CI/CDとは?必要なツールや実施フローを紹介
公開日:2023.11.16 最終更新日:2023.11.16
「CI/CDってなに?」「CI/CDはなにができる?」とこのように悩んでいませんか?
CI/CDとは、ソフトウェアを開発する際に作業→テスト→販売までの一連の過程を自動化する手法です。自動化することで、変更や不具合を早期発見し柔軟に対応してくれます。
実際に、CI/CDはどのような流れで利用されているのかご存知ない方もいるでしょう。
そこで本記事では、CI/CDについて解説していきます。また、DevOpsやアジャイル型開発との関係性や、CI/CDを利用する際の必要なツールも紹介します。ぜひ参考にしてみてください。
CI/CDとは
CI/CDは、Continuous Integration(継続的インテグレーション)とContinuous Delivery(継続的デリバリー)の2つの言葉を略したものです。
ソフトウェア開発をする際、作業→テスト→販売との流れを効率よく自動化した手法です。システムやアプリケーションの不具合や変更を自動化することで、すばやく改善し更新しつづけ対応します。
さっそくCIとCDをそれぞれ解説します。
CI(継続的インテグレーション)
CIは、ソフトウェア開発の過程の一部であり、開発者が作成したコードを定期的に管理する手法です。
CIの過程では、新たに追加されたコードが既存のコードと問題なく機能するかを確認するために、自動的にビルドしテストを行います。そのため、大きな問題を早期発見し小さな問題へと防ぐことが可能です。
自動化にすることで開発者に通知され、一連の過程を確認でき正確かつ迅速に取り組めます。
CIは、全体の過程を効率化しソフトウェアの品質を維持できるのです。
CD(継続的デリバリー)
CD(継続的デリバリー)は、CIでつなぎ合わせたコードをユーザーに問題なく提供するために行うことです。
CIではビルドやテストの流れを効率化し問題解決を迅速に行っていますが、さらにCDで機能の監視や補填などの高度なテストを行います。
CDが正常に機能することで、ソフトウェアが安全な状態で利用できる手法です。
CD(継続的デプロイメント)
CD(継続的デプロイメント)は、CD(継続的デリバリー)の自動化よりも拡張したものです。
CI(継続的インテグレーション)やCD(継続的デリバリー)は、問題が検知されれば開発者に通知される仕組みです。
しかしCD(継続的デプロイメント)では、CIの一連の過程からCD(継続デリバリー)の過程までを完全自動的にテストを行います。
CD(継続的デプロイメント)はより厳密なテストに合格すると、ものの数分でユーザーに提供できる手法です。
CI/CDの重要性
CI/CDは、ソフトウェアの新規作成や途中の変更、削除など柔軟な対応ができます。
従来ソフトウェア開発は、ウォーターフォール手法を取り込んでいました。
ウォーターフォール手法とは、要件定義→設計→テストの過程を上から下へと一方向に順番に作業する手法です。
そのため、一貫して過程の進歩が明確に把握できていました。
しかし、問題が発生すると問題発生場所を特定するまでに時間がかかり、変更対応に時間をかけていたのです。
CI/CDを利用することで、ユーザーに提供したあとも継続的に不具合の改善を自動化し、迅速な対応が可能です。
DevOpsとの関係
DevOps(デブオプス)とは、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた言葉です。
すなわちDevOpsとCI/CDは、アプリケーションやシステム運用の過程を改善し、成功させる密接な関係性にあります。
Developmentの開発チームとOperations運用チームがコミュニケーションをとり合い、ソフトウェアを迅速かつ効率的にユーザーのもとへ提供することが目的です。
CI/CDは、ソフトウェアの開発の過程からユーザーに提供するまでを自動化する手法です。
これらの2つは、お互いに足りていないところや弱いところを補い強化させています。
そのため、DevOpsとCI/CDはソフトウェア開発と運用に対して、必要不可欠な関係性です。
アジャイル型開発との関係
ソフトウェアの開発の効率性と高品質さにかかせない関係です。
アジャイル型開発を導入することで、2つのメリットがあります。
- 変更や追加の受け入れがしやすい
- 不具合や機能確認を早期発見できる
ソフトウェアの過程を細かく区切ることで、開発→テスト→提供までのサイクルを繰り返し、完成度を高めていきます。
しかし、規模が大きくなると全体の過程や進捗状況のスケジュール管理がしづらくなるのです。また、開発のスピードを重視してしまうと品質低下になる恐れがあります。
