デジタルサイネージの価格相場を徹底調査!費用を抑える方法も解説
公開日:2024.06.28 最終更新日:2024.08.23
デジタルサイネージは、広告や情報発信の手段として普及しています。しかし導入には一定のコストがかかるため、不安を持っている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、デジタルサイネージの価格相場と費用を抑える方法を解説します。初期費用からランニングコストまで全体のコストがわかるので、デジタルサイネージを賢く導入したい方はぜひご覧ください。
デジタルサイネージの購入価格相場表
導入形態によって異なりますが、デジタルサイネージの導入には次の費用がかかります。
費用項目 | 価格相場 |
屋内用デジタルサイネージ | 6万~40万円程度 |
屋外用デジタルサイネージ | 10万~200万円程度 |
ディスプレイスタンド | 2万~20万円程度 |
設置工事費 | 要見積もり |
記録媒体 | 500円~1万円程度 |
STB (セットトップボックス) | 30万円以下 |
コンテンツ制作料 | 要見積もり |
費用の内訳や相場を紹介していきます。
屋内用デジタルサイネージ
店舗やオフィスなどに設置する屋内用のデジタルサイネージは、6万~40万円ほどで購入できます。屋外用デジタルサイネージと比べて安いことが特徴です。
よく使用されるディスプレイサイズは以下の3つで、大型のほうが高くなります。
サイズ | 価格相場 |
32インチ | 6万~15万円程度 |
43インチ | 10万~20万円程度 |
55インチ | 20万~40万円程度 |
画面の明るさを示す輝度(cd/m²)や、鮮明さを示す解像度も価格に影響します。しかし、輝度が高いほどよいとは限りません。高輝度ディスプレイは夜中に屋内で使用すると眩しすぎる可能性もあるので、使用環境や予算に応じて選びましょう。
また、スタンド一体型で自立でき、USB端子と画像・動画のプレーヤー機能があるディスプレイも販売されています。表示するコンテンツを頻繁に更新せず、ディスプレイが1つだけなら、10万円程度でデジタルサイネージを導入できます。
スタンド別売りの場合もあるので、自立できるディスプレイなのか確認しておきましょう。自立できなければディスプレイスタンドを別途購入するか、設置工事が必要です。
屋外用デジタルサイネージ
屋外用デジタルサイネージの購入価格相場は、10万~200万円程度です。屋内用と比べて高い理由には、以下があります。
- 屋外では視認性が悪い
- 防水防塵性能が必要となる
外出先では、屋外用デジタルサイネージにも明るさが必要です。また、粉塵や雨に晒されることがあるので、防水・防塵性能が求められます。
防水・防塵性能は、「IP65相当」のように表現されるのが一般的です。数字の左側「6」の部分は防塵性、右側「5」の部分は防水性能を示しています。
数字が大きいほど高性能です。仮にIP65だと、完全な防塵構造であり、どの方向からの噴流にも耐えられます。ただし、IP65であっても強い雨に耐えられる保証はありません。
輝度が2,500cd/m²と高く、防水防塵性能がIP68相当の55インチ高性能デジタルサイネージは、180万円など高額です。
ディスプレイスタンド
自立式ではないディスプレイを購入する場合、自立させるために別売りスタンドの購入が必要です。
ディスプレイスタンドの購入価格相場は、対応するディスプレイサイズに応じて2万~20万円ほどです。通常は10万円以下で購入できますが、電動昇降装置付きや60インチ超えに対応したものだと20万円ほどかかります。
ディスプレイスタンドには以下のタイプがあるので覚えておきましょう。
- イーゼル型
- ケーシング型
- 低床型
- 両面型
- 卓上型
- 折りたたみ型
カタログポケットが付いていたり、ディスプレイを両面に設置できたりするスタンドもあります。デザインやカラーもさまざまなので、使用する場所に応じて適切なスタンドを選びましょう。
キャスター付きだと移動に便利ですが、ディスプレイスタンドとは別売りになっている場合があるので注意してください。
設置工事費
ディスプレイの設置方法を天吊りや壁掛けにする場合などは、自社で対応する場合を除いて設置工事費がかかります。壁掛けにしたくても、コンクリート壁の場合は自社施工が困難で、工事業者に工事を依頼するケースが多いでしょう。
