システム開発コンサルとは?費用の相場やおすすめの業者5選を紹介
公開日:2024.08.29 最終更新日:2024.08.29
自社に最適なシステムを構築するためには、専門的な知識と経験をもつシステム開発コンサルのサポートが欠かせません。
しかし、システム開発コンサルとはどのような役割を果たすのか、依頼する際の費用について不安を感じている方も多いでしょう。
本記事ではシステム開発コンサルの役割や、依頼する際のメリットを解説します。また、コンサル費用の相場や、会社選びのコツについても紹介します。自社に最適なシステムを導入したい方は、参考にしてください。
システム開発コンサルとは?
お客様の要望に応じたシステム設計を行う専門家を指します。経営課題などをヒアリングしたうえで、システムの提案から開発までサポートを受けられるのが特徴です。
ここでは、下記の2点について解説します。
- システム開発コンサルの役割
- ITコンサル・SEとの違い
参考にしてみてください。
システム開発コンサルの役割
企業の経営戦略や課題解決を目的として、システムを提案から開発までサポートする役割を担っています。
おもな仕事内容は、下記のとおりです。
- 経営課題をヒアリングし、最適なシステム構築を提案
- IT戦略を策定
- システム企画を立案
- 仕様書・設計書などの作成
- システム導入にあたっての社内研修
金融や製造、通信などさまざまな業界・分野で活躍しており、ITリテラシーの低い中小企業には、システム開発コンサルのアドバイスが重要です。
専門知識のあるコンサルから客観的な分析と提案を受けることで、無駄なシステムへの投資を避け、生産性向上につなげられます。
ITコンサル・SE(システムエンジニア)との違い
それぞれの役割には明確な違いがあります。
業種 | 特徴 |
システム開発コンサル |
|
ITコンサル |
|
SE |
|
企業の課題解決のためにシステムの設計まで行いたいなら「システム開発コンサル」、IT全般に特化したサポートを希望するなら「ITコンサル」など、目的に合わせて依頼先を選ぶことが大切です。
システム開発コンサルに依頼するメリット
依頼する際のメリットは、下記のとおりです。
- 自社の問題を客観的に把握できる
- 自社に適切なシステムを構築できる
- コスト削減につながる
- 相談からシステム導入支援までサポートしてもらえる
詳しく解説します。
自社の問題を客観的に把握できる
自社の従業員がITに詳しくない場合、問題点を正確に把握できない可能性があります。社内だけで問題を解決しようとすると、既存の業務フローや慣習に囚われ、本質的な課題を見落としがちです。
しかし、外部のシステム開発コンサルに依頼すれば、専門的な知見をもとにアドバイスを受けられます。自社の問題を明確に把握し、適切な改善を行うことで、業務の効率化と生産性の向上が期待できます。
自社に適切なシステムを構築できる
汎用的なシステムを導入すると、自社の業務に適さない場合があり、効率の低下や思わぬトラブルが発生するリスクがあります。システム開発コンサルへの依頼によって、自社の業務内容やニーズを深く理解でき、最適なシステムを構築するためのサポートが受けられます。
また、業務フローや目標に応じたカスタマイズや、最適な技術選定を行うことで、最適なシステムの提案が可能です。これによって、システム導入後の運用もスムーズに進められます。
コスト削減につながる
自社だけでシステム開発を進める場合、下記のリスクがあります。
- 無駄な機能を追加してしまう
- 不適切な技術選定によるコストが増加する
システム開発コンサルを利用すれば、最適なリソース配分やコスト効果の高い技術選定が行われ、無駄を省いた効率的な開発が可能です。
また、無駄なハードウェアの排除やクラウドサービスの活用によるコスト削減が期待できます。トラブルや修正の少ないシステムの構築で、メンテンナンスコストも抑えられるため、長期的にコスト削減が可能です。
さらに、業務フローの改善で、人件費の削減にもつながります。
システム開発コンサルは、一般的に数百万円程度のコストがかかりますが、中小企業にとっても投資に見合うコスト削減効果が期待できます。
相談からシステム導入支援までサポートしてもらえる
システム開発には多くのステップがあり、それぞれのフェーズで適切な判断が求められます。コンサルがプロジェクト全体のサポートを行うことで、スムーズな進行が可能です。
たとえば、WM&Creators株式会社は、新規参入を目指す「カシモWiMAX」のサービス立ち上げをサポートした実績があります。
下記3点のアイデアと方針を提案し、サービスリリースを成功させました。
- 「シンプルで、安い=カシコい選択」という強みと他社との差別化を明確に伝えるデザイン
- 申込みフローや在庫管理、顧客管理など、必要最低限の機能のみを実装
- リリースまでのスピード感とPDCAサイクルの迅速な回転を重視した開発スタイル
