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業務システムとは? 導入するメリット・デメリットを解説

公開日:2023.11.16 最終更新日:2023.11.16

「業務システムってなに?」
「導入するメリットはあるの?」
「導入するにはどんな方法があるの?」
このような疑問を抱えている人は多いのではないでしょうか。
業務システムを導入することで、ミスを減らしたり業務の効率化を進めたりして、生産性を上げられるというメリットがあります。
しかし、デメリットの存在も忘れてはいけません。
ここからは、業務システムを導入するメリットやデメリットについて紹介します。
システム導入時のポイントについても紹介しているので、ぜひ最後までご覧ください。

業務システムとは

業務システムとは、特定の業務に使用するシステムのことです。
そのため、業務システムにはさまざまな種類があります。
ここからは、業務システムの種類とほかのシステムとの違いについて解説していきましょう。

  • 業務システムの種類
  • ほかのシステムとの違い

基本的な知識となるので理解しておきましょう。

業務システムの種類

業務システムには以下のような種類があり、それぞれ役割が異なります。

勤怠管理社員の勤怠を管理するシステム。

一人ひとりの出勤時間や退勤時間、有給の取得状況などをデータ管理する。

顧客管理顧客情報を一括管理するシステム。

顧客名や住所、メールアドレスといった基本情報から購入した製品情報も管理する。

営業管理営業を行った顧客の情報を管理するシステム。

商談前の顧客とのやり取りや、基本情報を管理する。

販売管理商品やサービスの販売履歴を管理するシステム。

その商品を販売した顧客情報や販売額、料金の支払い日を管理します。

生産管理商品の生産状況を管理するシステム。

商品やサービスの原価や製造コスト、納期などを管理します。

会計管理企業の会計情報を管理するシステム。

仕訳データを入力することで、様々な帳票を自動で作成してくれます。

人事管理社員のあらゆるデータを管理するシステム。

個人情報や給与など社員にかかわるすべての情報を管理します。

勤怠管理を導入することによって、残業時間や有給の取得状況といった労働状況の管理がしやすくなります。
その結果、フレックス制やリモートワークといった働き方を導入するときにも柔軟に対応できるでしょう。
ほかにも、労務や経理、会計などの業務効率化が可能です。

顧客管理システムを導入することで、購入した製品やサービスの時期や顧客とのやり取りが管理できます。
購入後のクレームやサポート状況が確認できるため、顧客とのコミュニケーションが円滑に行えるでしょう。
その結果、対象の商品を購入した顧客にメルマガ配信を行うとき、一括でメール配信を行えるため、業務を効率化できます。

営業管理システムを導入することで、顧客リストや訪問スケジュールの一元管理が可能です。
その結果、営業メンバーと管理者の連携が取りやすくなります。

販売管理の導入で、商品の注文から出荷、請求までの管理が可能です。
そのため、正確な在庫管理や生産計画を立てやすくなるでしょう。

生産管理は生産量の進捗を把握できるため、製造業で導入されることが多い管理システムです。
具体的には、納期の遅延を防止したり作り過ぎによる欠品を減らしたりといった調整ができます。

会計管理は、仕訳データを一括で入力できるだけでなく、売上伝票や仕入伝票、入金伝票といった帳票類を自動的に作成してくれるシステムです。
そのため、データの正確性が増したり、業務効率があがったりします。

人事管理システムは、人事部が利用するシステムで、社員の個人情報や給与、年金情報などを一元管理するシステムです。
組織編成や人材育成時に役に立ちます。

ほかのシステムとの違い

業務システム以外にも、以下のようなシステムがあります。

システム名内容
基幹システム別名「基幹業務システム」

企業を続けていくために必要不可欠なシステム

会計システム、生産管理システム、販売管理システム、人事管理システムなど
情報系システム社内外のコミュニケーションに使用されるシステムチャットツール、会議ツール、グループウェア、メールアプリなど
ERP基幹システムや情報系システムを統合したもの 

基幹システムは企業の経済活動に直接かかわるシステムのことです。
そのため、基幹システムが故障すると業務がストップしてしまい大きな損害を受けるでしょう。
製造業であれば生産管理システムが基幹システムに該当します。

情報系システムは、チャットツールや社内SNS、会議システムといった情報共有のためのシステムです。
業務を円滑に行うために利用されます。
これらのシステムは、業務システムという大きなくくりのなかに分類されるシステムです。
たとえば、車と普通車、軽自動車の関係を想像するとわかりやすいでしょう。
普通車や軽自動車は両方とも車のため、車という大きな分類に含まれます。
しかし、細かいくくりで見ると異なるところが、業務システムと基幹システム、情報システムと同じ関係性を示しています。
さらに、ERPは基幹システム情報システムの情報を一元管理できるようにしたもので、2つのシステムの橋渡し的な存在です。