設置工事にかかる金額は見積もりによって異なるので、複数の工事業者に見積もりを依頼するのがおすすめです。一般的に、工事費は以下の要素によって変わります。
- 設置するディスプレイのサイズ
- 石膏ボード壁かコンクリート壁か
- 配線隠蔽処理が必要か
記録媒体
スタンドアロン型のデジタルディスプレイなら、記録媒体の購入費用がかかります。スタンドアロン型とは、ネットワークではなく記録媒体でコンテンツを配信するシステムです。
記録媒体の購入費用は、容量や読み書き速度などによって異なります。低容量なら500円ほど、高容量で読み書き速度が速いものは1万円ほどです。
STB(セットトップボックス)
外付けのSTB(セットトップボックス)は、30万円以下で購入できます。STB(セットトップボックス)とは画像や動画を保存し、ディスプレイに出力するための機器です。
プレーヤー機能のほか、ディスプレイの電源を管理したり、コンテンツの表示スケジュールを管理したりする機能などがあります。
コンテンツ制作料
デジタルサイネージで放映するコンテンツの制作を外注する場合、コンテンツ制作料がかかります。コンテンツ制作料は依頼する業者の見積もり次第なので、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
コンテンツの企画、デザイン、撮影・編集などすべて任せると費用は高くなりがちです。動画は尺が長いほど費用は高くなります。
できる部分は自社で対応すると、費用を抑えられます。
デジタルサイネージの運用にかかる費用の相場
デジタルサイネージの運用時にかかる費用の相場は以下のとおりです。
費用項目 | 相場 |
管理ソフトウェア利用料 | 月額2,000円〜1万円程度 |
インターネット接続料 | 月額5,000円〜1万円 |
電気代 | 月額3,000円以下 |
コンテンツ運用代行料 | 要見積もり |
デジタルサイネージのランニングコストについて、内訳や相場を紹介していきます。
管理ソフトウェア利用料
クラウド型のデジタルサイネージは、配信を管理するソフトウェアの利用料がかかります。管理ソフトウェア利用料(クラウドサービス利用料)の相場は、月額2,000円~1万円ほどです。
デジタルサイネージのクラウドサービスは、月額または年額で契約して利用料を支払うのが一般的です。クラウドサービスの内容は提供会社によって異なりますが、以下の機能があります。
- コンテンツ作成機能
- 配信コンテンツの登録(アップロード)機能
- スケジュール設定機能
- 稼働状況の表示機能
インターネット接続料
クラウド型のデジタルサイネージは以下のように運用する仕組みなので、インターネット接続が必要です。
- Webブラウザを通じてコンテンツを制作する
- Webブラウザを通じて配信スケジュールを設定する
- 配信拠点のSTB(セットトップボックス)にデータを配信する
インターネット接続環境がない場合、新たに工事費やインターネット接続料がかかります。インターネット接続料の相場は、月額5,000円〜1万円ほどです。
電気代
デジタルサイネージの運用では、コンテンツの表示には電力が必要なので、電気代がかかります。デジタルサイネージにかかる電気代は、一般的にディスプレイのサイズや輝度が大きくなるほど高くなります。
サイズ | 輝度 | 消費電力 |
32インチ | 300cd/m² | 45W |
32インチ | 350cd/m² | 45W |
32インチ | 350cd/m² | 45W |
32インチ | 500cd/m² | 60W |
43インチ | 450cd/m² | 80W |
43インチ | 500cd/m² | 70W |
43インチ | 500cd/m² | 90W |
仮に消費電力60Wと350Wのデジタルサイネージを以下の条件で使用する場合、1ヶ月の電気代の目安はそれぞれ約446円と2,604円です。高輝度(1,500cd/m²)かつ大型(65インチ)だと、最大消費電力が350Wのディスプレイもあります。
項目 | A | B |
消費電力 | 60W | 350W |
1日の使用時間 | 8時間 | 8時間 |
1ヶ月の使用日数 | 30日 | 30日 |
電気料金単価 | 31円/kWh | 31円/kWh |
1ヶ月の電気代の目安 | 約446円 | 約2,604円 |