当初はシンプルな機能のみの実装に焦点をあてていましたが、現在ではオペレーションやマーケティングに必要な機能も追加されています。結果として、モバイルWi-Fiルーターの業界でトップクラスの成長と圧倒的なポジショニングを確立しました。
このように、システム開発コンサルではシステム設計から、運用までの全段階で専門的なアドバイスが受けられます。システム開発・導入後のサポートも行っているため、一貫したサービスを受けられるのが魅力です。
システム開発コンサルに依頼するデメリット
システム開発コンサルに依頼する際は、下記のデメリットがあげられます。
- 費用が高くなる
- コンサルの質に左右される
それぞれ解説します。
費用が高くなる
コンサルの報酬は、専門的な知識や経験に基づくため、依頼する内容やプロジェクト規模によって費用が高くなる傾向があります。また、プロジェクトの進行中に追加のコンサルティングが必要になる場合、予算を超えるリスクもあります。
とくに中小企業では、コストパフォーマンスを慎重に検討することが大切です。依頼したい範囲と予算を明確にし、利用する際には費用対効果を考慮しましょう。
コンサルの質に左右される
優れたコンサルであれば、最適なシステム構築のための的確なアドバイスを受けられます。しかし、経験やスキル不足のコンサルに依頼すると、プロジェクトが混乱し、期待した成果が得られない可能性があります。
そのため、過去の実績やお客様からの評価を確認し、信頼できるコンサルを選ぶことが大切です。適切なコンサルを見つけることで、プロジェクトの成功率が大きく向上します。
コンサルを依頼しない場合の注意点
コンサルを依頼しない場合、下記に注意する必要があります。
- 自社に合わないシステムを導入する可能性がある
- システムの運用がうまくいかない場合がある
詳しく解説します。
自社に合わないシステムを導入する可能性がある
システムの選定には専門知識が必要で、社内だけで進めると業務フローや実際のニーズに合わないシステムを選ぶリスクがあります。システムが十分に機能せず、業務効率が低下する可能性があります。
また、適切でないシステムを導入すると、再度システムを見直す手間やコストが発生する場合も。そのため、システム選定の際は、専門的な知識をもつコンサルへの依頼がおすすめです。
システムの運用がうまくいかない場合がある
システムを効果的に運用するためには、適切な設定や運用手順の確立が不可欠です。しかし、専門知識が不足していると、システムが正しく機能せず、トラブルの発生や運用コストの増加につながる可能性があります。
また、社内に十分なITスキルがない場合、システムが本来のパフォーマンスを発揮できなくなることも考えられます。こうしたリスクを避けるためにも、適切なサポート体制を整えることが大切です。
システム開発コンサルの報酬体系
報酬体系は、下記3つに分類されます。
- 成功報酬
- 定額報酬
- 時間制
詳しく解説します。
成功報酬
システム開発プロジェクトが所定の目標を達成した場合にのみ、コンサルに報酬が支払われます。プロジェクトの成果に応じて報酬が決まるため、結果を重視した取り組みが期待できます。
ただし、成功の定義を明確にしておかないと、トラブルの原因になる可能性があるので注意が必要です。また、成功報酬型は初期コストを抑えられる一方で、高額になる場合があるため、リスクが伴います。
定額報酬
あらかじめ定めた金額をコンサルに支払う形式です。プロジェクトの期間や内容にかかわらず、契約時に合意した金額が固定されます。そのため、予算管理がしやすく、追加のコストがかからない点が魅力です。
範囲が明確に設定されていますが、プロジェクトが想定以上に複雑になった場合の支払いも必要ありません。ただし、プロジェクトが早期に完了した場合でも支払い額は変わらないため、コストパフォーマンスの観点から検討する必要があります。
時間制
コンサルがかけた時間に応じて報酬が支払われます。コンサルティング業務の進行に合わせて、毎月の請求が行われるため、柔軟な対応が可能です。
進行状況に応じて依頼できるので、細かな調整や追加作業が必要な場合に適しています。しかし、時間がかかるほどコストが増加するため、予算が膨らむリスクがあります。
時間管理が適切に行われないと、想定以上のコストが発生するため、慎重な計画が大切です。
システム開発コンサルの費用
費用相場は下記のとおりです。
項目 | 費用 |
プロジェクト型(成果報酬) | 売り上げまたはコスト削減額の20~50% |
顧問契約 | 100,000円〜200万円 |
スポットコンサル | 5,000円〜100,000円 |
詳しく解説します。
プロジェクト型(成果報酬)
プロジェクトの成功が報酬に直結する特徴があり、目標に達成した場合のみ、コンサルに報酬が支払われます。
売り上げもしくはコスト削減額に対して20~50%の報酬を支払うケースが多く、相場は依頼内容によって異なります。成果が得られなくても、最低手数料のみ徴収する場合が多いです。
