datacenterDSC00209 TP V4 - ITシステムに必要不可欠なDBMS(データベース)の固有機能

ITシステムに必要不可欠なDBMS(データベース)の固有機能

公開日:2021.05.19 最終更新日:2023.11.14

この記事では、システム開発に深く関わるDBMS(データベース)の固有機能を解説します。
システムのデータベース管理にお悩み事業者様は、ぜひ参考にしてみてください。

システムにおけるDBMSとは

DBMSとは、データベースに格納しているデータの整理・検索・更新・共有などをおこなうソフトウェアのことです。

データベースでは膨大なデータを管理しており、手動で適切に管理するのは非常に難しいです。
DBMSは、ユーザーがおこなうデータベースの操作を代行してくれるので、DBMSを使用すればデータ管理を簡単におこなうことができます。

DBMSは主にSQLで命令が行われるため、スキルを習得しておくと活用がしやすくなるでしょう。

DBMSの種類

現在、コンピューターのシステムに使用されているデータ管理方法の中で、DBMSシェア1位を占めています。

そのため、現在民製品のコンピューターのOSとして主流であるアイコン型OSにWindowsやMacOSなどが分岐したように、DBMSにも多くの種類があります。

現在用いられる機会の多いDBMSの種類について解説します。

リレーショナル型データベース

リレーショナル型データベースとは、データを表に記載することで、それぞれのデータを関連(リレーション)付けて、管理を行うデータベースのことです。

Excelの表にデータを記入して、情報をまとめる様子をイメージするとわかりやすいかもしれません。

例えば、顧客情報でリレーショナル型データベースを用いた場合は、顧客に割り振った「ID」に表上で「住所」「職業」「嗜好」などの項目を記入して関連するデータで紐づけることができます。

リレーショナルデータベースのDBMSにリレーショナルの頭文字「R」を付けて「RDBMS」と略称されることも多いです。

DBMSと言えば、RDBMSを指すこともあるほどに、RDBMSが浸透しています。

デメリットとしては、プログラムが長く、他のDBMSと比較してデータの呼び出しに時間が掛かる点があげられます。

RDBMSは以下の特徴があります。

  1. データベース言語(SQL)
    全てのリレーショナル型データベースは、データベース言語(SQL)の使用が標準化機構(ISO)や日本工業規格(JIS)で規格化されているため、データベースを他社の製品に乗り換える際、リレーショナル型であればスムーズに移行できます。
  2. テーブル
    リレーショナルデータベースで使用する表をテーブルと言います。テーブスは『フィールド(列)』と『レコード(行)』によって構成されています。
    フィールド(列)にはテーブルの内容(例:顧客情報・社員情報)について関連する情報を記入します。
    「社員情報」をデータベース化するテーブルであれば、「役職」や「契約件数」、「売り上げ」など、当該の社員に関することをフィールド(列)で記入するといった具合です。
    ただし、フィールドの一番上には「役職」や「契約件数」など、記入する内容についての属性を記入しないと、何についての情報か判断できなくなってしまうので注意が必要です。
    また、縦の一覧をレコード(行)といいます。
    他にも、データを管理する上で重要な要素にプライマリキーがあります。
    プライマリキーとは、別のテーブルと情報を紐つける際に必要とされるデータです。
    テーブルのテーマにあたる「社員氏名」や「顧客氏名」に番号を割り振ります。
    具体的には、「佐藤太郎」はプライマリキー「No1」、田中一郎は「No2」のような形式です。
    なぜ「氏名」や「レコード」の行番号をではなく、プライマリキーを使用するのかというと、同姓同名の場合による混乱や、情報を削除した時の行番号のズレを帽子するためです。
    また、他のテーブルと情報を関連付けるIDに外部キーがあります。
    通し番号を記載すれば、別のテーブルでもジャンルの区分けが可能なのが、リレーション型データベースのメリットです。