デジタルサイネージにかかる電気代を抑えたいなら、輝度の調整や省エネ性能の高いディスプレイを選ぶなどの工夫をしましょう。
コンテンツ運用代行料
以下のコンテンツの運用を継続的に依頼する場合は、コンテンツ運用代行料がかかります。
- コンテンツの作成・更新
- 配信スケジュールの管理
- コンテンツの最適化
- 効果測定
コンテンツの運用代行は、デジタルサイネージ導入サポート会社や、専門のコンテンツ制作会社のどちらかに依頼するのが一般的です。
配信するコンテンツの量や更新頻度などによって金額は変動するので、詳しくは見積もりを取って確認しましょう。
デジタルサイネージの価格を抑える方法
デジタルサイネージの導入や運用にかかる費用を抑える方法は、以下の4つがあります。
- レンタルする
- 複数の業者の見積もり提案を比較する
- コンテンツを自作する
- スタンドアロン型を採用する
デジタルサイネージの導入・運用費用に不安がある方は、ぜひ紹介する方法を実践してください。
1.レンタルする
デジタルサイネージは、購入ではなくレンタルやリースで導入することもできます。レンタルは短期間、リースは数年単位で利用するときに便利です。
レンタルやリースを活用すると、ディスプレイやスタンド、STBなど高額になりがちな導入費用を抑えられます。短期レンタルなら月額数千円から、リース契約なら5年契約で月額2,500円から利用できます。
デジタルサイネージのお試し運用ならレンタル、初期費用を抑えて長期運用したいならリースを選びましょう。
2.複数の業者の見積もり提案を比較する
1社に相談しても、見積もりの内容が適正かどうかの比較は困難です。複数の業者から見積もり提案を受けることで、相場感を把握しつつサービス内容の比較が可能となり、適正な価格で導入・運用できます。
デジタルサイネージの導入をサポートしてくれる業者は、以下のように提案内容の比較も行いましょう。
- 必要な機器のスペックを丁寧に教えてくれるか
- 管理システムは使いやすいか
- コンテンツ制作・運用もサポートしてくれるか
- 機器に不具合があった場合はどう対応してくれるか
- 導入サポート実績は豊富か
3.コンテンツを自作する
社内で対応できる場合は、デジタルサイネージにかかる費用を抑えるためにコンテンツの自作も検討しましょう。
特に、静止画コンテンツは比較的簡単に作成できます。気に入った画像を準備し、PowerPointやPhotoshopなどのソフトを使って画像を作成してみましょう。
訴求力の高い動画コンテンツは、静止画と比べて高い制作スキルが求められます。近年では気軽に動画を作れるツールもあるので、ツールを利用してチャレンジするのもよいでしょう。
制作するコンテンツは、目的やターゲットを明確にすることが重要です。さらに音声を活用することで、より注目度を高めやすくなります。
4.スタンドアロン型を採用する
スタンドアロン型のディスプレイは、USBメモリなどを使ってコンテンツを表示するため、ネットワークの整備は不要です。インターネット接続環境の構築にかかる工事費や、月額5,000円〜1万円ほどの月額料金がかかりません。また、クラウドサービスを利用するための費用がかからないことも特徴です。
小規模な店舗やオフィスでデジタルサイネージを導入する場合、スタンドアロン型を採用すると初期費用を10万〜40万円程度に抑えられます。
しかし、頻繁にコンテンツを更新する場合は、記録媒体の抜き差しなどの手間がかかります。頻繁にコンテンツを更新しない場合におすすめの方法です。
まとめ:デジタルサイネージは適正価格で導入しよう
デジタルサイネージの購入価格相場は、ディスプレイだけで屋内用は6万~40万円程度、屋外用は10万~200万円程度です。別途、ディスプレイスタンドが必要な場合は2万~20万円程度かかります。
壁掛けや天吊りで設置工事が必要な場合やコンテンツの制作を外注する場合は、外注費用もかかるので注意しましょう。
また、デジタルサイネージの運用は、電気代として1台につき月額3,000円以下の電気代がかかります。クラウド型は、インターネット環境の構築や基本料金、管理ソフトウェアの利用料も必要です。
デジタルサイネージの導入・運用費用は、選ぶ機種や運用形態によって大きく異なります。費用を抑えるために、複数の業者から見積もりを取得するほか、レンタルやリース、コンテンツの自作などの方法を実践しましょう。
この記事を書いた人
hata