たとえば報酬額を売り上げの30%と設定し、売り上げが150万円から200万円に増加した場合、コンサルの報酬は150,000円になります。
(200万円-150万円)×30%=15万円
プロジェクト型は、成功度や達成度合いによって報酬が変動するため、リスクを抑えられるメリットがあります。
顧問契約
月や年単位で契約を結び、必要なタイミングでコンサルを受けられる形式です。費用は100,000円から200万円と、依頼内容や契約期間によって大きく変動します。
契約期間中、コンサルが定期的に相談やアドバイスを提供し、システム運用や改善に関する支援を行います。通常は月額で設定され、月に数回のミーティングや定期的なレポート作成などが含まれる場合が多いです。
顧問契約は、継続的なサポートを必要とする企業に適しています。
スポットコンサル
時間単位でコンサルティングを行う形式で、費用はコンサルのレベルや対応時間によって異なります。プロジェクト型や顧問契約とは異なり、短期間で特定の問題解決にフォーカスしたアドバイスや支援が行われます。
報酬は時間単位や日単位で設定されることが多く、具体的な相談内容や対応時間に応じて料金が変動するのが特徴です。あとから実働時間を算出するケースや、事前に時間を決めて依頼するケースがあります。
時給払いのイメージに近く、費用は1時間あたり5,000円から100,000円が相場です。短期的なニーズに対応しているため、緊急性のある課題に対して最適なコンサルティングを受けられます。
システム開発コンサル業者を選ぶコツ
業者を選ぶ際は、下記のポイントを押さえましょう。
- 自社の事業分野の実績があるか
- 契約期間や報酬体系は問題ないか
- 業界知識やシステムの知見をもっているか
- コミュニケーションを円滑に取れるか
- 一括見積もりを依頼し、比較検討する
詳しく解説します。
自社の事業分野の実績があるか
自社の業界や業務に対する理解が深いコンサルは、ニーズに合ったシステムを提案しやすく、効果的な解決策を提供してくれる可能性が高いです。
これまでの実績や成功事例をチェックし、自社と同様の課題を解決した経験があるか確認しましょう。とくに、自社の業界特有の課題に対処した実績があるかが重要です。
契約期間や報酬体系は問題ないか
契約期間が長すぎると、予定外のコストが発生する可能性があるため、プロジェクトの規模や進行状況に合わせた適切な期間の設定が必要です。また、コンサルにはさまざまな報酬体系があるため、予算やプロジェクトの性質に合ったものを選びましょう。
料金の透明性が高く、納得できる契約内容であるかの確認が必要です。
業界知識やシステムの知見をもっているか
業界に精通したコンサルは、特有のニーズやトレンドを理解し、最適な技術やシステムを提案できます。また、最新の技術動向や効率的な方法を活用した提案を受けられるため、自社にとって効果的なシステム構築が可能です。
たとえば、株式会社Jiteraでは、AIシステム開発ツールを提供しています。生成AIを活用し、開発スピードを通常より3倍速くすることで、コスト削減を実現しています。
従来のシステム開発における工程を、すべてJITERAを活用して自動化が可能です。実際に、セキスイハイムやカルビーでも導入されています。
このように、コンサル会社を選ぶ際は、業界知識の豊富さと技術的な知見を併せもつコンサルを選びましょう。
コミュニケーションを円滑に取れるか
プロジェクトの進行中に発生する課題や変更に対して、迅速かつ適切に対応できるよう、コミュニケーションが円滑に取れるかを確認しましょう。定期的なミーティングや報告がスムーズに行われるか、コンサルの対応力や柔軟性も大切なポイントです。
信頼関係を築けるかどうかが、プロジェクトの成功に大きく影響します。
一括見積もりを依頼し、比較検討する
同じ要件でも、業者によって提案内容やコストが大きく異なる場合があります。一括見積もりの利用で、コストパフォーマンスの高い業者を選べます。
また、それぞれの業者の提案を比較し、自社に最適なコンサルを見極めることが可能です。選定時には、見積もり内容だけでなく、提案の質や信頼性も重視しましょう。
システム開発コンサル業者おすすめ5選
システム開発コンサル業者5選を紹介します。
会社名 | 強み |
株式会社Internnect |
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WM&Creators株式会社 |
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株式会社アイ・ブレーンズ |
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株式会社Jitera |
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株式会社funaku |
