58a3dbd7d0f93a3462ca78e0b40e885c - システム構築にかかる費用相場や費用の内訳を徹底解説

システム構築にかかる費用相場や費用の内訳を徹底解説

公開日:2020.11.02 最終更新日:2023.05.22

業務の円滑化や利便性の向上などを目的として、システムの新規開発を検討されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
システムのタイプごとに構築費用の相場は異なるので、事前にどの程度のコストがかかるのかを把握しておきたいですよね。

そこで本記事では、システム開発にかかる費用の相場や内訳、コストを抑えるポイントなどを解説します。
システム開発を検討されている事業者様は、ぜひ最後までご覧ください。

システム開発にかかる費用相場

システム開発の種類はさまざまであり、具体的には「Webシステム」「業務システム」「スマホアプリ」「基幹システム」「業務支援システム」の5つに分かれています。
構築にかかる費用の目安は233万円以上だといわれますが、プロジェクトの工数や開発規模、開発難易度などによって金額は異なるので、この限りではありません。

システム開発の種類別に、構築にかかる費用相場を紹介するので、確認してみてください。

なお、開発環境や計画の変更によって、見積もりの金額と実際の請求額がずれることも起こりえます。
より正確な見積もりをとりたいとお考えの方は、こちらの優良なシステム開発業者の選び方も、あわせて確認してみてください。

▶システム開発会社に具体的な金額を聞いてみる

Webシステム

インターネット環境で利用できる、Webアプリケーションやクラウドサービスの総称をWebシステムといいます。
ECサイトや予約管理サイト、マッチングシステムなども、このWebシステムに含まれます。

Webシステムの種類ごとの開発費用の目安と、システムの概要は以下のとおりです。

【種類別】Webシステムの開発費用の目安と概要

Webシステムの種類開発費用の目安システムの概要と搭載する機能
ECサイト60万~400万円程度ネットショップを構築するためのシステム。決済システムや検索機能、在庫管理機能などを搭載
予約管理サイト80万~500万円程度店舗や企業の商談の予約を管理するシステム。予約機能やメール配信機能などを搭載、ならびに勤怠管理と連携
マッチングシステム100万~500万円程度個人間や企業間を仲介してマッチングするシステム。検索機能やフォーム機能、メール配信機能などを搭載
口コミサイト80万~300万円程度購入した商品や利用したサービスの評価を書きこむシステム。会員登録機能や投稿機能、評価機能などを搭載
Q&Aサイト60万~300万円程度質問を公開し、回答やアドバイスを募って疑問を解消するシステム。会員登録機能や投稿機能、メッセージ機能などを搭載
掲示板サイト100万~500万円程度特定のテーマに沿って、関連する話題や情報を書き込むシステム。投稿機能や検索機能などを搭載
SNSツール80万~800万円程度社内または不特定多数が情報を共有できるシステム。投稿機能やグループ機能、スケジュール機能などを搭載
CMSツール50万~300万円程度ホームページやコンテンツなどを作成するシステム。ブログ機能やデザイン機能、問い合わせ機能などを搭載

システム開発のなかでも、Webシステムの構築にかかる費用は安い傾向にあります。
簡易的なホームページやシステムを制作するだけであれば、ホームページの制作会社でも対応できます。
ただし、ホームページ制作会社はあくまでもWebサイトの構築がメインなので、決済機能や顧客のリスト化機能などを搭載するのであれば、システム開発会社への依頼が必須です。

「イメージしていたシステムではなかった」「予算が高くついた」と後悔しないように、ホームページ制作会社とシステム開発会社の両方から見積もりをとりましょう。

▶ホームページ制作会社とシステム開発会社に見積もり依頼をする

業務システム

業務システムは、社内業務の円滑化や効率化を目的としたシステムです。
営業管理システムからグループウェアに至るまでさまざまな種類があり、各種メーカーが公開している技術的な仕様と、機材に関するハードウェアを組み合わせて開発されます。