CI/CDを活用することで、人手を使わず継続的に変更や追加が柔軟に対応でき、一定に高品質なソフトウェアが保たれます。
アジャイル型開発にとってCI/CDは必要な存在です。
CI/CDのメリット
CI/CDの最大のメリットは、ソフトウェアの一連の過程を自動化することで開発スピードが向上することです。
そのため、人的ミスを防ぐことができ、安定したソフトウェアが提供できます。
さっそくCI/CDのメリットを3つ紹介します。
メリット①開発スピードの向上
CI/CDを導入することで、ソフトウェアの開発スピードの向上につながります。
ビルド→テスト→提供の過程を自動化すると、人の手で不具合を修正する時間が短縮され、過程スピードの加速へとつながります。
また、小さな失敗から成功を何度も繰り返すことで知識が蓄えられ、設計変更や不具合をすばやく発見し柔軟に対応可能です。
そのため、市場に出回るスピードも格段にあがるでしょう。
メリット②生産性と品質の向上
CI/CDは、不具合の見落としを防ぎ生産性と品質の向上が期待できます。
なぜなら自動化にすることで人手と時間が余り、仕様変更や機能の追加提案など迅速に対応ができるからです。
そのため、ソフトウェア開発の作業効率が高まり、よりいい品質を生み出すことができます。
メリット③変更やバク修正の高速化
CI/CDは高速で変更やバグの修正をおこなってくれます。
例えば、ウォーターフォール手法で開発したソフトウェアから不具合が見つかったとしましょう。修正や変更をするとビルド→テスト→提供と一連の流れを再び行わなければなりません。
そして、アジャイル型開発になるとテストの回数が多いため、バグの発生率が高まります。
このような発生を防止するために、CI/CDの自動化を導入することで早い段階から不具合を発見し修正を行います。変更にも迅速に対応が可能です。
CI/CDに必要なツール
CI/CDを導入する際、一連の過程をスムーズにおこなうためにいくつかのCI/CDツールが存在します。そこで、CI/CDに必要なツールを5つ紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
ツール①コードリポジトリ・成果物リポジトリ
コードリポジトリや成果物リポジトリは、ソフトウェアで作成したコードや成果物の管理を指します。
おもに、Git(ギット)やMercurial(マーキュリアル) などの分散型管理システムがあります。コードを確認したりコードを容易に変更できたりと、安心して更新作業が可能です。
ツール②CIツール
自動的にテストを行ってくれるのがCIツールです。
コードに変更があった場合、ビルドやテストを最新バージョンのコードで行い、ほかのツールを連携し指示を与えてくれます。おもに、Jenkins(ジェンキンス)やCircieCI(サークルシーアイ)が広く使われています。
ツール③構成管理ツール
構成管理ツールは、一から基盤を構築する際や構築変更時の動作確認に用いられ、自動的に管理してくれるツールです。
おもにAnsibleやAWS CloudFormationなどのIaC(アイエーシー)ツールを用います。
ツール④ビルド ツール
ビルドツールは、ビルドで必要な処理を自動的に行います。
ビルドとは、コードに問題がないかを確認したうえで機械語に訳し、市場で動作できるようにソフトウェアを構築することです。
おもに、MavenやAWS CodeBuildが使われています。
ツール⑤テストツール
テストツールは、負荷テストや動作テストなどの確認を自動的に行い品質をチェックします。対応するアプリケーションによってさまざまな種類のテストツールがあります。
例えば、WebアプリケーションやモバイルアプリケーションではSelenium(セレニウム)。アプリケーションのみであれば、Jenkinsも利用可能です。
CI/CDの実施フロー まとめ
今回は、CI/CDについて解説しました。
作業からテスト、展開までを行うためには、自動的にテストし改善してくれるCI/CDがかかせません。とくに短期間で展開し高い性能のソフトウェアを開発するアジャイル型開発には必要不可欠な存在です。
自動的にソフトウェアの変更や修正を迅速に見つけ対応してくれるため、開発スピードの向上や品質向上が期待できます。今後も高品質で、生産性を高めるためにCI/CDは重要な手法となっていくでしょう。
システム開発に悩んだ際にはEMEAO!へのご相談を一度ご検討ください。
この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!