工事不要のLED照明を設置する際の3つの注意点
公開日:2020.12.04 最終更新日:2024.02.11
「工事しなくてもいいLED照明があると聞いたけど、工事が必要なものと何が違うんだろう」
と疑問に思っているご担当者様もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで本記事では、工事不要のLED照明に関する概要と、事前に知っておきたい注意点をご紹介いたします。
注意点を知っておかないと設置後に後悔してしまうかもしれませんので、ぜひご一読ください。
工事不要のLED照明とは
工事不要のLED照明とは、蛍光灯用の照明器具に取り付けるだけ使用開始できるタイプのLED照明です。
一般的に、蛍光灯とLEDは使用する電流・電圧が違うので、電球部分だけを取り換えることはできません。
そのため、照明器具をLEDに交換するためには工事費用が必要であり、導入にはコストがかかります。
しかし、工事不要のLED照明の場合は、内部に電流・電圧を変換する整流回路が組み込まれた構造になっています。
また、従来の蛍光灯用の照明器具に装着が可能なサイズ・形状に作られています。
そのため、それまで使用していた蛍光灯用の照明器具にそのまま取り付けて利用できるというわけです。
工事不要のLED照明を選ぶと、すぐに利用が開始できて、工事費用がかからないというメリットがあります。
工事不要のLED照明のメリット
工事不要のLED照明を設置するメリットは、おもに以下の6つです。
- 初期費用を抑えられる
- 簡単に設置できる
- 賃貸物件にも設置できる
- 環境にやさしい
- ランニングコストを節約できる
- デザイン性や機能性に優れた製品が多い
それぞれ詳しく解説します。
初期費用を抑えられる
工事不要のLED照明を設置する一番のメリットは、初期費用を抑えられることです。従来のLED照明とは違い、設置時の電気工事が必要ありません。
基本的には、ランプの交換のみで設置が完了します。工事費用や商品の代金を抑えられるっため、工事が必要なLEDの照明と違い初期費用の削減につながります。
簡単に設置できる
簡単かつスピーディーに導入できるのも、工事不要のLED照明のメリットです。専門知識や技術がなくても、ランプを交換するだけで取り付けが完了します。
DIYや電化製品の取り扱いが苦手な方でも、問題なく設置できるでしょう。
賃貸物件にも設置できる
工事不要のLED照明は、賃貸物件にも設置可能です。原状回復義務のある賃貸物件においては、工事を必要とする作業ができない場合もあります。
しかし工事不要のLED照明ならば、賃貸物件でも契約に違反することなく設置できるでしょう。
環境にやさしい
LED照明は従来の白熱電球や蛍光灯と比べ、消費電力が低く寿命も長いのが特長です。
従来の蛍光灯の寿命は約6,000時間なのに対し、LED照明の寿命は約40,000〜50,000時間とされています。
また消費電力も従来の蛍光灯と比べると、3分の1ほどです。CO2の排出が抑えられるため、環境にやさしい電球といえるでしょう。
ランニングコストを節約できる
LED照明は白熱電球や蛍光灯と比べると消費電力が低いため、月々の電気代を抑えたい時にも便利です。
LED照明は白熱電球や蛍光灯と同程度の明るさを保ちながら、蛍光灯なら3分の1程度、白熱電球なら8分の1程度の消費電力で済みます。
さらに寿命も長く、電球交換の手間を減らせるのもポイントです。ランニングコストの削減には最適といえるでしょう。
デザイン性や機能性に優れた製品が多い
LED照明の急速な普及に伴い、近年ではデザイン性や機能性に優れた製品も多く販売されています。これらの製品から好みのものを選択できるのも、メリットの1つです。
空間の雰囲気に合ったデザインや調光機能付など、設置環境に合わせて選択できます。
工事不要のLED照明の注意点
以上、工事不要のLED照明の概要を説明してきましたが、実は工事不要のタイプを選択する前に知っておくべき注意点が2つあります。
注意点①工事必須のLED照明よりも消費電力が大きい
工事不要のLED照明には、LED照明専用の器具と比べると消費電力が大きくなるという欠点があります。
工事不要のLED照明では、蛍光灯用の照明器具を使用するので電流は蛍光灯用の安定器と、LED用の直流整流器の2つを通過して供給されることになるため、電気は二重に整流されます。
つまり、LED照明専用の器具であれば不要な蛍光灯用の整流回路を通過してから照明に電気が供給されるので、ロスが生じてしまうのです。
注意点②安定器の交換修理の手間・費用がかかる
LEDの寿命は10年ですが、安定器の寿命は5年ほどです。
工事不要のLED照明を使用するためには、照明器具に組み込まれている安定器が必要なので、安定器が故障したら交換修理をしなければなりません。
安定器の交換修理のことを考えると、工事不要のLED照明を選ぶよりも、交換工事を行ってしまった方が手間暇や費用がかからない場合もあります。
注意点③照明の種類を間違えると発煙・発火の危険がある
工事不要のLED照明に置き換える場合、照明を選び間違えると火災が発生してしまう危険があります。
そのため、工事不要のLED照明は、使用する照明器具のタイプに合わせて選ばなくてはなりません。