業務システムの種類ごとの開発費用の目安と、システムの概要は以下のとおりです。

【種類別】業務システムの開発費用の目安と概要

業務システムの種類開発費用の目安システムの概要
受発注管理システム1,300万~1,400万円程度受注や発注、入金などを自動管理するシステム
営業管理システム800万~950万円程度営業活動の進捗や顧客情報などを管理するシステム
物流管理システム1,600万~1,700万円程度製品の仕入れや配送、在庫状況などを管理するシステム
人事総務関連600万~700万円程度給与計算や帳票作成、業績管理などの作業をサポートするシステム
グループウェア400万~500万円程度メールやスケジュール管理、予定のリマインドなどが一括化されたシステム

業務システムは、開発規模ならびにシステム同士の組み合わせが幅広く、具体的な費用相場が定まりづらいです。
そのため、同内容のシステムでも、業者から提示される見積もり額に数百万円単位の差が生じることもあります。

スマホアプリ

iOSやAndroidで動作するスマートフォン向けアプリケーションの作成も、システム開発に含まれます。
BtoB向けのアプリもありますが、ほとんどは不特定多数をターゲットとしたBtoC向けでリリースされます。

スマホアプリの種類ごとの開発費用の目安は以下のとおりです。

【種類別】スマホアプリの開発費用の目安と概要

スマホアプリの種類開発費用の目安アプリの概要
ショッピングアプリ200万~300万円程度ショッピングサイトをアプリ化したもの
コミュニティアプリ300万~500万円程度掲示板やチャット機能で、ユーザー同士がコミュニケーションをとるアプリ
ライブ配信アプリ1,000万円~リアルタイムで動画を配信・閲覧するアプリ
位置情報系アプリ300万~500万円程度ウォーキングやランニングに応じて、消費カロリーを計算したり、移動距離を測定したりするアプリ
マッチングアプリ400万~1,500万円程度チャットでコミュニケーションを図り、パートナーを探すアプリ
ゲームアプリ800万円~RPGやパズル、シューティングなど、さまざまなジャンルのゲームをプレイできるアプリ
店舗系アプリ200万円~リピーターの獲得を目的に、飲食店や美容室がスタンプやクーポン配信するアプリ
メディア系アプリ200万円~新聞社や出版社などのメディアが制作したニュースを配信するアプリ
学習アプリ100万~300万円程度漢字や算数、資格試験の対策問題などを勉強できるアプリ

スペックの機能要件が高いライブ配信アプリやマッチングアプリは、開発費用が高く、一方で、設計がシンプルな店舗系アプリなどは、開発コストを抑えられる傾向にあります。

なお、スマホアプリの配信には審査がともなうので、「公序良俗に反している」「セキュリティ性に問題がある」と判断された場合には、審査に落ちてしまいます。
このような場合は、指摘を受けた部分の修正、ならびに再申請の手続きをしなければなりません。

場合によっては、高額の追加費用が発生したり、アプリのリリースに数年かかったりすることも起こりえるので、業者との打ち合わせは入念に実施してください。

基幹システム

基幹システムは、会計業務や受発注管理、販売管理などをサポートするシステムです。
業務システムに含まれることもありますが、こちらはバックオフィス業務のサポートに特化しています。
文字どおり、企業の基幹に関わるものであるため、万が一このシステムが停止してしまうと、会社全体が回らなくなるおそれがあります。

基幹システムの開発費用の目安は以下のとおりです。

【種類別】基幹システムの開発費用の目安と概要

基幹システムの種類開発費用の目安システムの概要
販売管理システム100万~500万円程度受発注や出荷、売上などを管理するシステム
生産管理システム100万~1,000万円程度原価や生産工程、納期などを管理するシステム
人事管理システム100万~500万円程度従業員の勤怠や給与、人事情報などを管理するシステム
財務会計システム100万~500万円程度外部に公開する、伝票や決帳票の情報などを管理するシステム
ERP(基幹管理システム)100万~1,000万円程度財務、人事、販売、生産、在庫を統合的に管理するシステム