RDBMSの製品

RDBMSに対応の代表的な商品は以下の通りです。

  • Oracle Database -オラクル
  • Microsoft SQL Server -マイクロソフト
  • DB2 -IBM
  • Infomix -IBM
  • Sybase Adaptive Server -Sybase
  • Symfoware Server -富士通
  • HiRDB -日立

ツリー型データベース

ツリー型データベースとは、DBMSの中で最も古いシステムであり、正式名称としては、階層型データベースとも呼ばれます。
ツリー型データベースの特徴はディレクトリ構造(windowsのフォルダに用いられる玉手箱構造)になっており、親データの中に子データが複数格納されている点です。

また、親データの中に子データが複数格納されている様子が、木の枝分かれのように見えるため、ツリー型(木型)データベースや、向きを逆に見立てたピラミッド型データベースなどと呼称されます。

ツリー型データベースのメリットとしては、親データから対象のデータが直結しているため、他のデータベースと比較してデータを取り出すスピードが速い点が挙げられます。

一方デメリットとして、データの保存に関する自由度が低い点が挙げられます。

自由度の少ないことに関する弊害としては、特定の親データから子データを移す場合は、同じデータが重複してしまい容量を逼迫する点や、複数の子データに格納されているデータに変更を加える場合、全ての子データに跨って書き換える必要がある点があげられます。

ネットワーク型データベース

ネットワーク型データベースは、データが複数の親子関係を持てることで、データを並立して管理するデータベースとなります。
イメージとしては、WindowsやMaOSのフォルダに本データとは別に、多数のショートカットが点在している様子が近いです。

ネットワーク型データベースの具体例として、インターネット上の相互アクセスがあります。

メリットとしては、ツリー型データベースのように、何層ものデータを辿らなくても、直接欲しいデータに移行できることです。

デメリットは、データの関係が複雑になるため、データの管理が困難なことや、システムの構築に高い技能が求められることです。

分散型データベース

別のオフィスや工場に設置されたサーバーに保存された複数のデータベースを一括で統括するタイプを分散型データベースと呼びます。

分散型データベースのメリットとしては、一つのデータベースの障害が発生しても、他のデータベースで補える点です。

他にも、一つのサーバーにアクセスが集中しないため、サーバーダウンを防止しやすくなります。

一方デメリットとしては、新しい情報を入力した際に全てのデータベースが更新されるまで、少しラグが発生する点です。

オブジェクト指向型データベース

オブジェクト指向型データベースとは、オブジェクト(データのこと)にIDを割り振ることで、関連する情報を紐づけるデータベース方式です。

ODBと略されます。

リレーショナル型データベースとの違いは、表(テーブル)の有無になります。

そのため、オブジェクト指向型データベースは表に記載できない情報である、音声、画像、動画、CADデータなどの複雑なデータの紐付けに使用されることが多いです。

また、リレーショナルデータベースとオブジェクト指向型データベースを組み合わせたオブジェクト・リレーショナル・データベースの開発も行われています。

XMLデータベース

XMLと呼ばれるコード形式のデータを扱うためのデータベースです。
玉手箱方式にデータが格納される点は、ツリー型データベースに類似していますが、ファイルマネージャーやExcelの様に、視覚情報ではなく、コーディング(プログラム)の様にデータを記述する方式なので、ITの知識が無い人にとっては解読が難しいでしょう。

一方、ITの知識を持つ人であれば、XMLであればコードの情報だけで中身を理解することができます。

また、データベースの構造をコードの記述によって変更できるので、最も自由度の高いデータベースであるとも言えます。

DBMSが必要な理由

DBMSが登場する前は、複数のプログラム内で同じデータが必要な場合、それぞれのプログラム内に同じデータを格納していました。
そのため、複数の同じデータを保存しておくことはサーバーの容量を逼迫する他に、格納されている同じデータを全て更新する必要があるなど、大きな労力の掛かるデータ管理方式でした。