蛍光灯には、スタータ式・ラピッドスタータ式・インバータ式、の3種類が存在します。
現在使用している照明器具がどのタイプに該当するかの確認は、内部にある安定器を見て判断する必要があります。
工事不要のLED照明は通常の電球交換をするのと同様に誰でも簡単に交換できますが、火災をを防ぐために、注意事項をよく確認した上で購入する商品を選びましょう。
自分で判断できない場合は、事前に知識のある人に相談することをおすすめします。
LED照明のタイプと選び方
LED照明は下記の4タイプに分かれており、それぞれ機能や特長が異なります。
取付工事 | 節電効果 | コスト | 特長 | |
直管型LED (工事不要タイプ) | なし | 安定器による | 安い | 節電効果が安定器に左右される |
直管型LED(外部電源タイプ) | あり | 高い | 高い | 外部電源の工事が複雑になりがち |
LEDベースライト | あり | 高い | 高い | すべて新品に交換するためコストが高い |
トラストライト | あり | 高い | 安い | 電源内蔵のため簡易工事で済む |
では、それぞれの照明タイプを詳しく見ていきましょう。
直管型LED(工事不要タイプ)
既存の安定器を流用して設置する、工事不要タイプのLED照明です。蛍光灯からLEDへの交換だけで済むため、簡単かつスピーディーに設置できるのが魅力です。
ただし、既存の安定器(電流値を適正に保つ装置)を流用して設置するため、節電効果は安定器によって左右されます。
節電効果が取り付ける器具に依存される点には、注意が必要です。
直管型LED(外部電源タイプ)
外部電源を別途用意して取り付けるタイプのLEDです。節電効果が高く、すべて新品に交換するLEDベースライトと比べると、工事費用も安く抑えられます。
しかし、外部に設置する電源の場所を確保しなければいけません。そのため、工事が複雑になりやすい点には注意しましょう。
LEDベースライト
天井などに直接施工して設置するLED照明です。既存の安定器などを流用せずに、すべて新品に取り替えて設置します。
器具ごとすべて新品に交換するため安心感が高いのが特長ですが、その分導入時の費用も高額になります。
トラストライト
外部電源を必要としない、電源内蔵型のLED照明です。設置工事は必要ですが、簡易的なもので済むため費用も抑えられます。
直管型LED(工事不要タイプ)の節電効果や安全性が気になるという方は、トラストライトの設置を検討してみるのもオススメです。
LED照明工事でよくある質問
LED照明工事でよくある質問を、2つ紹介します。
- 蛍光灯からLEDへの交換工事は自分でもできますか?
- 直管蛍光灯をLEDに変える方法は?
いずれもLED照明への交換を検討している場合には、把握しておきたい内容です。では、1つずつ解説します。
蛍光灯からLEDへの交換工事は自分でもできますか?
天井などに「引っ掛けシーリング」があれば、専門知識や技術がなくても取り付けできます。引っ掛けシーリングは、天井などに設置されている照明器具の部品です。
ただし形状が合わないなどの理由で配線工事が必要な場合は、電気工事士の有資格者でないと作業できません。
天井や壁から電気配線が引き出されて器具に取り付けられている場合は、配線工事が必要です。無資格での工事は罰則の対象となるため注意しましょう。
直管蛍光灯をLEDに変える方法は?
直管蛍光灯をLEDに変えるには、「直管LEDランプ」もしくは「LED照明器具」のいずれかの方法で交換可能です。
直管LEDランプは工事不要で簡単に設置できる反面、安定器によってはちらつきなどの不具合が出る可能性があります。
対してLED照明器具は設置工事が必要になるものの、ちらつきなどの不具合もなく安定して使用できます。
どちらの方法で交換するか、専門業者と相談しながら決めると良いでしょう。
工事不要のLED照明は消費電力が大きく、種類を選び間違えると火災の危険も
以上、工事不要のLED照明の概要と事前に知っておくべき注意点をご紹介してきました。
工事不要だと初期費用が安くすみすぐ使い始められる一方で、「消費電力が大きい」「安定器の交換修理の手間・費用がかかる」「種類を間違えると火災の危険がある」という3点には注意する必要があります。
そのため、ある程度の初期費用をかけられる余裕があるのであれば、工事して設置するLED照明がおすすめです。
「火災が怖いから工事不要のLED照明はやめて、一般的な方にしておこう」
「工事が必要なLED照明にするとどれくらい費用がかかるか知りたい」
と思われたご担当者様はぜひEMEAO!にお問い合わせください!
コンシェルジュにご相談いただければ、予算感に関するアドバイスから優良な設置業者のご紹介まで、誠心誠意サポートさせていただきます。
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この記事を書いた人
編集部員 河田
編集部員の河田です。編集プロダクションでの書籍編集の経験を経て、現在はEMEAO!のWebコンテンツ編集・執筆とお客様へのインタビューを担当させていただいています。日々、コツコツと皆さんのお役に立つ情報を発信していきます!よろしくお願いします。