システム内容が複雑かつ、複数人が使うケースが多いことから、生産管理システムやERPなどは開発費用が高い傾向にあります。
一方で、従業員向けの情報管理である人事管理や財務会計システムなどは、機能や構成がシンプルかつ、使用者も限られているのでコストを抑えられます。

業務支援システム(顧客管理システム)

顧客情報の管理やプロジェクトの支援など、直接的に顧客に関わるシステムの総称を業務支援システム、もしくは顧客管理システムといいます。
基幹システムが、バックオフィス業務のサポートに特化したシステムであるのに対し、こちらはフロントオフィス業務のサポートがメインです。

業務支援システムの種類ごとの開発費用の目安は以下のとおりです。

【種類別】業務支援システムの開発費用の目安と概要

業務支援システムの種類開発費用の目安システムの概要
顧客管理(MA)200万~400万円程度メール配信や効果分析などのマーケティングを自動化するシステム
顧客管理(SFA)100万~500万円程度営業プロセスや進捗情報を収集し、管理・分析するシステム
顧客管理(CRM)200万~300万円程度顧客データを収集し、管理・分析するシステム

業務支援システムの開発費用の目安は、100万〜500万円程度です。
クラウド型ツールであれば100万円以下での作成も可能ですが、パッケージ化されているため、使える機能には限りがあります。

システム開発の費用の内訳

システム開発にかかる費用相場は把握できたものの、具体的な費用の内訳がどのようになっているのかが気になる方もいらっしゃるでしょう。

開発費用は「人件費」と「諸経費」に分かれており、この2種類の費用の合算が、システム構築の総費用です。
詳細は以下のとおりです。

人件費

システム開発における人件費は、エンジニアやプログラマー、プロジェクトリーダーなど、システムの構築に関わるスタッフに支払われるコストを意味します。
開発費用の内訳の大部分を占めており、その割合は8割ほどです。
当然のことながら、システムの種類が複雑であるほど開発規模は大きく、多くの人員が必要になるため、人件費も高くなります。

システム開発における人件費を算出する方法

人件費は「【人月(にんげつ)】×【人月単価】×【開発にかかる期間】」で算出します。
各項目の詳細は以下のとおりです。

システム開発の人件費算出時の項目

項目名詳細
人月システム開発に必要な1か月あたりの人員数
人月単価人員1人が、1か月間作業した場合に発生する費用の合計額
開発期間システムのリリースまでに必要とされる期間

イメージがつきやすいように、一例を紹介します。
人月単価がそれぞれ50万円のエンジニアとプログラマーが、2人がかりで3か月かけてシステムを開発するとします。
この場合の人月は「2人×2か月」で4人です。
上記の計算式に当てはめると、人件費の総額は以下のように算出できます。

「4(人)×50(万円)×(3か月)=600万円」

なお、技術者の人件費の相場は、職種や経験によって異なります。
各職種の月単価の目安をまとめたので、確認してみてください。

職種別月相場(1人月)
  • プログラマー・下請け(個人) :40〜60万円
  • プログラマー・大手企業 :50〜100万円
  • システムエンジニア・初級 :60〜100万円
  • システムエンジニア・中級 :80〜120万円
  • システムエンジニア・上級: 100〜160万円

上記以外にも、プロジェクトにあたる人数や開発月数によって、人件費は変動しますが、その基準は統一されていません。
会社ごとの人件費には大きな差があるので、希望するシステム開発の内容だけで、構築にかかる正確な金額を算出することは難しいです。
なるべく正確な見積もりを出してもらうためにも、システム構築の目的や種類、希望する機能などを具体的に説明しましょう。

▶予算感について開発会社に相談してみる

諸経費

システムやツールを動かすために必要とされる、設備費やソフト仕様のライセンス料の総称を諸経費といいます。
開発費用の内訳の2~3割程度を占めますが、開発規模がそこまで大きくなく、別途で機材などを揃える必要がない場合には、1割ほどの場合もあるようです。

