や2~3カ月に1回程度の頻度で、事前に予定を決めて定期的に実施します。
ただし、同じビルであっても箇所によって定期清掃を行うサイクルが違う場合もあります。
たとえばトイレの分解洗浄とフロアのカーペットは月一回の定期清掃、外壁の高圧洗浄は年一回など。
”定期”清掃といいますが、そのサイクルはお客様の都合や予算、箇所によって変わります。
まずは専門会社に相談してみるのがよいでしょう。
定期清掃の対象となる清掃箇所
定期清掃の対象となる箇所は、「日常的に掃除するほどでもないが、定期的にクリーニングをしておく必要のある箇所」です。
具体的には、以下のような箇所が定期清掃の対象になります。
- ブラインドの洗浄
- 照明器具の清掃
- トイレの分解洗浄
- エアコンの分解洗浄
- フロアのワックスがけ
- 窓ガラスやサッシの洗浄
- 水を使用できないフロアのカーペット洗浄(ネットワーク配線があるフロアなど)
- 壁の高圧洗浄
- 外壁の塗装
毎日やると大変すぎますし、とはいえ放置しておくこともできない箇所、とイメージをしていただければ問題ありません。
数ヶ月に1度行うのが丁度いい箇所、というわけですね。
定期清掃の料金相場
定期清掃は清掃をする箇所と内容によって費用が違います。
1㎡あたりの料金相場 | 100㎡程度の料金相場 | |
床洗浄・ワックス掛け | 200円~ | 20,000円~ |
剥離ワックス掛け | 500円~ | 50,000円~ |
カーペットクリーニング | 250円~ | 25,000円~ |
外壁高圧洗浄 | 150円~ | 15,000円~ |
また、エアコン洗浄は壁掛け型が15,000円、天井埋め込み型が20,000円程度が1台あたりの相場です。(EMEAO!調べ)
より詳しい費用が気になる方は、日常清掃と定期清掃の費用相場についての記事をご参照ください。
あらためて“定期清掃”と“日常清掃”の違いとは?
日常清掃と定期清掃の最も大きな違いは行う頻度と掃除場所ですが、それ以外にも違いがあります。
下記の表にそれぞれの違いをまとめました。
定期清掃 | 日常清掃 | |
頻度 | 2~3カ月に1回 | 週に1回~毎日 |
作業の難易度 | 難しい | 簡単 |
作業の専門性 | 高い | 低い |
作業員の負担 | 大きい | 小さい |
清掃範囲 | ・ブラインドの洗浄 ・照明器具の清掃 ・トイレの分解洗浄 ・エアコンの分解洗浄 ・フロアのワックスがけ ・窓ガラスやサッシの洗浄 ・水を使用できないフロアのカーペット洗浄(ネットワーク配線があるフロアなど) ・壁の高圧洗浄 ・外壁の塗装 | ・フロアの掃除機がけ ・フロアのモップがけ ・トイレや手洗い場の掃除 ・給湯室、シンクの掃除 ・ゴミ箱のゴミ回収、およびゴミ集積所への運搬 ・デスク、応接間、会議室などにあるテーブルの拭き掃除 ・デスク、手すり、電話機、ドアノブ、テーブルなど手が触れる箇所の除菌 ・窓のサッシにたまったホコリ取り ・灰皿の洗浄 ・カーペットやフローリングについたシミ取り |
表を見ると、総じて定期清掃の清掃内容の方が難易度・専門性が高いことがわかります。
日常清掃の作業内容自体はご覧のとおり自社でもパパっと対応出来ることではあります。
しかし定期清掃となると、掃除をはじめる準備もそれなりに必要ですし、中には専門知識がなければ危険が伴う作業もあります。
プロの知識と技術を持って徹底的に建物をきれいにできるため、定期清掃は専門業者への依頼が基本です。
定期清掃を依頼するメリット
定期清掃を依頼するメリットは、主に以下の4つです。
- 清潔で快適な空間を維持できる
- 設備の劣化を防ぎ寿命を延ばす
- 害虫の発生を防ぐ
- コスト削減につながる
オフィスや店舗清掃だけではなく、ハウスクリーニングでも定期清掃を導入するメリットはあります。では、1つずつ詳しく見ていきましょう。