業務システムを導入するメリット

ここからは、業務システムを導入するメリットを紹介します。

  • 業務が効率化する
  • スペースやコストの節約になる
  • 人的ミスを削減できる

細かく見ていきましょう。

メリット①業務が効率化する

業務システムを活用することで、業務効率を上げることができます。
たとえば、人事管理システムでは社員の給料や昇格情報をまとめて管理できるため、昇格による給料アップの計算も自動で行ってくれます。
手作業で計算するよりも素早く計算してくれるため、業務効率が格段にアップするでしょう。

メリット②スペースやコストの節約になる

顧客情報や勤怠情報など過去のデータを紙媒体で保存しようとすれば、保管する場所やファイル、箱や棚が必要になります。
しかし、サーバに保存すれば、保管するスペースやファイルや箱といった雑費、管理にかかるコストの削減が可能です。
また、クラウド保存できる業務システムを利用すれば、社内サーバの設置も不要になるため、さらなるコスト削減につながるでしょう。

メリット③人的ミスを削減できる

業務システムのなかに入力制限を設けることで、ヒューマンエラーを削減できます。
たとえば、商品金額の桁数や顧客名を間違えていた場合、担当者が気付かないと誤った情報のまま取引がはじまる可能性があります。
しかし、業務システムに入力制限を設けることで、あり得ない金額の入力を防げたり、正確な顧客情報の入力をしたりといったことが可能です。
販売金額を自動で算出してくれるシステムでは、計算ミスも防げるでしょう。

業務システムを導入するデメリット

次に、業務システムを導入するデメリットについて紹介します。

  • システムの導入に労力がかかる
  • システム障害のリスクがある
  • 使いこなせなければ意味がない

メリットだけでなく、デメリットも把握しておきましょう。

デメリット①システムの導入に労力がかかる

業蒸システムの導入には、開発会社を選定したり企業内で開発部署を立ち上げたり労力がかかります。
さらに、導入後のメンテナンスや問い合わせ対応、故障したときの修復も必要です。
企業が大きければ大きいほどこの労力は大きくなります。
しかし、導入後の働きやすさを考えると必要な労力といえるでしょう。
そのため、導入するのであれば早めの導入をおすすめします。

デメリット②システム障害のリスクがある

業務システムに障害が起きてしまうと、業務が止まってしまう可能性があります。
特に基幹システムが止まってしまうと大きな損失につながる可能性も大きいでしょう。
しかし、業務システムには故障やバグはつきものです。
開発時にどんなに品質のいい状態でシステムを構築しても故障は起こると考えておきましょう。
そのため、故障が起きても迅速に対応できるような環境づくりが必要です。

デメリット③使いこなせなければ意味がない

業務システムは、業務の効率化に役立ちますが、システムの機能を使いこなせなければいみがありません。
そのため、わかりやすい操作方法か、立ち上げるのに時間がかからないかが重要なポイントです。
もし、システムを利用するのに専門知識を有するのであれば、マニュアルを配布したり研修を行うなどして使い方を周知させましょう。

業務システムを導入する方法

ここからは、業務システムを導入する方法について紹介します。

  • 自社で開発する
  • 既製品を購入する

導入には大きく分けて2種類あるため、それぞれ見ていきましょう。

自社で開発する

自社で業務システムを開発する場合、業務の内容や社内独自のルールに合わせてシステムの構築が可能です。
そのため、自由度の高い設計を行えるでしょう。
さらに、運用や保守対応も自社で行えるため、コストの削減につながります。
しかし、システム開発の知識を有する社員がいない場合や、リソースの確保が困難な場合は「フレームワーク」の利用がおすすめです。
フレームワークであれば、開発に必要な枠組みが設定されているため、はじめから設計するより簡単に設計できます。
しかし、カスタマイズ性が落ちるため、基幹システムには向かないでしょう。

既製品を購入する

既製品を購入することで、短時間で業務システムの導入が可能になります。
さらに、労力もほとんどかからないため、リソースが確保できない企業やシステム開発の知識がない企業におすすめです。
既製品にも2種類あるため、それぞれの特徴を紹介します。