システム開発の見積書の読み方

システム開発の見積書には、見積もりの金額だけでなく、普段あまり目にしない専門用語が使われています。
記載されている用語を理解しないまま話を進めてしまうと、打ち合わせ時にうまくコミュニケーションがとれなくなることや、高額な追加費用を請求されることも起こりえます。
システムをトラブルなく納品まで進められるように、見積書の読み方は押さえておきたいところです。

システム開発会社ごとに、見積書のフォーマットや項目名は異なりますが、最低でも以下で挙げる項目名ならびに詳細は覚えておきましょう。

システム開発の見積書に記載されている項目名と詳細

見積もりの項目名項目の詳細
要件定義費用システムの機能や技術、納期や工数などを明確にするための費用
進行管理費用納品・納期までに開発を進めるためにかかる費用
設計費用システムの開発概要(基本設計)、もしくはエンジニア向けの開発詳細(詳細設計)の作成にかかる費用
デザイン費用画面構成やレイアウトの工夫、ならびに操作性や視認性の向上にかかる費用
開発費用エンジニアやプログラマーなど、システム開発に関わるメンバーの人件費
テスト費用システムの公開前に、正常に稼働するかどうかをテストするための費用
導入費用システムの初期設定や操作方法などのやり方のレクチャーにかかる費用
運用・保守費用システムの運用やトラブル対応にかかる費用

上記はあくまでも一例ですので、システム開発会社によっては、独自の費用が発生する可能性もあります。
もし、見積書の読み方がわからなかったり、費用の内訳に疑問を感じたりした場合には、ご自身が納得いくまで、担当者に質問してください。

システム開発の費用が変動する要因とは?

ここまで紹介したように、システム開発は費用相場が高額かつ、開発会社ごとの費用の幅が非常に広いです。
開発の途中で「システムを稼働させるために、大規模な仕様変更をしなければならなくなった」といった理由から、数百万円から数千万円単位の追加費用が発生することもあります。

「開発費用が高くなって、予算がなくなった」といったことにならないように、費用が変動する要因を押さえたうえで、最高でもどのくらいのコストがかかるのかを確認しましょう。
システム開発の費用が変動する項目を下記するので、確認してみてください。

項目①システム開発の手法

システム開発の方法は「パッケージ開発(ツール導入)」と「スクラッチ開発」の2種類です。
どちらも、ユーザーの希望に沿ったシステムを構築するという点は共通していますが、開発の性質や、費用感は大きく異なります。

まず、パッケージ開発は、市販されているアプリケーションやソフトウェアを使ってシステムを構築する方法です。
開発費用(購入費)の目安は数十万円で、システム開発会社に依頼すれば、機能を拡張したり、変更したりできます。
ただし、カスタマイズできる領域は限られているので、かゆいところに手が届かないシステムができあがる可能性があります。

一方で、フルスクラッチ開発は、既製品のアプリケーションやソフトウェアを使わず、ゼロからシステムを構築する方法です。
いわば「オーダーメイドのシステム開発」であり、パッケージ開発では実現できない特殊な業務やサービスのシステム化が可能です。
開発期間の目安は半年~1年程度と長く、開発費用も最低でも400万円ほどはかかります。
コストは高くつきますが、自社に最適化されたシステムを使えます。

項目②システムに実装する機能

実装する機能が高度かつ、搭載数が多いほど、システムの開発費用は高くなります。

たとえば、投稿機能や検索機能などを搭載した口コミサイトを構築する場合、シンプルな構築であれば、100万〜200万円程度で開発できるでしょう。
しかし、このサイトをSNSと連携できるようにしたり、有料会員登録機能にともなう決済サービス機能を追加したりする場合には、1,000万円以上の費用がかかる可能性もあります。

費用が高くつくだけでなく、納期が長引く可能性もあるので、搭載する機能は必要最低限に抑えたいところです。

項目③システムの規模

システムの規模が大がかりであるほど、開発費は高くつきます。

たとえば、社内の情報共有ツールを構築する場合、利用者が少数かつ、パッケージ開発で構築するのであれば、数十万円で開発できます。
しかし、同内容のツールでも、利用者が数千人規模になると、トラフィックやセキュリティ対策が必要であるため、数百万円から数千万円単位の費用が必要です。