このような課題から、効率的なデータベース管理方式を求める業界の声により誕生したDBMSです。

とはいえ、21世紀初頭のIT革命以降に発生したビックデータによりDBMSに求められる役割は、「データ容量の圧縮」から「データの管理」に比重が変わりました。

実際、等比較級的に増加しているビックデータを人力で管理するには、甚大な人的リソースが必要になります。

コア業務にリソースを投入するためにも、最新のDBMSの構築が必須です。

DBMSの主な3つの機能

DBMSは、アプリケーションとデータベース間の橋渡しをおこなう役割を担っています。
そのため、データベースを活用する上で、DBMSの機能を把握しておくことが大切です。

機能①定義機能

DBMSにおける定義機能とは、データ定義言語であるDDLと呼ばれる言語で、スキーマを定義することです。
スキーマとは、データベースを構築する設計図のようなものでありデータベースを利用する事前準備を指します。

データベースの構築に深く関わるため、DBMSの基本的な機能ともいえます。

機能②操作機能

DMMSの操作機能とは、データベースの更新や検索などをおこなう機能のことです。
データ操作言語であるDMLを使用し、ユーザーが日々データの検索・登録・更新・削除をおこないます。

操作機能の使用により、ユーザーはシステム内のデータの更新や削除、データの検索結果の表示など、円滑なデータ管理を行うことができます。

機能③制御機能

DBMSの機能の1つである制御機能とは、データベースへのアクセス制御をおこなう機能のことです。

データ制御言語であるDCLを使用し、指定の方法によりアクセス制御をおこない、制御の継続もできます。
ユーザーごとの認証や確認、アクセス許可の可否おこなう「データ機密保護」も制御機能に含まれています。

主な制御内容として以下の2点があります。

主な制御内容
  • 排他制御
  • 障害回復

排他制御

排他制御とは、あるユーザーがデータを更新する際、そのデータをロックし他のユーザーが読み書きできないようにする機能のことです。
これにより、同じデータを同タイミングで更新することを防ぐことができます。

同タイミングで複数のユーザーが更新作業をおこなうとエラーになってしまうため、排他制御をおこなう必要があります。

障害回復

障害回復とは、システムやプログラムの障害を自動で復旧させる機能のことです。

データベースに障害が起きても、事前に取っておいたバックアップを適用すれば、バックアップ以後に操作していた内容を再現できます。

DBMSとExcelの違い

データベースにエクセルを使用している会社も多く、DBMS(特にRDBMS)との違いや、メリットがハッキリしていない人も多いかもしれません。

Excel

結論から述べると、エクセルをDBMSのように、データベース管理に使用することは可能です。

Excelをデータ管理に使用するメリットとしては、操作が簡単であり、不明点があっても調べやすい点があげられます。

DBMSはITに関する専門的な知識がないと、構造や保存形式を整えることも困難です。

一方、Excelのデメリットとしては、保存されているデータが多いと動作が重くなってしまい、長い入力時間が掛かったり、起動できなくなったりしてしまいます。

他にも、Excelでは同時作業ができないため、大人数が使用するデータの場合は他の人の操作を持つ必要があり非効率です。

DBMS

DBMSのメリットとしては、データ管理に特化したシステムのため、保存したデータ量が増えても、動作が遅くならない点が挙げられます。

またDBMSは、データの保存方法について、自由度が高く保存する内容によって変化可能な点が重要です。

しかしデメリットとして、DBMSはプログラミングやサーバーに関するスキルなど、ITに関する専門的な知識がないと、構造や保存形式を整えることも困難です。

また、DBMSの方がコストが高い点も欠点と言えます。

DBMSはデータベースの管理・制御を自動化できるソフトウェア

以上、DBMSの固有機能を解説しました。

ITシステムにおいて、DBMSによるデータベースの管理は必要不可欠といえます。
各機能を理解し運用することで、システム全体の活用に役立てることができるでしょう。

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この記事を書いた人

編集部員 濵岸

編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!

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