システム開発プロジェクトでわかりやすい体制図を作るための4つのコツ
公開日:2021.04.12 最終更新日:2023.11.14
このコラムでは、システム開発の現場で体制図を作成する4つのポイントについて解説します。
プロジェクト体制図についてお悩みの事業者様は、ぜひご一読ください。
システム開発でプロジェクト体制図が必要な理由
システム開発でプロジェクト体制図が必要な理由として、プロジェクトの進捗状況を把握する、チームワークを構築する、システム開発のトラブルを回避する等が挙げられます。体制図は、プロジェクトメンバーを視覚的に作図にすることで、指示系統を一目で理解できます。
プロジェクトがスタートした後に体制図があると、誰からの指示で作業を進めるのかが明確になり、チーム全体の進行状況が把握できるので、進捗の遅れや問題発生に素早く対応できます。また、プロジェクトの全容がわかれば、適材適所に人材を配置することも可能です。
プロジェクト体制図を作るタイミングは?
プロジェクト体制図を作成するタイミングは初期工程です。特に、プロジェクトの企画、計画、目的とゴールが明確に定まった時点がベストです。プロジェクトの全容が決まれば、どこに誰を配置するか人員を選抜し、体制図に組み込めます。
そのため、プロジェクトの全体像を把握できてから体制図の作成に取り組むのが良いでしょう。なお、プロジェクトが始まってから体制図が変更した場合は、随時、更新してチームメンバーと共有するようにしましょう。
システム開発のプロジェクト体制図とは
プロジェクト体制図とは、プロジェクトに参加している各メンバーの役割を示すための図面です。
会社の組織図のように誰がどの部分を担当しているのか、部門やメンバーの関係性や指揮系統を示したものになります。
プロジェクト体制図では責任者が誰であり、そのもとで誰が業務を担当しているのか、指揮系統が図式化されるので分かりやすくなります。
組織体制に不備があればプロジェクトも進みにくくなるので、プロジェクト体制図は分かりやすいものを作成する必要があります。
システム開発の体制図作成の4つのポイント
システム開発の体制図を作成する際は、次の4つのポイントを意識することが大切です。
なお、体制図の作成サポートをしてくれる業者は、こちらのシステム開発業者の選び方もあわせてご確認ください。
- 指揮系統を一本化する
- それぞれの権限や役割をはっきりさせる
- 曖昧な役職名や不要な線を使わない
- 常に最新の状態に更新する
指揮系統を一本化する
複数の人から指示を受けるメンバーがいると、指揮系統が混乱してしまいます。
例えば、別々の人間から異なった指示を受けるような構図になっている場合、どちらの指示を優先すればいいか分からなくなりプロジェクトの進行に支障がでます。
そのため、ひとつのボックスへ下りてくる線や矢印は一本だけにして、複数の線がひとつのボックスへ向かわないようにしましょう。
それぞれの権限や役割をはっきりさせる
プロジェクト構造図では、図面の上下関係はそのまま役職の権限を示し、上層に位置するものがより強い権限を握ります。
一方で、プロジェクト構造図で横並びになっている役職同士は、同等の権限を握るものと解釈されることが一般的です。
しかし、プロジェクトリーダーなど権限の強い者同士が横並びになっていると、指示内容が異なる場合に指揮系統に混乱が生じる恐れがあります。
そのため、並列の位置関係にあるリーダーが存在する場合は、それぞれの役割をはっきりさせることが重要です。
曖昧な名称や不要な線を使わない
プロジェクト体制図には、曖昧な名称や不必要な線を使わないように注意が必要です。
例えば、支援チームやプロジェクト管理などの名称は、一見すると有意義なように思えるかもしれません。
しかし、支援チームという名称では具体的に何を支援するのか分かりません。
プロジェクト管理という名称ではPMとしての責任者なのか、単に業務を管理するチームなのか曖昧です。
体制図のボックス同士を横方向に線で繋げると、意思決定時の優先度が曖昧になってしまいます。
また、体制図で点線や波線のようなものを使うと明確性を書くだけなので、実線だけ使用するようにすることも大切です。
常に最新の状態に更新する
システム開発のプロジェクト体制図は、基本的にはプロジェクトマネージャーが最初に作成します。
ただし、体制図は一度作ったらそのまま最後まで使えるわけではなく、常に最新の状態に更新することが大切です。
プロジェクトの進行に従って、役割を終えたメンバーが出たり、新たにメンバーが追加されたりすることがあります。
プロジェクト体制図が常に最新の状態になっていないと、指揮系統に混乱が生じてしまうので注意が必要です。
それぞれの職務と役割
プロジェクト体制図に記載する項目は、チームメンバーの氏名と担当部署、業務内容と役割です。プロジェクトメンバーの組織を「お客様側」と「開発側」に分けて作図しましょう。
お客様側の職務と役割
お客様側の体制図には、職務の項目に「プロジェクト統括責任者」「プロジェクトマネージャー」「プロジェクトリーダー」「ユニットリーダー」「アドバイザリー」と、それぞれの役割を箇条書きで明記します。役割については、「プロジェクト統括責任者」であればプロジェクトの状況把握、重要事項の意思決定、プロジェクトマネージャーとの連携、成果物の評価と承認など、主な役割の内容を書き留めます。
システム開発側の職務と役割
システム開発側の体制図には、職務の項目に「プロジェクトマネージャー」「プロジェクトリーダー」「ユニットリーダー」「品質保証責任者」と、それぞれの役割を箇条書きで明記します。例えば「プロジェクトマネージャー」の役割は、プロジェクトの目的とゴールの設定、要件定義、スケジュールや予算管理、品質管理、リスク管理、成果物の納品など、
主な内容を書き留めます。
改善の必要なプロジェクト体制図の問題点
体制図が未完成の場合、プロジェクトがうまく進行できない場合があります。体制図のどこに問題があるのでしょうか。ここでは、体制図の改善したいポイントを解説します。
チーム名は役割と責任がわかるようにする
プロジェクトチームの名前が曖昧だと、役割や責任の所在がわからず、不透明な存在となってしまいます。何のために存在しているチームなのか不明なままだと、チーム全体の連携に支障が起こりやすくなります。したがって、チームの名前については、業務内容が誰にでもわかるように具体的に書くようにしましょう。
指揮命令系統が明確になるように線でつなぐ
体制図のボックスを線で繋ぐ場合は、それぞれの役割と関係性を踏まえて記入することが重要です。繋いだ線が意味を成していないと、指示系統がわからなくなり、プロジェクトの進捗が滞ってしまう可能性が高くなります。
指揮命令系統は複数にしない
プロジェクト責任者を複数系統で分けてしまうと、決定権が分散され、誰から指示を受けたらよいのかわからなくなってしまいます。例えば、責任者が2人になってしまうと、指示が二転三転して進行の妨げとなってしまいます。
体制図で責任者の所在を明確にするためには、複数系統にせずに1人にまとめる方が効率良く運用できます。
メンバーはまとめて記載せず個人別にする
チームメンバーを一つのボックス内に一度にまとめてしまうと、役割分担がはっきりせず、指示が行き届かなくなります。体制図を作成する際は、ボックス内に個人別に分けて記載することをおすすめします。個人の役割を明確にすることでチーム全体の連携を強化することに繋がります。
システム開発プロジェクトの成功には体制図が必要不可欠
システム開発における体制図の意義や、理想的な体制図の書き方について解説してきました。
システム開発にはチームプレイが欠かせません。それぞれの認識を共有して役割を明確にするために、プロジェクト体制図が役立ちます。
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この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!