利用者の人数に対してシステムの規模が小さいと、かえって使い勝手が悪くなってしまいます。
システム開発会社との打ち合わせ時は、従業員の人数や使用環境などを共有したうえで、最適だと思えるシステムの規模、ならびに構築費用を提示してもらいましょう。

システム開発にかかる費用を抑えるポイント

種類や規模によって違いはあれども、システム開発にかかる費用は基本的に高額なので、少しでもコストを抑えたいとお考えの方もいらっしゃるかもしれません。
ここからは、システム開発にかかる費用を少しでも安くするために押さえておきたいポイントを紹介します。

ポイント①搭載する機能を明確する

利用環境に対してシステムの規模が大きかったり、システムに不必要な機能が搭載されていたりすると、開発費は高くなります。
そのため、システム開発のコストを抑えるのであれば「現状で抱えている課題はなにか」「システムを導入することで、どのようなことを成し遂げたいのか」の2点を明確にします。
この課題や目的は「業務の効率をあげたい」「ミスをなくしたい」といった抽象的なものでなく、以下のような具体的なものを設定してください。

システム導入時に設定する課題や目的の一例
  • 毎月5時間かかっている勤怠管理業務を2時間に削減したい
  • 年商1,000万円を超えるECサイトを構築したい
  • ゲームアプリをリリースして、1年間で10万ダウンロードを目指したい

上記で挙げた課題や目的を業者に伝えれば、無駄な機能を排除した、最適な開発費用を提示してもらえるでしょう。

ポイント②システム開発の補助金を利用する

一定の条件を満たした場合、システム開発に補助金を利用できます。
補助金の種類別の概要、ならびに採択される条件や補助額の上限は以下のとおりです。

システム開発に利用できる補助金の種類

補助金の種類採択される条件補助率最大補助額
ものづくり補助金競合優位性に優れるシステムやサービス開発を検討している1/2または2/33,000万円
持続化補助金システムを活用して、販路拡大や事業の売上向上を計画している1/4200万円
IT導入補助金業務の効率化や生産性の向上を目的として、ITツールの導入を検討している1/2以内450万円

上記以外にも、自治体によってはシステム開発に利用できる、独自の補助金制度を設けていることもあります。
開発費用を抑えられる可能性があるので、会社所在地の自治体に問い合わせて確認するのも一案です。

ポイント③オフショア開発やニアショア開発を検討する

システム開発のコストを抑えたいのであれば、「オフショア開発(Offshore development)」や「ニアショア開発(Nearshore development)」も視野に入れたいところです。
あまり一般的な用語ではないので「聞いたことはあるけれども、詳細はわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。

それぞれの特徴を解説します。

オフショア開発

オフショア開発とは、システムの開発や構築などを、人件費が安い海外の開発会社に委託する方法です。
システムの開発費は人件費が占める割合が大きいので、開発費を大幅に削減できます。
なお、これまでの委託先は中国がメインでしたが、ここ近年では、中国国内の人件費が高騰している背景があり、ベトナムやフィリピンなどの、東南アジアの国々が選ばれています。

なお、オフショア開発では、海外のシステム開発会社と話し合いながらプロジェクトを進めなければなりません。
国が違えば言語も異なるので、リアクションに時間がかかったり、円滑なコミュニケーションがとれずに、意図しないシステムが納品されたりすることも起こりえます。

開発費を大幅に抑えられるという側面がある一方で、ミスコミュニケーションが発生する可能性があるという点は覚えておきましょう。

ニアショア開発

日本国内で、人件費や物価が安い地方都市の業者に、システムの開発や構築を依頼する方法をニアショア開発といいます。
オフショア開発ほどではありませんが、ニアショア開発も、開発コストの削減に効果が期待できます。
また、日本語での意思疎通が図れるので、スムーズにやり取りができることはもちろんですが、ミスコミュニケーションも生じにくいです。

ただし、地方都市は人口が少なく、会社の規模も小さい傾向にあるので、システム開発に対応できる人員も限られます。
そのため、人材確保ができずに受注を断られることや、納品まで数年かかることもあります。