清潔で快適な空間を維持できる
日常清掃では落ちない汚れや手が届きにくい箇所の汚れも、定期清掃の導入で清潔かつ快適な空間を維持できます。
オフィスの天井や高所のガラス、エアコンや換気扇などは清掃の難易度が高く、日常清掃で手入れしにくい場所です。専門の機材や洗剤が必要になるケースもあるでしょう。
定期清掃なら、プロが安全かつ丁寧に汚れを除去します。日常清掃では補えない場所を定期清掃で補い、衛生的かつ快適なオフィス空間を作りましょう。
設備の劣化を防ぎ寿命を延ばす
定期清掃で設備に付着した汚れを落とすことで、劣化を防ぎ寿命を伸ばせます。サビや水垢、ホコリなどの蓄積は設備が劣化する要因の1つです。
たとえばエアコンなら、熱交換器やフィルターにホコリが詰まると性能が低下し、故障の原因になります。
またフローリングやカーペットの汚れも、蓄積するほど落ちにくくなります。汚損が酷いと見た目の印象はもちろん、資産価値の低下にもつながるでしょう。
定期清掃ならプロが年間でスケジュールを管理し、定期的に設備をメンテナンスします。結果として設備の寿命を伸ばし、資産価値も維持できます。
害虫の発生を防ぐ
ゴキブリやネズミといった害虫駆除も、定期清掃にて対策できます。害虫は食中毒や伝染病の原因となるため、計画的な対策が必要です。
とくに飲食店や食品工場などの施設では、害虫対策が欠かせません。害虫による異物混入が起きれば、顧客の信用を失いブランドイメージが大きく低下するでしょう。
なお害虫駆除は「建物衛生法」「人事院規則」により、点検や駆除が義務化されています。法定点検に漏れがないよう、清掃会社と相談しスケジュールに組み込みましょう。
コスト削減につながる
定期清掃で設備の故障や害虫の発生などを抑制すれば、結果として修繕費や駆除費用といったコスト削減につながります。
たとえば業務用エアコンの場合、熱交換器の修理に10万円以上かかるケースもあります。熱交換器やコンプレッサーの不具合は重修理となり、費用も高額になりがちです。
またメンテナンス不足で設備の寿命が縮まればその分、買い替えるサイクルが早まり費用が余計にかかります。
定期清掃を導入し一定間隔でメンテナンスすれば、故障を防ぎ修繕費用を削減できます。結果的に設備の寿命を延ばし、コスト削減にもつながるでしょう。
定期清掃を依頼する際の注意点・デメリット
定期清掃を依頼する際の注意点やデメリットは、主に以下の2つです。
- 日常清掃よりもコストがかかる
- 日常清掃を怠ると効果が薄れる
定期清掃を導入する際は、メリットだけではなくデメリットや注意点を理解しておかなければなりません。2つ例を紹介するので、導入時の参考にしてみてください。
日常清掃よりもコストがかかる
定期清掃は清掃箇所や内容によりコストが変動しますが、いずれも日常清掃より高額になりがちです。
たとえばカーペットクリーニングなら、100㎡程度で25,000円〜が相場です。また床清掃の剥離ワックス掛けなら、100㎡程度で50,000円〜はかかります。
一方、日常清掃の相場は週1回(月4〜5回)の導入で15,000円〜ほどです。定期清掃は専門の機材や洗剤、技術を要することも多いため、日常清掃よりも割高になります。
日常清掃を怠ると効果が薄れる
定期清掃は日常清掃と併用することで、効果を最大限に発揮します。日常清掃を怠ると、定期清掃の効果が薄れるため注意しましょう。
たとえばフロアの掃除機やモップがけは日常清掃の内容ですが、清掃を怠ると油や皮脂汚れによる黒ずみが発生しやすくなります。
フロアの汚損が酷いと、定期清掃の床洗浄やワックス掛けでも汚れを落としきれません。定期清掃と日常清掃は、セットで効果を発揮することを理解しておきましょう。
日常清掃とは
日常清掃とは、毎日もしくは週に1〜2度といった高頻度で実施する清掃です。オフィスや店舗の衛生管理の基本となり、清潔な空間の維持には日常清掃が欠かせません。