  • オンプレミス型
  • クラウド型

それぞれ細かく紹介していきます。

オンプレミス型

オンプレミス型は、パッケージ化された製品を購入する方法です。
そのため、パッケージ型とも言われており、システムを一式購入できるため、短期間で導入できます。
費用はやや高めに設定されていますが、内容を使いやすいようにカスタマイズできるものが多く、使い勝手がいい製品です。
会計管理や勤怠管理、給与計算といった標準的な業務に適しています。
しかし、社内にハードウェアやソフトウェアを置く必要があるため、追加費用が発生することも念頭に置いておきましょう。

クラウド型

クラウド型は、サブスクリプションのようにネット上のサービスを利用する方法です。
購入ではなく、利用者数に応じた月額料金を支払います。
ランニングコストがかかるように感じますが、ハードウェアやソフトウェアを置く必要がないため、初期費用を抑えられるでしょう。
しかし、利用情報はクラウド上に保存されるため、セキュリティ対策が欠かせません。
さらに、システムのカスタマイズも行えないため、システムに合わせて業務を変える必要があります。

業務システムに使われる言語

業務システムには、以下の開発言語が利用されます。

言語名特徴
C言語実行速度が早く、汎用性の高いバランスのいい言語
C++C言語の設計を踏襲して開発された言語
C#生産性が高く書きやすい言語
Java大規模なシステム開発におすすめな言語
COBOL事務処理用のシステム開発のために開発された言語
Pythonライブラリが豊富で組み合わせによって可能性が広がる言語
RubyアプリケーションサイトやECサイト開発におすすめの言語

業務システムの開発には、これらのプログラミング言語の知識があるシステムエンジニアが必要です。
設計内容によって必要な知識も変わってくるため、満遍なく知識があると安心でしょう。

業務システムを導入する際のポイント

最後に、業務システムを導入する際のポイントについて紹介します。

  • 業務フローを洗い出す
  • 現場のニーズに合ったものを選ぶ
  • 予算と費用対効果を考える
  • メンテナンスにもコストがかかる

導入前に確認してみてください。

ポイント①業務フローを洗い出す

最も大切なポイントは、導入前に業務フローの洗い出しを行うことです。
業務システムは、業務の効率化のために導入するため、業務内容に合ったものを導入する必要があります。
そのため、導入前に現場へのヒアリングやアンケートを行い、現場の声を聞いておきましょう。
もし、業務フローに漏れがある状態でシステムを導入してしまうとシステムが機能しない可能性があります。
そうすると、満足いく効果が得られず、システムの導入が失敗に終わってしまうでしょう。

ポイント②現場のニーズに合ったものを選ぶ

業務システムを実際に利用する現場にヒアリングを行い、ニーズに合ったものを導入しましょう。
そのため、導入費用で選ぶのはおすすめできません。
費用を抑えたいからといって既存のシステムより使いにくいものや機能が少なすぎるものは課題を満足に解消できない可能性があります。
そのため、実際にシステムを選定するときに、現場の方々からも意見を貰うとニーズに合ったものを選定しやすいでしょう。

ポイント③予算と費用対効果を考える

業務システムを導入する前に、予算と費用対効果を考えておきましょう。
予算を決めずに導入してしまうと経営を圧迫してしまうかもしれません。
しかし、費用ばかり気にして選定してしまうと、満足できるシステムを導入できない可能性があります。
そのため、費用対効果も視野に入れての選定がおすすめです。
費用に見合った効果が得られれば、多少費用が高くてもシステムを導入した意味があると考えていいでしょう。

ポイント④メンテナンスにもコストがかかる

メンテナンスコストの存在も視野に入れましょう。
業務システムは導入した後もアップデートや不具合によるメンテナンスが必要です。
しかし、メンテナンスにかかるコストは、導入方法によって以下のように異なります。

自社型自社社員が対応するため0円
オンプレミス型自社対応の場合は0円

外注の場合は年間初期費用の15%の費用がかかる

クラウド型年間初期費用の15%の費用がかかる

クラウド型は、システム利用料のなかにメンテナンス費がかかる可能性があります。
そのため、契約前に確認しましょう。

業務システムは費用対効果が高いシステムを選ぼう

業務システムを導入するメリットやデメリットについて紹介しました。
業務改善の効果が高いシステム導入ですが、費用対効果が低いシステムを導入してしまうと満足のいく結果を得られなくなってしまいます。
そのため、現場のニーズを洗い出し、費用対効果が高いシステムを導入する必要があります。
そうすることで、満足のいくシステムを導入できるでしょう。

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この記事を書いた人

編集部員 濵岸

編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!

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