首都圏の開発会社と比較するとコストを抑えられることは魅力的ですが、納品までスムーズに進められない可能性がある点には、注意しなければなりません。

ポイント④複数のシステム開発会社を比較する

同内容のシステムの構築を依頼した場合でも、システム開発会社ごとに料金設定や納期は異なります。
業者との契約後に「ほかの業者のほうが、料金が安かった」「納期が遅れて困っている」という思いをしないためにも、複数の業者に問い合わせたうえでの比較検討は必須です。

ただし、システム開発は見積もりをとるだけでも手間がかかるので、1社ずつ問い合わせると、主業務に集中できなくなるおそれがあります。
もし、問い合わせの工数を削減したいのであれば、1回の問い合わせで複数の業者から見積もりがとれる、相見積もりサービスを利用してみてください。
希望するシステム開発の内容や、予算感を提示すると、条件に合った業者から連絡がくるので、問い合わせの時間や工数を削減できます。

システム開発の費用相場を調べる手順

ここからは、システム開発の費用相場の調べ方を、ステップ別に紹介します。
以下の手順に沿って進めてみてください。

ステップ①システムの種類を決める

システムの開発費の相場を調べる際には、まずはシステムの種類を決めます。
顧客情報や営業活動をサポートする業務支援システムにするのか、多くのユーザーが気軽に利用できるスマホアプリをリリースするのかといった、方向性を明確にしてください。

また、基幹システムと業務支援システムを同時に構築したり、スマホアプリと既存のWebシステムを連動させたりする場合には、別途で費用が発生します。
業者との打ち合わせ時は、システム単体で開発した場合だけでなく、ほかのシステムの構築や、既存のツールとの連携を実施した場合の見積もりも出してもらいましょう。

ステップ②システムの開発方法を決める

システムの種類が決まったら、システムの目的に合った開発方法を決めます。
本記事ですでに紹介したように、システム開発の方法はパッケージ開発とスクラッチ開発の2種類に分かれています。

費用の安さや納期を重視するのであればパッケージ開発、コストをかけてでも独自性のあるシステムを導入したいのであればスクラッチ開発を選びましょう。
また、なるべくコストを抑えつつ、自社に合った機能を追加したいのであれば、パッケージ開発を選んだうえで、開発会社にカスタムを依頼するのも一案です。

なお、「パッケージ開発は安いから、使いにくい」「スクラッチ開発は費用がかかるから、こちらのほうが使いやすい」というわけではありません。
システムの運用にあたって必要な機能を洗い出したうえで、そのシステムがパッケージ開発とスクラッチ開発のどちらに向いているのかを明確にしてください。

システム開発の業者を選ぶ際に重視するポイント

システム開発会社の数は多いため、どの業者に依頼すればよいのかがわからずにお悩みの方もいらっしゃるでしょう。
業者選びで失敗しないために、以下で挙げるポイントを押さえてください。

ポイント①希望するシステムと開発会社の得意分野が一致している

Webシステムやスマホアプリなど、システムにはさまざまな種類があり、業者ごとに得意とする開発分野は異なります。
「業務支援システムの開発が得意です!」「スマホアプリの開発実績多数」などの強みや専門性の高さを掲げている業者であれば、品質が高いシステムを構築してくれるでしょう。
それだけでなく、短い期間で納品まで進めてくれたり、適切な費用感で対応してくれたりするなどのメリットも期待できます。

このように、システム開発会社を選ぶ際は、構築を機能するシステム内容と、開発会社が得意とする分野が一致しているかどうかを確認してください。

ポイント②見積もりが明瞭である

システム開発は費用が高額かつ、見積書の作成に時間がかかります。
「とりあえずざっくりとした見積もりを書いておけばよいだろう」という考えから、見積もりの詳細を記載せず「システム開発一式」とアバウトに記載する業者もいます。

このような業者に依頼すると、希望した機能がシステムに搭載されていない、もしくは見積書に記載されていない費用を追加で請求してくるかもしれません。
無用なトラブルを避けるためにも、開発機能ごとの費用が明記されている見積書を提出してもらえる業者を選んでください。