たとえば店舗の営業時間中であれば、従業員や来客の邪魔にならないよう簡易的に清掃します。営業開始前や終了後であれば、より本格的に清掃します。
では、実際に日常清掃ではどういった箇所を清掃するのか、次項で詳しく見ていきましょう。
日常清掃の対象となる清掃箇所
日常清掃の対象となる清掃箇所や作業内容は、主に以下の通りです。
清掃箇所 | 作業内容 |
フロア | 掃除機掛け・モップ掛け・水拭き |
トイレ | トイレ本体や手洗い場の掃除 |
給湯室・シンク | 拭き掃除 |
オフィス内 | ゴミ箱の回収やデスクの拭き掃除など |
エントランス | ガラス・ドアノブ・玄関マットなどの掃除 |
上記のような箇所を汚れ具合や場所に合わせて、適切な方法で清掃します。なお清掃業者によって作業箇所や内容が多少異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
日常清掃の料金相場
日常清掃の料金相場は、おおむね以下の通りです。
清掃頻度 | 月額費用の相場 |
週1回(月4〜5回) | 15,000円~ |
週2回(月8~9回) | 25,000円~ |
週3回(月13回程度) | 35,000円~ |
週4回(月17回程度) | 41,000円~ |
週5回(月22回程度) | 53,000円~ |
日常清掃の費用は、一般的に清掃スタッフ1人の1時間あたりの金額で算出されます。業者により違いはありますが、おおむね1,500円〜が相場です。
上記の金額に清掃時間や回数、スタッフの人数が掛け合わされ費用が算出されます。当然回数や人数が少ないほど費用は抑えられますがその分、清掃が行き届かなくなります。
オフィスの業態や規模を考慮し、日常清掃が不十分にならないよう清掃業者と相談して決めるとよいでしょう。
日常清掃を依頼するメリット
日常清掃を依頼するメリットは、主に以下の4つです。
- 従業員がコア業務に専念できる
- 企業のイメージアップにつながる
- 清掃しにくい箇所もきれいにできる
日常清掃は従業員でも補えるため、わざわざ清掃業者に頼む必要はないと考える方もいるかもしれません。
しかしプロの清掃業者に日常清掃を依頼すると、自社で清掃するよりも多くのメリットを得られます。メリットを把握した上で、清掃業者に依頼するか検討してみましょう。
では、1つずつ詳しく解説します。
従業員がコア業務に専念できる
オフィスの清掃は必要不可欠ですが、本来従業員は利益につながるコア業務に専念すべきです。
清掃にかける時間が増えるほど、従業員がコア業務に割ける時間が短くなります。限られた時間内で、いかに効率良くタスクをこなすかが重要です。
デスク周りなどの清掃を業者に外注すれば、コア業務に集中できる時間を確保できる上に、清潔かつ快適な空間を維持できます。
従業員が業務に集中できていない場合は、ぜひ日常清掃の外注化を検討してみましょう。従業員がコア業務に専念できる上、清潔な環境でモチベーションのアップにもつながります。
企業のイメージアップにつながる
オフィスや店舗の衛生環境は、企業のイメージを左右する重要な要素です。清潔で衛生的な空間は、来訪者に好印象を与え企業のイメージアップにつながります。
清掃会社に在籍する専門知識や技術を身につけたプロが、建物の構造や素材に合わせて適切に清掃します。清掃にあてる時間がなくても、清潔な環境を維持できるのが魅力です。
また「顧客第一主義」といった企業理念も、清掃を通して体現できるのもメリットとなります。理念や価値観と一致した行動を体現すれば、より顧客の信頼性も高まるでしょう。
清掃しにくい箇所もきれいにできる
一般的な掃除用具では困難な箇所の汚れも、清掃業者なら専門の機材や洗剤を使い効果的に清掃してくれます。
たとえばオフィスの天井や照明器具、床下や家具の隙間などは清掃が難しい箇所でしょう。仕事の合間にできるものではないため、つい清掃を疎かにしがちです。
