システム開発における実施項目の優先順位を決めるコツ
公開日:2021.05.12 最終更新日:2023.11.14
システム開発において、すべての要望を実現することは不可能です。だからこそ、優先順位を決める必要があります。
優先順位を決めないと、プロジェクト進行中にどのタスクを優先するべきか、そもそもアプリの目的は何なのかといったように、ゴールを見失ってしまいます。とはいっても優先順位の重要性がいまいちわからない、決めるタイミングはいつなのか、決めるコツがあるのかなどと、疑問を抱く方もいるでしょう。
そこで本記事ではシステム開発における優先順位の重要性について解説します。優先順位を決めるコツについても詳しく解説していますので、優先順位で悩んでいる担当者はぜひ参考にしてください。
システム開発における“優先順位”の重要性
システム開発における優先度の重要性についてわからない方も多いのではないでしょうか。基本的にシステム開発において、すべての要望を実現するのは困難です。だからこそ、優先順位を決める必要があります。
優先順位は、各部門の状況や予算、周囲の環境を考慮して判断しなければならないため、簡単に決められるものではないでしょう。しかし優先順位を決めないでいると、システム開発の目的が曖昧になり、プロジェクトの進行がスムーズにいかなくなります。
実際、成功するシステム開発は優先順位を決めて、それに従って開発を進めていく傾向にあります。システム開発を成功させるためにも、優先順位は必ず決めておきたいものです。
優先順位を決めるタイミング
優先順位を決めるといっても、タイミング次第では決めるのが難しいこともあるでしょう。
結論から述べると、基本的に優先順位はプロジェクト開始時に決めるべきです。
プロジェクトの開始時に決めないと、システムの内容を決められなかったり、ゴールが定まらなかったりするためです。プロジェクトの開始タイミングで優先順位を決めて、必要な機能と不必要な機能について振り分けましょう。
もしも優先順位を決めるのが、どうしても難しい場合は、フレームワークを用いるのが効果的です。フレームワークと聞くと枠にとらわれていると思うかもしれませんが、極めて合理的な考え方であり、適切な判断をできる可能性が高くなります。
フレームワークにはさまざまなものがありますが、価値と手間を基準にしたり、利益率の高さと低さで考えたりするものもあります。どのフレームワークが適しているかは各社の状況によって異なるため、状況に応じて使い分けをしましょう。
システム開発の優先順位を決めるコツ
ここでは、システム開発の優先順位を決めるコツも紹介します。具体的なコツとしては以下の4つです。
- コツ①実施項目の優先度を評価する
- コツ②優先順位は開発要件を数値化して決める
- コツ③工数概算を出しておく
- コツ④起案者だけが優先度を決めないようにする
システム開発の優先順位の決め方がわからない、スムーズに進まないと悩んでいる方は、これから紹介する内容を押さえることで改善する可能性があります。
それでは実際に、それぞれのコツについて詳しく見ていきましょう。
コツ①実施項目の優先度を評価する
品質コスト、納期の3つに分けて、どの項目を優先するべきか、またどのような理由で優先されるべきかを評価しましょう。例として、コストをかけなくても再現できるものであれば、コストを優先せずに品質・納期を優先できます。
一方、既存のパッケージを使用すれば、時間をかけずにシステムの実現ができます。したがって、品質・コストの優先が可能です。自社の状況や、実現したいサービスの重要度を加味したうえで、実施項目の優先度を評価しましょう
コツ②優先順位は開発要件を数値化して決める
2つ目のコツは、優先順位は開発要件を数値化して決めることです。例えば、プロジェクト・ポートフォリオ・マネジメントツールを活用すれば、システム開発における各要件を自動で点数化してくれ、優先順位が決めやすくなります。
システムが数値化するため1人の意見に囚われず、公平な判断をしやすく、周囲の納得も得やすいでしょう。
とはいっても、あくまでこれらのツールは「数値」を算出するものです。優先順位を判断するときは数値だけではなく、自社の状況や周囲の環境も考慮する必要があります。