ポイント③納品後もサポートしてくれる

システムの内容や規模、業者の技術力を問わず、システムの運用には不具合がつきものです。
「画面が固まって動かない」「正常に作動せずに、クライアントからクレームが入っている」などのトラブルは発生します。

このような場合、納品後も速やかにサポートしてくれる業者であれば、システムを安全に運用できます。
なお、システムの納品後は、無償でのサポートと有償によるサポートおよび保守契約があるので、事前に確認しておきましょう。

システム構築から納品までの流れ

ここからは、システム構築から納品までの一連の作業工程を紹介します。

ステップ①要件定義

「システムを開発して、なにをしたいのか」という目的と、「どのようなことに困っているのか」という課題を明確にして、実装する機能を具体化するステップが「要件定義」です。

このステップが不十分だと、開発がスタートしてから仕様変更や修正などが発生する可能性があるだけでなく、最悪の場合、開発自体がゼロからやり直しになることも起こりえます。
クライアントの要望をシステムに反映させるための重要なステップなので、双方の認識にズレが生じないように、システム開発会社との打ち合わせは入念に行います。

ステップ②設計

要件定義で、構築するシステムの概要が決定したら、設計のステップに移行します。
システム開発における設計は、大きく「概要設計」「詳細設計」「プログラム設計」の3種類に分かれます。
それぞれの特徴は以下のとおりです。

システム開発における設計の種類と概要

設計の種類詳細
概要設計基本的な設計やUI設計
詳細設計概要設計に基づいた、プログラム内部の構造設計
プログラム設計詳細設計で分割した各プログラムの処理手順を設計

ステップ③プログラミング

システムの設計が一通り完了したら、プログラミングを実施します。
プログラム設計で設定した処理手順を、担当のプログラマーがコーティングします。

ステップ④システムテスト

機能ごとに分割したプログラムを検証する工程を「システムテスト」といいます。
検証は「単体」「結合」「全体」という項目別に実施され、項目ごとに機能や性能などを確認します。

ステップ⑤運用テスト

システムテストが問題なく終われば、クライアントを交えた「運用テスト」に移行します。
実務で問題なく使用できるかどうかを確認してもらうだけでなく、操作感や画面の表示方法なども解説されるため、長時間にわたることが多いです。

このステップで、クライアントが「問題なし」と判断すれば、納品へ向けた最終調整が行われます。

ステップ⑥システム運用・保守

運用テストで問題がなければ、システム運用・保守の工程に移ります。
アクセス集中や、外部からのサーバー攻撃、バグなどの障害が発生した場合に、迅速に原因を究明し、適切な対応をとります。

多くの業者は、このシステム運用・保守の工程を初期費用に含んでいないので、事前にどのくらいの料金が別途で発生するのかを確認してください。

ステップ⑦納品

一連の作業工程が完了したら、いよいよ納品です。
依頼していたシステムと相違ないか、動作不良を起こさないかなどを、入念にチェックしましょう。

もし、システムの操作方法や画面表示がわからない場合や、動作不良を起こした場合には、すぐに業者に連絡して指示を仰いてください。

システム開発にかかる費用相場は数十万から数千万円と幅広い

本記事では、システム別の開発費用の相場や費用の内訳などを紹介しました。

ひと口にシステム開発といっても、比較的開発コストが抑えられるWebシステムや、大規模かつコストが高い傾向にある業務システムなど、その種類はさまざまです。
開発費用の相場は数十万から数千万円と非常に幅広く、搭載機能やシステム開発会社の料金設定によってもコストは異なります。
そのため、事前に複数の業者に相見積もりをとったうえでの、比較検討をおすすめします。

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この記事を書いた人

編集部員 岡本

編集部の岡本です。以前はWEBディレクターとして中小企業のホームページ制作のディレクション等をしておりました。ユーザー様の声をきちんとコンテンツの内容や方向性に反映して、より良いメディアに出来るように日々精進してまいります。

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