決済代行会社の見積り比較ポイントは?手数料の相場や費用の内訳も解説
公開日:2024.06.01 最終更新日:2024.08.02
決済代行会社の利用を検討していても、見積りをうまく比較できずに悩んでいませんか。費用や相場がどの程度なのかと悩み、選定が進まない方も少なくありません。
そこで本ガイドでは、決済代行会社の利用にかかる費用や相場、見積りを比較するポイントを紹介します。決済代行会社選びに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
決済代行会社の見積りでわかる手数料とは?
決済代行会社から見積りをとると、以下のような費用・手数料が記載されています。
- 初期費用
- 月額費用
- 決済手数料
- 決済サービス利用料
- トランザクション費用
- 振込手数料
- 取消処理手数料
費用・手数料がどのようなものか、それぞれ確認していきましょう。
初期費用
決済手段を導入するために必要な、契約時にかかる費用です。主に決済端末の購入代金や決済システムの接続にかかる料金ですが、契約金として請求される場合もあります。
利用するプランや選ぶ決済端末によりますが、初期費用を無料としている決済代行会社も少なくありません。
月額費用
決済手段の導入後、システム利用料やデータ管理料として毎月かかる費用です。後述する決済手数料と異なり、月額費用は毎月の売上高で変動しない固定費です。
月額費用はシステム利用料として請求されるのが一般的ですが、オプションサービスを利用した場合はその利用料も請求されます。運用サポートを依頼している際も同様です。
月額費用も利用プランや決済端末によって変わるものの、無料にしている決済代行会社も少なくありません。
決済手数料
売上高に応じてかかる手数料です。業種や商材、売上高によって変動し、決済代行会社によっては交渉できます。
決済手数料は、月額費用と異なり売上高に応じて変動するため変動費です。
仮に決済手数料率が3%なら、売上高が10万円のとき決済手数料は3,000円となります。決済手数料は個別に請求されて支払うのではなく、入金時に売上から控除される形で支払うのが一般的です。
たとえば、上記の例では売上高である10万円が振り込まれるのではなく、決済手数料3,000円を控除した97,000円が振り込まれます。
なお初期費用や月額費用と異なり、無料にしている決済代行会社は基本的にありません。
関連記事:【決済代行ニュース】キャッシュレス決済手数料、経産省が公表の方針
決済サービス利用料
一部の決済代行会社では、手数料とは別に、決済サービス利用料を支払う必要があります。
決済サービス利用料は、決済代行会社に支払う費用で、売上高に応じて発生します。
トランザクション費用
決済処理1件ごとに発生する費用です。通信費やデータ転送費と表現されることもあります。
トランザクション費用はオーソリ処理や売上処理ごとに発生し、カード会社から利用承認を得られなかった場合でも発生します。決済単価が低く決済頻度が高い事業者にとっては、大きい負担となるでしょう。
なお、オンライン決済でもトランザクション費用を無料にしている決済代行会社があります。
振込手数料
売上金が指定した口座に振り込まれるときにかかる手数料です。振込金額に応じて金額が変わったり、早期入金オプションを利用するときのみ有料としていたりなど、多様な料金設定があります。
早期入金オプションを利用しない場合、振込手数料を無料にしている決済代行会社もあります。
取消処理手数料
決済の取消処理をするときにかかる手数料です。決済の取り消しは、顧客による注文のキャンセルや商品の返品、決済ミスをしたときなどに発生します。
取消処理手数料を負担しないよう、商品の写真や説明文を工夫したり、決済ミスをしないようにオペレーションを改善したりといった取り組みが必要です。
関連記事:電子マネー決済の導入におすすめの決済代行会社10選!導入費用や方法も解説
決済代行の見積り費用相場
決済代行会社から受ける見積り費用の相場を、費用と決済手数料に分けて紹介します。決済手数料は決済手段ごとに紹介するので、導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
費用
内訳 | 相場 |
初期費用 | 2万~8万円程度 ※無料の場合もある |
月額費用 | 5,000円程度 ※無料の場合もある |
トランザクション費用 | 1件ごとに数円~数十円 ※無料の場合もある |
振込手数料 | 1回ごとに0~330円 ※無料の場合もある |