通常では清掃しにくい箇所も、清掃業者なら安心して作業を任せられます。なお日常清掃で含まれない箇所は、特別清掃(スポット清掃)で依頼するとよいでしょう。
日常清掃を依頼する際の注意点・デメリット
日常清掃を依頼する際の注意点やデメリットを、3つ紹介します。
- コストがかかる
- セキュリティ対策が必要
- 日常清掃だけでは不十分
日常清掃は清掃業者が清潔な環境を維持してくれる一方で、注意点やデメリットもあります。注意点を把握した上で、清掃業者に依頼するか検討してみましょう。
コストがかかる
日常清掃は定期清掃とは違い高頻度で清掃に入るため、清掃員の人数や作業時間によりコストがかかります。
清掃業者にもよりますが、一般的な日常清掃の相場は清掃員1人につき1時間あたり1,500円〜です。
日常清掃を依頼する際は、清掃業者に現地を下見してもらったうえで、清掃してほしい内容を具体的に伝えましょう。
下見せずに一律で金額を提示したり、見積書の内訳が不十分な業者は、清掃レベルが低い可能性があります。
なお弊社EMEAO!では、第三者機関の審査を通過した優良の清掃業者のみを厳選してご紹介しています。清掃業者を検討する際は、ぜひご活用ください。
セキュリティ対策が必要
日常清掃の清掃内容には、オフィスのデスク周りやゴミ箱の清掃も含まれます。そのため、機密情報の管理といったセキュリティ対策は万全にすべきです。
貴重品入れの無施錠や、ゴミ箱に機密書類を直接捨てるといった行為は、清掃業者に非がなくても余計なトラブルを招く恐れがあります。
清掃業者と良好な関係を保つためにも、事前に清掃業者が立ち入れる場所を指定しておくといった対策も必要です。
日常清掃だけでは不十分
高頻度で実施する日常清掃ですが、日常清掃だけでは清潔な空間を維持できません。定期清掃や特別清掃(スポット清掃)との併用で、効果を最大限に発揮できます。
定期清掃では日常清掃では補えない箇所を、特別清掃ではとくに汚れが酷い箇所などを重点的に掃除します。
たとえばエアコンの分解洗浄や高所のガラス清掃は、日常清掃には含まれません。清潔な空間を維持し建物の寿命を伸ばすためにも、定期清掃と特別清掃を併用しましょう。
日常清掃と定期清掃でよくある質問
日常清掃と定期清掃でよくある質問を紹介します。清掃会社にはさまざまな清掃プランがあり、初めて依頼する際には戸惑いがちになります。
とはいえ、少なくとも建物の衛生管理の基本となる定期清掃や日常清掃、特別清掃の違いは把握しておくべきです。では、詳しく見ていきましょう。
特別清掃(スポット清掃)と定期清掃の違いは何ですか?
特別清掃(スポット清掃)では、日常清掃や定期清掃の範囲外を必要に応じて清掃します。いわば定期清掃の範囲外を、単発で実施するのが特別清掃です。
屋上の排水管の洗浄や看板清掃などは、普段清掃する機会がないため汚れが蓄積されがちです。そういった日常清掃や定期清掃では落としきれない汚れは、特別清掃で対応します。
また、特別清掃は日常清掃や定期清掃を契約していなくても、単発で依頼できます。清掃会社によって担当できる内容が異なるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
定期清掃と日常清掃の大きな違いは作業の専門性の高さ
以上、定期清掃の概要や日常清掃との違いを解説いたしました。
定期清掃と日常清掃の違いは掃除する箇所の難易度で分かれています。
日常清掃と違い定期清掃では、エアコンの分解洗浄やフロアのワックスがけなど技術や専用の薬剤が必要になるような、難易度が高い箇所を掃除します。
本記事をチェックして定期清掃を業者に依頼する必要性を感じた事業者様は、ぜひEMEAO!にご相談ください。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。