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それぞれ解説します。
株式会社Internnect
会社名 | 株式会社Internnect |
所在地 | 【東京オフィス】 千葉県市原市辰巳台東3-20-4 【札幌オフィス】 北海道札幌市中央区北1条西7丁目1-15あおいビル 6階 AB |
対応業務・得意分野 | 業務系システム・営業管理システム・Webサービスなど |
強み |
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プロジェクトごとに世界中から最適な人材を集め、高品質なサービスを提供しています。案件の規模やエリア問わずに、Webサービスの構築や業務フローの洗い出しなどのコンサルティングにも対応可能です。
提案力も高いため、構想段階や企画段階の時点から気軽に相談できます。
WM&Creators株式会社
会社名 | WM&Creators株式会社 |
所在地 | 東京都台東区浅草橋2-16-9 W Comple |
対応業務・得意分野 | Web系システム開発・制御系システム開発・業務系システム開発・既存システムのリニューアル・サーバー保守・クラウド型システムなど |
強み |
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東京都を中心に全国で営業を展開し、300件以上のシステム開発の実績をもつ会社です。
Web系・制御系・事務系システムに対応し、既存システムのリニューアルやサーバー保守も可能。短期開発案件にも柔軟に対応可能で、IT関連のコンサルティングも行っています。専門知識がないクライアントも安心して依頼できます。
株式会社アイ・ブレーンズ
会社名 | 株式会社アイ・ブレーンズ |
所在地 | 東京都武蔵野市西久保3-9-5 |
対応業務・得意分野 | Web系システム開発・制御系システム開発・業務系システム開発・既存システムのリニューアル・サーバー保守など |
強み |
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本社のある東京都を中心に展開しており、100件以上の実績があります。Web系や制御系、事務系など幅広いシステムの開発に対応可能です。
高い技術力があるため、難しい課題にも柔軟に対応してくれるのが魅力です。また、レスポンスや開発がスピーディなため、短期の開発案件を依頼したい場合に適しています。
株式会社Jitera
会社名 | 株式会社Jitera |
所在地 | 東京都渋谷区松濤1-28-2 |
対応業務・得意分野 | iOSアプリの開発・Androidアプリの開発・業務系アプリの開発・地図アプリの開発など |
強み |
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AI開発ツール「JITERA」を使用して、従来よりもスピーディかつコスト削減を実現しています。高品質な開発を可能にし、医療現場や大規模なシステム開発にも対応しています。
実際に、JITERA導入で年間3億円の売り上げ達成した実績もありました。また、豊富なエンジニア経験をもつコンサルが担当するため、細部にわたる相談が可能です。
株式会社funaku
会社名 | 株式会社funaku |
所在地 | 【本社】 宮城県仙台市青葉区一番町3-3-1 クラックス仙台4階 【大宮オフィス】 埼玉県さいたま市大宮区大門町2-20-2 TMO北棟207 【新横浜オフィス】 神奈川県横浜市港北区新横浜3-9-5 リブポート新横浜 B104 |
対応業務・得意分野 | 仕入管理システム・在庫・品目管理システム・勤怠管理システム・図面照会システムなど |
強み |
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経営企画の視点を活かしたシステム開発を行っており、保守運用やトラブル対応を得意としています。提案からの受注率は70%を超え、経営コンサルとして培ってきた知見を活かした高い提案力が特徴です。
お客様の目的と課題を整理したうえで、最適なソリューションを提供します。
まとめ:一括見積もりで自社に合う業者を選び、システムの最適化やコスト削減を目指そう
システム開発コンサルは、企業の課題や目的に合わせたシステム設計を行う専門業務です。
コンサルを依頼する際は、複数の業者に一括見積もりを依頼し、自社のニーズや予算に最適なコンサルを選ぶことが重要です。業者ごとの提案内容や費用を比較することで、コストを削減しながら最適なシステムを構築するための手がかりが得られます。
また、信頼性の高いコンサルを選ぶことで、プロジェクトがスムーズに進行し、システムの効率化や業務の改善が期待できます。適切な業者選定を選び、長期的に企業の成長を支えるシステムを実現しましょう。
この記事を書いた人
hata