取消処理手数料 | 1件ごとに5円程度 ※無料の場合もある |
決済手数料
決済手段 | 相場 |
クレジットカード決済 | 1.5~10% |
電子マネー決済 | 2~4% |
コード決済 | 2~4% |
コンビニ決済 | 2~5%程度 |
口座振替 | 1件につき100円程度 |
決済代行会社の見積り比較ポイント
決済代行会社の見積りを比較するときは、次のポイントを意識しましょう。
- 料金体系
- 対応決済方法
- 入金サイクル
- 対応ECカート
- 導入実績
- セキュリティ対策
- オプションサービス
料金体系
決済代行会社によって、料金体系は異なります。
初期費用や月額費用の設定がある決済代行会社は、丁寧なヒアリングを通じ、自社に合った契約プランを提案してもらえるケースが多いです。機能やサポートが充実している傾向があります。
一方、初期費用や月額費用がなく、決済手数料のみの決済代行会社は、導入費用や固定費を抑えられるのがメリットです。しかし、決済手数料の交渉に対応してもらえなかったり、機能やサポートが劣っていたりするおそれがあります。
あくまでも参考程度ですが、初期費用や月額費用がある決済代行会社は大手事業者向け、ない決済代行会社は中小事業者向けです。
対応決済方法
決済代行会社を比較するときは、対応している決済手段の数に注目しましょう。仮に同じ費用であれば、より多くの決済手段に対応している決済代行会社がおすすめです。
決済代行会社を利用するメリットは、一度に複数の決済手段に対応できること。決済代行会社のメリットを活かすために、決済手段の多さを確認しておきましょう。
入金サイクル
決済代行会社によって入金サイクルが異なるので、振込手数料を比較するときは注意が必要です。たとえば、下表のA社は入金サイクルが長いが振込手数料は無料、B社は入金サイクルが短いが振込手数料は月間660円となります。
A社 | B社 | |
入金サイクル | 月1回入金 | 月2回入金 |
振込手数料 | 無料 | 1回につき330円 |
この場合、資金繰りの状態を考慮しつつ、入金サイクルの短さを重視するか費用の安さを重視するか検討が必要です。
対応ECカート
ECカートとは、ECサイトにおいてユーザーが商品を選び、購入手続きをするための一連の処理を行うためのソフトウェアをいいます。
決済代行会社が利用しているECカートに対応している場合、決済機能の実装・連携が容易です。
導入実績
費用にだけ注目して決済代行会社を選ぶと、想定していた使い方ができなかった、システムが安定していなかったなど後悔する可能性があります。
このような後悔を避けるためには、導入実績が豊富で信頼できる決済代行会社を選ぶことが重要です。導入実績が豊富であれば、システムが安定しており、多くの事業者から信頼を得ていると評価できます。
ただし、導入実績をWebサイトで公開していない決済代行会社もあるので、問い合わせるか、資料を請求して確認しましょう。
セキュリティ対策
豊富な決済手段に対応していて費用に納得ができても、セキュリティに懸念がないか慎重に検討することが重要です。決済代行会社を利用すると、顧客のカード情報や取引情報が決済代行会社のサーバーに保存される場合があります。
このような情報が外部に漏えいしないよう、セキュリティ対策を確認しましょう。
プライバシーマークを取得しているか、ISMS認証を取得しているかといった観点もセキュリティ体制を評価する目安になります。
関連記事:優良決済代行業者が行っているセキュリティ対策のうち主な4つを紹介
オプションサービス
以下のように、決済代行会社によっては多様なオプションサービスを提供している場合があります。
- 継続課金
- 洗替サービス
- 自動売上/指定売上
- BtoBクレカ決済(メール決済)
- マーケティング支援サービス
- BtoB売掛保証サービス
- チャージバック補償団体保険
たとえば、サブスクリプションサービスを提供する事業者なら継続課金への対応は不可欠です。オプションサービスまで比較することで、効率的な運用ができるかどうかの見極めが可能になるでしょう。
まとめ:決済代行サービスは見積りをとって比較しよう
決済代行会社の見積りには、初期費用や月額費用、決済手数料などさまざまな内訳が記載されています。各費用の内容や相場を知ることで、最適な決済代行会社を選べるようになるでしょう。
決済代行会社を選ぶときは、費用のほかにも決済方法の多さや入金サイクル、セキュリティ対策などを総合的に比較することが重要です。
ぜひ本ガイドで紹介した内容を参考に、各社の見積もりを比較してみましょう。
この記事を書いた人
hata