周囲が納得できる判断基準を設ければ、優先順位をスムーズに決められるでしょう。
コツ③工数概算を出しておく
続いてのコツは、工数概算を出しておくことです。工数概算によって、プロジェクトが始まる前に必要なリソースや人員、期間、費用などを適切に設定できます。これによってプロジェクト進行中に原価割れを起こしていないか、このままスケジュール通り進行できるかの判断ができるようになります。
なかには「このタスクが終わっていないのだから、概算なんてできない」と思う方もいるでしょう。ただしあくまで概算であり、必ず当てる必要はありません。
また、経験者がいれば、どのぐらいのリソースが必要なのかは大まかにわかるようになるものです。とにかく優先順位をつける際は、工数概算をするようにしましょう。
コツ④起案者だけが優先度を決めないようにする
最後のコツは、起案者だけが優先順位を決めないようにしましょう。そもそも、これまで紹介したことを踏まえると、優先順位の決め方は至ってシンプルです。
工数概算を行い、予算内のものが優先順位が高く、それ以外のものは低いとみなされるだけです。
しかし、起案者はその案の準備に時間をかけており、思い入れがあります。そのなかで起案者が優先度を決めるとなると、当然やりたいという思いが勝ってしまいます。
したがって、バイアスのかかっていない、起案には一切関与していないリーダーが優先度を決めるのが理想です。
目的ごとの優先順位の決め方
システム開発を行うにあたり、何を目的にするかにより優先順位が異なります。
大きな目的でとしては品質面・コスト面・納期面があげられ、まず何を重視するかを決めましょう。
ここでは、それぞれの目的別の優先順位を解説します。
高品質・高機能を目的とする場合
高品質・高機能なシステムを開発したい場合、まずはデザインの評価やユーザビリティ設計などに対しての体制を整えましょう。
具体的には、市場調査やユーザーアンケートなどでデータ収集をおこなってから、設計に取り組むべきといえます。
十分なデータ収集をおこなわず開発を進めてしまうと、ユーザーに満足してもらえないシステムになり、修正や改善に余計なコストがかかってしまう可能性もあります。
したがって必要なデータ収集や、十分な開発期間と予算を確保し、しっかり計画を立ててシステム開発に取り組みましょう。
低コストを目的とする場合
低コストでシステム開発したい場合、できる限り既存のテンプレートやパッケージを利用しましょう。
なぜなら、ゼロから開発するよりも既存のシステムを活用し開発した方が予算を抑えられるからです。
また自社開発でコストがかかり過ぎてしまう場合、オフショア開発も視野に入れるとよいでしょう。
オフショア開発とは、海外の開発会社や子会社に開発業務を委託することで、相場よりも開発コストを抑えられるケースが多いです。
短納期を目的とする場合
短い期間でシステムを完成させることが目的の場合、コミュニケーションがリアルタイムで図れるかを確認しましょう。
またプロジェクト管理ツールなどを活用し、随時進捗状況を確認できる体制にすることが大切です。
単価は高くなりますが、社内調整に時間をかけないためにも能力の高い少数精鋭の開発会社に依頼するとよいです。
自社開発する場合でも、既存のテンプレートやパッケージを活用することで、開発スピードを上げることもできます。
目的に合わせた優先順位を定めてシステム開発を行おう
以上、システム開発における優先順位の着目する項目と評価指標について解説しました。
優先順位を決めるために、まずはどのようなシステムを開発したいかの目的を明確にしましょう。
目的に対して何を優先させるべきかを判断することが大切です。
「システム開発を検討しているけれど、優先順位についてよくわからない」
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この記事を書いた人
編集部員 濵岸
編集部員の濵岸と申します。コンテンツ作成と取材を主に担当しております。身長が低いため学生時代は「お豆」と呼ばれていました!豆らしく、皆様の役に立つ記事を「マメに豆知識を!」の意識で作成します!どうぞよろしくお願いいたします!